JPS6211731Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分 本考案は、上下方向に亘り多段に物品支持板を
備え、その物品支持板に書籍の如き物品を載置し
た状態で床上を自由に走行しうるブツトラツクの
如き運搬車に関するものである。

従来技術および考案が解決しようとする問題点 物品支持板上に物品を無秩序に多数積重ねる
と、下方の物品を簡単に取出すことができず、こ
れを解消するために、物品支持板を上下方向に亘
り多段に固定した従来の運搬車では、最上段の物
品支持板への物品の載置や取出しは簡単であるも
のの、それより下方の物品支持板への載置、取出
しはその上方の物品支持板によつて邪魔されて出
納員は腰を屈めなければならない。このため出納
員の作業疲労度が高く、作業能率も低かつた。

問題点を解決するための手段および作用 本考案はこのような難点を克服した運搬者の改
良に係り、床上を自由に走行しうる運搬車におい
て、前後側板間で少なくとも上下二段に物品支持
板を設け、上段の物品支持板を、左右側縁の中央
部が矩形状に欠除された固定甲板と、同欠除部に
嵌合され同欠除部の奥部にて前記左右側縁と平行
な線を中心として水平状態より上方へ揺動自在に
枢着された揺動甲板とより構成し、前記上段の物
品支持板の固定甲板と、前記最下段の物品支持板
との各前後端縁は前記前後側板の内面に一体に固
着されて剛性を有する枠体を構成し、同剛性を有
する枠体の下部に車輪を設けたため、前記最上段
の物品支持板上の物品を取出した後、該最上段の
物品支持板を上方に揺動させることにより、出納
員が腰を落とさなくても、これより下方に位置し
た物品支持板上に物品を載置しまたは取出すこと
ができ、その後、前記最上段の物品支持板を下方
へ揺動させることにより、この物品支持板上に物
品を載置することができる。

実施例 以下第１図ないし第４図に図示された本考案の
一実施例について説明する。

１は最下段の物品支持板たるブツクトラツク底
板で、同低板１の前後両端縁に側板２が直角に立
設され、同側板２の内側面上方中央に中仕切板３
の両端縁が上下鉛直面に沿つて一体に張設されて
いる。

最上段物品支持板４は、低板１の矩形木板の前
後端縁５から所定の距離を存した個所で左右側縁
６より前後端縁５に沿つて矩形木板の左右幅の半
分の長さ以下の長さの切れ目７をこの矩形木板に
入れ、この切れ目７の内端から矩形木板の中央に
向い左右側縁６と平行な切れ目８をこの矩形木板
に入れることによつて、前後端縁５を備えた固定
甲板９と、切れ目７，８で分離された矩形状の揺
動甲板１０とで構成され、揺動甲板１０は切れ目
８に付設された蝶番１１を介して固定甲板９に水
平状態より上方へ揺動自在に枢着されている。

また前記中仕切板３の下縁に隣接して第２段の
物品支持板たる揺動棚板１２が側板２の内側面か
ら突設されたピン１３に水平状態より上方へ揺動
自在に枢着されている。

さらに前記底板１の四隅にはキヤスター１４が
鉛直面を中心に旋回自在に枢着されている。

さらにまた前記前後側板２の外側面上部に把手
１５が一体に付設され、同側板２の外側面下部両
端に緩衝ゴム１６が貼着されている。

なお１７は揺動棚板１２を鉛直跳ね上げ状態に
吸着するように中仕切板３に設けられた吸着磁石
である。

第１図ないし第４図に図示の実施例は前記した
ように構成されているので、前記ブツクトラツク
に書籍が全く収納されていない状態で、同ブツク
トラツクに書籍を満載するには、前記揺動甲板１
０および揺動棚板１２を上方に跳ね上げた後、底
板１に書籍（図示されず）を載置し、次に揺動棚
板１２を水平に倒してその上に書籍を載せ、最後
に揺動甲板１０を水平に倒してその上および固定
甲板９の上に書籍を載置すればよい。

また書籍を満載した前記ブツクトラツクから書
籍を取出すには、前記したと逆の作業をすればよ
い。

さらに前記ブツクトラツクの最上段の物品支持
板４および中段の揺動棚板１２に書籍を載せるに
は、前記揺動甲板１０のみを上方に跳ね上てか
ら、揺動棚板１２上に書籍を載せ、次に揺動甲板
１０を水平に倒し、固定甲板９および揺動甲板１
０よりなる最上段物品支持板４の上に書籍を載置
すればよく、また逆の場合には、前記した作業と
逆の作業をすればよい。

さらにまた運搬すべき書籍が少ない場合には、
前記揺動甲板１０を水平に倒したまま、同揺動甲
板１０および固定甲板９上に書籍を載せればよ
い。

このように運搬すべき書籍量の多寡に応じて前
記した作業を行えば、出納作業員は腰を曲げずに
必要最小限の労力で能率良く楽に書籍の出納業務
を遂行することができ、特に通路幅の狭い棚通路
にブツクトラツクが位置した場合に、前記効果が
顕著である。

また底板１にキヤスター１４が枢着され、側板
２の上部に把手１５が一体に付設されているた
め、同把手１５を握つて押しまたは引けば、前記
ブツクトラツクを楽に所要の経路に従つて走行さ
せることができる。

さらに底板１および揺動棚板１２の間隔あるい
は揺動棚板１２および揺動甲板１０の間隔より背
の高い書籍や物品を運搬する場合には、揺動甲板
１０または揺動棚板１２を跳ね上たまま、底板１
または揺動棚板１２上に前記背の高い書籍や物品
を載せれば、最上段の固定甲板９および揺動甲板
１０にこれらを載せた場合に比べて安定してこれ
らを運搬することができる。

また、側板２および甲板９，１０を木質系材料
で構成すれば、体裁が良い。

さらに把手１５が側板２を包囲するような形状
になつているので、他の物との接触の場合に、同
把手１５で側板２が保護される。

考案の効果 このように本考案においては、上下２段以上の
物品支持板上に物品を容易に載置し、または物品
支持板上の物品を簡単に取出すことができ、また
前記剛性枠体下部の車輪によつて軽快に運搬車を
移動させることができるので、物品の搬出入作業
を能率良く楽に行うことができ、特に通路幅の狭
い棚通路に面した棚への物品の搬出入作業には有
効である。

また本考案においては、前記上段の物品支持板
の固定甲板と前記最下段の物品支持板との各前後
端縁は前記前後側板の内面に一体に固着されて剛
性の高い枠体に構成されているため、運搬車自体
の剛性、強度が高く、重い物品でも安定して確固
と支持することができ、しかも耐久性が頗る高
い。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る運搬者の一実施例を図示
した斜視図、第２図はその側面図、第３図はその
平面図、第４図は第２図の−線に沿つて裁断
して、その一方の揺動甲板を上方へ揺動させた状
態を示す横断正面図である。 １……底板、２……側板、３……中仕切板、４
……物品支持板、５……前後端縁、６……左右側
縁、７，８……切れ目、９……固定甲板、１０…
…揺動甲板、１１……蝶番、１２……揺動棚板、
１３……ピン、１４……キヤスター、１５……把
手、１６……緩衝ゴム、１７……吸着磁石。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 床上を自由に走行しうる運搬車において、前後
   側板間で少なくとも上下二段に物品支持板が設け
   られ、上段の物品支持板は、左右側縁の中央部が
   矩形状に欠除された固定甲板と、同欠除部に嵌合
   され同欠除部の奥部にて前記左右側縁と平行な線
   を中心として水平状態より上方へ揺動自在に枢着
   された揺動甲板とよりなり、前記上段の物品支持
   板の固定甲板と、前記最下段の物品支持板との各
   前後端縁は前記前後側板の内面に一体に固着され
   て剛性を有する枠体が構成され、同剛性を有する
   枠体の下部に車輪が設けられたことを特徴とする
   運搬車。