JPS6211698Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、燃料給油時におけるスライドドアの
開扉抑止装置の改良に関するものである。

車体側面にスライドドアを有し、かつ、該スラ
イドドアの移動範囲内に燃料給油口が設けられた
自動車においては、燃料の給油時に乗員が誤つて
スライドドアを開けると、該スライドドアによつ
て、ヒユーエルリツドや給油ガン等を破損させる
虞れがあるだけではなく、給油ガンが燃料給油口
から外れて燃料が溢れてしまうという欠点があ
る。

そのため従来では、その対策として、燃料の給
油時にはスライドドアを開扉することができない
ようにしたドアロツク装置が数種提案されてい
る。例えば第１図に示すようにスライドドア１の
内部に、一端４ａがロツク装置本体（図示せず）
にロツド２を介して連結された揺動腕４を有し、
他端４ｂを前記スライドドア１の周面１ａより突
出させ、一方車体５内部に給油口６のヒユーエル
リツド７の開閉によりオープンストツパ８を介し
て連動する作動レバー９を回動自在に枢着し、そ
の一端９ａをドア受面５ａより前記揺動腕４の他
端４ｂに対応させるようにして突出させ、前記ヒ
ユーエルリツド７の開放時に前記作動レバー９の
一端９ａと前記揺動腕４の他端４ｂとを接合させ
前記ヒユーエルリツド７の開放時にはドアロツク
装置が解除されないように成したもの等がある。

しかしながら、これら従来の構造のものではヒ
ユーエルリツドを開けている時はドアロツクは絶
対に解除することができないため、緊急の場合で
も車内に居る乗員がスライドドアを開けて直ぐに
降りることができない、という不具合があり、
又、構造が複雑で部品点数も多く、組付工数も掛
り、したがつて、重量が嵩むだけではなく、高価
なものとなるという問題が生じていた。

そこで本考案は前述した従来の問題点に鑑みて
なされたものであつて、燃料給油時において、通
常の操作力ではスライドドアが開扉することはな
く、規定以上の操作力を加えるとスライドドアを
開扉することができるようにしたスライドドアの
開扉抑止装置を提供することを目的とするもので
ある。

そのために本考案では該開扉抑止装置を、車体
のドア開口部後側の車体パネル内には、先端が該
ドア開口部に出入し、スライドドアの後端に突設
されたストツパに係脱するストツパレバーがブラ
ケツトを介して枢着されており、かつ、かつ、該
ストツパレバーの後端は操作レバーの基部近傍に
リンケージを介して連結され、該操作レバーは基
部が車体の給油口取付凹部の内側近傍に回動自在
に枢着され、先端が該給油口取付凹部に突出して
燃料キヤツプの前面に位置していると共に、 前記リンケージは、操作レバーが燃料キヤツプ
の前面から離れたとき、ストツパレバーの先端が
前記ドア開口部に突出するように構成され、 前記ブラケツトにスプリングの一端が掛止さ
れ、該スプリングの他端には係止部が設けられ、
該係止部は、ストツパレバーの被係止部との間に
遊びストローク区間を有し、かつ、ストツパレバ
ーの先端が前記ドア開口部に突出したとき該スト
ツパレバーの被係止部が当接するように構成さ
れ、 さらに、前記ストツパとストツパレバーとの係
合時において、スライドドアの開扉操作力を所定
値より大きくしたとき、前記スプリングのばね力
に抗して前記ストツパレバーが回動し、前記スト
ツパとの係合が外れ、スライドドアを開扉できる
ようにした構造としたものである。

以下、本考案を図示せる実施例に随つて説明す
る。

１１はスライドドアであつて、該スライドドア
１１の後側面には略Ｌ字状をなすストツパ１２が
固設されている。

ａは自動車車体の一部を構成するリヤフエンダ
であつて、アウタパネル１３とインナパネル１４
とから成り、該リヤフエンダａの前記スライドド
ア１１の移動範囲内の一部には燃料給油口１５を
取付ける取付凹部１６が形成されている。１７は
該取付凹部１６を覆蓋するヒユーエルリツドであ
つて、前記アウタパネル１３に回動自在に枢着さ
れている。

前記リヤフエンダａのドア開口部３０のドア受
面１８の内側には、先端１９ｂが前記ドア開口部
３０に出入し、前記ストツパ１２と係脱するよう
になされたストツパレバー１９がブラケツト２０
を介して回動自在に枢着されている。前記ストツ
パレバー１９の後端は、前記取付凹部１６の内側
近傍のアウタパネル１３にヒンジ２１を介して回
動自在に枢着された操作レバー２２の略円弧状を
なすアーム部２２ａの基部近傍にリンケージであ
るロツド２３を介して連結されている。前記操作
レバー２２の操作部２２ｂは、前記取付凹部１６
に突出して延在されたアーム部２２ａの先端に固
着されており、前記燃料給油口１５を覆う燃料キ
ツプ３１の前面に位置している。

前記ストツパレバー１９とブラケツト２０との
間にはクリツクスプリング２４が介装され、通常
は該クリツクスプリング２４によりストツパレバ
ー１９の先端をリヤフエンダａ内に格納するよう
に付勢し、燃料の給油時にはドア開口部３０に突
出するように付勢するようになされている。又、
前記ブラケツト２０の一側面には適宜な長さを有
する略円弧状をなす長孔２０ａが穿設され、該長
孔２０ａには該Ｌ字状をなす係止部となる係止片
２５が、前記ストツパレバー１９に形成された被
係合部１９ａとの間に遊びストローク区間Ｓを有
して摺動自在にピン２６により取付けられてい
る。

前記係止片２５とブラケツト２０との間には、
一端が係止片２５に掛止され、他端がブラケツト
２０に掛止された比較的ばね力の強いスプリング
２７が介装され、該係止片２５を前記長孔２０ａ
の一側に位置するように付勢するようになされ、
燃料の給油時において、前記ストツパレバー１９
が、操作レバー２２の操作によつて遊びストロー
ク区間Ｓだけ回動し、該ストツパレバー１９に形
成された被係合部１９ａが前記係止片２５に当接
したとき、前記ドア開口部３０に突出したストツ
パレバー１９の先端１９ｂと前記ストツパ１２と
の係合を保持し、スライドドア１１の開扉を阻止
するようになされている。２８は前記ストツパレ
バー１９を回動自在に支承している支軸、２９は
前記ブラケツト２０をドア受面１８の裏に固定す
る取付用ビスである。

今、燃料の給油時において、ヒユーエルリツド
１７を開き、操作レバー２２を引いて回動させ燃
料キヤツプ３１の前面から離すことにより、該操
作レバー２２にロツド２３を介して連結されたス
トツパレバー１９がＸ方向に、該ストツパレバー
１９の被係止部１９ｂが係止片２５に当接するま
での間、すなわち、該ストツパレバー１９の回動
自由な遊びストローク区間Ｓだけ回動する。そし
て、この回動によつて該ストツパレバー１９の先
端１９ｂがドア開口部３０に突出する。したがつ
て、このとき、スライドドア１１を不用意に開扉
しても、該スライドドア１１に突設したストツパ
１２が前記ストツパレバー１９の先端１９ｂに当
接して該スライドドア１１の開扉を阻止すること
ができるが、設定以上の力でスライドドア１１を
開扉すると、スプリング２７のばね力に抗して係
止片２５を押圧しながらストツパレバー１９をさ
らに回動させながら、該ストツパレバー１９とス
トツパ１２との係合を解き、スライドドア１１を
開扉させることができる。

そして、燃料の給油が完了し、操作レバー２２
を元に戻すとストツパレバー１９は前記とは逆方
向に回動し、その先端はリヤフエンダａ内に格納
される。したがつて、ヒユーエルリツド１７を閉
めることによつて、スライドドア１１の開扉が可
能となる。

尚、上記実施例では、ストツパレバー１９を操
作する操作レバー２２をヒユーエルリツドと独立
して設けたが、該操作レバー２２の操作部をヒユ
ーエルリツド１７の裏面に固着し、ヒユーエルリ
ツド１７のヒンジ１７ａを廃止し、操作レバー２
２とヒユーエルリツド１７が一体で回動するよう
にして、ヒユーエルリツド１７の開閉により前記
ストツパレバー１９を操作するようにしてもよ
い。又、前記係止片２５の形状は実施例のように
Ｌ字状に限ることなく、その機能を有するもので
あれば、Ｕ字状に形成する等適宜に形成すること
ができる。さらに、前記実施例の構造に、操作レ
バー２２を引いたときに閉になるスイツチを設
け、ドアが開いた時に閉になるドアスイツチと直
列に結線した警報装置を設け、給油時にスライド
ドア１１を開扉しようとした時に、該警報装置に
よりそれを知らせるようにすることも可能であ
る。

以上述べたように本考案によれば、燃料の給油
時において、乗員が不用意にスライドドアを開扉
しようとした時に、該スライドドアに突設したス
トツパがストツパレバーと係合して、該開扉を阻
止するようになしたので、給油時に該スライドド
アをぶつけたり、あるいはヒユーエルリツドや給
油ガンを破損させたりすることがない。したがつ
て、スライドドアの開扉時に、該スライドドアに
よつてヒユーエルリツド、すなわち、給油口を覆
うようにしても不都合がなく、ドア開口部の寸法
を大きくすることができる。

さらに本考案によれば、設定以上の力でスライ
ドドアに荷重を加えると、ストツパとストツパレ
バーとの係合を解き、該スライドドアをヒユーエ
ルリツド等に当るまでの間開扉することができ
る。通常この場合の開扉寸法は、人間１人が脱出
できる程度確保できるので、開扉することができ
るようになしたので、緊急の場合には操作レバー
が引かれたまゝであつても車内にいる乗員は該ス
ライドドアを開けて脱出することができる等の効
果を有するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のスライドドアの開扉抑止装置を
示す平面図、第２図イ〜ハは本考案によるスライ
ドドアの開扉抑止装置とその作用を示す該略平面
図、第３図は操作レバーを示す斜視図、第４図は
ストツパレバーの取付状態を示す斜視図、第５図
は同上の平面図、第６図は同上の側面図である。 １１はスライドドア、１２はストツパ、ａはリ
ヤフエンダ、１５は燃料給油口、１６は取付凹
部、１７はヒユーエルリツド、１９はストツパレ
バー、２０はブラケツト、２２は操作レバー、２
３はロツド、２４はクリツクスプリング、２５は
係止片、２７はスプリング、３０はドア開口部、
３１は燃料キヤツプ。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 車体のドア開口部後側の車体パネル内には、先
   端が該ドア開口部に出入し、スライドドアの後端
   に突設されたストツパに係脱するストツパレバー
   がブラケツトを介して枢着されており、かつ、該
   ストツパレバーの後端は操作レバーの基部近傍に
   リンケージを介して連結され、該操作レバーは基
   部が車体の給油口取付凹部の内側近傍に回動自在
   に枢着され、先端が該給油口取付凹部に突出して
   燃料キヤツプの前面に位置していると共に、 前記リンケージは、操作レバーが燃料キヤツプ
   の前面から離れたとき、ストツパレバーの先端が
   前記ドア開口部に突出するように構成され、 前記ブラケツトにスプリングの一端が掛止さ
   れ、該スプリングの他端には係止部が設けられ、
   該係止部は、ストツパレバーの被係止部との間に
   遊びストローク区間を有し、かつ、ストツパレバ
   ーの先端が前記ドア開口部に突出したとき該スト
   ツパレバーの被係止部が当接するように構成さ
   れ、 さらに、前記ストツパとストツパレバーとの係
   合時において、スライドドアの開扉操作力を所定
   値より大きくしたとき、前記スプリングのばね力
   に抗して前記ストツパレバーが回動し、前記スト
   ツパとの係合が外れ、スライドドアを開扉できる
   ようにしたことを特徴とする燃料給油時における
   スライドドアの開扉抑止装置。