JPS6210874Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、火災警報装置に関し、特に巡回機
能を備えた発信機および火災感知器と受信機との
間に中継器を設け、中継器ごとに固有の信号を発
し、受信機において、この固有の信号に基づいて
信号を発した中継器を識別する機能を持つた火災
警報装置において、巡回記録中でも実際の火災発
生時には火災感知器からの火災信号を優先して信
号処理できるようにしたものである。以下図面に
基づいて、この考案の火災警報装置を詳細に説明
する。

第１図に示すように、この考案の火災警報装置
は、受信機REと、この受信機REから伸びた複数
の線路ｍを介して接続された中継器N₁〜ｎと、
この中継器N₁〜ｎから線路ｎを介して各警戒区
域に備え付けられた複数の火災感知器Ｓと、線路
ｎと受信機REから伸びた線路ｌに接続され、各
警戒区域の特定場所に備え付けられた巡回用のジ
ヤツクなどを備えた巡回機能を有する発信機Ｐと
から構成されている。

受信機REには、電源Ｅと、プリンターPRと、
中継器N₁〜ｎの信号を記憶する記憶部としての
記憶回路MOと、中継器N₁〜ｎの信号電圧により
導通状態になるトランジスタQ₁と、トランジス
タQ₁により付勢され、常閉接点rq₁と切換接点rq₂
とを持つているリレーRQと、切換接点rq₂の切換
時に動作を開始し抵抗ＲとコンデンサＣとから成
る遅延回路と、コンデンサＣの充電電圧が所定値
以上になると、導通状態になるトランジスタQ₂
と、トランジスタQ₂により付勢され２個の常開
接点rr₁，rr₂を持つているリレーRRと、所定の時
間以上連続して信号が入力されると動作し、ベル
および表示灯により火災の発生を知らせる警報発
生器AMと、３個のリレーRW₁，RW₂，RW₃と図
示していない複数の遅延回路などから構成される
制御回路CNと、その制御回路CNのリレーRW₁は
常閉接点rw₁を、リレーRW₂は常開接点rw₂を、
リレーRW₃は常閉接点rw₃をそれぞれ持つてい
る。そして、発信機Ｐが巡回信号Ｙを発した時に
中継器N₁〜ｎの図示されていないリレーを付勢
するためのダイオードＤとから構成されている。

このように構成された火災警報装置において、
発信機Ｐの巡回用のジヤツクに巡視員がプラグを
接続すると、線路ｎ、線路ｌ、常閉接点rw₃、ダ
イオードＤ等による閉回路が形成され、中継器
N₁〜ｎの図示していないリレーが付勢される。
そしてこの動作に基づいて中継器N₁〜ｎから複
数の線路ｍにそれぞれ乗せたハイレベルとローレ
ベル信号の組合せにより中継器N₁〜ｎの固有の
信号を受信機REに発する。また、線路ｌの巡回
信号Ｙは制御回路CNに入力される。記憶回路
MOは中継器N₁〜ｎの固有の信号を記憶保持する
が、電源Ｅを切ると記憶内容を消去する。中継器
N₁〜ｎからの固有信号のハイレベル信号はトラ
ンジスタQ₁を導通状態にし、リレーRQを付勢す
る。リレーRQの常閉接点rq₁は開路し、記憶回路
MOの電源Ｅを断ち、中継器N₁〜ｎからの固有の
信号の入力と同時に過去の記憶内容を消去する。
そして、リレーRQの切換接点rq₂は抵抗Ｒ側に切
換えられ、コンデンサＣの充電を開始し、所定の
遅延時間後にトランジスタQ₂は導通状態にな
り、リレーRRを付勢する。すると、常開接点rr₁
を閉路して再び記憶回路MOに電源Ｅを供給し、
中継器N₁〜ｎからの固有の信号を記憶する。ま
た、常開接点rr₂の閉路はリレーRRを自己保持す
る。記憶回路MOは中継器N₁〜ｎからの固有の信
号の全部が入力されると、制御回路CNに終了信
号Ｘを発する。そして、記憶回路MOの記憶内容
に基づいて、プリンターPRは、信号を発した中
継器N₁〜ｎに対応した回線の番号と時間等を印
字し巡視員の巡回場所を記録する。

また、制御回路CNは、第２図に示すように、
リレーRW₁は巡回信号Ｙが入力してほぼ10秒の
遅延時間T₁後に短時間T₂の間付勢される。する
と、リレーRW₁の常閉接点rw₁は開路して、記憶
回路MOの電源Ｅを断つて記憶内容を消去する。
プリンターPRはこの10秒間に印字動作を終了す
る。リレーRW₃は、記憶回路MOの終了信号Ｘの
入力からほぼ0.5秒の遅延時間T₃後リレーRW₁が
動作するまで付勢され、リレーRW₃の常閉接点
rw₃を開路し、信号を発している中継器N₁〜ｎの
図示していないリレーを復旧させ、中継器N₁〜
ｎから発している信号を停止する。このように、
巡回中の中継器からの固有の信号は、その発せら
れる時間が警報発生器AM作動のための所定時間
より短かいために、警報発生器AMが作動するこ
とはない。そして、トランジスタQ₁を遮断状態
としてリレーRQを復旧し、リレーRQの常閉接点
rq₁を閉路する。リレーRW₂はリレーRW₃が動作
してから短かい遅延時間T₄後に、所定の短時間
T₅の間付勢されるものである。このリレーRW₂
が付勢されると、その常開接点rw₂は閉路して、
トランジスタQ₂を遮断状態にして、リレーRRを
復旧する。すると、リレーRRの２個の常開接点
rr₁，rr₂は開路する。この常開接点rr₁が開路する
前にすでにリレーRQの常閉接点rq₁は閉路してい
るので、記憶回路MOには連続して電源Ｅが供給
されているため、リレーRQ，RRを復旧させて
も、プリンターPRが印字に必要な時間の間は記
憶内容は消去されない。

この巡回記録中に、火災が発生し、この火災現
象を感知して火災感知器Ｓが動作すると、この火
災感知器Ｓが接続されている回線に対応した中継
器N₁〜ｎの図示していないリレーが火災感知器
Ｓの閉回路を介して動作し、巡回時と同じよう
に、受信機REに中継器N₁〜ｎの固有の信号を発
する。この信号の入力によりリレーRQは付勢さ
れるので、制御回路CNのリレーRW₂作動による
リレーRRの常開接点rr₁の開成後に、記憶回路
MOの電源Ｅを短時間断つて、巡回時の記憶内容
を消去し、すぐに火災信号を発した中継器N₁〜
ｎの固有の信号を記憶する。このように、巡回記
録中であつても、巡回信号Ｙの入力から制御回路
CNのリレーRW₂の作動までの極めて短い時間の
後に、火災信号を発した中継器の固有の信号が記
憶される。火災の場合は、火災感知器Ｓが動作状
態を継続して中継器N₁〜ｎから所定時間以上固
有の信号を発し続けるので、警報発生器AMが動
作し、ベルおよび表示灯により火災警報表示を行
なうことができる。

以上で説明したように、この考案の火災警報装
置は、中継器N₁〜ｎの発する固有の信号に基づ
いて共通の線路ｍを使用して、火災信号および巡
回信号を発した回線を受信機REにおいて識別で
きる火災警報装置において、固有の信号が所定時
間入力したときに警報を発する警報発生器AM
と、中継器N₁〜ｎの固有の信号を記憶する記憶
回路MOを、信号の入力と同時に先に記憶してい
る内容を消去し、直ちに入力信号を記憶させるこ
とのできる消去回路と、記憶の完了後にして、か
つ固有の信号の入力より所定時間に相当する期間
の経過以前に巡回機能を一時停止させる手段とを
設けたことにより、巡回記録時に実際の火災が発
生した場合にも、この火災信号を優先して確実に
処理し火災警報表示を行なうことができるので防
災産業上非常に有益である。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の火災警報装置の結線図、第
２図は第１図の制御回路の動作を説明するための
タイミングチヤートである。 RE……受信機、N₁〜ｎ……中継器、Ｓ……火
災感知器、Ｐ……発信機、ｌ，ｍ，ｎ……線路、
Ｅ……電源、PR……プリンター、MO……記憶回
路、CN……制御回路、AM……警報発生器、
Q₁・Q₂……トランジスタ、RQ・RR・RW_1〜3…
…リレー、rq₁・rw₁・rw₃……各リレーの常閉接
点、rr₁・rr₂・rw₂……各リレーの常開接点、rq₂
……リレーRQの切換接点、Ｒ……抵抗、Ｃ……
コンデンサ、Ｄ……ダイオード。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 巡回機能を備えた発信機または火災感知器の動
   作に基づいて固有の信号を発する中継器と、上記
   固有の信号を記憶部に記憶し印字記録する受信機
   とからなる火災警報装置において、上記固有の信
   号が所定時間入力したときに警報を発する警報発
   生器と、上記固有の信号の入力と同時に上記記憶
   部の過去の記憶を消去し、直ちに記憶可能状態に
   復帰させる手段と、上記記憶の完了後にして、か
   つ上記固有の信号の入力より上記所定時間に相当
   する期間の経過以前に上記巡回機能を一時停止さ
   せる手段とを具備したことを特徴とする火災警報
   装置。