JPS6196026A - 高温圧力容器用高クロム鋳鋼の熱処理方法 - Google Patents

高温圧力容器用高クロム鋳鋼の熱処理方法

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JPS6196026A
JPS6196026A JP21632384A JP21632384A JPS6196026A JP S6196026 A JPS6196026 A JP S6196026A JP 21632384 A JP21632384 A JP 21632384A JP 21632384 A JP21632384 A JP 21632384A JP S6196026 A JPS6196026 A JP S6196026A
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誠 中村
Yorimasa Takeda
竹田 頼正
Akiji Fujita
明次 藤田
Yusaku Takano
高野 勇作
Kazunari Takebayashi
竹林 一成
Mitsuo Minami
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Yasumune Tashiro
田代 康統
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、別途提案する新規な高温圧力容器用高クロム
鋳鋼材を適正に使用するための熱処理方法を提供するも
のである。
すなわち、本発明で対象とする材料は、大型の鋳鋼材と
しても、高い高温強さと耐酸化性と共に、常温における
良好な延性および靭性を有し、その念めに溶接性が良好
で、かつ、割れ発生抵抗が大きく、蒸気タービンの車室
や弁室のように高い信頼性が要求される高温圧力容器材
として好適な高温圧力容器材用の9〜11%高クロム鋳
鋼材として開発されたものである。
蒸気タービンの車室や弁室は、高温で高圧力を受けるた
めに、クリープ破断強さや耐力で代表される優れ九高温
強さが要求される。また、これらの部品は、構造が複雑
で厚肉であるために、起動時などに高温の蒸気が流入す
ると局部的に加熱されて、その部分に圧縮の歪みが生じ
、その念めに冷却時に、その部分に大きな引張応力が残
ることがある。そして、これらの部分は、また、熱疲労
による亀裂発生が起シ易く、このような亀裂発生あるい
は欠陥の存在によって脆性破壊的に大きな亀裂に進展す
ることがある。
これを防ぐためには、その材料は延性および靭性を高く
する必要がある。また、これらの部品を鋳物によって製
造する場合には、溶接補修が必要となる。また、その組
立、工作のためにも溶接が必要となる。従って、溶接性
のよいことが不可欠であシ、このような溶接性の確保の
ためにも延性および靭性の確保が必要となる。
従来、このような部品を鋳物で製造する場合には、いわ
ゆる1チOr−α5 Mo鋳鋼、2A%Or −1% 
Mo鋳鋼およびOr −Mo −’I鋳鋼などの低合金
鋼索鋳鋼が使用されてい九。しかし、これらの材料は、
高温強さは必ずしも十分でない。
また、高温にし九ときの耐酸化性の点くも問題があった
しかるに最近では、いわゆる省エネルギーを目的とし友
、発電プラントの高効率化すなわち、高温高圧化を行お
うとする動きがある。このような動きに対しては、これ
らの材料は、高温強さおよび耐酸化性の面で十分に対応
できない状況にある。したがって、これらの動きに対応
するためには、高温強さがより高く、かつ、耐酸化性に
すぐ九九新しい材料が必要とされる。
このように、高温強さが高く、耐酸化性がすぐれた材料
としては、いわゆるオーステナイト系鋼がある。しかし
、オーステナイト系鋼は、高温でのクリープ破断強さは
高いが、常温も含めて低温側での耐力が低い。また、熱
伝導率も小さいので熱応力も大きくなる傾向がある。そ
のために、これらの材料は、蒸気タービン車室や弁室に
使用すると、起動時や負荷変動の際に、熱応力による曲
りが生じ易く、必ずしも1設計的には有利ではない。ま
た、オーステナイト系鋼の場合には、いわゆる変態がな
いために、組線の調整を熱処理で行うことができない。
そのために、これらの材料では、鋳物によって製造する
と、鋳造組織がそのまま残る。また、鍛造による場合で
も、結晶粒の調整は、熱処理前の鍛造履歴を制御するこ
とによって行う必要がある。この場合、蒸気タービン車
室や弁室のように形状が複雑なものでは、均質な材料?
得ることが難しく、そのため罠、材料本来の性質を得る
ことが困難である。
以上のような理由の友めに、蒸気タービンの車室や弁室
のような高温圧力容器用の材料としては、止むを得ない
場合は、オーステナイト系鋼を採用するとしても、7エ
ライト系でもつと便利な材料の開発が強く望まれていた
このような材料として注目されているものとして、8〜
15−程度のクロムを含むいわゆる12クロム鋼がある
。12クロム鋼は、クロムが高いために、前述の低合金
系鋼に比して耐酸化性がよく、また、比較的小型の圧延
あるいは鍛鋼材としては、優れた高温強さをもつ材料と
して多く実用化されているので、鋳造材としても、優れ
た高温強さを有することが期待されている。
このような12クロム鋳鋼材としては、第1表に示すよ
うなものが一般に、広く知られている。
しかし、これらの材料は、その成分検討が必ずしも十分
でない。従って、蒸気タービンの車室や弁室のような大
型鋳造品を製造した場合には、偏析によるδ−7エライ
トの生成、炭化物の析出や焼入れ不足のために、延性お
よび靭性が得られない。
また、延性訃よび靭性が得られても、高温強さが得られ
ず、そのために高温圧力容器材としての実用は困難であ
った。
また、12クロム鋳鋼の場合、δ−フェライトの生成、
炭化物の析出を抑制し、さらに、焼入れ性を十分に確保
しても、大型あるいは厚肉材として製造したときには、
延性および靭性が得られないという問題もある。
ここで対象とする材料はこのような状況に対して、大型
材としても十分な延性および靭性が確保でき、かつ、優
れた高温強さを有し、さらに良好な耐酸化性を有するい
わゆる12クロム鋳鋼の範祷に入る9〜11%クロム鋳
鋼として開発されたものである。
本材料は、以下の試験および知見にもとづいて、上記の
性質を得るには、その成分範囲を狭い範囲に限定しなけ
ればならないことを明らかにし、その範囲を限定するこ
とによって得られた。
第2表は、本材料の開発のために試験を行っ九試験材の
成分を示す。試験材F′150kli+真空高周波溶解
炉で50に9の材料を溶製し、これを砂型鋳型に鋳込む
ことによって調製した。これらの試験材は、1.030
℃で10hr 加熱し、これから300℃までを73℃
−/hrで冷却し、以後空冷した後、これを65Ω℃お
よび700℃で10hr焼もどす熱処理を行り念後、引
張、衝撃、高温引張およびクリープ破断試験に供された
。ここで、各温1度での保持時間を10hrとし、1,
030℃から300℃までの冷却速度t″73℃/h 
としたのは、蒸気タービン車室などの大型材を想定し、
それを模擬したものである。
第3表(その1)(その2)は常温および高温引張およ
び衝撃試験結果を示す。
第1図は、常温引張試験結果よ)、延性の代表とされる
絞シについて、これを引張強さとの関係にまとめて示す
。また、第2図は、靭性の代表とされる常温衝撃値を引
張強さとの関係にまとめた結果を示す。ここては、衝撃
値F12 mVノツチシャルピー衝撃値を示す。1念、
第3図は高温強さの代表とされるクリープ破断試験結果
を引張強さとの関係にまとめて示す。
第1図よシ、この試験では、延性の代表である絞)と引
張強さの相関関係は、主として、炭素量によって変化し
、炭素量が少ないほど、延性が向上する傾向があること
がわかる。
ここで試験t−Ll材料番号1から8までの材料は、本
発明の鋳鋼の成分を決めるために試験したもので、δ−
フェライトの抑制および焼入れ性の確保の点では、十分
に配慮が払われている。したがって、上記材料の試験結
果は、J−7エライトの抑制および焼入れ性が十分に確
保され九条件で得られたものである。一般に、いわゆる
12Cr系鋳鋼は、小型材で焼入れの際の冷却速度が大
きい場合には、このような傾向は現われない。そのため
に、これらの鋳9Aヲ大型化する場合、この点が盲点と
なって穐々O問題を起すことが多い。ここでの試験は、
このような問題を避けるために、前述のように、あらか
じめその熱処理について配慮して試験を行い、その結果
として上記の事実をあきらかにしたものである。
第2図から、衝撃値も、絞りほど敏感ではないけれども
、炭素量が多くなると低下する傾向があることがわかる
。また、第2図では、材料番号8番と12番では衝撃値
が低くなっているが、これは、δ−フェライトが生成す
るためである。
fjIX3図から、ここで試験され念材料は、同じ引張
強さであれば、炭素量が低いほどクリープ破断強さは上
昇する傾向があることがわかる。
この傾向も、一般の小型材の常識には反しており、ここ
での試験のように、試鏡材の熱処理を大型材のそれに模
擬してはじめて得られるものである。
以下に、本発明の対象となる鋳鋼の成分の具体的な限定
理由を述べる。
炭素量は、前述の試験結果よシ、延性、靭性および高温
強さの確保の点から、炭素量を低くすることとし、10
8〜0.l 2%とした。炭素量は、あまシ少なくする
と、δ−7エライトの生成が起シ易くな〕、また焼入れ
性が不足し、靭性の確保が困難になるので、その下限を
108チとした。上限t−0.l2チとしたのは、ここ
に示した試験の結果では、炭素は、これよシも多くして
も、まだ、十分な延性および靭性が保たれているが、こ
れは、比較的小型の試験材で条件の良い溶製を行った材
料の結果であって、大型の実用材では、炭素量の増加に
よる延性および靭性の低下はよシ大きく強調して現われ
る可能性があること、およびこの鋳鋼の実用範囲である
引張強さ70〜80に9f/w”では炭素を多くすると
、クリープ破断強さが低下する傾向があることを考慮し
たものである。
ケイ素t−0.7%以下にしたのは、通常、この種の材
料では、鋳造材とする場合には、鋳造性の確保のために
ケイ素はやや高めにすることが望ましいとされているの
で、その常識にしたがって、この値まで許容することに
したものである。ケイ素を高くすると、渦流れがよくな
シ、マ九、溶湯の鎮静化の効果があって、いわゆる鋳造
欠陥の防止には有効であるが、そのかわシに、ミクロ的
およびマクロ的偏析を起し易く、安定した材料性質が得
難くなるという問題がある。上述の17%という上限は
、この後者の問題が顕著に現われない範囲でこれを許容
したものである。
マンガンt−cL8 %以下としたのは、通常、この種
の鋳鋼では、マンガンの添加は硫黄の悪影響を軽減し、
を九、δ−7エライトの生成防止および焼入れ性の向上
(有効であるので、ここまで許容したものである。マン
ガンは、これ以上添加することも可能かもしれないが、
あまシ多くすると材料の性格を変えるおそれがあるので
、ここでは、IIL8%に1ンガンの上限をおさえた。
ニッケルをα4チから1lL796としたのは、この種
の鋳鋼では、クリープ破断強さの改善の九めには、ニッ
ケルは少ない方がよいが、ニッケルt−st b少なく
するとδ−フェライトの生成および初析7エライトの析
出傾向が生じ、靭性が低下して鋳鋼材としての実用性が
なくなるので、通常添加されるα5僑添加を目標として
、この範囲に定めたものである。
クロ五t9%から11%にし九のは、この糧の鋳鋼では
、クロム量を多くシ念方が、クリープ破断強さは向上す
るが、あtb多くすると、δ−7エライトの生成および
初析7エライトの析出傾向が生じ、靭性の確保が困難に
なるので、この範囲に定め念。
モリブデンt−0.65%から100%としたのは、こ
の種の鋳鋼では、モリブデンは、1−程度添加するとク
リープ破断強さの向上に対して釣合いのとれた効果を与
えるが、あまシ多く添加すると、高温長時間加熱による
脆化を起したり、δ−フェライトの生成および初析フェ
ライトの析出を起す傾向が生じるので、ここでは、大型
の鋳鋼材にした場合の偏析も考慮して、それよりもや\
低めの上記の範囲に定めた。
バナジウムをα13悌からα20チとしたのは、通常、
この種の鋳鋼では、クリープ破断強さの向上のためには
、バナジウムはα25%程度添加するのが望ましいとさ
れている。しかし、本発明者らは別の試験によって、こ
れを大型材として使用する場合には、前述の炭素の場合
と同様にクリープ破断強さは、バナジウム量を少なくシ
念方がかえって向上する傾向があることを確認していた
ので、ここでは、焼入れ性を損わない範囲でこれを低く
することとし、その制御範囲も考慮して、この範囲に決
めたものである。バナジウムは、通常、この糧の鋳鋼の
この程度の添加量については、αロ6係の@を持念せて
成分範囲を決めることが必要とされている。
ニオブをα05〜α07%としたのは、ニオブは、窒素
との相互作用で結晶粒の成長を防止して、延性および靭
性の確保に役立ち、また、バナジウムとの複合添加によ
シ、クリープ破断強さの向上にも効果がある“が、これ
も、上述のバナジウムと同様に、あまシ多く添加すると
、大型材ではかえってクリープ破断強さを低下させ、ま
た、偏析部に炭窒化物を析出させて、欠陥となることが
別の試験で確認されているので、ここでは、ここに示し
九試験によって、その効果が確認さnた0.O55%を
中心として、その制御可能な範囲として上記の範囲を定
めたものである。
窒素t−cLO3〜α07%としたのは、この種の鋳鋼
では前述したように、大型材にした場合、炭素を多くす
ると延性および靭性を低下させるが、窒素にはそのよう
な作用はなく、かつ、これと炭素との共存によって、炭
化物と同質の炭窒化物の析出を増進させてクリープ破断
強さの向上に効果がある。ま念、バナジウムおよびニオ
ブとの共存により、結晶粒の成長の抑制およびδ−フェ
ライトの生成、初析7エライトの析出の防止に効果があ
る。さらに、焼入れ性を向上させるなどの効果によって
、延性および靭性の確保にも効果があるので、窒素を添
加したものである。しかし、窒素も、あま)多く添加す
ると、炭素の場合と同様に、クリープ破断強さをかえっ
て低下させる傾向が生じるので、ここでは、その効果が
確認され7jIIL05%を中心に、その制御可能な範
囲として、上記の範囲を定めたものである。
以上の成分に対して、さらに、δ−フェライトの生成、
初析7エライトの析出の防止および焼入れ性の増加が必
要な場合には、コバルトを添加することも可能である。
コバルトはニッケルと同様の効果を有するが、ニッケル
と異なシフリープ破断強さにはあまシ悪影響は与えない
従って、ニッケルを制限することによシ、δ−フェライ
トの生成、初析7エライトの析出防止および焼入れ性の
確保に問題がある場合には、コバルトを添加することが
望ましい。しかし、コバルトをあまシ多く添加すると、
材料性質の釣合いをくずす可能性があるので、ここでは
、その範囲を効果が確認された0.5%を中心とし、そ
の制御可能範囲である17%までを許容限として、コバ
ルトを添加することを許容した。
以上に述ぺ九成分は、第2表の材料番号1.2および5
の材料に相当する。これらの材料が、これと類似である
材料番号4〜7の材料に比して延性靭性およびクリープ
破断強さの点ですぐれていることは、第1図から第3図
までの結果よシあきらかである。これは主として、炭素
の効果による。材料番号8の材料は、クリープ破断強さ
の点ではすぐれているが、延性および靭性の点で問題が
ある。これは主として、窒素の影響である。
!九、第1表に示す既存の材料から類推される材料とし
てここでは、材料番号9〜12の材料を試験したが、こ
れらの材料は、いずれも、延性および靭性の点あるいは
クリープ破断の点、または、この両者に問題があること
がわかる。
以上に、述べたように、本発明が対象とする高クロム鋳
鋼は、新しい試験および知見にもとづいて、従来のこの
種の鋳鋼の実用化への障害となってい九大型材にした場
合の延性および靭性低下の問題を解決し、かつ、クリー
プ破断強さをも改良したものて、最近、開発が望まれて
いる蒸気タービンの車室や弁室などの高温圧力容器用高
クロム鋳鋼材として実用性の高いものであ)、工業的に
顕著な価値のあるものである。
しかし、このような材料も適正な熱処理の下に使用しな
ければ所期の目的に扛使用できない。
本発明は、これに対して、この材料によって実際の圧力
容器を製造する場合の熱処理方法を提供するものである
以下に、その詳細を説明する。
第1図および第2図よシわかるように、本発明の対象と
なる材料の延性および靭性は、引張強さが高くなると低
下する傾向がある。したがって、延性および靭性を確保
するためには、引張強さに対して、一定の規制を加える
必要がある。
ここでは、この試験の材料が小型であり、ま九、条件の
良い溶製が行われておル、実用の大型材になったときに
は、キの延性および靭性の引張強さの向上による低下は
より強調された形で現われる可能性があることおよび引
張強さをStυ低くするとクリープ破断強さが低下する
ことを考え、引張強さとしては、70 kl?f/m”
から80に9f/wm”の範囲で使用することにした。
したがって、本発明の熱処理では、まず、この点につい
て考慮し虎。
次の問題として、本発明が対象とする材料が大型で、か
つ肉厚で、複雑な構造をもつ圧力容器として製造さnる
ものであることを考える必要がある。
大型で肉厚で複雑な構造をもつものでは、焼ならしt行
うと各部に大きな残留応力が生じる。
しかるに、一般に、高クロム鋳鋼は、焼ならし状態では
、延性および靭性が低く、そのまま常温近くの低温まで
冷却すると割れ発生を起す危険がある。
したがって、本発明では、このような割れ発生について
も考慮した。
これについては、本発明では、焼ならし後の冷却を途中
でとどめ、このときに生じたマルテンサイトをいったん
焼もどして延性および靭性を与えた後に、冷却するとい
う方法を採用した。
しかし、このようにした場合、本発明が対象とする材料
では、焼入れ性が良好であるために、焼ならしの際に残
留する未変態オーステナイトは、焼もどし時にも、その
まま残シ、焼もどし後の冷却によって、焼ならし後の冷
却温度以下になって、始めてマルテンサイト変態する。
したがって、この状態では、焼入れマルテンサイトが残
る。
しかるに、一般に、高温材料においては、焼入れマルテ
ンサイトが存在する状態で高温で使用すると、クリープ
破断の切欠敏感性が増大した夛、高温低サイクル疲れあ
るいは熱波れで、高温での引張応力作用下での保持時間
が長くなると著しく寿命が低下するという問題が起る。
したがって、本発明は、このようなことも考慮した。
以下に、具体的な熱処理の方法およびその限定理由を述
べる。
本発明が対象とする材料は、所期の材料性質を得る友め
に、焼ならしが必要である。この場合、強化元素の固溶
を十分にして、クリープ破断強さを確保するためには、
その温度はto00℃以上にすることが必要である。ま
た、あまり温度を高くすると結晶粒の粗大化が起シ、延
性および靭性が得られなくなるので、その上限を1、1
00℃程度に抑えることが必要である。し九がって、こ
こでは焼ならし温度は、上記の温度範囲に定めた。
焼ならしの場合の冷却温度であるが、これは常温まで冷
却すると前述したように割れ発生の危険がある。ま危、
冷却が不十分であると、残留オーステナイトが多く残シ
、その後の焼もどしによっても、それがそのまま維持さ
れて、焼もどし後に焼入れマルテンサイトが生じて、同
じく割れ発生を起し易くなる。し九がって、ここでは、
十分な量のマルテンサイト変態が起シ、未変態オーステ
ナイト量を少なくなる温度まで冷却することが必要であ
る。本発明が対象とする材料では、そのような温度とし
ては、250℃以下にすることが望ましい。し光がって
、ここでは、その温度1j−250℃以下とじ九。
この場合、その後の焼もどしとしては、その温度を55
0℃以上にすれば割れ発生は起らなくなる。しかし、こ
の場合は、Toまシ温度を高くすると、この材料の適性
強さである引張強さ70に9f/■1から80ゆf/飄
3という値が確保できなくなる。そして、その上限は7
50℃付近にある。したがって、ここでは、その温度と
してssa℃から750℃とした。
しかし、前述したように1このような焼もどしを行って
も、その状態では、焼入れマルテンサイトが残シ、前述
のような問題が生じる。し九がって、本発明では、これ
を防止するために、1回目の焼もどしを起った後に1再
度を焼もどしを行うことにした。
しかし、この場合、1回目の焼もどし後の冷却温度が十
分低くないと、゛この状態でも未変態のオーステナイト
が残夛、それが再度の焼もどし時もそのtま維持されて
、その後の冷却時に焼入れマルテンサイトになるという
問題が生じる。したがって、このような不具合を防止す
るには、再度の焼もどしを行う前、すなわち、1回目の
焼もどし後の冷却を十分に行う必要がある。本発明が対
象とする材料では、その温度としては、150℃以下に
することが必要である。
したがって、こ\では、その温度を150℃以下に定め
た。
次に、再度の焼もどしの温度であるが、これは、本発明
が対象とする材料の引張強さ1ii−70に9f/■3
から80に9f/−”に調整することに目標をおくこと
が必要である。そのためには、その温度としては、68
0℃から750℃の範囲にすることが必要である。した
がって、ここでは、その温度をこの範囲に定めた。
(実施例)′ 以下に、本発明に係わる1実施例を示す。
本発明の効果を確認するために、第4図に示す1 to
n溶解材を試作し、試験した。なお、第4図中の寸法の
単位は−である。
第4表に、その材料の化学成分を示す。この材料は、電
気炉で溶製し、砂型鋳型に鋳造された後、1. OS 
O2N2.040℃で10hr加熱した後、150℃〜
250℃の範囲の温度まで空冷によシ冷却した後、69
0’〜705℃で10hrの1回目の焼もどしを行う空
冷により、60″〜80℃まで冷却し喪後、再度、71
0℃で10hrの焼もどしを行って空冷し、試験に供し
た。
第5表は、常温引張および2IIlllvノツチ試験片
による衝撃試験結果を示し、第5.6および7図に、そ
れぞれ、高温引張試験結果、り17−プおよびクリープ
破断試験結果および高温低サイクル疲れ試験結果を示す
これらの図表かられかるように、本発明の方法は、本発
明が対象とする高温圧力容器用高クロム鋳鋼材に対して
、その目的とする用途に対してきわめて良好な性質を与
える。
したがって、本発明は、産業上大きな価at−もつもの
といえる。
【図面の簡単な説明】
第1.2および3図は、それぞれ、本発明が刺象とする
材料の開発を行ったときの基礎試験材の絞シ、衝撃値お
よびクリープ破断強さを引張強さとの関係にまとめ九結
果を示す。これらの図は、本 発明が対象となる材料の
成分限定の根拠を示す。 第4.5および6図は、それぞれ、本発明の適用によっ
て得られた材料の高温引張、クリープおよびクリープ破
断および高温低サイクル萄小試験の結果を示す。 復代理人  内 1)  明 復代理人  萩 原 亮 − 晃4図 亮5図 試験温度ぐC) 手続補正¥(出光ン 昭和 60年 10月 7 日

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)重量含有率で炭素0.08〜0.12%、ケイ素
    0.7%以下、マンガン0.8%以下、ニッケル0.4
    〜0.7%、クロム9〜11%、モリブデン0.65〜
    1.00%、バナジウム0.13〜0.20%、ニオブ
    0.03〜0.07%および窒素0.03〜0.07%
    を含有し、残部が鉄および付随的に混入する不純物より
    なる高温圧力用高クロム鋳鋼に対して、1,000°〜 1,100℃で加熱して焼ならしを行い、250℃以下
    の温度まで下げ、その後に、これを 550°〜750℃の温度範囲で1回焼戻し、150℃
    以下までに冷却した後に、さらに、680°〜750℃
    に焼戻すことを特徴とする高温圧力容器用高クロム鋳鋼
    の熱処理方法。
  2. (2)重量含有率で炭素0.08〜0.12%、ケイ素
    0.7%以下、マンガン0.8以下、ニッケル0.4〜
    0.7%、クロム9〜11%、モリブデン0.65〜1
    .00%、コバルト0.7%以下、バナジウム0.13
    〜0.20%、ニオブ0.03〜0.07%および窒素
    0.03〜0.07%を含有し、残部が鉄および付随的
    に混入する不純物よりなる高温圧力容器用高クロム鋳鋼
    に対して、1,000°〜1,100℃で加熱して焼な
    らしを行い、250℃以下の温度まで下げ、その後に、
    これを550°〜750℃の温度範囲で1回焼戻し、1
    50℃以下までに冷却した後に、さらに、680°〜7
    50℃に焼戻すことを特徴とする高温圧力容器用高クロ
    ム鋳鋼の熱処理方法。
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