JPS6211210Y2

JPS6211210Y2 -

Info

Publication number: JPS6211210Y2
Application number: JP18068680U
Authority: JP
Priority date: 1980-12-15
Filing date: 1980-12-15
Publication date: 1987-03-17
Also published as: JPS57101623U

Description

【考案の詳細な説明】本考案は、変速用油圧アクチユエータと油圧ポ
ンプを変速操作用制御弁を介して接続した油圧操
作式変速装置に関する。

この種の油圧操作式変速装置は、従来、第４図
に示すように、エンジン６に直結された走行用と
変速用の３台のポンプのうち２台P₁，P₁からの圧
油を切換弁V₁，V₁により切換えることによつて
駆動される油圧モータＭの軸から入力を受けて前
後進並びに高低二段変速ができ、また、第３のポ
ンプＰからの圧油を流路Ａから中立位置Ｎ及び第
１乃至第４変速位置F₁，F₂，F₃，F₄の切換位置
を備えた変速操作用制御弁Ｖを介して油圧的に入
力され変速用油圧アクチユエータａによりクラツ
チ９を切換作動させて中立停止および異なる四速
に変速ができるように構成されている。

他方、車輪１ａを制動するための別系統の油圧
式制動装置１８が設けられ、前後車輪１ａ……の
夫々に、エアー抜き機構２４を接続した制動用シ
リンダ１９を設けると共に、油補充部２０ａを接
続したマスターシリンダ２０と前記制動用油圧シ
リンダ１９……を操作油路Ｄで接続し、前記マス
ターシリンダ２０のペダル２１の踏込み状態を保
持する制動保持機構２２を設け、通常の制動操作
を可能にすると共に、この制動装置１８の油圧系
のエアー抜きができるように構成されている。

この油圧式制動装置１８の油圧系のエアー抜き
をするには、車輪１ａ側ではエアー抜き機構２４
……を遂次エアー抜き状態としペダル２１を何回
も繰返し踏込んで行なわなければならずその手間
とエアー抜き所要時間とが大となつて作業効率を
悪くする欠点があつた。さらに制動操作用マスタ
ーシリンダ２０自体のエアー抜きをするのも前記
操作油路Ｄを経由しかつ前記エアー抜き機構２４
を介して上記と同様ペダル２１の繰返し踏込みに
よつて行なわなければならず上記の欠点があり、
全体として制動装置１８の操作油路Ｄのエアー抜
きが非常に手間を要し作業効率を悪くする欠点が
あつた。

本考案が解決しようとする技術的課題は、既存
の系統に極めて簡単な改造を加えるだけで、制動
操作用マスターシリンダ内を含んで油圧式制動装
置の油圧系全体のエアー抜きを短時間に極めて簡
単容易に行うことができるようにすることであ
る。

上記技術的課題を解決するために講じた技術的
手段は、変速操作用制御弁の中立位置に対して変
速操作側とは反対側に、ポンプを制動操作用マス
ターシリンダ、制動保持機構及びエアー抜き機構
を備える油圧式制動装置の操作油路に接続するた
めの圧油流路及び逆流防止用のチエツク弁を備え
た給油路に連通する非操作位置を設けると共に、
前記マスターシリンダとそれに対する油補給用タ
ンクにわたつて、前記マスターシリンダの操作初
期に閉塞される還油流路を接続することである。

上記技術的手段は、次のように作用する。変速
操作用制御弁を非操作位置にすると、ポンプの圧
油が流路及びチエツク弁を備えた給油路を介して
油圧式制動装置の制動操作用マスターシリンダ及
びエアー抜き機構に連通する。

従つて、本考案は次の効果を奏する。極めて簡
単な改造でもつて、変速用油圧ポンプの圧力が高
い圧油が、操作油路を経由してマスターシリンダ
に流入し、踏込み操作されない状態では油補給用
タンクに連通している還流流路を介してタンクに
還油され、マスターシリンダ内のエアー抜きを短
時間内に極めて簡単容易にできるに至つた。又、
車輪のエアー抜き機構側では、前記マスターシリ
ンダをエアー抜きした後初期操作を行なつて還油
流路を閉塞してエアー抜きを行えばよく、ポンプ
の圧油を使用して、エアー抜きを短時間内に極め
て簡単容易にできるに至つた。

さらに、そのための操作油路に対する接続流路
を変速操作用制御弁の非操作位置に設ける事によ
つて、走行時に必然的に行う制御弁の切換え操作
でもつてエアー抜きの解除を確実に行わせられ、
そのエアー抜き解除の操作欠念により走行上のト
ラブルを確実に防止できるようになつた。

次に、本考案の実施例を例示図について詳述す
る。

ホイール式走行装置１を備える車体２はロータ
リージヨイント３を介して旋回台４を取付け、こ
の旋回台４に、操縦部５とエンジン６を搭載する
と共に、車体横方向に摺動固定自在な掘削作業装
置７を設けて、旋回式の作業車を構成してある。

走行用駆動装置８を構成するに、第２図及び第
３図に示すように、前記旋回台４に搭載のエンジ
ン６に走行用と変速用の３台の油圧ポンプＰ，
P₁，P₂を連動連結すると共に、前記走行車体２に
油圧操作式変速装置９を設け、その変速装置９の
入力軸１０に油圧モータＭを直結すると共に、連
動操作される流路切換弁V₁，V₁の下流側で合流
される流路によつて前記ポンプP₁，P₁とモータＭ
を接続し、そして、変速出力軸１１と前後車輪１
ａ……に対する差動装置１２，１２を夫々伝動軸
１３で連動連結すると共に、各車輪１ａ……に対
する油圧式の制動装置１８を設けてある。

前記油圧操作式変速装置９を構成するに、前記
入力軸１０と出力軸１１を備えた変速ケース１４
に２本の中間軸１５，１６を架設し、前記入力軸
１０に１個のギアG₁を固着して、そのギアG₁に
咬合する歯数の異なるギアG₂，G₃を中間軸１
５，１６の夫々に固着すると共に、夫々の歯数が
異なる２枚のギアG₄，G₅，G₆，G₇対を中間軸１
５，１６に遊嵌し、かつ、それらのギアG₄，
G₅，G₆，G₇を軸１５，１６の中心部を通る流路
ｂに接続された変速用油圧アクチユエータａによ
つて中間軸１５，１６に一体化させる４組の多板
式クラツチを設けると共に、前記ギアG₄，G₆の
両者及びギアG₅，G₇の両者に常時咬合するギア
G₈，G₉を前記出力軸１１に固着してある。

そして、前記油圧アクチユエータａ……と前記
油圧ポンプＰ、及び、アクチユエータａ……とタ
ンクＴを、夫々ロータリージヨイント３を通る流
路Ａ，Ｂで接続すると共に、その流路Ａ，Ｂの走
行車体２側に、非伝動の中立位置Ｎと、前記アク
チユエータａ……を順次的に作動させる第１ない
し第４変速位置F₁，F₂，F₃，F₄を、夫々備えた
変速操作用制御弁Ｖを設けてある。

更に、前記弁Ｖによる変速操作後の圧力上昇に
よつて開かれるリリーフ弁V₂を備えた流路Ｃを
設けると共に、前記変速操作用制御弁Ｖの中立位
置Ｎに、その弁Ｖの中立状態においてポンプ流路
Ａを閉じるポートｅを設けて、中立状態において
前記ポンプ流路Ａからの圧油を前記リリーフ弁
V₂を通してタンクＴに還流させるようにし、も
つて中立状態において、タンク流路Ｂの管路抵抗
によつてポンプ圧が変速用油圧アクチユエータａ
……に作用しないようにして、弁Ｖの中立位置Ｎ
において変速装置９の変速ギアが同時咬合状態に
ならないようにしてある。

前記油圧式制動装置１８を構成するに、前後車
輪１ａ……の夫々に、エアー抜き機構２４を接続
した制動用シリンダ１９を設けると共に、前記旋
回台４側にペダル２１によつて操作される制動操
作用のマスターシリンダ２０を設け、このマスタ
ーシリンダ２０と前記制動用シリンダ１９……
を、前記ロータリージヨイント３を通る操作油路
Ｄによつて、かつ、前記作動油タンクＴを前記マ
スターシリンダ２０に対する油補給用タンクに兼
用して、このタンクＴとマスターシリンダ２０
を、そのシリンダ２０に対する操作初期において
閉塞される流路Ｆによつて、夫々連通接続すると
共に、前記マスターシリンダ２０のペダル２１の
踏込み状態を保持する制動保持機構２２を、ペダ
ル２１の揺動踏み板２１ａに連設のラチエツト部
材２２ａと、それに対する係止部２２ｂから構成
して、それをマスターシリンダ２０に設けてあ
る。

そして、前記変速操作用制御弁Ｖの中立位置Ｎ
に対して変速操作用とは反対側の非操作位置Ｇ
に、前記油圧式制動装置１８の操作油路Ｄに接続
の給油路２３に連通する流路Ｅを形成し、かつ前
記給油路２３に逆流防止用のチエツク弁V₃を設
け、もつて、油圧式制動装置１８の油圧系におい
て、そのマスターシリンダ２０に気泡が発生した
時に、前記制御弁Ｖを非操作位置Ｇに切換える事
によつて、流路Ｆを通して、及び、制動用シリン
ダ１９……に気泡が発生した時には、前記制動保
持機構２２によつてその制動装置１８を制動保持
させると共に、前記制御弁Ｖを非操作位置Ｇに切
換え、かつ、前記エアー抜き機構２４……を順次
エアー抜き状態に切換える事により、前記油圧系
のエアー抜きを、変速用の油圧ポンプＰの動圧を
利用して簡単容易に行なえるように、そして、走
行に際しての制動保持の解除と制御弁Ｖの切換え
の必然的に行なう走行操作によりエアー抜き作業
の解除操作を、失念する事なく確実に行なえるよ
うにしてある。

尚、制御弁Ｖの中立位置Ｎに、前記給油路２３
をタンク流路Ｂに接続する流路ｄを形成してあ
り、エアー抜き後において弁Ｖを非操作位置Ｇに
切換えた時に、チエツク弁V₃よりも上流側の流
路部分に圧が立たないようにしてある。

即ち、前記流路部分に圧が立つと前記チエツク
弁V₃のリークが生じて、制動圧が徐々に低下す
る虞れがあり、その事態を解消するようにしてあ
る。

尚、本考案による油圧操作式変速装置を各種車
輌に装備可能である。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係る油圧操作式変速装置の実施
例を例示し、第１図は作業車の全体側面図、第２
図は油圧操作式変速装置の系統図であり、第３図
は変速ギア機構の説明図であり、第４図は従来例
の系統図である。１８……油圧式制動装置、２０……マスターシ
リンダ、２２……制動保持機構、２３……給油
路、２４……エアー抜き機構、Ｄ……操作油路、
Ｅ……圧油流路、Ｆ……還油流路、Ｎ……中立位
置、Ｐ……油圧ポンプ、Ｔ……油補給用タンク、
Ｖ……変速操作用制御弁、V₃……チエツク弁、
ａ……変速用油圧アクチユエータ。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

変速用油圧アクチユエータａ……と油圧ポンプ
Ｐを変速操作用制御弁Ｖを介して接続した油圧操
作式変速装置において、前記変速操作用制御弁Ｖ
の中立位置Ｎに対して変速操作側とは反対側に、
前記ポンプＰを制動操作用マスターシリンダ２
０、制動保持機構２２及びエアー抜き機構２４を
備える油圧式制動装置１８の操作油路Ｄに接続す
るための圧油流路Ｅ及び逆流防止用のチエツク弁
V₃を備えた給油路２３に連通する非操作位置Ｇ
を設けると共に、前記マスターシリンダ２０とそ
れに対する油補給用タンクＴにわたつて、前記マ
スターシリンダ２０の操作初期に閉塞される還油
流路Ｆに接続してある事を特徴とする油圧操作式
変速装置。