JPS6212233Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の技術分野〕 本考案は前及び後の両棚から構成して伸縮可能
にした冷蔵庫等の棚装置に関する。

〔考案の技術的背景〕

この種の棚装置としては、例えば前棚及び後棚
を夫々略矩形の棚枠に前後に多数の支持桟を架設
して構成し、両棚を前棚の後枠部が後棚の支持桟
の下方に位置し且つ後棚の前枠部が前棚の支持桟
の下方に位置するようにして組合わせて冷蔵庫内
に配設する構成のものがある。このものでは、前
棚を後方に移動させることで前棚による上下の仕
切りを無くすことができるので、その下段の棚に
例えば背の高い壜類を載置できて好都合である。

〔背景技術の問題点〕

ところが、上記従来構成のものでは、前棚を一
杯に前方に引き出して伸長させた通常の使用状態
において、前棚は何ら拘束されておらず容易に後
方に移動してしまうため、該棚に貯蔵物を出入れ
する際等に前棚が不用意に動いてしまうという欠
点があつた。

〔考案の目的〕

そこで、本考案の目的は、伸長状態において前
棚が不用意に動いてしまうことを防止できる冷蔵
庫等の棚装置を提供するにある。

〔考案の概要〕

本考案は、前棚の後枠部及び後棚の前枠部のう
ちの一方に伸長時において他方に係脱可能に係合
する連結具を設け、伸長時に前棚と後棚とを連結
するところに特徴を有するものである。

〔考案の実施例〕

以下本考案を冷蔵庫の棚装置に適用した一実施
例につき図面を参照して説明する。まず第１図に
おいて、１は冷蔵庫外箱で、これの内部には上か
ら順に冷凍室（図示せず）、冷蔵室２及び野菜室
（図示せず）を形成している。３は冷蔵室２内の
上部に上下２段に配設した全体に前方に引出し可
能なスライド棚、４はこのスライド棚３と冷蔵室
２の底部２ａとの間に配設した本考案に係る棚装
置である。この棚装置４は、詳細には第２図乃至
第１０図に示すように構成している。即ち、５及
び６は棚装置４を構成する夫々前棚及び後棚で、
前棚５は共に左右に延びる前枠部７及び後枠部８
間に前後に延びる多数の支持桟９を架設して成
り、また後棚６は鋼線材製の矩形枠体１０の前枠
部１１と後枠部１２との間に前棚５と同様な多数
の支持桟９を前後に架設して成るものである。そ
して、前棚５の後枠部８を後棚６の支持桟９の下
方に位置させ且つ後棚６の前枠部１１を前棚６の
支持桟９の下方に位置させるようにし、もつて両
棚５，６を前後に相対的に移動させることにより
第２図に示す伸長状態と第１０図に示す収縮状態
とに変化させ得るようにしている。また、この棚
装置４は、前棚５の化粧前枠部７の両端部に設け
たスライドブツシユ１３（一方のみ図示）と後棚
６の矩形枠体１０の左枠部１０ａ及び右枠部（図
示せず）とを、冷蔵室２の左右両内側壁に前後に
延びるよう突設した棚受突条１４上に載置し、も
つて各棚５，６を前後にスライドできるようにし
ている。１５は後棚６の支持桟９の後端部を上方
に折曲して形成した立上り部で、これは棚装置４
を前棚５が冷蔵室２外に位置するよう前方に引き
出したとき冷蔵室２の左右両内側壁に突設したス
トツパー１６に当接してそれ以上の前方への引出
しを阻止するものである。１７は例えばプラスチ
ツク等の弾性材製の連結具であり、これは第３図
及び第４図に示すように、下方に幅狭開口部１８
を有する略円筒状の取付部１９と、この取付部１
９の前方に一体に形成した上方に開放する略半割
り円筒状の弾性係合部２０とを備え、取付部１９
を前棚５の後枠部８に幅狭開口部１８を通して弾
性的に嵌め込むことにより取付けられている。そ
して、この取付状態において、取付部１９の上部
に後方に向けて一体に突設した当接片２１が後棚
６の支持桟９に下方から当接し、連結具１７の第
３図中矢印Ａ方向への回動を阻止するようにして
いる。２２は弾性係合部２０の前方に斜め下向き
に延設した案内片であり、これは棚装置４の収縮
状態から前棚５を前方に移動させると後棚６の前
枠部１１に当接して弾性係合部２０を弾性的に拡
開させ、もつて該弾性係合部２０を前枠部１１に
係合させるよう案内するものである。２３は吊り
具で、これは第５図に示すように幅狭開口部２４
を有する一対の略円筒状の取付部２５，２５間を
逆Ｕ字状の摺動部２６により一体に連結して成
り、摺動部２６を後棚６の支持桟９に上方から被
せた状態で取付部２５，２５を前棚５の後枠部８
に嵌着して取付けられ、棚装置４の収縮状態にお
いて摺動部２６が後棚６の支持桟９により支えら
れるようになつて前棚５の後枠部８を吊下げ状態
に保持するものである。また、この吊り具２３
は、棚装置４を伸長状態にして連結具１７の弾性
係合部２０を後棚６の前枠部１１に係合させたと
きには、第６図に示すように摺動部２６と後棚６
の支持桟９との間に隙間Ｂが生じるようになつて
いる。

次に上記構成の作用を説明する。まず、第２図
に示す伸長状態では、前棚５の後枠部８に取付け
た連結具１７の弾性係合部２０が後棚６の前枠部
１１に係合しているため、前及び後の両棚５，６
は一体的な結合状態にある。従つて、棚装置４に
貯蔵物を載置する場合に前棚５に後向きの力が作
用しても前棚５が不用意に後方に動いてしまうこ
とはなく、頗る使い勝手がよい。また、第２図に
示す状態から前棚５を手前に引くと、後棚６の支
持桟９の立上り部１５が冷蔵庫２の左右両内側壁
のストツパー１６に当接するまで棚装置４全体が
前方に引き出される（第７図参照）。このように
すれば、貯蔵物の載置・取出しを容易に行うこと
ができ、しかもこの状態でも前及び後の両棚５，
６が連結されているから前棚５の不用意な移動を
防止できる。また、この状態から前棚５の化粧前
枠部７を後方に押すと、連結具１７による結合が
外れることなく棚装置４全体が後方に移動して第
２図に示す状態に戻る。このとき、前棚５を押圧
することにより連結具１７の弾性係合部２０に後
棚６の前枠部１１から連結具１７を第３図中矢印
Ａ方向に回動させようとする力が作用するが、連
結具１７は当接片２１が後棚６の支持桟９に下方
から当接して同方向への回動が阻止されているた
め、弾性係合部２０の前枠部１１に対する係合が
維持され、従つて棚装置４は伸長状態を保つたま
ま後棚６が前棚５と共に後方に移動するものであ
る。而して、棚装置４を第２図の伸長状態から第
１０図の収縮状態にするには次のようにする。即
ち、まず前棚５の前部を少し持ち上げる。これに
より、前棚５の後枠部８が吊り具２３の摺動部２
６と後棚６の支持桟９との間の隙間Ｂ分だけ下方
に下がるようになり、これと共に連結具１７も下
方に移動するため連結具１７の当接片２１と後棚
６の支持桟９との間に隙間Ｃが生じる（第８図参
照）。この後、前棚５を前上り状態のまま後方に
軽く押すと、連結具１７の弾性係合部２０に後棚
６の前枠部１１から連結具１７を矢印Ａ方向に回
動させる力が作用するため、当接片２１が支持桟
９に当接するまで連結具１７が矢印Ａ方向に回動
し弾性係合部２０の前枠部１１に対する係合が浅
くなる。（第９図参照）。そして、前棚５を更に押
圧することにより、僅かに弾性係合部２０が弾性
的に拡開変形するようになつて前枠部１１との係
合が完全に外れる。この後、吊り具２３の摺動部
２６が後棚６の支持桟９上を後方に摺動しつつ第
１０図に示す収縮状態に至る。このようにして棚
装置４の前方に開放部分を形成したならば、この
開放部分に上部を位置させるようにして下段の冷
蔵庫底部棚２ａに背の高い壜等を収納することが
できる。

〔考案の効果〕

本考案は以上述べたように、夫々前後両枠部間
に前後に多数の支持桟を架設し一方の棚枠の他方
側枠部を他方の支持桟の下方に位置させるように
して組合わされた前及び後の両棚から成り、各棚
を前後に移動することにより伸縮可能に構成した
ものにおいて、前記前棚の後枠部及び前記後棚の
前枠部のうちの一方に伸長時において他方に係脱
可能に係合する連結具を設けたところに特徴を有
し、この結果、伸長時において前棚と後棚とを一
体的な結合状態にできるから、物品の載置時等に
前棚が不用意に動いてしまうことを防止できて使
い勝手が良い冷蔵庫等の棚装置を提供し得る。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示し、第１図は全体
の斜視図、第２図は棚装置の拡大斜視図、第３図
は連結状態の連結具の拡大縦断側面図、第４図は
連結具の斜視図、第５図は吊り具の斜視図、第６
図は吊り具の取付状態の側面図、第７図は第２図
とは異なる状態で示す棚装置の拡大斜視図、第８
図及び第９図は第３図とは夫々異なる状態で示す
連結具の拡大縦断側面図、第１０図は第２図とは
異なる状態で示す棚装置の斜視図である。 図中、５は前棚、６は後棚、８は後枠部、９は
支持桟、１１は前枠部、１７は連結具である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 夫々前後両枠部間に前後に多数の支持桟を架設
   し一方の棚枠の他方側枠部を他方の支持桟の下方
   に位置させるようにして組合わされた前及び後の
   両棚から成り、各棚を前後に移動することにより
   伸縮可能に構成したものにおいて、前記前棚の後
   枠部及び前記後棚の前枠部のうちの一方に伸長時
   において他方に係脱可能に係合する連結具を設け
   たことを特徴とする冷蔵庫等の棚装置。