JPS62118986A - 表面疵のないＮｉ基合金クラツド鋼板の製造方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 く産業上の利用分野〉 この発明は、Ｎｉ基合金をクラッドし几クラッド鋼板の
製造方法に保シ、とぐに表面疵のないＮｉ基合金クヲツ
ド鋼板の製造方法に関する。

〈従来の技術〉 Ｎｉ基合金は、一般炭素鋼はもとよシ、各種ステンレス
鋼とくらべても、耐食性において遥かに勝るものでｆｊ
す、近年、とぐに各種の化学工業用材料あるいはｃｚ−
、ＣＯＪ　、　ＨＪＳ等の腐食要素を含む環境に晒され
る油井、ガス井用材料等として注目されるよりになつｔ
ｏ ところがＮｉ基合金は、周知のとおり高価なＮｉを多量
に含むことから、価格の点で決定的に不利であり、ここ
にクラッド材としての利用が考えられてくる。すなわち
、耐食性はいわば表面特性であることから、材料の内部
を炭素鋼、低合金鋼とし、表層部にだけＮｉ基合金をお
くというもので、コスト低減には有益な手法である。

〈発明が解決しようとする問題点〉 しかしながらこの適用には、次のような問題がある。す
なわち、上記の如き金属（合金）の組合せになるクラッ
ド鋼の製造は、熱間圧延法によるのが一般である。これ
は、母材（炭素鋼、低合金＃）に合せ材としてのＮｉ基
合金板金、それらの間にインサート材（Ｍｉ箔）を介在
させて溶接組立し、これを、真空脱気後熱間圧延にかけ
て母材と合せ材を相互接合させる方法である。ところが
、一般にＮｉ基合金は熱間加工性が非常に悪く、このた
め上記製造工程における熱間圧延によシ、割れや表面疵
の発生が惹起される結果となり、このようなことから品
質のよいＮｉ基合金クフッドＷ４を安定的に製造するの
はきわめて困難なことになるのである。

不発明は、熱間圧延法により表面疵を出さずにＮｉ基合
金クヲツド鋼板を製造することができる方法を提供しよ
うとするものである。

く問題点を解決する九めの手段・作用〉ここでまず、Ｎ
ｉ基合金の成分組成そのものについて考えてみると、こ
の種合金は通常、とくに高温特性の観点から、Ｔｉ、　
Ｎｂ、　ｋｔの添加が行われている。これは、メカニズ
ム的には、γ（Ｎｉｘ（Ａｔ、　Ｔｉ）　）　、γ（Ｎ
ｊ−ＪＮｂ　）といつ定規則相の析出によって高温強度
、附クリープ特性を改善するというところに狙いがある
が、このγ、γ規則相の析出は、反面、材料の硬化につ
ながるもので、熱間加工性の面からは、歓迎すべきこと
ではない。

クラッド鋼に供する場合の↓うに、熱間加工性がことの
他重要視される場合にはし九がって、こうし−ｔｐ−’
ｆｉ、　Ｎｂ、　Ａｌの添加はまず第１に、避けなけれ
ばいけない。

ところで、上記γ、γ規則相析出による材料の硬化（脆
化）は、７００〜９００’Ｃの温度域での現象であるが
、Ｎｉ基合金はこの温度帯以外にも、１０００〜１１０
０℃付近において割れ金おこす傾向がある。この現象に
ついては、発明者らの詳細な実験研究の結果、オーステ
ナイト合金に特有の、結晶粒界近傍に局所的に生じる動
的再結晶（以下、局部的再結晶という）に起因して粒界
割れが生じるものであることが明らかとなつ几。

そこで発明者らは、この局部動的再結晶による粒界脆化
を防止する有効策を見出すべく、更に実験、研究を行つ
九結果、その粒界脆化の度合は結晶粒の大きさに依存し
、粒径サイズを細かくしてやることが、粒界脆化の防止
に有効であること、そしてそのような細粒化は、予め一
定以上の圧下率の冷間圧延を行っておくことで実現され
得ること、以上のような知見を得九。

すなわち本発明は、以上のような知見に基づくものであ
って、熱間圧延法によるＮｉ基合金クフッド鋼板の製造
において、合せ材として、Ｎｉ２０〜４０ｗｔ％、Ｃｒ
１５〜８０ｗｔ％、Ｍｎ０．５〜２．。

ｗｔ％、Ｍｏ１．０〜５．　Ｏｗｔ％、残シＦｅおよび
不可避的不純物よシなるＮｉ基合金を用い、これを予め
圧下率２０％以上の冷間圧延を行つｔのち母材（炭素鋼
、低合金Ｍ）にＮｉインサート材とともに溶接組立し、
真空脱気後これを、１１００’Ｏ以下の温度域に加熱し
仕上温度６００℃以上で熱間圧延することを特徴とする
Ｎｉ基クツツド鋼板の製造方法を要旨とする。

上記方法によれば、表面疵、割れのない高品質のＮｉ基
合金クラッド鋼板を安定的に製造することが可能である
。

以下、本発明の方法金、第１図の工程説明図を３照しな
がら具体的かつ詳細に説明する。

・使用する材料としては、母材（１）、合せ材（２］、
そしてインサート材（３）である（■工程参照）。まず
母材（１）は、炭素鋼、低合金鋼とする。鋼種は、クラ
ッド鋼板の用途を考慮して選定され、耐食性以外の所要
の特性（強度、伸び、靭性）が確保されるように決めら
れる。炭素鋼、低合金鋼以外では、コストが嵩みクラッ
ド鋼としての経済的メリットが減殺されることになる。

合せ材（２１としては、Ｎｉ基合金を使用し、その成分
組成は、以下のものとする。

Ｎ’１２０〜４０ｗｔ％　　Ｃｒ１５〜８０ｗｔ％Ｍｎ
０．５〜２．０ｗｔ％　　Ｍｏ１．０〜５．　ＯＷｔＸ
ＡｔＯ，０５〜０．００５ｗｔ％　残実質的にＦｅ上記
成分組成は、Ｎｉ基合金の耐食性を重視し、熱間加工性
に不利なｒ、γ規則相の析出をなくす九めに、Ｔｉ、Ｎ
Ｙ）および過度のＡ４の添加を避けるよう考慮し九もの
で、各成分についての限定の理由としては、次のとおり
である。

Ｎｉ　：　Ｎｉはオーステナイト相の安定化と酎食性の
向上、強度の維持の几めに添加するもので、この目的に
は２０ｗｔ％以上を必要とするが、４０ｗｔ％をこえる
と熱間加工性が劣化すると共に材料の水素脆化感受性が
高くなる。

Ｏｒ　：　Ｏｒは酎食性の見地から添加するもので１５
ｗｔ％以上の添加を必要とするが、８０ｗｔ％をこえる
と材料の延性が劣化し、圧下率２０％以上の冷間圧延が
困難になる。

Ｍｎ　：　Ｍｎは不純物元素Ｓを硫化物（Ｍｎ　Ｓ　）
として固〉茎する定めに添加する。この目的の九めに０
．５ｗｔ％以上の添加を必要とするが、２，９ｗｔ％を
こえる添加は必要でなく、熱間圧延時の粒界脆化をひき
おこす原因ともなるので、多量添加は避けるべきである
。

ＭＯ：ＭＯは耐食性の見地から添加するもので、１．０
ｗｔ％以上の添加全必要とするが、５．　ｃ）　ｖｒｔ
、ＸをこえるとＯｒと同様冷間加工性を劣化させる。

ｋｌ　：　Ａｔは脱酸剤として添加するもので、この目
的のためには、Ｑ、Ｑ９５ｗｔ％以上の添加が必要であ
るが、Ｑ、Ｑ５ｗｔ％以下の添加で十分である。

使用する母材、合せ材の厚みは、特に規定する必要はな
い。

・製造工程としては、溶接組立（１２５工程）に先立ち
、上記合せ材（２）を予め、冷間圧延にかける。これは
、先にも述べ皮ように、後述の熱間圧延の過程における
Ｎｉ基合金の脆化、すなわち１０００〜１１００℃付近
における局部動的再結晶による粒界脆化を防ぎ、同温度
域での圧延による割れの発生を回避するｔめのもので、
この冷間圧延は、熱延の加熱によって生じる再結晶粒全
細粒化し、こ□れを通して上記目的を達成するものであ
る。圧下率としては、少なくとも２０％にすべきである
。

これ未満では、熱延加熱時十分な細粒が得られず、所期
の目的が有効に達成されない。

・冷間圧延を施し九あと、このＮｉ基合金材（２）を、
θ工程に示すように母材（１）にインサート材（３）ヲ
介して重ね合せ、この８者を両側端面において洛接しＣ
Ｉ＠接部ヲ（４）で示す）一体に組立る。

・次いでこの積層体（ロ）を、真空脱気（各層間の空気
全完全に排除して、熱延による相互接合をｉ＊にする）
した上で、Ｏ工程の熱間圧延に回す。熱間圧延は、もと
より母材（１）と合せ材（２）とを接合させる工程であ
り、この場合の加熱温度としては１１００’Ｏ以下とす
る。これは、炭素鋼ま几は低合金鋼−Ｎｉ基合金の組合
せでは、接合の九めの熱延の温度は１１００℃以下で十
分で、むしろこれをこえるところでは、Ｍ基合金が結晶
粒界に存在する硫化物、リン化物の溶融によって脆化を
来たすおそれがあり、表面疵の発生につながる危険が生
じてくる。１１００℃以下の温度領域であれば、予め＠
工程で冷間圧延音節されているＮｉ基合金は、細かい再
結晶粒を生じることから、実質的に脆化をおこさず、圧
延による割れ、表面疵発生の事態は回避されるものであ
る。この仕上温度については、母材、合せ材について熱
延に必要な最低限の変形能全維持するという意味におい
て、少なくとも６０Ｑ”Ｃとする必要がある。

なお、熱間圧延の圧下率については、とくに限定はしな
いが、熱延による圧着によって十分な母材と合せ材の接
合強ｆｆ？得る丸めに、４０％以上とするのが望ましい
。

〈実施例〉 第１表に示す８種のＮｉ基合金（８）〜（０の熱延板（
スケール酸洗除去）を合せ材とし、まずこれに第２表に
示す各圧下率の冷間圧延を施して（一部実施せず）、何
れも６藺厚とし比。この各合せ材を次いで、厚さ９０”
！の母材（低合金構造用鋼：００．１２％−５１ｏ、ｓ
ｓ％−Ｍｎ　０．８５５（、−Ｎｉ　Ｏ，０５％−３０
，００７％−Ｆｏ、０２１％−〇ｒ０．３５％−８Ｏ１
Ａ１０．０８２％）に、１５０μ厚のＮｉ箔ｔインサー
ト材として溶接組立し、これを真空脱気後、加熱温度、
仕上温度を同表の条件にして熱間圧延し、全厚２０ｇｍ
に仕上げ友。

こうして得られ次りクツド鋼板について、それぞれその
Ｎｉ基合金表面をエメリーベーパで研磨してスケール除
去後、更にパフ研磨全行い、同面の、無作為に設定した
１０ケ所について疵の発生状況を観察し、単位面積当り
の疵の発生頻度を求めた。結果は、第２表の浸潤に示す
とおシであつ第　　　　２　　　　表 注）Ｘ／：本発明例、　Ｘコニ比較例 上表に明らかなように、合せ材に予め２０％以上の圧下
率で冷間圧延を施し九本発明例（Ｘ／）は、何れも表面
疵が皆無であつｔｏ これに対し、同冷間圧延の圧下率が２０％未満あるいは
その圧延そのものを実施しなかつ次比較例（ＸＪ）では
、その全てにおいて表面疵が認められた。

〈発明の効果〉 以上の説明から明らかなように本発明は、熱間圧延法に
よるＮｉ基合金クフッド鋼板の製造において、Ｎｉ基合
金に表面疵が発生するのを確実に防止し、高品質のＮｉ
基合金クラッド鋼板の安定製造を可能ならしめる効果が
あシ、しかも採用する手段としては合せ材としてのＮｉ
基合金を予め冷間圧延しておくというだけの、きわめて
実施容易なものであるから、実用上著しく有意義な発明
ということができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明法によるＮｉ基合金クラッド鋼板製造の
手順を示す工程説明図である。 図中、ｌ：母材、２：合せ材、８：インサート材、４：
ｆ＃接部 第　　１　　図

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. （１）炭素鋼または低合金鋼を母材に、Ｎｉをインサー
   ト材としてＮｉ基合金を熱間圧延によつて接合するＮｉ
   基合金クラッド鋼板の製造において、合せ材として、Ｎ
   ｉ２０〜４０ｗｔ％、Ｃｒ１５〜３０ｗｔ％、Ｍｎ０．
   ５〜２．０ｗｔ％、Ｍｏ１．０〜５．０ｗｔ％、残りＦ
   ｅおよび不可避的不純物よりなるＮｉ基合金を用い、こ
   れを予め圧下率２０％以上の冷間圧延を行つたのち母材
   にインサート材とともに溶接組立し、真空脱気後これを
   、１１００℃以下の温度域に加熱し仕上温度６００℃以
   上で熱間圧延することを特徴とする表面疵のないＮｉ基
   合金クラッド鋼板の製造方法。