JPS619919A - 鋼帯の連続脱スケ−ル方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 ［発明の技術分野］ 本発明は、鋼帯の連続脱スケール方法に関する。

［発明の技術的背景とその問題点］ 熱間圧延した熱延鋼帯にはスケールが付着しているため
、その後冷間圧延を行う場合には、スケールを除去する
必要がある。この脱スケール法としては、大別すると、
酸洗方式とメカニカルデスケーリング方式とがある。し
かし酸洗方式では、長大な酸洗槽や大規模の廃酸処理設
備が必要となり、占有スペースが大きいばかりでなく、
設備費が嵩み、また酸を大量に使用するため経済的でな
く、しかも作業環境も悪い欠点がある。これに対して、
メカニカルデスケーリング方式は、ショツトブラストや
ワイヤーブラシ等によりスケールを除去しようとするも
ので、酸洗方式のように均一に脱スケールを行うことが
できない欠点がある。したがって、現状では上記の問題
があるものの、酸洗方式が主流であって、メカニカルデ
スケーリング方式はその補完的に使用されているに過ぎ
ない。

さらに伺言すると、酸洗方式においては、単に酸洗槽に
通板するだけでは、脱スケール性が悪いため、前処理と
してスキンパス、スケールブレーカ−やコイルの急冷を
行い、スケール層にクラックを入れて酸洗中にスケール
が溶は易くしたり、スケール層の層組成を脱スケール性
を考えて調節する試みもなされている。また酸洗中にブ
ラシによりデスケーリングすることも開発されてｌ／Ｘ
る。

しかし、このような改良によっても、酸洗すなわち酸洗
槽中への浸漬による方式がもってし）る、前述のライン
長が長くなる問題は依然として解決されていないのが現
状である。

これに対して、メカニカルデスケーリング方式は、酸洗
方式といかに組み合せるかの点から、あるいはそれ自体
で種々の方式が提案され、また一部実施されている。し
かし、このメカニカルデスケーリング方式単独では、均
一な脱スケールを行うことができないため、酸洗方式の
前処理としてしか使用されていない。

たとえば、酸洗に先立って、スキンノくスミル、レベラ
ー、圧延機を通す提案が種々なされてＩ／）るが、脱ス
ケール性に十分なものが見出し得なり島のが現状である
。また、酸洗に先立って高圧スラリーを噴射する試みも
あるが結果は同様である。

一方、従来の酸洗槽内を通板させる方法に代えて、酸洗
所要時間を短くし、また通板材料のスケール状態やその
速度に応じて効果的に追従させるために、特開昭５４−
８１１２６号公報等に開示されたスプレー酸洗方法が知
られている。また、完全に酸洗を行うのではなく、予め
クラックを入れた後に、そのクラック内に酸を浸透させ
、後にブラッシング等の機械的脱スケールによって最終
的に除去する方法も特開昭５７−１１７１３号として提
案されている。さらに、このような酸洗槽の使用を避け
る方法には、クラックを入れるために圧延以外の方法と
してレベラーを用いる方法や、レベラー→酸塗布→ブラ
ッシング→酸洗（槽による）等の工程を経る方法もある
。

たしかに、従来の酸洗槽に通板させる方法に代って、ス
プレー酸洗法や酸洗槽を用いるとしてもその酸洗はクラ
ックに酸を浸透させるだけであるとの方法は、設備の占
有面積を小さくするなどの点で効果的である１本出願人
の１人も、同様の目的をもった技術的思想を、特開昭５
８−８４９８３．１０７２１１．１０７２１２．１１０
１３６号公報等において先に開示した。

しかし、本発明者らがさらに鋭意研究を進めたところ、
第１にクラックを入れる条件によって脱スケール性が左
右されるとともに、特に表面品質に大きく影響を与える
こと、第２にスプレー酸洗を圧下工程と組み合せても、
脱スケール性に限界があることが判明した。

たとえば、スキンバス軽圧下法を含めた圧延によるスケ
ールプレイキング法は、その効果に限界があるとともに
、圧延時にスケールの押込みを生じ、品質を低下させる
とともに、スプレー酸洗等の酸塗布法に限界があるがた
めに、その後ブラッシングを行う場合、脱スケール性の
向上のためにブラシを強く押し付けると材料表面にブラ
シマークを残し、さりとてブラシを弱く当ったのでは十
分な脱スケール性が得られない、また、ブラッシング法
は、鋼帯の形状や反りがある場合、ブラシの当り方が板
巾方向で不均一となり、ブラシマークを避は得ず、また
オーバーピックルも生じがちである。

［発明の目的コ 本発明の目的は、前記従来の問題点を解決し、得られる
製品の表面性状に優れ、ライン長が著しく短くなり、し
かも高速処理が可能な鋼帯の脱スケール方法を提供する
ことにある。

［発明の概要］ この目的を達成するための本発明は、対象鋼帯を小径の
ダル付ワークロールを用いて圧下をかけスケール層にク
ラックを生成させ、その後当該鋼帯を昇温し、後に昇温
状態の鋼板に酸を噴射して酸洗を行うことを特徴とする
ものである。

本発明の主要点は次の通りである。

（１）スケールプレイキングに当って、小径のダル付ワ
ークロールを用いている点、圧延負荷の面からは、ロー
ル表面が平滑なブライドロールを用いるのが好ましいけ
れども、スケールプレイキング効果が劣る。しかも、効
果が劣るブライドロールを使用し、強圧下によりスケー
ルプレイキングを行うとすれば、材料表面に押込み疵を
生じる。そこで、本発明では、小径のダル付ワークロー
ルを使用して、スケールプレイキング効果を向上させ、
可能な限り低圧下率で目的を達成しようとするものであ
る。

（２）スプレー酸洗等の酸塗布方式の前工程として、ス
ケールプレイキング鋼帯を昇温させるようにした点、ス
プレー酸洗は、浸漬酸洗よりも、新酸が常時対象鋼帯と
接触するので、酸反応が促進され、効率的である。しか
るに、浸漬酸洗（槽）方式と比較して優れているとは言
っても、脱スケール性に限界がある。勿論、スプレーノ
ズルの列数を多くしてライン長を長くすれば不可能では
ないけれども、本発明の目的に反する。一方、酸反応は
温度が高いほど速かに進行する。しかし、本発明の好適
な例としては、スプレー酸洗法によるので、スプレーノ
ズルから噴射される酸温度を高めても、材料温度が低い
と効果は低い、なお、酸浸漬法であれば、酸温度を高め
ることは効果的であるけれども、上述のように本発明は
酸浸漬法に依らない、そこで、本発明は、酸洗前に材料
を昇温させ、温度低下を可能な限り抑えた高温状態で酸
洗を行うこととしている。

［発明の具体例１ 以下本発明をさらに具体的に詳説する。

第１図は本発明に係る連続脱スケール設備の概要を示し
たもので、巻取られたスケール付熱延鋼帯ｌは、ペイオ
フリール２から繰出され、まずダル付ワークロール３ａ
、３ａｔ−備えたたとえば６段クラスターミル３によっ
てスケールブレーキングが行われる０次いで、温湯等が
満たされた昇温槽４に通され、昇温された後、スプレー
酸洗槽５において酸洗され、最終的に巻取リール６に巻
取られる。

次にこの工程順に好適例を丞しながら説明する。

鋼帯１に対してそのスケールプレイキングが行なわれる
。従来一般に用いられているブライドロールでは前述の
ようにスケールプレイキング効果が低いので、ダル付ワ
ークロールが用１．％られる。ワークロールの表面粗さ
は０　、５　ｐＲａ〜３゜５ＩＬＲａ未満特に１　、５
　ｇＲａ　〜３　、　ＯｇＲａが好ましい、０．５ｕＬ
Ｒａではスケールプレイキング効果が小さいし、３．５
ｇＲａを超えると、スケールクラックが入り過ぎ、スケ
ールの脱落現象が生じ、その結果、鋼帯にスケール押込
み疵を生じる。

圧下率は５〜１５％が望ましく、５％未満だとスケール
プレイキング効果が小さく、１５％を超えると、強圧下
となりスケール押込み疵の発生を招く、ワークロール径
は５０〜４００１腸φが好適である。ワークロール径は
小径はどスケールプレイキング効果が高いが、ロール自
体の強度から５０ｍ５φ以下は避けるべきであり、他方
４００ｍｍΦを超えるとスケールプレイキング効果が期
待できない。

ところで、第１図には１パスの圧延を行う例を示したが
、一般には１パスで圧下率５〜１５％の圧延を行うより
も、複数回パスの方が脱スケール効果が大きいが、設備
コストならびに本発明の後の工程でその分負担してくれ
るので、実用上１パスで十分である。また、圧延時には
、水または潤滑剤を用いて圧延するとともに、ワークロ
ール表面に付着するスケール粉を高圧水噴射ノズル等に
より除去するのが望ましい。

スケールプレイキングが行なわれた鋼帯は、昇温槽にお
いてすくなくとも表面部の昇温か行なわれる。昇温用の
液は、通常水で足りるが、必要ならば酸を用いてもよい
、昇温によって、少なくとも鋼板表面部の温度を４０〜
８０℃とすることが♀まれる０次の工程での酸洗反応を
速かに進行させるためや槽長な可能な限り短かくするた
めには４０℃異常とする必要があり、高温であればそれ
だけ効果が大きいが、昇熱エネルギーコストや実用上か
ら８０℃を超えることは好ましくない、昇温手段として
、液への浸漬方式のほか、伝熱コイル等を用いることが
できるのは勿論であるがスケールを新たに生成させぬよ
う配慮が必要である。昇温された鋼帯は、可能な限り直
にスプレー酸洗槽に通板され酸洗が行なわれるようにす
るのが好ましい。スプレー酸洗によると、酸浸漬法に比
較して酸洗効率が高い、Ｒ１図および第２図のように、
スプレーノズル５ａ、５ａｅｓからの酸の噴射方向は、
上下面共に鋼板の流れと向流とするのがよく、その方向
は立面的には、垂直線に対して３０’〜５０°が好まし
い。また、平面的に見て第２図のように、各ノズルから
の酸液方向が板の中央に向うようにした方が好ましい。

もし、板の流れと平行であると、酸液が鋼帯の巾方向両
側に集中するようになり、巾方向に関し均一な脱スケー
ル性が得られない。ノズルの数は２以−Ｌであればよく
、通常１列島り３本以上とすべきである。使用する酸液
としては、塩酸または硫酸等を挙げることができるが、
塩酸の方が効果が大きい、もし必要ならば、酸液を４０
〜８５℃の昇温状態で噴出させてもよい、また、ノズル
からの酸液の噴出圧は３　、０　ｋｇ／ｃｒｎ’以上で
あることが望まれる。一方、一般には酸液をノズルから
ある程度の圧力で噴射させるのが好ましいけれども、酸
含浸スポンジロール（酸は順次補給される）を用いる方
法や酸液の垂れ流し方式を排除するものではない、しか
し、スケール面を新酸で常に置き換えるという点で、浸
漬法は本発明から排除される。

以Ｅ述べた酸洗工程の後に通常の水洗工程即ち水洗スプ
レー等のリンスを行うものである。

かくして脱スケールが行なわれた鋼板はそのまま巻取ら
れるが、必要ならば短い酸浸漬槽を通すなり、軽いブラ
ッシング工程を経てもよい、ただ、実用上、かかる工程
は付加しないのが好ましい。

［実施例］ 次に実施例を示す。

３．０■■Ｘ１２００ｍｍ巾の熱延鋼帯を６８０℃で巻
取ったものを種々の条件で脱スケールを行った。結果の
脱スケール性の評価は、■：完全脱スケール、Ｑ：９０
％以上の脱スケール、６２３０〜９０％脱スケール、×
：３０％以下の脱スケールで表わす。

〈実施例１〉 前記鋼帯に対して、ワークロール径は２５０ｍｍφと一
定とし、ワークロールの種別、粗さ、ならびに圧下率を
変えてスケールプレイキング効果を調べた。

なお、圧延以後の工程は、いずれも鋼帯を５０℃に昇温
し、スプレー酸洗槽は図面に示すように、ノズルをｌ】
方向５個、５列を上下面に対して配置し、両端部ノズル
も中央に向け、塩酸を５ｋｇ／ｃｍ’圧で噴射した例で
ある。結果を第１表に示す。

第　　　　１　　　　表 〈実施例２〉 実施例１で好適であった、ロール粗さ２．０μＲａ、圧
下率７％の条件を固定にし、昇温条件および酸洗条件を
代えてみた。結果は第２表の通り　　で　　あ　　る　
　。

第２表 比較例として、酸浸漬法の結果も示す。

〈実施例３〉 次記条件で、脱スケールの実機テストを行ったところ、
完全な脱スケールを行うことができた。

（Ｄ処理材：３．０ｍｍ厚Ｘ１２００ｖｍ幅スケール付
鋼板 Ｃ２）圧延ワークロール表面粗さ：２ｇＲａ（多圧下率
ニア％ ■圧延ワークロールｌｌ：２５０ｍｍ（６段クラスター
ミル） （５）昇温時鋼板温度ニア５℃ （Φ幅方向スプレーノズル個数：５ヶ×６列■スプレ一
方向二両端の２ケずつを鋼帯中央部に向け、中央部の１
ケは板中央部 向きのスプレーとする （かスプレー圧力＋５ｋｇ／ｃｒｎ’ また、ライン長は約１００ｍで、ライン速度４００ｍｐ
ｍとし、２０Ｔｏｎコイル（約７００ｍ長）を１．７５
分を処理した。スプレー酸洗時間は８秒である。

これに対して、従来法では、約３００ｍのライン長、ラ
イン速度２００ｍｐｍ、処理時間３．５分であったこと
を考えると、本発明の有効性が明確になった。

［発明の効果］ 以上の通り、本発明によれば、製品品質の向上、ライン
の高速化および短縮化を確実に達成できる。

【図面の簡単な説明】 第１図は本発明に係る連続脱スケール設備の概要（Δ、
第２図はスプレーノズルの配置例の平面図である。 ■・・鋼板 ３・　・ミル ３ａ・・ダル付ワークロール ４・壷昇温槽 ５・・スプレー酩洗槽 特許出願人　　　住友金属工業株式会社住友重機械工業
株式会社

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. （１）熱延鋼帯の脱スケーツ法において、鋼帯の移送路
   上の上流側より小径のダル付ワークロールを有する多段
   式圧延機と、鋼帯を昇温する昇温槽と、スプレーノズル
   を有する酸洗槽を順次設け、鋼帯を上記多段圧延機で圧
   下率を５〜１５％の軽圧下圧延を行った後、昇温槽で４
   ０〜８０℃に昇温し引続いて酸液をスプレー噴射し酸洗
   を行うことを特徴とする鋼帯の連続脱スケール方法。