JPS6210589Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は公害防止のため窒素酸化物を低減する
目的で燃料油と水とを噴霧用空気で噴霧状によく
混合して単一の噴霧ノズルより霧化噴霧させ燃料
油を燃焼させる内部混合低圧噴霧バーナの改善に
関するものである。

空気又は蒸気の高速流によつて燃料油を霧化し
て噴霧ノズルから燃焼室に噴射して燃料油を燃焼
させる従来の内部混合低圧噴霧バーナは第１図に
示す如き作動順序で点火されている。

すなわち、制御器をONにするとバーナに燃料
油を供給する油ポンプと炉内に燃焼用の空気を送
るフアンとが直結されているバーナモータが起動
して油ポンプとフアンとが同時に駆動するが、所
定時間のプレパージ（炉内排気）が行なわれる間
は油電磁弁が閉じたままで油は供給されず、空気
ポンプにより噴霧ノズルから噴霧用空気が噴射さ
れるだけで、前記バーナモータと同時に水ポンプ
も起動されるが水電磁弁が閉じたままであるので
噴霧ノズルから水は噴射されず、プレパージのみ
が行なわれる。かくして所定の時間プレパージが
行なわれた後、イグニシヨン（火花放電）が開始
され、イグニシヨンと同時に油ポンプから送られ
る燃料油の供給を制御する油電磁弁が開いて点火
動作が行なわれ、水ポンプから送られる水の供給
を制御する水電磁弁もこのとき開くかまたは数秒
後に開いて水添加が行なわれて燃料油と水とを噴
霧用空気で噴霧状に混合して単一の噴霧ノズルか
ら霧化噴霧させて燃焼させるようになつている。

この場合、燃料油が重質油の場合には燃料油を
加温して噴霧しないと良好な霧化が得られず、イ
グニシヨンによつて点火しない要因となつたり、
点火しても燃焼が安定して継続しないことはよく
知られているが、従来は加温が不充分であり、ま
た従来の内部混合低圧噴霧バーナはバーナモータ
が起動されて油ポンプとフアンとが同時に駆動し
てから所定時間プレパージが行なわれた後、バー
ナポンプが一旦停止しないで運転されたままイグ
ニシヨンが開始され、イグニシヨンと同時に油電
磁弁が開いて点火動作が行なわれるので、油電磁
弁が開となつても燃料油が噴霧ノズルより噴霧さ
れるまでには僅かな遅れがあり、炉内はプレパー
ジ後も連続して運転されているフアンから送られ
た燃焼用空気で点火動作のときに噴霧ノズル附近
が空気リツチ状態となつていて、点火遅れが生じ
たり、点火しないことがあり、特に先ず一番始め
に噴霧する噴霧ノズル内の燃料油は構造上加温し
難いので、燃料油に重質油を使用する場合には点
火動作のときに燃料油の噴霧がかなり遅れて点火
が遅れたり若しくは点火しないなどの事故が生ず
る欠点があつた。

本考案はかかる欠点を解決したものであり、燃
料油と水とを噴霧用空気によりよく混合して噴霧
ノズルより霧化噴霧させて燃料油を燃焼させる際
に、バーナ起動時の点火を容易に行なうことがで
き、しかも点火後の燃焼が安定して継続される内
部混合低圧噴霧バーナを提供するものである。

更に詳しくは、本考案は燃料油と水とを噴霧用
空気で混合して噴霧ノズルより霧化噴霧させて燃
料油を燃焼させる内部混合低圧噴霧バーナにおい
て、燃料油と噴霧用空気と水とを所定の温度に加
温するノズルヒータが設けられている噴霧ノズル
に燃料油を送る油ポンプと炉内に燃焼用空気を送
るフアンとを駆動させるバーナモータをバーナ起
動時に所定時間駆動させてから一旦停止させ所定
時間後に再駆動させるタイマー及び油ポンプと油
電磁弁との間でプレパージ期間に燃料油を循環加
温する循環回路にオイルプレヒータが設けられて
いて、該バーナモータの作動によつてバーナ起動
時にフアンが駆動して所定時間炉内のプレパージ
が行なわれるとフアンが一旦停止し、前記オイル
プレヒータにより燃料油を加温し、次いで所定時
間後に再駆動すると同時に、燃料油の噴霧とイグ
ニシヨンとが開始されて点火する構造より成るこ
とを特徴とする内部混合低圧噴霧バーナに関する
ものである。

以下、図面により本考案に係る内部混合低圧噴
霧バーナの１実施例について詳細に説明する。

第２図は本考案に係る内部混合低圧噴霧バーナ
の１実施例を示す説明図、第３図は本考案に係る
内部混合低圧噴霧バーナの動作順序を示す説明
図、第４図は本考案に係る内部混合低圧噴霧バー
ナに取り付けられているノズルヒータの１実施例
を示す縦断面図である。

図面中、１は燃料油と水とを噴霧用空気で噴霧
状に混合して炉内に霧化噴霧させる噴霧ノズル、
２は炉内に燃焼用空気を送るフアン、３は燃料油
タンク（図示なし）から燃料油管４で供給されて
オイルストレーナー５を通つて送られて来た燃料
油を噴霧ノズル１に送る油ポンプ、６はフアン２
と油ポンプ３とが直結されていてフアン２と油ポ
ンプ３とを同時に駆動させるバーナモータであ
る。７は油ポンプ３から出た燃料油を噴霧ノズル
１に送る前に加温するオイルプレヒータ、８はオ
イルプレヒータ７を出た燃料油の油量を調整する
単一の正確な孔を有する構造の油量調整ノズル、
９は油量調整ノズル８で所定流量に調整されて噴
霧ノズル１に送られる燃料油の供給を制御する油
電磁弁である。１０は油ポンプ３とオイルストレ
ーナ５との間の燃料油管４とオイルプレヒータ７
の出口側の燃料油管４とに連結された循環用配管
に取り付けられた油電磁弁９が通電時開のとき閉
となる循環用油電磁弁、１１は油量調整ノズル８
と並列に設けられた油量調整ノズル、１２は油電
磁弁９と並列に設けられた油電磁弁であり、この
油量調整ノズル１１及び油電磁弁１２は低燃焼又
は高燃焼を行なうためのものであり、単純ON−
OFF機構の場合には必要がない。１３は噴霧ノ
ズル１に噴霧用空気を圧送する空気ポンプ、１４
は空気ポンプ１３を駆動させる空気ポンプモータ
である。１５は噴霧ノズル１に水を送る水ポン
プ、１６は水ポンプ１５を駆動させる水ポンプモ
ータ、１７は水ポンプ１５から噴霧ノズル１に送
られる水の量を調整する単一の正確な孔を有する
構造の水量調整ノズル、１８は水量調整ノズル１
７で所定流量に調整されて噴霧ノズル１に送られ
る水の供給を制御する水電磁弁、１９は水量調整
ノズル１７と並列に設けられた水量調整ノズル、
２０は水電磁弁１８と並列に設けられた水電磁弁
であり、この水量調整ノズル１９及び水電磁弁２
０は低燃焼又は高燃焼を行なうためのものであ
り、単純ON−OFF機構の場合には必要がない。
２１は噴霧ノズル１の入側に設けられていて噴霧
ノズル１に供給する燃料油と噴霧用空気と水とを
所定の温度に加温する円筒状のノズルヒータであ
り、このノズルヒータ２１は第４図に示す如く中
央部が水導管２２、その外側が燃料油導管２３、
更にその外側が噴霧用空気導管２４より成る三重
管２５の外周面に取り付けられている。２６は円
筒状のノズルヒータ２１の内部に挿入されている
発熱体、２７は外部から発熱体２６に連結されて
いるリード線、２８は発熱体２６の周囲を囲つて
ノズルヒータ２１内に充填されているマグネシヤ
などの絶縁体である。２９はタイマーであり、こ
のタイマー２９は点火前に所定時間プレパージを
行なつた後に、プレパージを行なうためにフアン
２を駆動させたバーナーモータ６を所定の時間一
旦停止させて所定時間後に自動的にバーナモータ
６を再起動させるためのものである。

本考案に係る内部混合低圧噴霧バーナは上記の
如き構造より成り、バーナ起動時にフアン２を駆
動させてプレパージを所定時間行なつた後に、フ
アン２を駆動させるバーナモータ６をタイマー２
９によつて所定時間一旦停止せしめて、所定時間
後に再起動を行なうことによつて、フアン２の再
駆動と同時に燃料油の噴霧とイグニシヨンとが開
始されて点火する構造より成るものであり、以下
そろ構造及び動作について説明する。

燃料油タンクより燃料油管４で供給された燃料
油はオイルストレーナ５を通つて油ポンプ３によ
つて圧送され、オイルプレヒータ７で所定の温度
に加温されて油量調整ノズル８、油電磁弁９を経
てノズルヒータ２１で所定の温度に加温されて噴
霧ノズル１に送られる。噴霧用空気は空気ポンプ
１３により圧送されてノズルヒータ２１で所定の
温度に加温されて噴霧ノズル１に送られる。一
方、水は別駆動の水ポンプ１５によつて送られて
水量調整ノズル１７、水電磁弁１８を経てノズル
ヒータ２１で所定の温度に加温されて噴霧ノズル
１に送られるが、本考案に係る内部混合低圧噴霧
バーナはバーナ起動時の点火の際に点火が遅れた
り点火しないなどの事故が生じないように、第３
図に示す如き作動順序でバーナ起動が行なわれ、
一瞬燃料油リツチ状態で点火が行なわれる構造と
なつており、更に点火を良くするため及び点火し
てから安定した燃焼を継続するために燃料油を加
温する構造とするものである。すなわち、先ず、
点火してから安定した燃焼を継続するため及び油
量調整ノズル８を通過する燃料油を所定の温度に
加温して通りやすくしてやるために、比較的容量
の大きいオイルプレヒータ７が設けられ、油電磁
弁９が開くまで循環用油電磁弁１０を経て燃料油
を循環加温する構造となつていて、バーナ起動時
におけるフアン２によるプレパージ期間中の油電
磁弁９が開くまで循環回路でオイルプレヒータ７
によつて所定温度に燃料油を加温するようになつ
ている。また、点火を良くするために噴霧ノズル
１の入側の三重管２５より成る導管にノズルヒー
タ２１が取り付けられていて、噴霧ノズル１に入
る前の燃料油、噴霧用空気及び水を所定の温度に
加温する構造となつている。油電磁弁９及び水電
磁弁１８より噴霧ノズル１までの間にはバーナ停
止中でも燃料油及び水が充満しており、長時間バ
ーナが停止すると燃料油の温度が低下し、バーナ
点火時に温度の低下した燃料油と不燃性の水とが
噴霧されるので点火が難しいが、油電磁弁９から
噴霧ノズル１までの間では循環システムによつて
燃料油を加温することができないので、ノズルヒ
ータ２１が取り付けられた三重管２５内を通過す
る際に、燃料油、噴霧用空気及び水を所定の温度
に加温して噴霧ノズル１に供給するのである。

更にバーナ起動時にフアン２を起動してプレパ
ージを所定時間行なつた後に、プレパージを行な
うためにフアン２を駆動させたバーナモータ６を
所定時間一旦停止させて所定時間後に自動的にバ
ーナモータ６を再起動させるタイマー２９が設け
られている。

かかる構造より成る本考案に係る内部混合低圧
噴霧バーナを点火するには、第３図の動作順序に
示す如く行なうのである。

先ず、バーナ起動前にあらかじめノズルヒータ
２１及びオイルプレヒータ７を通電しておき、制
御器をONにするとバーナモータ６が起動して油
ポンプ３とフアン２とを同時に駆動してフアン２
よりの燃焼用空気によつて所定時間プレパージが
行なわれ、燃料油は油ポンプ３によつてオイルプ
レヒータ７、循環用油電磁弁１０を経て循環して
所定の温度に加温される。このとき空気ポンプ１
３も起動し、水ポンプも起動する。プレパージは
三位置制御バーナでは低燃焼に見合つたフアン２
のダンパー開度、単純ON−OFF制御バーナでは
通常燃焼に見合つたフアン２のダンパー開度とな
つていてプレパージが行なわれる。所定時間プレ
パージが行なわれるとタイマー２９が作動してバ
ーナモータ６が一旦停止して炉内へフアン２から
送る燃焼用空気の供給が停止され、所定時間後に
自動的にバーナモータ６が再起動してフアン２か
ら炉内に燃焼用空気が供給される。このバーナモ
ータ６の再起動のときのフアン２及び油ポンプ３
の始動と同時にイグニシヨンが開始され、イグニ
シヨンと同時に油電磁弁９が開となり、水電磁弁
１８もそのとき開くかまたは数秒後に開いて、燃
料油及び水が噴霧ノズル１に送られ、空気ポンプ
１３から送られた噴霧用空気によつて噴霧ノズル
１から霧化噴霧し、フアン２が再駆動で正常回転
となる数秒の間の燃料油リツチの状態のときに点
火動作が行なわれるので点火がスムーズに行なわ
れるのである。

また、この場合、点火時に噴霧ノズル１から噴
霧する燃料油はオイルプレヒータ７及びノズルヒ
ータ２１によつて所定の温度に加温され、噴霧用
空気及び水もノズルヒータ２１によつて所定の温
度に加温されているので点火しやすく、点火後の
燃焼が安定して継続される。燃料油としては軽質
油から重質油まで容易に点火、燃焼させることが
できるので、使用燃料によりバーナを交換する必
要がなく、特に重質油を使用した場合にその効果
は著しい。

以上詳述した如く、公害防止のために燃料油に
水を添加して窒素酸化物を低減する本考案に係る
内部混合低圧噴霧バーナは、バーナ起動時のプレ
パージの際に、炉内に燃焼用空気を送るフアン２
を駆動させるバーナモータ６をプレパージ後に一
旦停止させて所定時間後再起動させ、イグニシヨ
ンを開始して点火するときに燃料油リツチの状態
にする構造となつていて、また燃料油、噴霧用空
気及び水を所定の温度に加温して噴霧ノズル１に
供給する構造となつているので点火がスムーズに
行なわれ、点火遅れが生じたり、点火しないなど
の事故が全く無く、点火後の燃焼が安定して継続
されるなどの優れた利点を有しており、また燃料
油が重質油であつても点火をスムーズに行なうこ
とができ、軽質油から重質油まで容易に点火、燃
焼させることができるなどの優れた利点を有して
いて、その実用的価値は大きなものがある。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の内部混合低圧噴霧バーナの動作
順序を示す説明図、第２図は本考案に係る内部混
合低圧噴霧バーナの１実施例を示す説明図、第３
図は本考案に係る内部混合低圧噴霧バーナの動作
順序を示す説明図、第４図は本考案に係る内部混
合低圧噴霧バーナに取り付けられているノズルヒ
ータの１実施例を示す縦断面図である。 １…噴霧ノズル、２…フアン、３…油ポンプ、
４…燃料油管、５…オイルストレーナ、６…バー
ナモータ、７…オイルプレヒータ、８…油量調整
ノズル、９…油電磁弁、１０…循環用油電磁弁、
１１…油量調整ノズル、１２…油電磁弁、１３…
空気ポンプ、１４…空気ポンプモータ、１５…水
ポンプ、１６…水ポンプモータ、１７…水量調整
ノズル、１８…水電磁弁、１９…水量調整ノズ
ル、２０…水電磁弁、２１…ノズルヒータ、２２
…水導管、２３…燃料油導管、２４…噴霧用空気
導管、２５…三重管、２６…発熱体、２７…リー
ド線、２８…絶縁体、２９…タイマー。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 燃料油と水とを噴霧用空気で混合して噴霧ノ
   ズルより霧化噴霧させて燃料油を燃焼させる内
   部混合低圧噴霧バーナにおいて、燃料油と噴霧
   用空気と水とを所定の温度に加温するノズルヒ
   ーター２１が設けられている噴霧ノズル１に燃
   料油を送る油ポンプ３と炉内に燃焼用空気を送
   るフアン２とを駆動させるバーナモータ６をバ
   ーナ起動時に所定時間駆動させてから一旦停止
   させ所定時間後に再駆動させるタイマー２９及
   び油ポンプ３と油電磁弁９との間でプレパージ
   期間に燃料油を循環加温する循環回路にオイル
   プレヒータ７が設けられていて、該バーナモー
   タ６の作動によつてバーナ起動時にフアン２が
   駆動して所定時間炉内のプレパージが行なわれ
   るとフアン２が一旦停止し、前記オイルプレヒ
   ータ７により燃料油を加温し、次いで所定時間
   後に再駆動が行なわれると同時に燃料油の噴霧
   とイグニシヨンとが開始されて点火する構造よ
   り成ることを特徴とする内部混合低圧噴霧バー
   ナ。 ２ ノズルヒータ２１が、中央部の水導管２２、
   その外側の燃料油導管２３、更にその外側の噴
   霧用空気導管２４よりなる三重管２５の外周面
   に取り付けられている円筒状のノズルヒータで
   ある実用新案登録請求の範囲第１項に記載の内
   部混合低圧噴霧バーナ。