JPS62102864A - 電磁鋼板絶縁皮膜形成用組成物及び電磁鋼板絶縁皮膜形成法 - Google Patents

電磁鋼板絶縁皮膜形成用組成物及び電磁鋼板絶縁皮膜形成法

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JPS62102864A
JPS62102864A JP23952985A JP23952985A JPS62102864A JP S62102864 A JPS62102864 A JP S62102864A JP 23952985 A JP23952985 A JP 23952985A JP 23952985 A JP23952985 A JP 23952985A JP S62102864 A JPS62102864 A JP S62102864A
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片山 喜一郎
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前田 靖治
Koji Wakabayashi
若林 耕二
Toshinori Murakami
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、電磁鋼板への絶縁皮膜形成用組成物の塗布を
極めて発泡が少なく作業性良好に実施することが出来、
しかも絶縁性、打抜加工性、占積率その他の皮膜特性の
優れた絶縁皮膜を形成させることの出来る電磁鋼板絶縁
皮膜形成用組成物及び該組成物を使用する電磁鋼板絶縁
皮膜形成法に関するものである。
〔従来の技術及び問題点〕
従来、電磁鋼板の表面に絶縁皮膜を形成させる方法また
は絶縁皮膜形成用組成物に関して数多くの技術が提案さ
れている。その主なものは、クロム酸塩、リン酸塩、ま
たはこれらを組み合わせたものを主成分とする絶縁皮膜
(以下単に皮膜と言うことがある)形成用組成物を使用
して無機質系皮膜を形成させるものである。そして1次
のような種々な方法、すなねち皮膜形成用組成物中に存
在する遊離の酸と反応させて皮膜の絶縁性を高めるため
のMgO,ZnO,CaO等の金属酸化物の添加、上記
反応を促進せしめると共に水、有機溶媒等に対して不溶
の酸化物を生成させるためのグリセリンや糖類の少量の
添加、更に硼酸、水ガラス、縮合リン酸塩、シリカ等の
添加、等の方法により皮膜特性の改善が計られてきた(
上記の如くクロム酸塩やリン酸塩を主成分とする無機質
系皮膜形成性物質の水溶液を無機質系皮膜形成用組成物
と言う事がある)、シかしながら、このような無機物に
よって殆んどを占められて構成される無機物系皮膜は、
絶縁性には優れているものの打抜加工性や加工時におけ
る皮膜の密着性等が劣る欠点があった。
近年、電磁鋼板の打抜加工性が重視されるようになり、
そのためその向上を図って、上記の無機質系皮膜の上に
有機質系皮膜を形成させる方法、或はクロム酸塩やリン
酸塩等の無機質系皮膜形成要素(以下、無機質成分と言
うことがある)と有機質系皮膜形成性樹脂(以下、有機
質成分と言うことがあり、または単に樹脂と略称するこ
とがある)とが混合して含有されている皮膜形成用組成
物を塗布して無機質有機質混合皮膜を形成させる方法、
等が試みられた。
しかしながら、前者の方法では2コートの工程となって
コストアップの欠点は避けられない。
また、後者の方法を実施するには、酸化性の強いクロム
酸塩やリン酸塩が無機質成分として含有されている無機
質系皮膜形成用組成物と有機質系皮膜形成性樹脂が乳化
分散せしめられている水性エマルジョンとを混合して混
合液を調製し、これを使用する方法によっているが、こ
れには次のような種々な欠点がある。
第1に、樹脂の乳化分散状態が不安定となって混合後に
数時間で樹脂の凝集により混合液がゲル化し、普通の塗
装作業中に混合液が使用できなくなることがしばしばあ
ると言うポットライフの短い欠点がある。
第2に、上記混合液中には樹脂の水性エマルジョン調製
に使用された乳化剤や分散剤が含有されているため、塗
装作業時においてポンプ循環による攪拌、補給作業、ロ
ールコート装置のロールの回転等により混合液が発泡し
、また粘度が上昇して、良好な皮膜を形成させることが
出来なくなる欠点がある。特に混合液が発泡すると、形
成された皮膜にクレータ−状のピンホールや泡状欠陥等
が認められ、耐食性能の低下は勿論のこと、絶縁性能も
不充分となり、均質にして良好な皮膜を形成させること
が出来なくなる。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明は上記問題点を解決して塗装作業時における発泡
を極力抑制すると共に、得られる皮膜が薄膜でしかも皮
膜特性の優れた皮膜を形成せしめることの出来る絶縁皮
膜形成用組成物及び絶縁皮膜形成法を提供することを目
的に研究した結果完成されたものである。
すなわち本発明の一つは、アクリル系樹脂及びアクリル
−スチレン系樹脂のいずれか一方または両方から成る有
機質系皮膜形成性樹脂を乳化分散せしめたpH2〜8の
水性エマルジョンとアクリロニトリル系樹脂を分散せし
めた実質的に乳化分散剤を含有しないpH6〜8の水性
分散液とを両者の不揮発物の合計量に対して後者の不揮
発物が10〜90重量%となるように混合して得た混合
樹脂液を、クロム酸塩及びリン酸塩を主成分とする無機
質系皮膜形成性物質の水溶液に該水溶液中のクロム酸塩
のCrO3換算量及びリン酸塩のH3PO4換算量の合
計100重量部に対し上記混合樹脂液の不揮発物が15
〜120重量部となるように添加混合して成る電磁鋼板
絶縁皮膜形成用組成物に関するものである。
また本発明の他の一つは、上記電磁鋼板絶縁皮膜形成用
組成物を使用してこれを電磁鋼板に塗布し、300℃〜
500℃の温度で加熱して絶縁皮膜を0.5〜2.0g
1rdの範囲に形成せしめることを特徴とする電磁鋼板
絶縁皮膜形成法に関するものである。
〔発明の過程及び構成〕
本発明者等は先ず、クロム酸塩及びリン酸塩を主成分と
する酸化性の強い従来の無機質系皮膜形成用組成物と、
これに添加混合される有機質系皮膜形成性樹脂の水性エ
マルジョンとが、相溶性があり且つそれらの混合液が酸
化性の強いクロム酸塩及びリン酸塩を含んだ状態でエマ
ルジョン粒子として存在する上記樹脂を分解させないで
安定に乳化分散状態を維持出来ることが、皮膜形成用組
成物のポットライフを長くする点で重要と考え、その実
現方法を検討した。
クロム酸塩及びリン酸塩を主成分とする従来の無機質系
皮膜形成用組成物としては、たとえば特公昭38−20
707号に示されている組成物、すなわち5〜40重量
%(以下、%で示す)のリン酸、1〜lO%の例えば無
水クロム酸或は重クロム酸の如き6価のクロムを含む化
合物、8%以下の硼酸又は硼酸塩を含む水溶液に水ガラ
ス、 10%以下の酸化マグネシウム、酸化カルシウム
、酸化亜鉛、無水硅酸の中の1種又は2種以上を添加し
た水溶液が示され、通常pH4,0〜5.7の範囲にあ
る。具体例として、CrOs : 90 g / Q 
t Hz P 04 : 60g / Q +Mg O
: 30 g / n v H3B Os : 30 
g/ Q +グリセリン:30g/Qの濃度で各成分を
含有しているpH4,1の水溶液(以下、具体例1と言
うことがある)や、CrO,:100g/Q、HzPO
4:50g/Q+MgO:35g/Q 、 H3BO,
:40g/+2 、グリセリン:30g/Qの濃度で各
成分を含有しているpl(5,3の水溶液(以下、具体
例2と言うことがある)が示される。これら従来の無機
質系皮膜形成用組成物に、各種の有機質系皮膜形成性樹
脂の水性エマルジョンを添加混合して相溶性と安定性と
を試験した。
その結果、アクリル系樹脂のpH2〜8の水性エマルジ
ョン〔例えばポリメチルメタクリレートが150g/Q
の濃度で乳化分散されているpH2,4の水性エマルジ
ョンで不揮発物が30重量%のもの(以下、具体例3と
言うことがある)〕及び〕アクリルースチレン樹脂のp
H2〜8の水性エマルジョン〔例えばメチルメタクリレ
ートとスチレンとの共重合体が150g/Qの濃度で乳
化分散されているpH7,8の水性エマルジョンで不揮
発物が35重量%のもの(以下、具体例4と言うことが
ある)〕のいずれの水性エマルジョンも上記無機質系皮
膜形成用組成物と相溶性あり、且つこれらを混合した混
合液は常温で1ケ月間放置しても樹脂の分解。
凝集に起因するゲル化や粘度変化は全くないことが判っ
たのである。
しかしながら、このようなりロム酸塩及びリン酸塩を主
成分とする無機質系皮膜形成用組成物と有機質系皮膜形
成性樹脂の水性ζマルジョンとを混合しただけの混合液
は、現場での塗布作業においては発泡が著しいので、之
に種々な消泡剤や界面活性剤を添加して試用したが、一
時的な効果はあっても長期連続使用では消泡効果がなく
なるばかりでなく、却って皮膜の絶縁特性に悪影響が表
われることが判った。
一方、本発明者等は前記の如く種々な有機質系皮膜形成
性樹脂の水性エマルジョンの検討を数多く行なううちに
、アクリロニトリル系樹脂(以下PANと略称すること
がある)の実質的に乳化分散剤を含有しない水性分散液
が発泡を抑制する点で極めて有効であることを究明した
のである。
そこでこのPANの発泡抑制作用を利用して電磁鋼板に
長期連続的に発泡無く皮膜形成用組成物を塗布すること
が出来るように、クロム酸塩及びリン酸塩を主成分とす
る無機質系皮膜形成用組成物に対して前記有機質系皮膜
形成性樹脂の水性エマルジョンと実質的に乳化分散剤を
含有しないPANの分散液との混合樹脂液を添加混合し
た皮膜形成用組成物を電磁鋼板に塗布、乾燥して皮膜を
形成せしめる実験を数多〈実施し、上記混合樹脂液を調
製するときの配合割合と、皮膜形成用組成物の発泡量や
得られた皮膜の皮膜特性との関係を詳細に検討した。
その結果、、PANの水性分散液の配合使用により、発
泡が極めて低く抑制されて塗装状態が著しく改善される
ばかりでなく、PANが一定範囲に含有されている混合
樹脂液を使用する場合は、得られる皮膜の種々な皮膜特
性は非常に優れている事を究明して本発明を完成したの
である。
先ず、混合樹脂液を調製するときの有機質系皮膜形成性
樹脂の水性エマルジョンとPANの水性分散液との配合
割合についてその適正範囲を検討した。
ここに1本発明において使用するクロム酸塩及びリン酸
塩を主成分とする無機質系皮膜形成性物質の水溶液中の
クロム酸塩のCrO、換算量とリン酸塩のH3PO4換
算量との比は2:1〜1:1の範囲にある。
またアクリル系樹脂とはアクリロニトリル系樹脂以外の
アクリル系樹脂であって酸性水溶液中において安定なエ
マルジョンを形成するものを言い、例えば日本エクスラ
ン工業■製タフチックG2(商品名)が示される。
また、アクリル−スチレン系樹脂とは酸性水溶液中にお
いて安定なアクリル−スチレン系樹脂エマルジョンを形
成するものを言い、例えば旭化成工業[製ポリトロンF
−2000(商品名)が示される。
更にアクリロニトリル系樹脂(PAN)とはアクリロニ
トリルを90重量%以上と残部があるときはエチレン系
不飽和化合物とから成る単独重合体又は共重合体を言い
、例えば日本エクスラン工業■製タフチックF120(
商品名)が示される。
上記検討を次のようにして行なった。
PANとしてアクリロニトリル成分含量が90重量%で
粒径0.5μ以下のPANを使用して不揮発物が27重
量%でpH7,1の水性分散液を調製した。
一方、有機質系皮膜形成性樹脂の水性エマルジョンとし
てアクリル−スチレン系樹脂の水性エマルジョンであっ
て先に例示した具体例4を使用し、これと上記PANの
水性分散液とを、両者の不揮発物の合計量に対して後者
の不揮発物(以下、PAN系不揮発物と言うことがある
)が各種の重量%(0及び100重量%含む)となるよ
うに混合割合を異にした各種の混合樹脂液を調製した。
この混合樹脂液を、クロム酸塩及びリン酸塩を主成分と
する無機質系皮膜形成用組成物として先に例示した具体
例1に、後者の中のクロム酸塩のCrO3換算量及びリ
ン酸塩のH1PO4換算量の合計(以下、単にCrO3
・H3PO4換算量合計と略称することがある)100
重量部に対して前者の全不揮発物が100重量部となる
ように添加してPAN使用量の異なる各種の皮膜形成用
組成物を得た。
これらの皮膜形成用組成物について発泡量を測定し、更
に塗装現場(ライン速度60〜150m/分。
ナチラル及びリバースル装)で使用して電磁鋼板を塗装
し、発泡状態をR察すると共に、得られた電磁鋼板の絶
縁皮膜の各種の皮膜特性を調べた。
なお、塗装は皮膜量が乾燥後1 glrd±0.02の
一定値となるようにし、乾燥を350℃、2.5分間の
一定条件で行なった。図面は、各皮膜形成用組成物の調
製に使用した各種混合樹脂液中の全不揮発物に対するP
AN系不揮発物の重量%と、皮膜形成用組成物の発泡量
との関係と共に、皮膜特性として塗装された電磁鋼板の
層間抵抗(Ω−27枚)及び皮膜からのクロム溶出量(
μg / rrl’ )との関係を示したものである。
これらの測定方法は後記する実施例に関して説明してい
る方法と同じである。
図面から判るように、皮膜形成用組成物の発泡量はそれ
に含有されているPAN系不揮発物の増加すなわちPA
Nの含有量が増加するに従って著しく減少する。その状
況は、PAN系不揮発物が混合樹脂液の全不揮発物中に
5重量%含有されているときは、PAN系不揮発物が0
重量%すなわち混合樹脂液の代わりに前記アクリル−ス
チレン系樹脂の水性エマルジョンのみを使用する場合(
以下ブランクと言うことがある)から半分近くまで減少
し、10重量%含有で上程度に減少する。
またPAN系不揮発物が100重量重量なわち混合樹脂
液の代わりにPANの水性分散液のみを使用したときは
、発泡は殆んど認められない。一方。
塗装現場での使用試験結果ではPAN系不揮発物として
10重量%以上の場合は、発泡による塗装上の欠陥は殆
んど認められなかった。
また、皮膜特性として重要な層間抵抗は、図面から判る
ように、ブランクの場合の層間抵抗に対し、使用した混
合樹脂液中の全不揮発物に対するPAN系不揮発物の重
量%(以下、PAN系不揮発物の重量%を示すとき、「
混合樹脂液中の全不揮発物に対しJを省略することがあ
る)が5重量%のときの層間抵抗は約1.8倍に、また
10重量%のときは約3倍にそれぞれ上昇している。
また皮膜特性の1つである耐Cr溶出性試験(沸騰水中
2時間浸漬)の結果では、図面から判るように、PAN
系不揮発物が0重量%から増加しても可成の範囲ではC
r溶出量はほぼ一定であるが、90重量%付近でCrの
溶出が認められる。
この原因は明らかではないが、PAN系不揮発物が95
重量%の混合樹脂を使用したときの皮膜表面をミクロ的
にl!察するとPAN粒子が鮮明に認められることから
、PAN粒子間を充填するバインダーとしての有機質系
皮膜形成性樹脂の量的減少によるバインダー作用の低下
に起因すると考えられる。
以上の結果から混合樹脂の全不揮発物に対するPAN系
不揮発物は10〜90重量%が適正と言える。
そしてこのようにPANを皮膜形成用組成物に含ませる
ことは、塗装状態の大幅な改善をもたらすことが認めら
れた。同様な実験を、アクリル−スチレン系樹脂の水性
エマルジョンの代おりにアクリル系樹脂の水性エマルジ
ョン(前記具体例3を使用)を使用し、またこれらの両
方を併用使用して行なったところ、上記と同様の結果を
得た。更に実験を重ねて、上記の効果が、クロム酸塩及
びリン酸塩を主成分とする無機質系皮膜用組成物との混
合割合が変化しても一定範囲ならば実用上充分に得られ
ることが判った。
次に、皮膜形成用組成物中の無機質成分と有機質成分と
の量比に密接に関連する無機質系皮膜形成用組成物と混
合樹脂液との配合割合と、得られる皮膜の厚さや皮膜特
性との関係について検討した。
一般に有機質系皮膜形成性樹脂の水性エマルジョンの樹
脂濃度は不揮発物により表わして20〜50重量%のも
のが使用に適しており、一般に市販されているものでも
、アクリル系樹脂の水性エマルジョンが25〜40重量
%、アクリル−スチレン系樹脂の水性エマルジョンが3
5〜50重量%、PANの水性分散液では20〜30重
量%である。これらの樹脂エマルジョンまたは分散液用
い、PAN系不揮発物が混合樹脂液の全不揮発物に対し
75重量%となるように混合したアクリル樹脂−PAN
系混合樹脂液(前記タフチックG2及びタフチックF1
20を使用)及びアクリル−スチレン樹脂−PAN系混
合樹脂液(前記ポリトロンF−2000及びタフチック
F120を使用)を調製し、これらのいずれか一方をク
ロム酸塩及びリン酸塩を主成分とする無機質系皮膜形成
用組成物(前記具体例1を使用)に、前者の全不揮発物
が後者のCr O、・H3P O4換算量合計100重
量部に対して各種の重量部となるように添加混合して皮
膜形成用組成物とし、これを使用してロールコートによ
り電磁鋼板の塗装試験を行なった。
−その結果、混合樹脂液の全不揮発物がCrO2・H3
PO4換算量合計100重量部に対し5〜6重量部では
ロールコートの際にピックアツプ性が不良となって均一
な塗装が出来ない場合が多く、少なくとも10重量部、
好ましくは15重量部以上であることを究明した。また
、皮膜特性のうち打抜加工性及び耐食性は混合樹脂液の
不揮発物がCrO2・H,P O4換算量合計100重
量部に対し10重量部以上で好ましい結果が得られた。
これらの結果を総合して、クロム酸塩及びリン酸塩を主
成分とする無機質系皮膜形成用組成物に対して添加混合
する混合樹脂液の配合割合を、前記のCr○、・H,P
 O4換算量合計100重量部に対する後者の全不揮発
物の重量部で表わして(以下、単に混合樹脂液の配合割
合ということがある)、その下限を15重量部と定めた
また、混合樹脂液の配合割合の上限は次のようにして定
めた。すなわち、皮膜形成用組成物中の有機質成分が多
量であることは打抜加工性や塗装性には極めて有効であ
るが、多量に過ぎる場合は絶縁皮膜の特性に密接に関連
するTIG溶接性を損うことが判り、その限界を検討し
た結果、混合樹脂液の配合割合の上限を120重量部と
定めた。
このようにして得られた絶縁皮膜形成用組成物を使用し
て電磁鋼板を塗装するときの皮膜量の上限、下限を次の
ように定めた。皮膜量は多い程絶縁効果や耐食効果は大
きいが、一方、加工性、占積率(機器の小型化から小さ
い程好ましい)、経済性等から皮膜量の少ないことが要
請されるから、皮膜量が少なく且つ絶縁性や耐食性等が
充分であることが好ましい。前記したように、混合樹脂
液中のPAN含量を混合樹脂液の全不揮発物に対するP
AN系不揮発物の重量%で表わして10〜90重量%と
することによって、得られる皮膜はPANを含有しない
場合の3倍以上の層間抵抗を有し、その他の効果につい
ても検討の結果、層間抵抗として実用上問題のない20
Ω−27枚以上が確保されその他の効果も充分である0
、5g/rrrを皮膜量の下限とし、TIG溶接性、占
積率、経済性等から見て許容限界と判った2、0g/r
rrを皮膜量の上限と設定した6 上記の皮膜量となるようにロールコータ−その他の方法
で皮膜形成用組成物を電磁鋼板に塗布した後に、300
〜500℃で加熱乾燥して絶縁皮膜を形成させる。加熱
時間は比較的短時間で足りるが、通常0.3〜3分間が
適当である。
〔効果〕
以上説明した如く、本発明は、アクリル系樹脂または/
及びアクリル−スチレン系樹脂の水性エマルジョンとP
ANの乳化分散剤を実質的に含まない水性分散液とを特
定範囲の割合で配合した混合樹脂液を、従来使用されて
きたクロム酸塩及びリン酸塩を主成分とする無機質系皮
膜形成用組成物に特定範囲の割合で添加混合して得られ
た絶縁皮膜形成用組成物であり、またこれを使用して電
磁鋼板に塗布乾燥せしめる絶縁皮膜形成法であって、原
料の大部分に市販品を使用することが出来、しかも塗布
作業を極めて発泡少なく且つ上記組成物のポットライフ
を長く作業性良好に実施することが出来、そして絶縁性
その他の皮膜特性の優れた絶縁皮膜を形成させることが
出来るのである。
〔実施例、比較例〕
以下、実施例、比較例により本発明を更に具体的に説明
する。
第1表に示す組成に従って各絶縁皮膜形成用組成物を調
製した。使用した各原料は次の通りである。クロム酸塩
及びリン酸塩を主成分とする無機質系皮膜形成性物質の
水溶液として先に例示した具体例1または具体例2を使
用し、アクリル系樹脂及びアクリル−スチレン系樹脂の
各水性エマルジョンとしてそれぞれ先に例示した具体例
3及び具体例4を使用し、PANを分散せしめた実質的
に乳化分散剤を含有しない分散液として先に図面により
説明した実験に使用したものと同じP A Nの水性分
散液を使用した。第1表中、混合樹脂液の組成を示すた
めの各原料の使用分中に含まれていた不揮発物の重量部
を表わす記号は、アクリル系1ftl脂の水性エマルジ
ョンについては[:AE)。
アクリル−スチレン系樹脂の水性エマルジョンについて
は(AS)、PANの水性分散液については(PANI
でそれぞれ示す。
調製された各皮膜形成用組成物を使用してロールコート
法により電磁鋼板にリバース塗装を施した後、熱風乾燥
型オーブンにより雰囲気温度350℃で2.5分間加熱
して乾燥・焼付けを行ない、絶縁皮膜を形成せしめた。
皮膜量の調整は、コーターロールの周速、アプリケータ
ーロールとバックアップロールの圧着条件、皮膜形成用
組成物の濃度2等のロールコート塗装条件の調整により
行なった。
上記調整された各皮膜形成用組成物の特性として発泡性
、貯蔵安定性を調べ、また塗装時における塗装性を観察
し、得られた各皮膜の皮膜量を測定すると共に、密着性
、耐食性、クロム溶出性。
層間抵抗、耐熱性、打抜加工性、及び溶接性の各特性に
ついて調べて評価した。
上記の各特性の評価方法は下記の通りである。
発泡性: 組成物を蓋付メスシリダ−(250cc)に100cc
入れ振どう後2分間静置し、そのときの泡高さを測定し
て評価した。
02発泡量が0〜10cc O:発泡量が10〜50 cc Δ:発泡量が50〜100圓 ×:発泡量が100cc以上 貯蔵安定性: 1組成物を温度20±2℃、温度65±5℃の室内に1
ケ月間静置し、塗装組成物の粘度、変色、沈殿物の有無
により評価した。
塗装性ニ ラインスピード60”150m/ un 、リバース塗
装で電磁鋼板に塗装し、塗上り外観から判定した。
O:塗装仕上りが良好なもの Δ:発発泡よる欠陥が若干認められるものX:発泡によ
る欠陥が著しいもの 皮膜量: 乾燥・焼付は後の皮膜が形成されている電磁鋼板(以下
試験片と言う)をNaOH50%水溶液に浸漬して皮膜
を溶解する方法及びけい光X線による方法で測定した。
密着性: 半径5mの丸棒に試験片を巻き付けて皮膜の剥離状態を
10倍のルーパでa察した。
0:皮膜の剥離が生じないもの Δ:皮膜の剥離が若干認められるもの ×:皮膜の剥離が著しいもの 耐食性: JIS Z2371に準じて塩水噴霧を7時間実施した
後、試験片上の赤錆の発生程度で判定した。
◎:赤錆が全く発生しないもの 0:赤錆の発生した面積が5%より小さいもの Δ:赤錆の発生した面積が5〜10%のものX:赤錆の
発生した面積が10%より大きいもの クロム溶出性: 試験片を沸騰水中に2時間浸漬した後、沸騰水中のCr
を原子吸光法で測定した。
層間抵抗: JIS C2550の方法で測定した。
耐熱性: 試験片を窒素雰囲気中で750℃、2時間焼鈍した後の
スティッキングの状態により評価した。
○:ステイツキングが生じないもの Δ:ステイツキングが若干認められるものX:スティッ
キングが著しいもの 打抜加工性: 下記の条件で打抜加工を施したときの打抜サンプルのか
えり高さが501s以下である最大打抜回数で表わした
ストローク数: SOOストローク/分金型金型材質K
D11 打 抜 径:直径5mm 打 抜 油:軽質油 プ し ス機:三井精機■製高速自動プレス溶接性: 下記の条件 溶接電流: 120A 電極径: 2.4nmφ コア加圧カニ100kg/a& 溶接速度:60ロ/分 溶 接 機:大阪変圧器■製TIG溶接機でTIG溶接
した後のブローホール発生程度により評価した。
Oニブローホールが認められない △ニブローホールがわずかに認められるXニブローホー
ルが著しい 得られた結果を第1表に示す。
第1表から1本発明方法によれば、PANの一定量以上
を皮膜形成用組成物に含有させることにより、塗装時に
おける発泡が抑制され、その結果、このようにPANを
含有せしめたいずれの皮膜形成用組成物の場合も塗装性
が揃って良好であることが判る。
また、形成された皮膜の諸特性はいずれも電磁鋼板絶縁
皮膜として充分に満足できるもので、従来得られなかっ
た優れた絶縁皮膜である。
実施例1と7は混合樹脂液の全不揮発物の重量%が大き
い、すなわち有機質成分の比率が高いため、特に打抜性
が150〜200万回と優れ、しかも溶接性も良好であ
る。実施例5は皮膜量が最も多い場合であり、溶接性が
若干劣るが、その他の性能は優れている。また実施例9
は混合樹脂液の全不揮発物の重量%が小さい、すなわち
有機質成分の比率が低いため、溶接性に優れる反面、打
抜性が若干劣るが実用上問題ない。
一方、比較例1は有機質成分として実質的にPANのみ
を含有させた皮膜形成用組成物であり、組成物の特性に
は全く問題はないが、密着性、耐食性及びクロム溶出性
に問題があり、使用することは出来ない。また有機質成
分として使用した混合樹脂液中に、PAN系不揮発物が
含まれていても混合樹脂液の全不揮発物に対する重量%
が本発明で定めた範囲よりも小さい場合である比較例2
、及びPAN系不揮発物が全く含まれていない比較例4
は、いずれも皮膜形成用組成物が発泡性及び塗装性に劣
り、従って得られる皮膜の特性も不良であり、使用する
ことが出来ない。また、混合樹脂液の組成は本発明に定
める範囲内にあっても、CrO2・H3PO4換算量合
計に対する混合樹脂液の全不揮発物の配合割合が、本発
明で定めた範囲よりも多い比較例3及び少ない比較例5
は、いずれも皮膜形成用組成物として使用される段階に
おける特性にほぼ問題はない。しかしながら、得られた
皮膜において無機質成分に対する有機質成分の割合が、
比較例3では多いために溶接性に難点があり、比較例5
では少ないために打抜性に難点がある他、耐食性、耐熱
性にも問題があって使用することが出来ない。
以上の実施例、比較例から、本発明によれば、皮膜形成
用組成物はポットライフが長く且つ発泡性で塗装性に優
れ、これを使用して電磁鋼板の絶縁皮膜として必要な多
くの特性を充分に満足せしめる皮膜を形成せしめる得る
ことが判る。
【図面の簡単な説明】
図面は混合樹脂液を調製する時の有機質系皮膜形成性樹
脂の水性エマルジョンとPANの水性分散液との適正な
配合割合の範囲を説明するための図である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 アクリル系樹脂及びアクリル−スチレン系樹脂のい
    ずれか一方または両方から成る有機質系皮膜形成性樹脂
    を乳化分散せしめたpH2〜8の水性エマルジヨンとア
    クリロニトリル系樹脂を分散せしめた実質的に乳化分散
    剤を含有しないpH6〜8の水性分散液とを両者の不揮
    発物の合計量に対して後者の不揮発物が10〜90重量
    %となるように混合して得た混合樹脂液を、クロム酸塩
    及びリン酸塩を主成分とする無機質系皮膜形成性物質の
    水溶液に該水溶液中のクロム酸塩のCrO_3換算量及
    びリン酸塩のH3PO_4換算量の合計100重量部に
    対し上記混合樹脂液の不揮発物が15〜120重量部と
    なるように添加混合して成る電磁鋼板絶縁皮膜形成用組
    成物。 2 アクリル系樹脂及びアクリル−スチレン系樹脂のい
    ずれか一方または両方から成る有機質系皮膜形成性樹脂
    を乳化分散せしめたpH2〜8の水性エマルジヨンとア
    クリロニトリル系樹脂を分散せしめた実質的に乳化分散
    剤を含有しないpH6〜8の水性分散液とを両者の不揮
    発物の合計量に対して後者の不揮発物が10〜90重量
    %となるように混合して得た混合樹脂液を、クロム酸塩
    及びリン酸塩を主成分とする無機質系皮膜形成性物質の
    水溶液に該水溶液中のクロム酸塩のCrO_3換算量及
    びリン酸塩のH_3PO_4換算量の合計100重量部
    に対し上記混合樹脂液の不揮発物が15〜120重量部
    となるように添加混合し、かくして得られた電磁鋼板絶
    縁皮膜形成用組成物を電磁鋼板に塗布し、300℃〜5
    00℃の温度で加熱して絶縁皮膜を0.5〜2.0g/
    m^2の範囲に形成せしめることを特徴とする電磁鋼板
    絶縁皮膜形成法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4830877A (en) * 1985-10-28 1989-05-16 Nisshin Steel Co., Ltd. Compositions for forming insulating films on electromagnetic steel plates and methods for making the same
JP2003526727A (ja) * 2000-03-16 2003-09-09 ポーハング アイアン アンド スティール シーオー.,エルティディ. 絶縁膜を形成するための被覆組成物、その被覆組成物で被覆された無方向性電気鋼板、及びその鋼板上に絶縁膜を形成する方法

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US4830877A (en) * 1985-10-28 1989-05-16 Nisshin Steel Co., Ltd. Compositions for forming insulating films on electromagnetic steel plates and methods for making the same
JP2003526727A (ja) * 2000-03-16 2003-09-09 ポーハング アイアン アンド スティール シーオー.,エルティディ. 絶縁膜を形成するための被覆組成物、その被覆組成物で被覆された無方向性電気鋼板、及びその鋼板上に絶縁膜を形成する方法

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