JPS618470A - 内燃機関の燃料−空気混合物の燃焼開始方法及びその装置 - Google Patents

内燃機関の燃料−空気混合物の燃焼開始方法及びその装置

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JPS618470A
JPS618470A JP60034275A JP3427585A JPS618470A JP S618470 A JPS618470 A JP S618470A JP 60034275 A JP60034275 A JP 60034275A JP 3427585 A JP3427585 A JP 3427585A JP S618470 A JPS618470 A JP S618470A
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、燃料および燃料−空気混合物の燃焼を開始さ
せ、これを増強するシステムに広く関係するもので、特
に点火および燃焼増強装置によって燃料内に電気放電エ
ネルギを注入して効率を増加させ、これによってさらに
急速な燃焼現象を生じさせて、それを促進し、また燃料
の混合物に対する極く限られた燃焼限界を拡張するため
の内燃機関の燃料−空気混合物の燃焼開始方法及びその
装置を取り扱うものである。
[発明の技術的背景及び背景技術の問題点]燃料の燃焼
、特に圧縮型の内燃機関に対する燃料の燃焼開始は、1
800年代の後半に開発されたオツトーサイクル火花点
火(Sl)機関にその起源をもつ充分に開発の進んだ技
術である。
前世紀までに内燃(IC)機関は、その設計および性能
をかなり向上させてきた。基礎的なIC機関の開発と並
行して、関連の点火システムの技術的改良も相当に進展
した。
最も初期の点火システムは、高電圧マグネット発電機を
使用するものであった。1920年代中に、マグネット
発電機は、電。流遮断スイッチとして機械的なブレーカ
・ポイントを利用した蓄電池式の誘導コイル・システム
により次第に置き換えられていった。Charles 
 K ettering  の発明になるこのコイル点
火(CI>方式は、自動車用として標準的なものとなり
、以後数十年にわたってその設計および操作上の変更を
ほとんど受けることなくその状態を保ってきた。
約30年前に始まった信頼性の高い半導体スイッチング
装置の出現により、任能の限界を徐々に崩し、機械的ブ
レーカ・ポイントに関連した保守上の諸問題を解決に導
く技術が導入された。トランジスタ・スイッチが、大電
流の流れる機械的ブレーカ・ポイントを支援する方式の
トランジスタ式接点(TAC)システムが考案された。
さらに最近になって、機械的ブレーカ・ポイントは、専
ら半導体スイッチング技術に基づく点火システムおよび
゛ブレーカなし″タイミング回路に完全にとつで代わら
れたのである。また、最近の研究は、高電圧点火パルス
分配用の在来型の機械式ロータ・システムをなくすこと
に注力している。
高速スイッチング電力トランジスタおよびサイリスタ装
置(例えば、シリコン制御整流器ンが使えるようになっ
たために、この数十年間に種々のキャパシタ放電点火(
CDI)システムが出現した。誘導コイル・システムの
出力パルス特性が本質的にゆっくりした(典型的なもの
では、立上り時間60〜200マイクロ秒)、そして、
比較的接続時間の長い(典型的なところでは、1〜2ミ
リ秒)ものであるのに対して、CD ’Iシステムは、
持続時間の短さく5〜500マイクd秒)は犠牲になる
ものの、迅速な立上り時間のパルス(1〜50マイクロ
秒)が得られる。C’DIシステムの高速立、上りパル
スは、スパーク・プラグの故障による点火失敗に対して
感度が鈍い。
現在普通用いられているコイルおよびキャパシタ放電シ
ステムは、通常、20,000〜30,000ボルトの
ピーク出力電圧において、5〜100ミリジュール(m
J)の電気エネルギ・パルスを供給する。
もっと一般的なシステムにおいては、パルス当り20〜
50 mJのエネルギ範囲で作動する。
先行技術システムをもつと詳細に検討する前に、熱点火
が生じる物理的事象について考えておく必要がある。気
中放電は、典型的には次の三段階で発生する: (1)  絶縁破壊段階、通常数十ナノ秒以下の持続時
間で、その時電流は、放電ギャップを挾む電圧が降下す
るにつれて、急速に増大する。
(2)  比較的高い内部エネルギと電流密度のアーク
放電への遷移。
(3)  やや低い内部エネルギと電流密度によって特
徴づけられるグロー放電への遷移を伴なう可能性が高い
点火システムの放電の全持続時間と、絶縁破壊、アーク
、およびグロ一段階中に蓄積された総エネルギ量は、主
としてシステムの回路パラメータによって規制される。
これまでのシステムの放電回路は、代表的なところでは
高インダクタンス、低キャパシタンス、ならびに比較的
高い抵抗を持っている。これらの高インピーダンス・シ
ステムは短時間の絶縁破壊中に燃料混合物内に放電エネ
ルギの一部しか注入しない。CD’Iシステムでは、一
般に主としてアーク段階から構成される電流パルスを供
給する。これに対して、トランジスターコイル一点火(
TCI )システムは、絶縁破壊から、高インピーダン
ス放電回路を通じてコイルの磁場に蓄えられたエネルギ
を徐々に放出することによって生ずる長寿命、低電流グ
ロー放雷への比較的敏速な遷移を高めるものである。
この数年の間に、厳しい排気ガス放出基準が定められ、
燃焼効率の向上に対する要求が高まった結果、エンジン
の運転条件にさらに制約が加えられた。これらの要求に
応えて、最近のエンジンの設計および運転における傾向
は、燃焼プロセスを一層高速化することと、より厳密に
制御された燃料混合物へと安定運転を拡張することに向
けられている。
厳密またはEGR(排気ガス・リサイクル)希釈混合物
を用いての運転により、排気ガスの排出量を大幅に低減
させることができると共に、燃焼効率を増加させ、燃料
消費率を低減させることができる。逆に、少量燃焼は、
困難な点火状態とゆっくりした層フレーム速度によって
特徴づけられ、これは、混合物の希釈を増加させると共
に、遂にはサイクル−バイ−サイクル(CBC)変動、
不完全燃焼ならびにそれに続く未燃焼炭化水素の放出量
の増加へと発展して行く。
これに対して、高速燃焼プロセスを促進することにより
、エンジン・サイクル効率は増しくそれによって、燃料
消費率が低下する)、低オクタン価燃料または高圧縮比
での運転が可能となり、CBCの変動が少なくなり、そ
して希釈度の高い燃料混合物による安定なエンジン駆動
ができるようになる。
燃焼効率を高めるためには、圧縮比を増加させれば達成
できることがわかっている:圧−縮比が定められている
場合には、最高の運転効率は極めて迅速な(理想的に言
えば瞬時の)燃焼プロセスに対応する定容加熱(すなわ
ち、極めて急速な燃焼)の1条件下で得られる。か(し
て、高速燃焼オツトーサイクル・エンジンは、理論的に
は、圧縮比が与えられた場合には、ディーゼル・エンジ
ンより総合サイクル効率を高くすることができる。しか
しながら、実際にはディーゼル・エンジンは、比較的低
燃焼のガソリン・エンジンに比べて高圧縮比の下で作動
させることができるので、一般に高効率である。しかし
、燃焼数を高めると、オツトーサイクル・エンジンの効
率は、増加するだけでなく、高圧縮比における運転が可
能となる。これにより、効率はざらに高まり、その結実
現用のディーゼル・エンジンにさらに近い性能のオツト
ーサイクル・エンジンが得られる。
乱れは、燃焼の実効率を増加させることかで・きるメカ
ニズムによるものであることが知られている。高速・少
量燃焼運転へ向けての第1のアプローチには、燃焼室内
の混合物の乱れおよび流体力学的効果を高めるエンジン
設計の開発が含まれている。
火花点火エネルギの必要最小値は、ちょうど化学量論(
化学量論的な空気−燃料混合物は、燃料を完全に燃やす
のに必要な正確な空気量を含んでいる。オクタンに対す
る空気−燃料の質量比は、約15:1である)比の、も
しくはややリッチな化学量論比の燃料混合物に相当して
いることが実験的に確められている。この混合領域は最
大層フレーム速度およびエンジンの最大出力に対応する
ものであり、1970年以前のエンジンが伝統的に稼動
していた点である。しかしながら、燃料混合物が少なく
なるにつれて、点火に要する最小エネルギ量は、劇的に
増大する。さらに、混合物が流動している場合の点火は
、その混合物が静止している場合よりも一層困難となる
。従って、急速な燃焼を促進するために燃料混合物中に
しばしば起される流体の運動および乱れのために、少量
の混合物を点火する困難を考えてすでに設置されている
点火システムの必要性がさらに高まるのである。以前は
、これらの問題を上手に解決するために点火性能を強化
することなどできなかった。さらに極めて薄い混合物(
空気−燃料比が約20:1以上のもの)を用いてエンジ
ンを動かすのに成功するには、結局刀ところ混合物の希
釈を惹き起す燃焼動力学の一般的な遅れを生じさせる燃
焼率の増加メカニズムと点火増強手段の組合せによって
達成することができる。
ここに用いたように、さらに迅速に燃焼全体を促進する
ファクタは、“燃焼増強″メカニズムと呼ばれるもので
ある。理想的に言えば、点火システムが、初期の点火段
階を超えて、全燃焼プロセスに影響を及ぼす強化ノアフ
タを与えることが望ましい。
これまでも点火を増強するにはどのように行なったら最
適かという問題について議論が行なわれてきた。これは
1つには、火花放電による点火中に生じる複雑な物理的
および化学的プロレスを包括的に満足するようにモデル
化する十分な理論がなかったためである。主火花点火の
メカニズムは次のようであると一般に受け止められてい
る。まず、大量の高温電離ガス(プラズマ点火核)が生
成され、次いでそれが十分な量の燃料混合物を十分長時
間包み込み、熱的に外燃反応が始まって、それが、セル
フ・ザスティニング(自己維持)の状態となり、そして
、遂には“′フレーム・フロント(炎の前線)′と呼ば
れることもある反応ゾーンへと拡がって行く。燃焼室内
の残りの燃料混合物は、前進してくるフレーム・フロン
トによって点火され、そのフレーム・フロントは、点火
核の表面の点火領域から亜音速で外側に向かって進行す
る。燃焼室内の乱れの状態や混合物の層燃焼速度によっ
ても異なるが、フレーム・フロントの平均実効速度は、
通常15〜30m/秒の範囲であると思われる。
プラズマ点火核の大きさ、持続時間、および膨張率に対
する熱的基準は、一般に、少なくとも同一混合物中のセ
ルフ・サスティニング反応ゾーンに存在する大きざおよ
び空間分布を有する温度勾配が確定されることに基づい
ている。この最小温度プロフィールは、次に続燃焼反応
の実効誘起継続時間内は維持されていなければならない
。点火核の境界における温度勾配が最小フレーム・フロ
ントの条件を超えて増大し、それによって点火プロセス
がスピードアップされるにつれて、実効誘起時間は減っ
て行く。
これに反して、駆動されすぎた核を伴なって温度勾配が
さらに高(なると、熱損失が急激に増大し、点火システ
ムによりエネルギを供給しない限り、プラズマ部分は急
速に冷却される。その結果、熱的に駆動された点火プロ
セスが遅れたり、終了したり(クエンチング)すること
になる。このプロセスの単純化した定量的取り扱いは、
一般に、プラズマ加熱という形での点火システムへのエ
ネルギの注入と、火花ギャップ電極および冷却装置周辺
のガス混合物への熱損失という形でのエネルギの放出と
の間の平衡に基づいている。このよ゛うな熱的点火モデ
ルでは、プラズマ核を準静的であると見なしており、普
通は熱力学的な平衡を仮定しており、放電チャネルを最
初に生成し、拡大する急速な動的絶縁破壊プロセスを無
視している。
また、点火モデルでは、燃焼反応についての複雑で詳細
なファクタは無視するのが普通である。熱的モデルは通
常の点火システムの特性である比較的持続時間の長いア
ークおよびグロー放電運転にかなりよくあてはまついる
化学反応誘発時間に関連した点火の遅れ、および燃焼フ
レーム・フロントの比較的ゆっくりした伝播速度のため
に、ICエンジン内の点火火花を、ピストンが圧縮行程
の終りのトップ・デッド・センター(TDC)に達する
直前に始めることが通常は必要である。この点火のタイ
ミングが早いということのために、燃料の一部は、ピス
トンがTDCに達する前に燃焼させられ、その結果、負
の仕事が行なわれて、トルクの損失が生ずる;この問題
は、燃焼速度の低下、点火のしにくさく誘起時間が長く
なる)、タイミングをさらに早めることを必要とする希
釈混合物などの条件により悪化する。
背崇説明として前に述べた熱的点火に関する基礎的原理
を基に、点火の増強に対する最近のアプローチは、プラ
ズマ核の持続時間の伸延と空間分布の拡張の他に、火花
点火電極の燃焼室内での幾何学的配置、向き、ならびに
配列を経験的に最適化することに向けられている。周知
の点火増強システムは、通常は約60 mJ〜数J/パ
ルスの範囲の比較的高いエネルギ・レベルで動作する。
これらのシステムは、単一の、持続時間の長いグローま
たは低電流アーク放電、もしくは実効点火核の持続時間
が2〜10ミリ秒の一連の短い放電を数回発生させる。
放電ギャップをもっと広くとれば、もっと大きな核の空
間分布が頻繁に得られる。これには、ギャップの絶縁破
壊を確実に行なうのに必要な高電圧を間違いなく供給す
ることのできる点火システムが必要である。
核の分布に対するもう1つのアプローチは、シリンダ・
ヘッドの別々の場所に複数の点火装置を取り付けること
である。さらに別の方法としては、電磁石の力と熱的圧
力を用いてプラズマ核に動きを促し、これによって核を
燃料混合物内へ押し込むと共に、クエンチング面から引
き離すものがある。特に、プラズマ・ジェット点火(P
JI)は、この十年来精力的に研究されてきたものであ
り、高速のエンジン内燃焼を促進するうえで効果的であ
ることがわかってきている。PJIは、非常に希釈され
た燃料混合物の場合でも優れた点火確度特性を持ってお
り、古典的な点火失敗は余り起こさない。さらに、これ
は、初期の点火段階をすぎても影響を及ぼすこと、また
、乱れの効果を導入したり、燃焼促進イオン種を分布さ
せたりすることによってその後の燃焼を増強させること
を示した。残念ながら、プラズマ・ジェットは、エンジ
ンの商業利用を現実的でなくしてしまう電極の侵食とい
う観点から見ると好ましいものではない。
その他の知られている各種実験システムでは、レーザ、
光化学、ならびにマイクロ波の技術が使われている。し
かしながら、これらの技術のどれ1つも商業的に実用に
なることを立証したものはない。
われわれが知り得たもっと実用的なエンジン増給システ
ムでは、普通遅い低稼動の燃焼の特性である非常に早い
タイミングを犠牲にして、希釈混合物に対するエンジン
運転を拡張することに成功している。一般に高速燃焼室
設計が行なわれているエンジンにおいては良好な結果が
得られているが、約20=1よりもずっと希釈率の高い
空気−燃料混合比に対しては、エンジン性能の大幅な低
下、燃料消費率の増加、ならびに未燃焼炭化水素放出物
の増大を蒙むらずに安定かつ実用的な運転を行なってい
るものはほとんどない。
点火増強システムの改良は、これまでのところアークま
たはグロー放電から熱的に開始された燃焼核を生成する
ことに伝統的に力点を置いてぎたので、限定されたもの
であった。放電操作に関するこれら2つの比較的準静的
なモードは、基本的には電気エネルギをプラズマ点火核
中で動的な活性化エネルギに変換する手段としての低電
力弁、散ジュール加熱に限られている。その結果生ずる
熱的核は、主として、運動エネルギを反応混合物に伝達
し、その中で燃焼を起させる手段としての勾配駆動熱フ
ローのメカニズムに限定されている。
これは、プラズマ内に反応促進イオン種が存在すること
によって強化される。しかしながら、エネルギー変換お
よび伝達に関するこの総合プロセスは、比較的効率が悪
く、若干の例外を除いて、強度が不充分であったり、余
りにも影響が局部的であったりして燃焼プロセスを大き
く拡大して増強することはできない。グローまたはアー
ク段階におけるジュール加熱は、すでに確立された高度
に誘導性の電離チャネル内での放電電流による電力の消
散によって生ずるものである。比較的高インピーダンス
の点火ソース回路から極めて低インピーダンスのすでに
確立された放電チャネルへの電力の結合効率は非常に低
いので、その結果、放電チャネルそのものよりもむしろ
回路抵抗中の電力の消散によって有効エネルギの相当部
分が失われてしまうことになる。電流の大きさを増すと
、放電チャネル中での電力消費をやや増すことができる
。しかしながら、ある定められた放電時間内では、この
多くは、エネルギの注入量を大きくしたり、電極の極度
な摩耗といったような犠牲を払わなければ達成すること
はできない。
[発明の概要] 本発明によれば、燃料の燃焼を開始させるためのシステ
ムには、われわれが゛ハードな″火花放電と呼んでいる
極めて高速、高強度、大電力の絶縁破壊によって発生さ
せられるハードな放電点火(HDI>プロセスが用いら
れている。燃焼の1」ID開始は、高レベルの強度に到
達する極めて効率の高いエネルギ結合メカニズムを用い
ている。
ここで使用した“ハードな放電″という言葉は、絶縁破
壊段階における放電チャネル中の電流の割合とエネルギ
蓄積の割合が、火花チャネルそれ自体の抵抗によって主
として規制される程度に、放電回路のインダクタンスと
抵抗が十分に低いような稼動領域のことを指すものであ
る。
この極端な稼動領域は、放電電流サイクルのおよそ最初
の半分の時間中に、気中放電の形成と膨張とを伴なう種
々の過渡プロセスへの最初に蓄えられた電気回路のエネ
ルギの高効率結合(80〜95%)によって特徴づけら
れるものである−0その結果、ハードな放電により、放
電の絶縁破壊段階(放電が始まってから最初の数十ナノ
秒以内)における有効パルス・エネルギの大部分が供給
され、これによって駆動回路から放電チャネルの急速に
降下する実効負荷インピーダンスへの最大電力の受け渡
しが可能となる。代表的な放電回路エネルギ・レベルと
して0.05〜2ジユールを用い、また絶縁破壊電流の
立上り率のオーダをio  、−i。
アンペア/秒とすると、その結−果として得られる電力
の蓄積は、数十ナノ秒の時間内に十数メガワットのオー
ダに近づけることができる。この型の放電は、通常の高
温熱プラズマによる体積膨張に加えて、強い光(ここに
使用した光という言葉は、電磁放射線の可視スペクトル
部分のほか、紫外線や赤外線をも含む一般的な意味であ
る)放出と強力な流体力学的ブラスト波効果を引き起す
高速の゛真空″または゛′ハードな″紫外線部分(2(
100オングストローム以下の波長を有する)および流
体力学的ブラスト波は、実際に、絶縁破壊チャネルの最
初の膨張において主要な役割を果す主なエネルギ再分布
と伝達メカニズムである。定性的に言えば、HDIは、
強力な流体力学的ブラスト波が紫外線含量の高い光の強
いバーストを伴なって発生する、急速に膨張するプラズ
マ・チャネルを生じさせるハードな火花放電を生成する
ブラスト波の衝撃波の先端がまず駆動され、次いで、膨
張する放電チャネルの電離の先端部分を形成する高密度
シェルまたは高温プラズマのパピストン″が後に続く。
放電中のある時点、普通(J、プラズマ・チャネルの膨
張が大幅に低下する、ピーク放電電流の最大値付近の点
で、衝撃波の先端は駆動プラズマ・ピストンから離れて
周辺のガスに向かって超音速で移動する。
膨張するチャネルから放出される強い光は、雰囲気の種
類や放射線の波長によっても違うが、チャネルを取り巻
くガス層によっているいろな割合で再吸収される。波長
および吸収のメカニズム次第であるが、これにより、分
子は励起、加熱、解離、ならびに電離される。これらの
効果は、光束源(すなわち、放電チャネル)から離れる
に従って増大し、かくして、これらの効果は、温度勾配
、内部エネルギ総量、解離後の原子の種、ならびにプラ
ズマ・ピストン電離フロントと形成されたブラスト波の
衝撃波の先端の両方を越えて直接取り巻いているガス層
へと最初に延びる電離後の種を確定さぜるのに寄与する
衝撃によって誘起される励起および放射線の吸収を用い
て可燃性混合物に伝達されるエネルギによって、混合物
の感度、反応促進種の形成、温度および圧力の増加領域
、プレ・フレームの反応、ならびに微小な乱れが惹き起
こされる。さらにこれに、温度勾配と高エネルギ・イオ
ン種を含む膨張する高温プラズマによって補強される。
これらの幾重にもわたるエネルギ伝達過程の組み合わせ
により現象が促進されることにより、爆燃が超音速の爆
発的燃焼へと遷移して行く際の重要なメカニズムである
と信じられている5WAER(コヒーレント・エネルギ
の放出による衝撃波の増幅)のような共働作用的な現象
を生じさせる可能性がある。燃焼工程の接設においてエ
ンジンの燃焼室内に存在する比較的高圧(5〜12気圧
)かつ高温(500〜8006K)の初期条件の下では
、このHIDエネルギ結合メカニズムの協調により、高
速の乱れ爆燃と超高速の爆発的燃焼プロセスの組み合せ
から構成される急速な全体的燃焼事象が惹き起こされる
。HDIプロセスは、極めて強力なものであり、エンジ
ンを超希釈状態の燃料混合物でも安定に駆動させること
ができる。
さらに、全体的燃焼事象の速度が大幅に増大することに
より、ある一定の燃料−空気比の混合物によるM B 
T’ (最大制動トルク)運転に必要な点火タイミング
の進み量は激減する。混合比、エンジンの状態、ならび
にHDLエネルギおよび出力レベルによっても異なるが
、タイミングを早める必要性を全くなくすことができる
。その結果、点火のタイミングの進みを大幅に減らすこ
とによって、高効率でエンジンを運転することができる
[実施例] 以下、本発明の実施例を■〜v■にわたって詳細に説明
する。
I  HDIの概要と特性化 火花ギャップ中の絶縁機械チャネルへのエネルギの注入
率は、高い電力結合効率を達成し、点火用としての本発
明にとって重要なエネルギ伝達メカニズムの強さを最大
化するために、最大にしなければならない。これは、第
1図に示した単純化した等価モデルによって表わされる
極めて低インダクタンス・低インピーダンスの容量性放
電駆動回路を使用することにより達成することができる
この説明において使用した“駆動回路″という用語は、
全ての高電圧放電回路コンポーネント、接続コネクタ、
ならびに絶縁破壊ギャップおよび気体の放電パス自体以
外の構造物を指すものである。
キャパシタCは、実効放電回路総キャパシタンスを、イ
ンダクタLoは、実効駆動回路総インダクタンスを、そ
して抵抗ROは、実効駆動回路全抵抗を表わす。駆動回
路の特性インピーダンスのりアクティブな項のコンポー
ネントは、次のように表わすことができる: Z =  to / c− Cは、低インダクタンス・リード配置を用いて火花ギャ
ップに接続した離散型の集中エレメント・キャパシタと
することができるが、あるいは、分散パルス成形ネット
ワーク(PNP)として機能する極めて低インピーダン
ス・低誘導性導波管構造の形をした分散キャパシタンス
とすることも可能である。作動電圧を代表的な20〜4
0 kVの範囲とした場合のキャパシタCの容量は、約
100ピコファラッドから約5ナノフアラツドの範囲と
なる。LOは、総ての接続導体のインダクタンスと個々
の容量性機器関係のインダクタンスを含んでおり、一般
に、数百ナノヘンリ以下のオーダでなければならない。
ROは、回路導体の抵抗のほか、容量性の素子の誘電損
失に関連した実効抵抗損失も含んでいる。実際に、Ro
は数オーム以下とすべきであり、できればサブ・オーム
のレベルまでなるべく小さくすべきである。一般に、点
火システムを作動させるこの方法は、高インピーダンス
、高インダクタンス、低キャパシタンスの駆動回路と低
強度でのかなり長目の放電時間とを大きな特徴とする先
行技術の方法とは対照的である。
火花ギャップに対する等価集中回路モデル・コンポーネ
ントを第1図に破線で示す。CQは、絶縁破壊前のギャ
ップのキャパシタンスで、10ピコラフアラツド(IO
IIF)のオーダが普通である。
Cgは、絶縁破壊チャネルの形成の極めて初期の段階に
必要な電荷を蓄えるのに重要であるが、Cgの大きさは
、Cに比べれば小さく、ひとたび初期絶縁破壊チャネル
が確立されてしまうと、無視することができる。スイッ
チsbを閉じると、絶縁破壊の事象が発生する前段とな
り、火花ギャップ電極間に電離電流の経路が形成される
ことになる。
このプロセスに含まれている詳細なメカニズムは、ギャ
ップ中の気体の状態と電圧を印加する方法とによって異
なってくる。これを明らかにするために、ギャップを越
えて流れる電流は、スイッチsbを閉じることによって
確立されるものと仮定することができる。次に、C(]
に並列に時間的に変動するチャネル・インダクタンスL
G(t)と抵抗R(](t)を適当に挿入する。回路は
放電ギャップにおける絶縁破壊プロセスが始まるのに十
分な開始電圧VOにキャパシタCが充電された後作動し
始める。放電回路(第1図には示されていない)は、こ
の作動にはほとんど関与しないのでこの放電回路から十
分に隔離されているものと見なすことができる。初期絶
縁破壊時(1=0)において、ギャップの導電チャネル
が形成され(すなわち、スイッチsbが閉じ)、電流1
(t)が放電回路中を流れ始める。実際に、火花放電の
初期に形成された絶縁破壊チャネルには、ギャップがブ
リッジされた瞬間(1=0)に、それに伴なってかなり
の電流が流れる。L(JiJ3よびRgの時変特性を無
視すると、すなわちそれらがLoまたはR11に比べて
無視しうるほと小さいと仮定すると、放電電流は次式に
よって大凡記述することができる。
ここで、 t l=−ω−−−12 えL   y      LC 尺=及・+勺・ △二乙。十△f (12式を微分すると、 ここで、’; −toL−−’ < % )この式から
、放電電流の最大立上り時間は、を−〇のときで、次式
によって与えられることがわかる。
ここで、Lはある一定の全実効放電回路インダクタンス
で、Voは初期放電電圧である。LをおよそLOに等し
いものとすると、上述の(4)式は、火花放電電流の解
に対する初期条件を成すことが多く、普通は、放電中の
最も急峻な電流立上りの値が採用される。しかしながら
、(4)式で与えられる条件は、実際の放電の″硬さ″
または″柔かさ″によって記述される程度までは゛アプ
ローチすることができるぐらいの上限の近似値である。
実際の放電の″硬さ″パラメータは、次式により特徴づ
けることができる: ここで、VO/Lは(41式の上限の条件であり、る実
際の電流の最大立上り率である。従って、ファイおよび
プサイがほぼ1に等しいとぎには、放電ば゛′ソフト″
であるが、本発明に従ったハードな放電動作は、ファイ
が1より小さく、プサイが1より大ぎいとぎに達成され
る。放電が゛バー、l:TTになればなるほど、ノアイ
およびプサイは1がら離れて行く。
第1図に示した回路の挙動を記述する時間依存の式をも
っと精細に調べてみると、ハードな放電の現象と、(5
)および6)式で与えられる条件の意味をもっとよく理
解することができる。1=0においてスイッチsbを閉
じたときの第1図に対する電圧の式は、次のような形を
している。
ここで、 ム(tノー△。ナLl(1)尺(尤)二尺。
+R1(tう 極めて初期の段階だけを考え、また、(7)式の支配項
以外の全ての項を初期の時点で無視すると、1階の近似
が得られる。
(8)式により、ソフトな放電動作を特徴づける一般に
用いられている(4)式の条件は、放電回路の抵抗性電
圧降下が誘導性電圧降下に比べて無視しうるほどに小さ
いときに生じうることがわがる。しかしながら、極めて
低いインダクタンスLo  ・低抵抗RO駆動回路を用
いた気体放電回路においては、初期電流の大きさは無視
することができない。
主として、初期には高いが、その後急速に低下して行く
初期絶縁破壊チャネルの能動抵抗に起因する抵抗による
電圧降下は、実際に誘導性電圧項よりも支配的となりう
る主要なファ゛クタとなる可能性がある。(8)式から
明らかなように、このことから、ハードな放電動作は、
電流の立上り率が主として放電チャネル自体の抵抗によ
って規制されるほど駆動回路のインダクタンスと抵抗が
低いときに発生することが立証できる。初期における1
(t)に対する近似として時間(1)に関する打ち切ら
れた゛べき級数″を用いると、これは次のように示すこ
とができる。
ここで、tm  は電流の立上り率が最大となる時間(
ナノ秒)である。
Rmは、時間tmにおける放電チャネルの抵抗(オーム
)である。
Cは、キャパシタンスくナノファラッド)である。
Lは、インダクタンス(ナノヘンリ)である。
J2Qは、ギャップの長さくセンナメートル)である。
文献に記載されている測定値から、チャネルの形成時間
に対して、以下の式が得られる:ここで、tmはナノ秒
であり、 Zoはオームで表わした駆動回路のインピーダンスであ
る。
EOはkV/amで表わした絶縁破壊電場である。
pは、気圧で表わした雰囲気ギャップ圧力である。
ハードな放電動作の性格については、第2〜4図に示し
である。これは、1960年代にソ連の研究者S 、 
 I 、 A ndreevおよびM、 P、 Van
yukovによって行なわれた開放空気中のでの実験の
結果に基づ(ものである。第2A図は、下限に近い方で
のハードな放電領Vj、(ファイ= 0.84 )にお
ける動作を示したもので、これに対して第2B図は、も
つとハードな放電動作(ファイ−0,3)を描いたもの
である。これらの図において、1は放電電流である: 
Vc 、 VL 、 VRはそれぞれ回路キャパシタン
ス、インダクタンスおよび抵抗にかかる電圧である。:
R,Lは回路の抵抗およびインダクタンスである;p、
wはそれぞれ放電チャネル中でのエネルギ放出率と放電
中に放出される全エネルギ量を示す:そして、[mは電
流が最大立上り率を示す時間である。第2Aおよび2B
図の曲線からもわかる通り放電電流がハードになればな
るほど、最初の電流ローブ中に蓄えられた全エネルギW
Oの相当部分によって、周期からの外れはまずまず大き
くなって行き(後半の半サイクルに較べて前半の半サイ
クルの電流の方が広がりが大きい)。
これらの2つの顕著な特性は、第3図ではもっとはっき
りとわかる。この図では、曲線■に示されている周期外
れの度合と電流の前半の半サイクル中に蓄えられた全エ
ネルギの一部(曲線■)を、硬さパラメータプサイ=7
アイ の関数としてプロットしである。曲線■に描かれ
ている関数jは、本質的に一定な後半の半サイクルの幅
に対する前半の半サイクルの放電電流の幅である。曲線
■に描かれている関数nは、電流の最初の半サイクル。
中に放電回路(主とbて放電チャネルの能動抵抗)内に
蓄えられたく消散された)エネルギの最初に利用できる
全エネルギWoに対する比である。第3図から、約0.
5以下のファイにより作動させた場合には、電流の最初
の半サイクル中に、最初に蓄えられたエネルギの50%
以上が放電中に蓄えられることが立証できる。
これに対して、プサイが0.5より大きいが1以下の遷
移領域は、放電動作がよりソフトになるので(すなわち
、ファイおよびプサイが1に近づくので)、最初のロー
ブ・エネルギの蓄積部分の急速な減少によって特性づけ
られる。動作が約0.5に等しいファイよりも次第に硬
くなるにつれて、最初のローブ・エネルギの蓄積率は、
約80%から100%に向かって動く。これは、硬さを
増して非周期性の増大と全放電時間の低減を図ることに
よって行なわれ、最終的に放電電流が実効的にぎりぎり
の値に減衰するまで続けられる。この全体として周期の
外れた領域においては、実質的に全有効エネルギが最初
の、かなり拡大された電流ローブ中に放電内に蓄えられ
、その結果、それに続く半サイクルは起らこず、全放電
時間は最小値に近づく。
第4図は、放電電流の最初のローブの広がりと周期外れ
に及ぼす硬さの影響を実証的に示したものである。また
、硬さが増すにつれて、放電電流の全持続時間が短縮さ
れていくことがわかる。第4図はまた、硬さとエネルギ
・レベルが共に上がる、放電によって誘起された閃光の
強度と持続時間が増加する様子を示している。
1−(DIを点火に応用するための最高性能は、最初の
放電電流ローブの間に絶縁破壊段階に有効エネルギの8
0%以上を供給することによって達成される大電力の消
散から直接骨られる、約0.5未満のファイ、および2
以上のプサイの領域における作動によって達成すること
ができる。電圧として20 kV〜40 kV、放電回
路キャパシタンスとして100ピコファラッド〜数ナノ
フアラツドを用いると、ハードな放電動作を行なわせる
ためには、放電ギャップ長さくJIHI ) 1センチ
メートル当り数百ナノヘンリまたはそれ以下のオーダの
放電回路インダクタンスL、L/Qりの値が必要である
約0.5以下のファイの領域での動作では、キャパシタ
ンスCの価および実効作動ギャップの絶縁破壊電圧電場
EOの値によって異なるが、典型的には1センチメート
ル有り約80ナノヘンリ以下のL/ρgが必要である。
実際問題として電気絶縁のためにある最小の物理的間隔
を必要とする場合には、高電圧放電回路においては、全
回路インダクタンスを約10nH/cm以下のし79g
の値まで低減させることは極めて困難である。実際にも
、絶縁破壊チャネル自体の典型的な自己インダクタンス
の値は、10nH/cmのオーダである。L/lの値を
実用限界まで下げたにも拘わらず、十分な硬さが達成さ
れなかった場合には、硬さを増加させる別の主な方法は
、キャパシタンスCを減少させるか、あるいは放電ギャ
ップに過電圧を印加することによって効果的にEDを増
大させることである。ハードな(ファイが0.3以下)
な開放空気放電に関する研究の結果、約3ナノフアラツ
ド未満のCの値に対して、動作電圧Voおよびギャップ
長pgを増すことにより得られるエネルギの増加は、電
流の停止後も十分長く継続する(アフターグロー)極め
てハードな放電(ファイが01以下)に伴なう光出力も
含んだ光出力の持続時間を長くするとともに、放電電流
の継続時間を短くすることが判明した。
vOおよび9gを増加させる一方、Cを減少させてエネ
ルギWOを一定に保てば、全放電時間は再び減少する。
それ故に、十分に小さいキャパシタンスCに対しては(
約3ナノフアラツド以下)、動作電圧Vcおよびギャッ
プ長さQ9を増加させることにより、放電出力を増加さ
せることができる。実験の結果、エネルギの放出および
光出力強度の割合を用いて表わした最適の放電条件は、
火花チャネルの抵抗が次式によって与えられる臨界値以
下に下がる際の時間tcrより前に有効エネルギの大部
分が放出されるときに生ずることがわかった。
これらの条件の下で、放電電流は、最初の半サイクル間
のパルス幅に凡そ等しい総持続時間を有し、その特性は
、大ぎく周期的に外れている。
有効エネルギの大部分が、tcr未満の時間内に蓄えら
れる最適の非周期放電を得る基準は、以下の式によって
示される: ここで ALは放電チャネル自身の単位長当りのインダ
クタンスで、jは放電電流の最初のローブのだめに第3
図の曲線■に示した拡大ファクタである。
Eoは、ある定められたギャップの配置に対しては、パ
ッシェンの曲線に従って圧力と共に増大し、また、ギャ
ップに印加される電圧上昇率によっても変わってくる。
同様に、空気中でのある特定のギャップの配置に対する
臨界時間tcpは、圧力、絶縁破壊電場Eo、ならびに
放電ギャップを駆動する回路の実効インピーダンスZo
に依存して変化する。E o 〜25K C/cm、 
tcr 〜20n sec 。
ならびにj〜2.2に対して、低過電圧印加条件の下で
の極めてハードで、線形ギャップの開放空気放電に関す
る実験の結果、このような条件の下では、実効的に臨界
まで減衰させた非周期的放電を達成するための最適基準
は、およそ次式によって与えられることがわかった。
エンジン燃焼室内で経験されているような空気混合物中
に存在する炭化水素を含む高圧状態の下でギャップの幾
何学的配置を変えることにより、(16)および(17
)式で与えられる値を、電圧印加のギャップ配置率およ
び燃焼室内の環境に特有なパラメータを考慮に入れずに
は簡単に予測しえない程度まで変化させることができる
ギャップに印加される電圧の立上り率は、絶縁破壊のプ
ロセスに関する動特性に影響を及ぼしうる。十分急峻な
電圧の印加によってギャップを゛′過電圧の状態″にす
ることができ、その結果として実効絶縁破壊電場EOを
、ゆるやかな電圧印加状態の下で得られる電場よりもず
っと高くすることができる。しかしながら、一定の電圧
上昇率において放電回路パラメータがわかっている場合
の特定の雰囲気環境中で動作するある定められたギャッ
プ配置に対しては、(14)〜(17)式で与えられる
、全体として非周期的なハードな放電動作を得るための
最適基準が存在する。09gが(cJ2a ) max
より大きいか、あるいはWO/J2(+が(Wo/ρ)
 max’より大きい場合は、放電は振動的となり、そ
の全持続時間は増加する。L/ρgの値が小さい場合に
は、全放電時間は、たとえ振動的であったとしても比較
的短いであろう。
開放空気実験の結果によると、ハードな放電動作が最適
値近くにあるが、なお、振動領域に留っている場合には
、閃光の持続時間は、次の範囲に対して仕較的変化が少
ない。
、EowH/cspb 4ム/ノ’l 、fifO’n
−H7cm  (fF?。
最適の放電性能に対する条件および特定のハードな放電
の基準は、特定な回路パラメータおよび動作条件によっ
て異なってくるが、開放空気実験の研究のための上述の
推定値は、一般にハードな放電動作の特性であると見な
すことのできる妥当なオーダの近似値を与える。
本開示において述べた放電チャネ゛ルは、可燃性の空気
−燃料混合物内で電気エネルギが放出される遷移領域で
ある。種々の結合メカニズムにより、エネルギは化学反
応を開始させるために燃料溜り明は、次の3つの主領域
に分けることができる:チャネルの形成、チャネルの膨
張、および燃焼の開始・チャネルの形成に関する詳細な
メカニズムを記述するために、これまでにいろいろな理
論が提案されてきた。これらの理論には、To−wns
encl  モデル、s treamerモデル、A 
valancheモデル、ならびに連続加速モデルが含
まれている。これらのモデルは、特定な領域の過電圧や
ギャップ電場の増強の範囲内でいろいろと適用すること
ができる。絶縁破壊のプロセスに対するメカニズムは非
常に複雑なものであり、まだ十分には分っていないが、
このプロセスは簡単に言えば以下のように説明すること
ができる。
ここでは、一様電場中に置かれた気体に対する典型的な
電圧−電流特性を描いた第5図を参照することにする。
ギャップ間に電圧を印加して2つの電極間に電場を与え
ることができる。印加電圧が上昇するにつれて、電子お
よびイオン種がその再結合率を上回る割合で発生し、次
いでこれらの極に向かって移動する。電子のドリフト速
度は、質量に大差があるために、イオンの速度よりずっ
と速い。電子およびイオンは電極間の気体中を移動する
ので、それらは中性の原子と衝突して付加的な二次電離
を生じさせ、これによりギャップのイオン密度は増加す
る。
絶縁破壊点に達するまで、この増倍プロセスは継続し、
実効電流は増大する。絶縁破壊点では、ギャップにかか
る電圧の急降下が生ずるのが普通であり、また電流密度
と総電流量の大幅な増加が見られる。このプロセスの詳
細は、気体の性質、圧力、ならびに電圧印加率によって
変わってくる。
火花ギャップの絶縁破壊はね電極にかかる電圧が、ギャ
ップの電界強度がプロセスの増倍的成長を促進する最小
の閾値を超えるような最低レベルに到達したときに生ず
る。この最小の閾値を超える電圧を印加すると、ギャッ
プは″過電圧″の状態となり、絶縁破壊が発生する。最
低の絶縁破壊電場の確立において、絶縁破壊プロセスが
開始するには、短いがゼロではない時間の経過が必要で
ある。最小の絶縁破壊電圧の印加から絶縁破壊の形成を
伴なう電圧崩壊が始まるまでの時間の遅れは、通常“′
絶縁破壊時間″と呼ばれている。絶縁破壊が始まるプロ
セスは、統計的な法則、増倍成長率、ならびにギャップ
の長さと電界強度に依存する走行時間によって規制され
る。このため、絶縁破壊時間は、火花ギャップの点火の
際の“ジッタ″に起因する度量である。“統計的遅延時
間″は、ギャップの状態が定められている場合の絶縁破
壊時間の分布の平均を表わす有用な数値である。
統計的遅延時間は、ギャップの幾何学的配置、ギャップ
の長さ、気体雰囲気、圧力、初期チャージ・キャリア密
度のレベル、ならびに電圧の印加率によって異なるが、
数十ナノ秒から数百マイクロ秒の範囲である。電圧が十
分急速に印加された場合は、絶縁破壊の開始までの遅延
時間中に得られるピーク電圧は、最低の絶縁破壊電圧の
閾値を十分に上回る可能性がある。この高過電圧状態に
より電界強度が増大し、ひいてはそれが絶縁破壊プロセ
スの動特性に影響を及ぼしうる。本開示にも用いられて
いるように、ギャップの゛′過電圧印加″は、一般に最
小の絶縁破壊閾値よりずっと高い電圧(おそら<20%
)の印加を指しでおり、電圧の印加率も比較的高い。
第6図はストリーマ、モードへと移行する単一電子促進
アバランシェの成長に基づく絶縁破壊挙動を描いたもの
である。これらのモードは、アバランシェが目に見えな
いものであるのに対して、ストリーマはそれを明るく輝
かせる光子による電離および光子の放出によって特徴づ
けられるという点において、物理的に異なったものであ
る。また、アバランシェは、約10  cm/ sec
で伝播すると信じられているのに対して、ストリーマの
典型的な速度は、10  am/sec以上である。
第7A−7F図は急速な電圧印加率を伴なうた高過電圧
条件下における一対の電極20.22間に生ずる放電の
発生に関する一連の諸段階を示したものである。電極2
0,22に電圧が印加されると、電極間の空間を電離さ
せる電場が発生する。
この電場により、正のイオンは負の電極22へ、負のイ
オンは正の電極20へとイオンの移動が行なわれる。こ
のイオンの移動は、電極20と22間の全長が、絶縁破
壊が発生し、電極20と22間に電流が流れる際に、イ
オン流による横断が終了するまで続く。イオン空間24
のカソード・フロントは、同一速度で正の電極(アノー
ド)20へ向かって移動し、アノード・フロントは、負
の電極(カソード)22へ向かってカソード・フロント
の速度よりも低い速度で移動する。カソード・フロント
は単一のヘッド゛を持つ傾向が強いが、アノード・フロ
ントの方は数個のヘッド26゜28を持つ可能性がある
メカニズムが正確であるにも拘わらず、時には、加熱、
電離プラズマのカラムまたは゛チャネル″は、電極20
および22間に完全なパスを形成することがある。この
新しく形成された電離チャネルは、典型的には可視直径
が約0.05mmから0.11IIIIlであり、数百
から数千アンペアに達する初期のゼロでない電流を伴な
っている。。約12,000°に以下の温度に対しては
、気体の伝導度は温度に強く依存している。それ故に、
初期電離カラムのうちの高温の領域は、その後に発生す
る電流に対して最も通りやすいバスとなる。なお比較的
抵抗性の高いプラズマ・チャネルの高温領域を通って流
れる電流の増大により急激なジュール加熱が生じ、その
結果プラズマ温度が上昇して、プラズマの導電度が増大
する。この正のフィードバック・プロセスの結果、チャ
ネル膨張の初期の爆発的なプロセスをもたらす、チャネ
ル内の極めて高い内圧が発生し、最終的には放電パスの
実効抵抗およびインダクタンスの減少がもたらされる。
時間に比例する初期電流I、(t)を有する空気中の絶
縁破壊チャネルに関する特殊な事例に対して、チャネル
の半径は、Braginskiiの理論からここで、a
は、時間1におけるミリメートル(mm)で表わしたチ
ャネルの半径である。
■は、キロアンペアで表わしたチャネルの半径である。
℃はマイクロ秒で表わしである。
ρは、ill/cm3の単位で表わした空気の密度であ
る。そして、 aCは、1=0のチャネルが形成された瞬間におけるm
mで表わした初期のゼロでないチャネルの半径である。
(19)式を時間で微分すると次式が得られる。:り2
0)式から明らかなように、チャネルの半径方向の膨張
速度は、電流の大きさと電流の立上り率の関数である。
チャネルの膨張率は、本発明の指示に従えば、極めて低
インダクタンス・高速度・大電流・大電力蓄積のハード
な放電動作によって最大化することができる。
高速・大電流・ハードな火花放電においては、毎秒数十
キロメートルというオーダのチャネル膨張速度が観測さ
れている。こうした高速のチャネル膨張速度においては
、相当な衝撃波が発生する。
これらの条件の下で発生した最大衝撃波エネルギは、お
よそ次のような式で表わすことができる:ここで、WS
−ジュールで表わした円筒状衝撃波全体の有するエネル
ギ ■−実効絶縁破壊電圧(ボルト) Z−放電回路のインピーダンス(L / C)5/″(
オーム) d−燃料にさらされるアーク・ギャップの長さくメート
ル) CR−初期圧力と周辺圧力の比(圧縮社)同様に、衝撃
波の最大速度は、およそ次の式によって与えられる。
ここで、Vsはメートル7秒で表わした衝撃の速度であ
り、またJ2Qはメートルで表わした全実効絶縁破壊ギ
ャップの長さである。
すでに検討したように、実効絶縁破壊電圧は、電極の幾
何学的配置、周辺の圧力、印加電圧の立上り率、ならび
に放電ギャップの長さにより規制される可変パラメータ
である。
アークチャネルからは種々のエネルギ輸送現象が生じて
おり、これらの現象が一体となって、化学的に反応性の
高い燃料混合物内で、実効反応誘発時間内に外側に向か
って次第に増加する勾配を確立することのできる集合が
形成される。このような勾配(放電からの半径方向の距
離と共に増加する反応時間)は、反応エネルギの放出に
関する共働作用的5WACERメカニズムを生じさせる
ことができる。本発明に基づ<HD Iは、さらに、5
WASERと呼ばれる5WACERをシミュレートした
ような形の共働作用を確立することができる。5WAS
ER(シミュレートされたエネルギ放出による衝撃波増
幅)メカニズムは、物理的エネルギ輸送現象と化学的そ
れとを共働作用的に結合し、誘起時間勾配からのコヒー
レントなエネルギ放出に対する条件を与えるだけでなく
、これをシミュレートして、これによって混合物に本質
的に増大するエネルギ結合効率を与え、高速の燃焼現象
を促進する。このようなHDIによって発生される共働
作用的エネルギ放出メカニズムは、化学反応エネルギが
透過・発展する波の段階で放出される誘起時間勾配誘発
の正のフィードバック・メカニズムによって超音速の爆
発衝撃波を発生させることができよう。
HD 、Iの動作は、化学的に反応性の高い混合物中に
強力な勾配を確立するだけでなく、これらの勾配を刺激
して高速燃焼プロセスの開始へ向わせる付加的な手段を
も提供する。特に、膨張する放電チャネルのすぐ外側の
気体層における放射線の吸収によるエネルギ伝達によっ
て確立された種々の勾配は、チャネルの膨張の爆発的段
階の間に生成されたブラスト波の爆発的段階中に形成さ
れたブラスト波の強烈なショックフロントを間もなく受
けることになる。時には、これに続いて高温のプラズマ
核とそれに伴なう熱勾配および高エネルギ・イオン種か
到達することもある。
上に述べたよ゛うに、エネルギ輸送現象は、エネルギを
隣接する気体に結合して、それによってその気体の励起
レベルを高めると共に、アーク・チャネルからの半径方
向の距離の関数である反応誘起時間内の実効勾配を確立
するものである。チャネルが外側に向かって膨張するに
つれて、それは半径に達し、やがて衝撃波がそれ自体チ
ャネルの境界から離れて、隣接気体中を超音速で伝播す
る点に到達する。
HDIの動作およびエネルギ蓄積領域を特徴づけるこの
高度に非線形な絶縁破壊段階においては、衝撃波と強力
な放射線が、混合物の感度の増加および燃焼の開始を行
なうための燃料溜りへのエネルギ輸送の主たるメカニズ
ムの役割を果す。放射線のバースト中もその後も、高密
度プラズマ・シェル゛′ピストン″の電離フロントの爆
発的膨張によって駆動される衝撃波は、その成長段階で
チャネルの外側電離フロントにおけるハードな紫外線を
吸収して成長が促進される。さらに、これは、電離フロ
ントの半径方向への急速な膨張を助りる電離を促し、そ
れによってブラスト波のショックフロントを強化し、ま
た持続させる。ショックフロントが発展して、駆動プラ
ズマ・ピストンから遂には離れるに従ってショックフロ
ントは、初期の放射線を吸収して予め感度を高められた
反応混合物を直接取り囲む層の中を進行する。
衝撃波に先立つ放射線によって確定された初期の勾配は
、それ自体化学反応を開始させることができると信じら
れている。この衝撃は、これらの気体中を進行しながら
それに付加エネルギを与えると共に、出会った気体を種
々の励起レベルへと上昇させ、これは衝撃が反応の閾値
以下の気体領域に達するまで続く。この時、この衝撃は
、放射線および通過するショックフロントによって開始
された反応から衝撃の後に発生した圧ツノ波により増強
される。次いでこの一連の事象は、セルフーサステイニ
ング(自己維持的な)の、衝撃波によって開始された燃
焼反応を確立する。これらのプロセスは定量的には完全
には解っていないが、チャネルの境界から燃焼プ、ロセ
スを開始させるには、十分強力な衝撃があればそれだけ
で十分であると信じられている。放射線の放出は、チャ
ネル近傍の衝撃のプロセスを単に支援する程麿である。
放射線もしくはショックフロントが、単独でもまたは共
働してもセルフ・サステイニングな燃焼反応を直接開始
させることができない場合には、膨張するプラズマ核に
関連したそれに引き続く現象が、前述のように局所的に
感度を高められた周辺の燃料混合物を通じて急速な加速
を行なうことのできる反応を開始させることができる。
プラズマ核のイオン種および急峻な熱勾配に加えて、強
烈なチャネルの膨張および流体力学的不安定性によって
もたらされる微小な乱れの効果が、既に感度を高められ
ている反応性混合物中の急速な乱れ爆燃の早期発展の促
進を支援する。局所の状態によって異なるが、乱れ爆燃
燃焼モードは、爆燃−爆発遷移(DDT>を急速に加速
させ、実際にその状態に陥るに至る。
第8図および第9図は化学反応混合物内での放電チャネ
ルの膨張プロセスを高度に理想化した定竹園を示したも
のである。
爆発および爆燃燃焼に関する反応のフロー(ま、はぼ−
世もの間研究され続けてきた。N UooniOtの関
係式と図は、種々のエネルギ・レベルにおける任意の気
体流体の状態を示すものである。これらの関係式を用い
て、ChapmanとJ 0u(luetは、予め定義
された゛′フロント′を有する安定化された線形反応フ
ローが2つの、そして2つしかない安定な速度:すなわ
ち、超音速(爆発〉と亜音速(燃焼)を持つことを立証
した。これらの速度の状態は、” Chapman −
J ouguet” (CT )点として知られている
。爆発性の媒質中を最小時間(誘起時間)だけ移動する
衝撃波は、燃料内を連続する反応を引き起すであろう。
第10図に代表的なHugoniot曲線を示す。曲線
上に記された点は、燃焼反応が燃料混合物内を伝播する
速度に対応するものである。これらの速度は媒質中の音
の速度に対する伝播反応の速度に対応する無次元パラメ
ータであるマツハ数として表わすことができる。低燃焼
部で生ずる反応は、マツハ数が1以下の亜音速燃焼領域
内にある。もつと上の爆発部に属する反応は、超音速の
燃焼領域にあり、マツハ数は1より大きい。2つの安定
なCJ点点間領域は、普通″“爆燃″と呼ばれている。
エンジンの燃焼室内の代表的な雰囲気状態の下では、ガ
ソリンと空気の化学量論的混合に対する爆発のCJ点は
、およそマツハ2.5と2.8の間にある。自動点火点
は爆発のCJ点の上に位置しており1.エンジン雰囲気
状態の下では約マツハ4に相当するものと考えられてい
る。
誘起時間は、ある種の種が反応する割合が、その相対濃
度、エネルギ分布、および特定のエネルギ・レベルにあ
る種が接触ならびに反応する確率に依存することを述べ
た物理法則によって規制される。
流体の持つ粘性効果のために衝撃波の強さは、それが非
反応性混合物内を伝播するにつれて低下する。それ故に
、他からの支援のない衝撃波は、その前端の速度が反応
を開始するのに要する最小値以下にまで低下する前に、
弱まってきた衝撃波を強化して、化学エネルギの放出を
確、実に開始させるために、CJ以上の速度に達してい
なければならない。これは、″自動点火″の限界と呼ば
れている。
放射線または″光分解″による点火に関する研究の結果
、放射線の吸収は、化学的に反応性の高い混合物の実効
誘起時間を減少させる効果があることがわかった。それ
故に、強力な放射線の存在は、実効的な自動点火の限界
を低下させ、これによって定常状態の超音速爆発反応フ
ローの確立と伝播に必要な所要の衝撃強度を低減させる
ことができる。本発明に基づり″ハードな放電″は、こ
れらの効果を最適化するものである。さらに、放電の幾
何学的配置の方向を適当に選、Sことによって、半径方
向の衝撃速度において、またアーク・チャネル24と剛
体構造物25との相互作用(第11A図)による、もし
くは隣接の膨張するチャネル境界(第11B図)からの
微小な乱れ効果において、物理的増強をさらに促進する
こつができる。高速プラズマ粒子の入射もしくはジェッ
トの作用は、絶縁破壊電場のラインによっても促進され
る可能性があり、これは、膨張するチャネル境界の集中
的な反射と高圧プラズマ塊の方向性を持った閉じ込みを
生じさせる小さなキャビティ状の凹みを与える。
われわれは、HDI法が、極めて初期の放電チャネルの
形成と膨張の間に高いエネルギー伝達効率を持っている
ことを見出した。有効電気エネルギの大部分がこの放電
の絶縁破壊段階で消費されるように総合システムを製作
したならば、ピーク電力の結合が起るであろう。全エネ
ルギの大部分は、比較的短時間内にプラズマ・チャネル
および隣接の気体中に分配されるので、(数十ナノ秒の
オーダで)熱の形で僅かなエネルギが電極に残る。
かくして、電極の摩耗にあける主要なファクタは減った
。しかしながら、破損現象によって引き起こされる電極
の摩耗は、比較的長期間にわたって見られる厳しい溶融
侵食を生じさせ、高エネルギ・アーク放電の動作は大幅
に低減される。
すてに述ぺたように、動作電圧Voを高くして、ギャッ
プの長さく1 )を最小化すると、ハードな放電性能を
最大化することができると共に、与えられた個々のイン
ダクタンス(L)に対して、L/J2gの値を最小にす
ることができる。電圧を高めて作動させることは、電極
の摩耗を低減させるという点からも都合がよい。電極の
侵食は、一般に電極に供給されるパルス・エネルギの量
に比例し、伝達される電荷の量は電圧の上昇と共に減少
することは周知のことである。さらに、高電圧での作動
によって得られるハードな放電のプロセスが増強される
と、点火用としての望みのレベルの性能を得るのに有す
るパルス・エネルギ量を低減させることができる。この
ことは、さらにパルス当りの全電荷伝達を減少させる結
果となり、これによって、電極の摩耗が減る可能性がで
てく・る。
本発明による反応が開始されると、燃料溜りの大部分は
、急激な乱れ爆燃および超音速爆発プロセスから構成さ
れる燃焼事象が始まる結果、急速に消費が進む。その結
果、燃焼反応の実効速度は、通常の燃焼速度より大きく
なる。これに加えて、普通の燃焼反応の輸送現象は、主
として熱勾配によって駆動される分子動特性であるのに
対して、HDIエネルギ輸送メカニズムには、強力な放
射線と、5WACERおよび5WASER多イブの共働
作用に必要な要素を与える高速衝撃波圧力の不連続性が
含まれている。従って、本発明のHDI法は、確実性が
高く、故障耐性の大きい点火を提供するものであり、従
来の熱的点火システムの性能を上回る希釈時の点火や燃
焼の限界を突き破っており、また、さらに高速の全燃焼
事象を開始させることによってオツトーサイクル・エン
ジンの効率を一層高めることができる。
HDI作動の利点は、HDIの作動と従来の点火方式と
を比べた第12Aおよび第12B図に見ることができる
。第12B図に示されているように、従来の点火システ
ムにより生成される燃爾は比較的遅いので、従来のシス
テムでは、ピストンがトップ・デッド・センタに達する
以前に点火し始めることが必要である。燃焼エネルギが
負の仕事に投入される前に生ずる燃焼の一部にこのタイ
ミンクの進み条件が効力を発揮する。この負の仕事を生
成するために燃やされた燃料の相対比率を第12A図に
示す。これに対してHDIは、タイミングの進みをかな
り遅らせ、そしておそらくTDCの時点またはそのすぐ
後に点火することによって効率のよいエンジン稼動を行
なわせると共に、これによって、負の仕事を行なう燃料
エネルギ量を低減させるか、またはおそらく無くすこと
ができる。第12A図では、利用可能な燃料のほとんど
が、従来の点火システムに比べて非常に短時間のうちに
燃焼させられるということを、クランク角を用いて知る
ことができる。さらに、第12B図に示すように、従来
の点火燃焼の結果得られる正の仕事の大部分は、HDI
動作によって得られた仕事よりずっと低い圧力で行なわ
れる;1−(DI動作によって達成される高いピーク圧
力は、極めて低い熱損失で比較的一定の体積内で生じる
燃焼の結果である。
これまでの説明は、)−IDIの動作を生じさせるため
の閉じた結合の低インダクタンス・容量性放電回路に限
定して進めてきた。閉じた結合の低インダクタンス、容
量性放電回路により)IDIの動作を行なわせるために
は、放電回路を点火装置のチップ・ギャップに絶縁破壊
を発生させるに足るだけの十分な高電圧になるまで、パ
ルス充電することが必要である。この説明は、今度は放
電回路をパルス充電するための典型的なパルス発生およ
び分配システムの詳細へ移ろう。
■ 動作システム ここでは、本発明のパルス発生および分配回路の広範な
機能コンポーネントまたはサブシステムを描いた第13
図を参照されたい。在来の自動車用蓄電池50のような
12ボルトdaの電源が、主電力調整ユニット40にd
c電力を供給している。電力調整ユニット4oは、実質
的に自由動作の共振マルチバイブレーション式の12ボ
ルトから構成されており、200〜6,000ボルトの
調整された電力を供給する。200〜6,000ボルト
のdc雷電圧、電力調整ユニット40によって、複数の
高電圧パルスを供給するのに必要な十分なエネルギを蓄
えるだめの、後に紹介するフライホイール・キャパシタ
を含む充電ネットワーク42に供給される。高電圧パル
ス発生器44は、充電ネットワーク42から供給される
電荷を用いて高電圧パルスを発生すると共に、この高電
圧パルスをパルス分配およびピーキング回路46に伝達
する。充電ネットワーク42、パルス発生器44、なら
びにパルス発生およびピーキング回路46は、クランク
シャフトまたはカムシャフト54のようなエンジンのあ
る部分の回転に感度を有する磁気センシング・コイルま
たはブレーカ・ポイント56のような適当な源からの一
連のタイミング・パルスを受け取るタイミングおよび制
御回路48によって制御される。
高電圧パルスは、後に紹介する点火装置52゛と密に結
合されているパルス成形ネットワーク(PFN)へ伝達
される。点火装置52には、クランクシャフト54と接
続されたピストン70を有する閉じた燃焼室68内の反
応性燃料混合物72の溜りとつながっている放電チップ
が含まれている。
PFN50と点火装置52を組み合せたものは、燃焼室
68内に前述のハードな火花放電58を発生させる。ハ
ードな火花放電58は、点火核から構成されており、そ
の点火核から超音速のブラスト波フロント66が放射さ
れ、それに続いて高温・高密度プラズマ・シェル、すな
わち゛ピストン″60が従う。ピストン60から発し、
ブラスト波フロント66を越えて延びている領域62は
、温度、密度、および圧力勾配が急峻である。また、ハ
ードな紫外線64も放電68から放射され、ブラスト波
ショック・フロント66およびプラズマ・ピストン60
と協調して、共働的に作用する5WASER現象によっ
て、極めて迅速に反応性混合物72に燃焼を開始させる
従来の容量性放電または誘導システムは、PFN50お
よび点火装置52をパルス充電するのに使用することが
できるが、このようなシステムは、容量性負荷耐性の点
で限度があり、比較的高出力電圧を保持しつつ行なうこ
とができる。このようなシステムでは、代表的なところ
で二次回路キャパシタンスが約100  pF以下に限
られており、出力電圧も20〜30 kV程度である。
その結果、これらのシステムは、PFN50および点火
装置52に、最大エネルギが約50 mJ以下のパルス
を送ることができる;しかしながら、これらのエネルギ
・レベルは、ある程度点火性能を高めるが、われわれは
、仕較的高効率で燃焼を大幅に強化するためには放電ギ
ャップ長1cm当り数百mJに及ぶエネルギを反応性混
合物72に蓄積する必要があることを見出だした。実験
の結果によると、燃焼の増強は、蓄積エネルギが60m
J/パルスから数J/パルスまで増加するにつれて、大
幅に増大Jる1一般に、燃焼の増強範囲は、エンジンの
運転特性と放電の出力レベルに依存する。
通常の8気筒内燃機関の場合、6.00Orpmに−お
いて毎秒約400点火パルスを発生させなければならな
い。この速麿においては、パルス間隔は、およそ2.5
m sとなろう。全点火システムの作動効率を50%と
し、有効放電パルス・エネルギを1ジユールと仮定する
と、パルス当り1ジアールのエネルギ蓄積を達成するた
めには、エンジンの電気系統から約800ワツトの電力
が必要となる。通常、代表的な12ボルトのdc自動車
システムに対する最大許容電力ドレインは、およそ60
0ワツトである。
従って、既存の自動車用電機系統に対しては点火システ
ムの蓄積パルス・エネルギの実用上限は、点火システム
の総合効率と予測最大パルス反復率によって記述できる
と考えることができる。しかしながら、ある定められた
燃料消費レベルに対するエンジン出力の改良は、蓄積エ
ネルギが1ジユ一ル以上の場合の点火システムの大電力
ドレインが可能な大容量−次電気系統の使用が妥当とな
る点まで向上させることができる。
■ 点火装置チップの幾何学的配置 数に、第14図に注意していただきたい。この図には、
点火装置52と共に使用する各種の放電チップか描かれ
ている。HDI動作を行わせるために、放電時の電゛極
間のギャップには、ある種の制限を設けなければならな
い。HDI動作に影響を及ぼす支配的ファクタは、全点
火装置のインダクタンスの値と、電極に印加される電圧
レベルを抑制するのに充分なギャップ長さである。これ
らの基準は、インダクタンスおよびインピーダンスが規
定以下に保持されていれば、各種の放電ギャップ及びギ
ャップの幾何学的配置に対して満足させることができる
。しかしながら、有効回路エネルギーを放電に投入し、
そして、その放電から光。
熱、衝撃およびイオン生成によって可燃性混合物へエネ
ルギを伝達するための効率を最大にする幾何学的配置と
配列を与えることが望ましい。また、放電チップの幾何
学的配置も、極めて高温のプラズマの存在と強力な衝撃
波の発生とのために、絶縁体及び導体の摩耗の点から点
火装置の寿命に影響を及ぼす。
以下に示すものは、HID動作を行わせるの−に非常に
適した放電チップの設計に関する2つの好適例である。
チップの設計の1つを第14A図及び14B図に示しで
ある。これは、円筒状の絶縁体82によって互いに電気
的に絶縁されている内側および外側同軸電極80.76
から構成されている。外側の電極76の外側円筒壁には
、放電チップが燃焼室と連絡するように点火装置を取り
付けるために、エンジン・ブロックまたはそれに類似の
ものに噛み合うように受け入れられるのに適したねじ7
8が備えられている。電極76及び80の外側の端は、
絶縁体82と同様に、共通の平面84に沿って延びてい
る。点火装置チップ74によって形成される放電ギャッ
プは放射状で、全表面84の周囲に円周方向に延びてい
る。その結果、85に示されている電場は電極80の外
側の端で始まり、その上部表面84に沿って電極76上
の全ての点に対して半径方向外向きの軌跡を持っている
点火装置チップ74は、電極76.80の同軸的な配置
及びギャップの放射状の性質のために、そのインダクタ
ンスとインピーダンスは最小である。点火装置のチップ
74の物理的ギャップ長は、第14図Bに示される導体
の半径b−aの差によって与えられる。ギャップの長さ
は、特定の応用のための電圧圧力条件と予測される作動
条件に従つて選択される。絶縁体82の性質と壁厚は、
電極76.80間の絶縁破壊がその長さに沿って生じな
いように選ばなければならない。同軸的な幾何学的配置
に対しては、インダクタンス及びインピーダンスは共に
大部分は導体の半径の比b/aの自然対数によって決定
されること、ならびにインダクタンス及びインピーダン
スは導体の半径の差b/aが内部電圧遮断用の絶縁体8
2の所要の厚みに等しければ最小化できることに注意し
なければならない。
電極76.80に印加された電圧によって生ずる電場を
85に示す。矢印は、正の試験電荷が電場内を移動する
方向(正極から負極へ)を示している。電場85ば非一
様で、表面84から外側に向って動く。また、この非一
様性は、場のライ゛ンの曲率と共に放電を強めるもので
ある。電場85の鋭く曲る性質は、ギャップの絶縁破壊
電圧特性を変化させ、電場内を移動する電荷を加速し、
また、磁力によりアーク・チャネルをチップから離れて
外側に向うように押す傾向がある。特に、これは、放電
内に大電流密度が存在する場所において顕著である。ざ
らにミ中央及び内側導体80を通る直線状の電流は、放
電をさらに増強する。放電によって生じた電場と相互作
用する磁場を発生させる。
点火装置のチップ74の平たい、放射状の設計によって
、空間的に対称かつ一様な放電を行わせることができる
とともに、この対称性と一様性により、放電が接触する
燃料混合物の体積を最大にすることかできる。滑かで、
何もついていない表面84により、燃焼室内の流れの状
態に起因する有害な効果が排除されるとともに、放電に
参加させるために大きな電極表面がさらされる。これは
、電極の寿命を延ばす傾向がある。
点火装置のチップ74は、ざらにその動作を強化するた
めに、いろいろな方法で改良することができる。例えば
、第14C図に示すように、電極76.78の外側の端
の何れか1つもしくはその両方を、電場85をさらに゛
′ビーク″にするために、86.88におけるように尖
らすことができよう。
表面84において絶縁体が浸蝕されるのを防ぐために、
絶縁体82の外側の端部は、第14D図に示すように、
90.においてやや窪まずことができる。
第14E図に示すように、放電ギャップは、電極76.
80の外側の表面を越えて絶縁体82を外側に向って延
ばすことによって壁の厚みを増加させずに長くすること
ができる。この設−計は、低圧の燃焼環境において、あ
るいは高い絶縁破壊電圧が必要な場所においては特に有
効であろうこれに対して、第14F図に示すように、外
側の削られた電ai76は、低電圧または高い圧縮操作
が必要な場合にも、内部抑制電圧を生じさせずに、96
において分岐させることができる。−放電ギャップを延
ばすもう1つの方法は、第14G図に示すように、絶縁
体82及び外側電極76の端から中央の電極80を窪ま
せるものである。
中央電極80の上のその結果としてできた空洞による著
しい“ジェット″作用は、このタイプの点火装置に関連
して注目されてきた。このジェットは、空洞からのプラ
ズマの反発によるものではなく、むしろチャネルの膨張
中の初期に捉えられた反射した衝撃波、またおそらくは
、始めは電場のラインに沿って動くが、ひとたび電場が
消失すると、その慣性に基づく軌跡に従って移動する重
イオン種のストリーマによって起されるものである。
絶縁体82の過度な摩耗を避けるために、このような絶
縁体は、中央電極80の端から外側電極76の半径方向
外向きに延びるテーパ付きの表面を示すために、第14
H図に示すように、83において輪郭をつけることがで
きる。第14H図に示ず幾何学的配置は、絶縁物の摩耗
を軽減する窪んだ設計の利点を与えるものであるが、な
お依然としてジェットまたキャノン・ライン放電効果を
維持している。
第14I図に示ずように、外側電極76の端を越えて中
央電極80を延ばしても、放電ギャップの長さを増加さ
せる手段が得られる。絶縁体82のテーパの付いた外側
表面85により、絶縁体の摩耗は再び低減される。燃焼
室への中央電極8゜のこのような伸延は、放電エネルギ
を結合してこれを燃料溜りに伝達するのに役立つうえ、
比較的制約もない。
上述のように、HID動作を行わせるのに、種々の点火
装置チップ及び放電ギャップ配置を用いてうまく成功さ
せることができたが、ある場合には、直線状の、すなわ
ち軸方向に延びるチップ・ギャップを用いるのが望まし
いこともある。直線状のギャップを用いた1つの好適な
設計例を第14J図に示す。第14J図に示した点火装
置は、広く言えば従来のスパーク・プラグの設計と似た
ものであり、中央電極80と軸方向に心合せされた電極
表面のついた1字型エクステンション76aを有する外
側電極76を備えている。第14・0図に示した配置は
本発明と一体として使用すれば有為な結果が得られるか
もしれないが、これは点火装置の幾何学的配置が好まし
い形ではない。何れにしろ、放電ギャップに直接隣接し
ている点火装置のこれらコンポーネントのインダクタン
スとインピーダンスを極力低減すると同時に、充分なギ
ャップ長を与えてピーク電圧においても絶縁破壊が生じ
ないようにすることが必要である。
直線状のギャップの幾何学的配置と結合すると、放電に
よってもそのアークにもとづく絶縁の摩耗は事実1生じ
ない。また、伸延され、接地された電極の方向にしか抵
抗を持たない、望みの円筒状衝撃波が得られる。この絶
縁破壊径路全体がさらされることは、強い結合や効率の
よいエルネギの交換に役立つ。マルチプロング(多植)
設計は、放電が生ずる場所の間に表面積がさらに付加さ
れていることになるので、点火装置の寿命を延ばすのに
使うことかできる。これらの特別な電極は、放電がその
成長を阻害されたり、燃料溜りから遮断されたりして、
燃焼促進反応を阻んだり、消滅させたりしないような方
向を与えることが大切である。
■ パルス成型ネットワーク 第13図に関連してすでに説明したように、パルス成型
ネットワーク50と点火装置52は、密に結合させてお
かなければならない。この密に結合させた結果、放電チ
ャネル自体のインビダンスによってその大部分が支配さ
れる放電が得られる。
望みの密な結合を行うために、2つのタイプのパルス成
型ネットワークを使用することができる。
第1のものは、分布キャパシタンス・タイプとも呼ぶべ
きものであり、また、第2のものは、″集中″もしくは
分離キャパシタ・タイプ・パルス成型ネットワークとも
呼ぶべきものである。第18A及び18.B図に分離キ
ャパシタ・タイプPFNを示す。また、同軸的に配置し
た点火装置98を明示するPFNの好例を第15図に示
す、、PFN点火装置98全体で、考えうる最低のイン
ダクタンスが得られ、従って、放電チャネルへの最高の
結合が与えられる。そのうえ、後に説明する点火装置9
8の容量部分は、点火装置のチップが摩耗したり、交換
の必要があるときは、定期的に取り外して、交換するの
で、耐用寿命を延ばす必要がない。
点火装置98は、金属または金属様の材料で作られた円
筒状の外側電極10を含んでおり、また、半径方向に延
びるショルダー105によって直径の太い部分に接続さ
れた一端に直径を小さくした部分104を含んでいる。
直径の小さな部分104は、エンジン・ブロックまたは
それに類似したものにねじ式に受け入れられるように、
104のところにねじが切られている。電極100の直
径の大きい部分の外側の端は、電力供給用ケーブルとね
じによって接続できるように、1G2のところにねじが
切られている。
中央の金属電極108は、円筒形をしており、外側電極
100の中に同軸的に配置されている。
中央電極108の一端は、通路118内に受け入れられ
ている直径を小さくしたエクステンション120と、外
側電極100の直径を小さくした部分104内に固定さ
れている絶縁スリーブ114を含んでいる。中央電極1
08の一端は、その全周を109にわたって斜めに切ら
れており、また、適当な誘電ポツティング化合物116
が、絶縁体114の端と、中央導体108の斜めに切ら
れた表面109の間に配置されている。
中央電極108の外側の端は、半球の表面112の外側
の端のところで終る直径を小さくした部分またはチップ
111によって規定されている。
チップ111を取り囲む中央電極108の基礎は、環状
の半径方向に延びるショルダー110によって規定され
ている。電極100の外側の端は、中央電極108のチ
ップ111とほぼ同じ長さで軸方向に延びている。
セラミック・キャパシタ化合物で作られている環状体1
13は、外側の電極100と中央電極108の間に配置
されている。環状体113は、外側電極100の基礎ま
たはショルダー105からその全長にわたって延びてい
る。環状体113の外側の端106は、チップ111ま
たは電極1−00の軸方向外側の一番端を越えて延びて
いる。中央電極108.外側電極’100ならびにキャ
パシタ化合物113は、PFNの容量部分を構成してい
る。
次に、第16図を参照されたい。ここでは、もう1つの
型の分離キャパシタンスPFNが開示されている。PF
Nは、一般に122で示されるように、電源(図には示
してない)を、点火装置52用のケーブル123に取り
付けられているコネクタ(図には示してない)に接続す
る同軸ケーブル123の形態をなしている。
PFN122は、セラミックのような高誘電材料のスリ
ーブ136によって取り囲まれた内部導体130から構
成さている。誘電スリーブ136の外表面上のメタリゼ
ーション層134は、外側導体127と接続されており
、ケーブル123中を流れる電流に対して連続径路を形
成している。
内側導体130は、ケーブル123の中央導体128よ
りもずって大きな直径を持っており、溶接等の手段によ
り中央導体128にその端で接続されている。誘電ポツ
ティング化合物132の層は、中央導体128と内側導
体130間の接続を取り囲んでいる。誘電スリーブ13
6及びメタリゼーション134と組み合せた内側導体1
30は、点火装置52に近接したキャパシタとなってい
る。
PFN122は、第15図に示したものよりもやや高目
のインピーダンス及びインダクタンスを有する放電回路
を与えるが、比較的形が小さいうえ、燃焼室に隣接して
配置されている場合には、それが受ける負荷的な熱によ
ってキャパシタに有害な効果が与えられるという問題を
回避できる利点を持っている。
もう1つの分離キャパシタンスPFNの例を第17図に
示す。このPFN144は、電源(図には示してない)
を同軸点火装置52に接続する同軸電源ケーブル146
に直列に接続されている。
PFN144は、一連のキャパシタプレートをなすよう
に誘電物質156を用いて間隔を開けられた第1及び第
1の平板キャパシタ152.154のセットから構成さ
れている。プレート12はケーブル146の外側導体に
接続されており、一方キャパシタプレート154は中央
導体148に接続されている。
第18A図に分布キャパシタンスPFN158を示す。
これは、点火装置を高電圧電源に接続する分配ケーブル
と一体をなすものである。PFN158を含むケーブル
は極めてフレキシブルであるが、現在の自動車エンジン
に使用できるほどの直径は持っていない。PFNl 5
8は、ストリップライン幾何学的配置を有しており、そ
こでは、複数のフレキシブルな外側フォイル導体160
が、複数の内側フォイル導体164によって、隔てられ
、ポリアミドフィルムのような誘電物質の複数の層によ
ってそこから分離されている。フォイル導体162.1
64は、ケーブルの全長のほとんどにわたって延ばすこ
とができ、サンドインチ構造は、外側ゴムまたはプラス
チック・ジャケット166によって包まれている。第1
9図に示すように、ストリップライン構成は、ケーブル
を点火装置に着脱可能なように取り付けたコネクタ16
8で終らせることができる。内側フォイル導体164は
、中央導体172に固定された単一接続で終っており、
この中央導体172は、点火装置の電気リードにフィツ
トするキャップ176中に配置されている金属接点17
4によって接続されている。フォイル導体160は、キ
ャップ176中のリード線170と接続されて終ってい
る。接点174とリード線170は、それぞれ点火装置
の電極に相互接続されている。
分布キャパシタンスPFNのもう1つ別の形式を第18
B図に示す。PFNは、コネクタ13Bによって点火装
置(図には示されてない)に接続されている同軸ケーブ
ル123から構成されている。コネクタ138は、点火
装置の一部によってねじ式に受け入れられる外側のねじ
式カプリング142と、点火装置の電極を中央導体12
8およびケーブル123の外側導体127に電気的接続
する内側の電気接続部分140とを含んでいる。
内側及び外側導体127及び128は、分布キャパシタ
ンスを形成する。
V 主電力調整ユニット 次は、第20図に注目していただきたい。ここでは、主
電力調整ユニット40の細部を示しである。調整ユニッ
ト40は、複数の電圧変換モジュール300,302.
出力駆動装置304、ならびに出力電圧発信器306か
ら構成されている多段dc −dc変換器からなってい
る。
電圧変換モジュール300.302は、蓄電池から端子
310において12ボルトのdc大入力受けとり、この
電圧を調整して24ボルトにする。
電圧変換モジュール300,302は、出力段階の電流
条件をファクタにして1/2まで下げるとともに、変換
器の動作温度も低減させる。電圧変換モジュール300
.302は、それぞれ2基の変圧器とdc −dc変換
器から構成されており、その出力変圧器XCOは、可飽
和変圧器Xcbによって定められる周波数で線形領域内
で作動する。電圧変換′モジュール300.’302の
出力は、ダイオードDCr 、DC2によって整流され
て、出力電圧発信器306が必要とする24ボルトのd
a雷電圧得られる。複数の電圧変換モジュール300,
302は、並列に接続して、出力電圧発信器306に供
給する電力レベルを高めることができる。
出力駆動装置304は主出力電圧発信器306を駆動す
る。出力駆動装置304は、可飽和変圧器Xo  によ
り自己弁撮し、出力電圧発振器306の作動に要する周
波数及び基準駆動電流を与える。
出力電圧発振器306は、どんなエンジン速度に対して
も連続的に作動させるのに充分なだけの電力を有する出
力電圧を供給する。24ボルトという中間電圧は、変圧
器XOによって変圧されて、例えば400−500ボル
トの高電圧になる。変圧器XOの二次側から得られる電
圧出力は、ダイオードブリッジ[)Sによって直流に整
流され、その後高電圧パルス発生器44(第13図)の
所要値に達するまで、キャパシタO8中に蓄電される。
有効電圧を測定するための電圧計CVYを駆動するため
に、抵抗R11mを通じて少量の電流が供給されている
上述の変換器は、本発明と組み合わせると有、効である
と思われる種々のタイプの回路を単に図上で示したもの
にすぎないことを知らなければならない。
■ 高電圧パルス発生器 第13図に示した高電圧パルス発生器44についてもう
少し詳しく調べるために、まず第21図を参照してみよ
う。
点火装置52に供給するための高電圧パルスの発生は、
誘導コイル法または容量放電法を用いて実施することが
できる。誘導コイル法は、よく知られた技術であり、非
常に単純で、コンポーネントの図も比較的すくなくてす
む。しかしながら、出力電圧の立上り時間が本来ゆっく
りしており、また、高エネギーレベルでの限流スイッチ
に課ぜられた要求が厳しいことから、好適なパルス発生
器を構成するには、変成されたキャパシタ放電を使用し
ている。
第21図は、設定用変圧器の回路を示すものである。こ
の図では、電圧V1で主キャパシタC1に最初に蓄わえ
られたエネルギーは、設定用変圧器T1を通じてより高
い電圧V2でキャパシタ02に伝達される。高電圧パル
スを発生させるこの方法は、パルス発生器の出力負荷が
、基本的にはパルス成形ネットワーク50の高電圧回路
(第13図)のキャパシタンスから形成されているので
、本発明の)JDIシステムに使用するのに特に適して
いる。し および[2,は、それぞれ変圧器Tsの一次
及び二次巻線の自己インダクタンスである。インダクタ
L12.は、−次巻線と二次巻線との間の相互インダク
タンスである。従って、第21図に示した回路は、2つ
の誘導結合回路から構成されており、その各々は、各回
路のインダクタンスおよびキャパシタンスによって規制
される基本共鳴周波数を持っている。−これら2つの結
合回路の一般解は、それぞれ異った周波数の2つの重畳
された正弦波関数によって規定される。−次及び二次電
流、ix<j)および1z(t)から構成されている。
この電流の全動作は、−次回路から二次回路へ、そして
さらに再び一次回路へと戻る周期的伝達からなっている
わ一般に、−次および二次回路間の結合の増大は、エネ
ルギー伝達率の増大をもたらすとともに1回路間のエネ
ルギーサイクリングの全周期時間を減少させる。
第21図の一次および二次回路が、同一の基本共鳴周波
数を持ち、かつ結合係数kが正確に0.6に等しい場合
には、全回路は、二重共鳴変成モードで動作し、−次お
よび二次回路の電流の2.5サイクルに要する時間内の
一次回路から二次回路への全エネルギーの伝達によって
特徴づけられる。
第22Aおよび22B図は、二重共鳴動作に対して、時
間の関数として第21図に示した一次および二次回路の
電流および電圧挙動を損い乍ものである。二重共鳴動作
の著しい特徴は、二次電圧が、まず最終ピーク出力電圧
の60%に相当する大きさのピークに達することである
。次いで、電圧は、逆極性を受けて、最終的な出力電圧
ピーク値に達する。その時点で、−次回路の電圧および
電流は、共にゼロになる。この動作は、二重共鳴変換に
特有なもので、二次電圧およびエネルギレベルがピーク
に達した時点で、−次回路のエネルギは正確にゼロにな
る。それ故に、理論上からは、100%のエネルギー伝
達効率が可能ということになる。実際には、二重共鳴モ
ードで作動する空心変圧器を用いた場合のエネルギー伝
達効率は、95%ぐらいである。
その潜在的に高いエネルギー伝達効率とその大電力容量
のために、本発明では、空芯・スパイラルストリップ二
重共鳴変圧器の使用を基礎とした高電圧パルス設計を採
用している。空芯設計によって、磁心材料に関連した損
失や絶縁破壊の問題がなくなるとともに、比較的高エネ
ルギのレベルにおいても低損失、高効率作動が可能とな
る。スパイラルストリップ構造により、変圧器の設計及
び製作が比較的容易になり、過渡電圧による絶縁破壊問
題に対する感受性も低くなる。
−次および二次回路において電流及び電圧を逆転する必
要のある二重共鳴変換を用いて成功を納めるためには、
電流を両方向に流すことのできるスイッチSpを使用す
ることが必要である。二次回路からのエネルギの取り出
しは、キャパシタ。
C2に対する電圧の2回目の半サイクルの頂点における
ピーク出力伝達の到達付近で生ずるようにタイミングを
とらなければならない。可飽和インダクタ・ダイオード
または望みの出力電圧で作動するように設計された気体
絶縁破壊スイッチのような抑制装置がない場合には、点
火装置の火花ギャップは、与えられた温度および圧力条
件にたいして指定された電圧範囲内で絶縁破壊するよう
な適当なサイズのものとしなければならない。圧縮の喪
失またはエンジン・タイミングの早過ぎによる早期絶縁
破壊は、絶縁破壊の瞬間におけるハードな放電回路中に
蓄わえられた有効エネルギを減少させるとともに、放電
の遅いアーク段階中に流れ込む連続的な電流の供給によ
り電極の摩耗をさらに促進させよう。
後で詳しく説明するように、この問題は、出力キャパシ
タC,2と放電パルス成型ネットワークとの間に、可飽
和インダクタまたは気体スイッチのようなパルス圧縮抑
制装置を挿入することによって実質的に軽減もしくは抹
消することができる。
この方法は、また、点火装置のギャップをパ過電圧″に
しうる立ち上がりの早い出力電圧パルスの持っている利
点が得られる。その代り、パルス発生器は、最初の半サ
イクルで最大電圧に到達する立上がりの早い出力パルス
を供給するために、非共鳴モードで(すなわち、普通の
パルス変圧器として)動作するように設計することがで
きる。この後説明する動作モードは、理論上のエネルギ
変換効率は低いが、それにも拘わらず電圧および電流を
逆転する必要もなく、比較的短かい時間内に有効エネル
ギの相当部分を伝達することができる。
この方法では、また、双方向゛−次スイッチの必要がな
くなり、電圧の逆転によって生ずるキャパシタC工およ
びC2にがかる誘電応力も減少する。
最大エネルギ伝達係数が二次的な重要性しかもたないと
きは、パルス変圧器の動作モードは、立上がりの早い出
力パルスを与え、しかも回路の複雑さを全体として増さ
ずにすむが、最初の半サイクルで迅速なエネルギ伝達を
与えるために、変圧器の結合係数を1に近づけることが
必要である。。
本開示のために、ここに述べた高電圧パルス発生器は、
二重共鳴モードもしくは上述の非共鳴パルス変圧器モー
ドの何れかで作動させることができる。
第21図に示した回路中のスイッチSpを閉じて高電圧
パルスを発生させるに先立って、−次キャパシタCIを
、第23図に示した充電ネットワーク42を経てずでに
説明した主電源40により規定の電圧まで充電しておく
。電圧がvOで、インピータンスが20の主電源は、比
較的大きいストレージ・キャパシタC3を充電する。キ
ャパシタC3は、同質の複数のパルスを蓄わえるに充分
な大きさを有し、それによって、前述の電源に対するエ
ネルギ需要を平滑化するシステム・バッファまたは“フ
ライホイール″としての役割を果たす。主電源を在来の
自動車用電気系統である12ボルトdc蓄電池/発電機
/調整器のシステムから単純に構成させることもできる
が、12ボルトの直流電源を、例えば前述のように数百
〜数千ボルトといったような高電圧に変換する電力調整
段を用いることが望ましく、またおそらくこの方がもっ
と効率が高くなると思われる。このように、パルス発生
器においては、電圧の設定値はかなり低めでよく、ある
定められた量のエネルギを伝達するには、電流は低めが
求められる。また、ある量のエネルギを蓄えるのに、高
電圧での高エネルギ密度により少い物理的体積ですます
ことができる。
第23図に示した誘導性充電ネットワーク42は、イン
ダクタLCと直列に接続されているダイオード[)Cか
ら構成されており、キャパシタC3がキャパシタC1へ
のエネルギ伝達の損失が低く、さらに、ファクタにして
ほぼ2に達する電圧利得を得ることができる。
da誘導性充電の動作は、抵抗損失のない理想的な場合
を描いた第24および25図を見るとよく理解できる。
第25図から明らかなように、ブロッキング・ダイオー
ド[)Cを使用することによって、キャパシタC1のエ
ネルギがキャパシタC5へリンギング・バックするのが
防がれており、これによって、C工の充電電圧が保たれ
ている。−また、充電ネットワーク42も、電源40及
びエネルギ貯蔵用キャパシタC3からパルス発生回路の
一次回路を電気的に隔離する。これは、イン・  ダク
タLCの値を、パルス発生回路の放電定数より充電回路
の時定数TOをずっと高くとることができる程充分大き
く選ぶことによって達成することができる。実際には、
TOの典型的な値は、数百マイクロ秒から数ミリ秒のオ
ーダーであり、一方、パルス発生器の放電の時定数は、
普通数十ミリ秒を超えない。
動作の信頼性を高め、分離を確実に行うためには、パル
スは、キャパシタC1の充電が終了する前に、スイッチ
Spを閉じて発生させないようにすることが重要である
(第23図)。この理由から、パルス間の最小時間間隔
は、充電ネットワーク電流が停止するのに要する時間よ
りつねに長くしておかなければならない。第25図から
、この最小時間間隔は、Tc /2であることはすぐに
わかる。
誘導性充電ネットワーク42のもう1つの型式を第26
図に示す。この図では、スイッチとして、前に検討した
ダイオードDCではなく、SCRを用いている。トラン
ジスタやその他のゲート制御サイリスタ・デバイスが使
用できるものと思われる。この充電ネットワーク42の
もう1つの型式には、SCRスイッチを作動させるため
の制御回路を付加しなければならないが、この型式によ
り充電プロセスの制御性が向上する。また、動作電圧を
望みの限界内に維持するために充電電圧の調整を行う別
のよく知られた技術も用いることができる。
次に、本発明の実施例の1つを詳細に描いた第27図を
参照されたい。ここでは、誘導的に充電した高電圧パル
ス発生器を、自動車用点火システムにおいて使用されて
いる通常の機械式ディストリビュータ182と組み合せ
て用いている。12ボルトのdc電8!50とdc−d
c変換器40は、フライホイール・エネルギ貯蔵キャパ
シタC3を充電し、また、エネルギのパルスは、前述の
充電ネットワーク42を通してフライホイール・キャパ
・シタC8からエネルギ貯蔵キャパシタCIへと抽き出
される。パルス発生器44によって発生°される高電圧
パルスは、−次スイッチSpを・開閉することによって
、結合変圧器T1を通じてパルス分布およびピーキング
回路46に供給される。
変圧器T1の二次コイルL22.は、Pによって示され
る後に説明するオプションとしてのパルス抑制およびユ
ニットを通じてディストリビュータ182の回転可能な
接点に接続されている。これに対して、オプションとし
ての分配ラインは、分配システムと放電PFNユニット
の間にある。高電圧パルスは、同軸分配ラインまたはケ
ーブル188を経てディストリビュータ182から密に
結合されたパルス成型ネットワーク50および点火装置
52へ供給される。タイミング・シグナルは、タイミン
グ・パルス調整器48aによって矩形に成形され、増幅
されたタイミング・パルスの列を発生させる磁気ピック
アップを用いてディストリごュータ182によって発生
され、そしてトリガ・パルス発生器48bへ送られる。
トリガ発生器48bは、タイミング・シグナルを使用し
て、ライン186を通じて送られてきたパルスを点火す
ることによって一次スイッチSpの動作を制御する。ラ
イン184は、−次スイッチ・トリガ発生器48Bに所
要の電力を供給する。
第28図は、本発明に対する別の形の回路を示したもの
である。これは、一般に第27図に示した回路と似てい
るが、第27図の回路のダイオードDCの代りに、充電
ネットワーク42のSCRを用いて、パルス発生器44
のデマンド・チャージも行っている。タイミング・パル
ス調整器48aからのタイミング・パルスの出力は、遅
延回路48dおよびデマンド・チャージ・トリガ発生器
48cに供給される。遅延回路48dは普通の設計のも
ので、コイル56からリガ・パルス発生器481)へ送
られるタイミング・パルスを予め定められた間隔で送ら
せて供給する機能を持っている。
デマンド・チャージ・トリガ発生器48cに供給される
遅延していないタイミング・パルスは、充電ネットワー
ク42中のSCRのトリガ機能を、制御するのに使用さ
れる。パルス発生器48bからの遅延トリガ・パルスを
使用することにより、SCRのスイッチング後のキャパ
シタC1の完全な充電、ならびにスイッチSpの閉止前
の充電用SCRの停止が保証される。
スイッチSpは、いろいろなタイプの回路から構成する
ことができる。その代表的な例を第29〜36図に示す
。これらの回路のそれぞれにおいて、ダイオードDrは
、二重共鳴モード・パルス化動作に必要となるが、非共
鳴パルス変換動作モードでは必要ないかもしれない。
第29図に示1ように、−次スイッチSpは、火花ギャ
ップ190を規定する空間的に離れた一対の電極188
によって形成されるトリガ火花ギャップ・スイッチから
構成させることができる。
ライン186への1〜リガ入力により印加される電圧(
第27.28図)は、端子192に送られ、その結果ギ
ャップ190が絶縁破壊を起し、キャパシタC1の放電
電流が変圧器T1に流れ込む。
スイッチSpに対するもう1つの配置の仕方を第30図
に示す。ここでは、トリガ入力は、可飽和インダクタL
pおよびダイオードDrと直列に接続されているSCR
のゲートに送られる。キャパシタCpおよび抵抗Rpか
ら構成されている直列回路は、SCRと並列に接続され
たオプションとしてのスナツパ・ネットワークを形成す
る。可飽和インダクタLt)は、SCRが完全に稼動す
るまで、初期電流を抑止する機能を持っている。
第31図に示すように、スイッチSpは、第2のダイオ
ードDpと並列に接続されたダイオードDr、I5よび
1個の逆転ブロッキング・ダイオード・サイリスタRB
DTから構成させることができる。この回路においては
、ダイオードOpは、トリガ・パルスを分離させる。
一次スイッチSpのもう1つ別の形を第32図に示す。
この図は、ダイオードDpが、所要のパルスの分離を与
えるための第2の逆転ブロッキン・グ・ダイオード・サ
イリスタに置き変えられている点を除けば、第31図に
示したものと同じである。
第33図は、直列に接続された複数のSCRから構成さ
れる一次スイッチSpを描いたもので、これは、特に高
電圧のパルスを必要とするところに応用することができ
る。@SCRには、静的および動的に電圧を平均化させ
るための抵抗及びキャパシタ、R3、Rll 、および
Cpからなる関連のネットワークが含まれている。ライ
ン186から供給されるトリガ・パルスは、変圧器T2
を通してSCRのトリガ入力へ結合される。
第34図は、複数のSCRが、スイッチSpの電流容量
を増加させるために、並列に接続されている一次スイッ
チSpを示したものである。キャパシタCpおよびRD
は、オプションとしてのスナツパ・ネットワークとして
使用されており、マルチターン可飽和インダクタLpは
、SCRが確実に動作するように初期電流を抑制するの
に用いられている。また、可飽和インダクタLpは、各
SCP関係の並列回路分岐中の電流分布を与える。
比較的簡単な、またそれ故に経済的でもある一次スイッ
チSpの回路を第35図に示す。
これは、1個のブロッキング・ダイオード・サイリスタ
RBDTと、ダイオードDrに並列に接続されているイ
ンダクタLSから構成されている。
インダクタLSは、ここでは、トリガ・パルスの分離デ
バイスとして用いられている 第36図は、さらに別の一次スイッチSpの型式を示し
たものである。エネルギからの電流は、インダクタlc
、コイルLbとLl)を含む可飽和インダクタ、ならび
にダイオード[)rから構成されるスイッチSpに蓄え
られる。S ’CRの動作を停止するための一部として
、フリー・ホイーリング・ダイオードD14’を使用し
ている。充電用インダクタンスLCの一部として、可飽
和インダクタのバイアス巻線を用いている。SCRの停
止時に流れる充電電流の開始は、可飽和インダクタのコ
アをリセットさせる。充電サイクルが完了すると、可飽
和インダクタが飽和し、放電キャパシタC1を作動させ
る。
一次スイッチSpのいろいろな型式を上に述べてきたが
、望ましい型式は、使用コンポーネントの数が最も少い
ものである。
■ 高電圧パルスの分配と圧縮 パルス変圧器T1の二次122から伝達されるエネルギ
はく第23.27.28図)、改良された通常のディス
トリビュータを用いて、あるいは後に示す可飽和インダ
クタ・デバイスによって、機械的または電気的に点火装
置52に分配することができる。何れの場合にも、望ま
しい電気パルスの圧縮は、すでに述べたような結果をも
たらす。
第27図についてすでに検討したように、パルスの機械
式分配は、パルス発生器44の出力とディストリビュー
タ182の入力端子間を電気導体194で接続すること
により達成するととができる。ディス1へリービュータ
182は、入ってくるパルスを機械ロータ196に伝達
するための機械的スイッチとして機能する。ロータ19
6は、エンジンに見合った速度でエンジンにより回転さ
せられる。また、過ぎ去ったコネクタの端子198をケ
ーブル188の各々が接続されているところまで回転さ
せる導体を含んでいる。ロータ196の導体と端子19
8の間の小さなギャップを電離させる立上がりの鋭い電
圧パルスが入カケープル194に表れ、パルスからの電
流が、対応するPFN50および点火装置52へ流れる
ように回路が閉じる。
第37図に示すように、ディストリビュータ・ギャップ
198は、分配ケーブル188の設置と一体にして接続
されている外側の設置バスを含ませるように、通常の機
械式ディストリビュータに取り付けられている。設置バ
スおよびケーブル188の同軸的性質により、インダク
タンスの極小化と損失の抑制が保証される。
従来の機械式ディストリビュータの動作電圧は、15〜
35kVの範囲に限られている。高電圧においてこれら
のディストリビュータの接点間には、正常なスイッチン
グが妨げとなり、電圧を下げた場合には、電離接触が不
充分なために正常なスイッチングができなくなり、内部
アークが発生することがある。そのため、本発明では、
第38図に示した別の型式のスイッチングおよび分配に
つ−いて考えた。この別型式のスイッチングおよび分配
は、リセットの可能な可飽和インダクタを使用して、ま
た、パルスが送られてくるラインを除く全ての出力ライ
ン188に高インピーダンスを与えることによって行わ
れる。
パルス発生器44の出力は、バス・ポイントまたは共通
接点200に供給される。同軸分配ケーブル188は、
それぞれバス・ポイント200に接続されている。各分
配ライン188には、バス・ポイント200と、密に結
合されたPFN50および点火装置52の間を直列に接
続している可飽和インダクタLSが含まれている。また
、可飽和インダクタLSには、それぞれ可飽和インダク
タのコアをセットしたり、リセットしたりするための一
対のリードS、Rを有するコア・バイアス巻線が含まれ
ている。
可飽和インダクタLSは、ヒステリシス特性を持ってお
り、これは、そのヒステリシス曲線に沿ってインダクタ
LSの磁心を前後に駆動することにより、導電度を選択
する(スイッチング)に用いられる。これにより、イン
ダクタを通る電流に対するインピーダンスを大きくした
り、小さくしたりすることができる。インダクタの゛バ
イアシング″は、バイアス巻線202によって行われる
バイアス巻線202を通る電流の方向は、そこを通る順
方向または逆方向の電流に対するインダクタIsの応答
性を決定する。可飽和インダクタLSが逆バイナスをか
けられている場合、すなわち、信号がラインR上にある
場合は、インダクタを通る電流は阻止される。可飽和イ
ンダクタが、セットラインS上の信号によって順方向に
バイアスされている場合には、電流は、可飽和インダク
タを通って流れることができる。
発生器44から得られるパルス出力は、バス・ポイント
200を通ってケーブル188及びそれに対応る可飽和
インダクタLSI  LANに供給される。同時に、全
ての可飽和インダクタのバイアス巻線202のセットお
よびリセット・ラインには、比較的低電圧の信号が送ら
れる。バイアス巻線202に対するこれらの制御信号は
、通常の機械式ディストリビュータまたは後に紹介する
第40図に示した回路のようなその他の適当な制御信号
源から供給することができる。高電圧パルスが送られて
くる可飽和インダクタは、そのSライン上で信号を受け
、それによって対応するバイアス巻線202を順方向に
バイアスさせる一方、残りのバイアス巻線202は、そ
のリセット・ラインR上で逆バイアス信号を受ける。
適用の仕方によっては、前にも調べたように、点火装置
52の放電ギャップを“過電圧にする″ことが必要かも
しれない。過電圧を与えることによって、燃焼プロセス
を増強することのできる放電のエネルギ分配が変化する
ことになるかもしれない。過電圧の付与は、実際には、
立上がり時間の早いパルスを発生させることによって行
うことができる。このパルスは、第39図に示した1つ
以上のパルス圧縮段を通じて供給される。各パルス圧縮
段は、キャパシタC1と可飽和インダクタL1から構成
されている。可飽和インダクタの代りに、自己絶縁破壊
火花ギャップ・スイッチを用いることもできる。第27
図においてパルス圧縮ユニットPとしてすでに説明した
これらの各段は、第38図に示すように、共通のバス・
ポイント200とパルス発生器44の間に接続するか、
あるいは各分配ライン188に接続することができる。
第39図に示した各パルス圧縮ユニットは、前段よりも
小さなインダクタンスを示す。上述の゛′電圧抑制″お
よびインピーダンス特性は、電圧パルスの立上がり時間
を効果的に短縮し、これによってパルスを圧縮する。こ
れは、燃焼効果を同等に保持しながら、パルス内のエネ
ルギ・レベルを低減することができるという点で有利で
ある。
場合によっては、パルス圧縮段の可飽和インダクタのコ
ア特性を残しておくことは、M境条件が変化するという
観点から見て望ましいかもしれない。第38図に示すよ
うに、これは、バイアスをいろいろ変えて調節する20
6、電圧が印加される安定化巻線204を使用すること
によって行うことができる。
バイアス巻線202を制御するための制御信−号は、第
40図に示した分配システムによって供給することがで
きる。エンジンの点火に対応するタイミング・パルスは
、磁気ディストリどユータ208から得られる。磁気ピ
ックアップ・コイル210は、タイミング・パルスに感
じて、それらのパルスを成型し、それを充電ネットワー
ク42および遅延ユニット48dに送るパルス成型器に
供給する。ユニット48 dからの遅延パルス出力は、
パルス成型器および増幅器に供給され、ライン216上
で、ブロッキング・ダイオードおよびインバータ220
を通じてリング・カウンタ222に送る。リング・カウ
ンタ222は、複数の出力ライン5l−3nを含んでお
り、その各々は増幅された信号を第38図に示すバイア
ス巻線202の順方向バイアス巻線または対応するセッ
トに供給するための増幅器224を備えている。成型器
および増幅器214からのパルス出力も、ライン226
においてダイオード228を通じて複数のリセット駆動
ラインR1−Rnへ供給される。駆動ラインRニーRn
の各々には、増幅された制御信号を対応するコアリセッ
トまたは上述のバイアス巻線202の逆バイアス・ライ
ンに供給するための増幅器230が含まれている。
成型器および増幅器214からのパルス出力は、バイポ
ーラの矩形波で、その前半部は、可飽和インダクタLS
−Lnに関連したリセット・ラインR1−Rnをトリガ
し、矩形波の第2の半分は、選ばれた巻線SニーSnの
関連の順方向バイアスをトリガする。すでに述べたよう
に、遅延ユニット48dは、パルスを遅延させて、パル
ス発生器44が、キャパシタC工を完全に充電して、前
述のパルスの点火を完了することができるように韮る。
以上述べときたことから、このハードな放電を使用した
燃焼の開始は、本発明の目的である信頼性の高い動作を
与えるばかりでなく、その実施において特に効果的かつ
効率的にこれを行うことができる。勿論、技術の優れた
人であれば、本発明の精神と範喘から逸脱せずに本発明
の説明用に選んだ好適な実施例を改良、付加することが
でき−よう。従って、ここに求められ、与えられるべき
保護は、クレームに述べた主題範囲および本発明の精神
の範囲内にある全ての事項に拡張すべきであると考えら
れる。
【図面の簡単な説明】
図面は、仕様の各部を示すもので、それを組み合わせて
読むべきものである。また、そこに付与されている照合
番号のようなものは、いろいろな図面において同一のコ
ンポーネントを指定するのに使用するものである。 第1図は、本発明に従ってハードな放電発火を発生させ
るための等価回路図である。 第2Aおよび2B図は、それぞれハードな放電の下限領
域とそれよりずっとハードな放電領域における火花放電
操作の電気的特性を表す一連のグラフである。 第3図は、ハードな放電操作に対する電流の前半期内に
蓄えられた総エネルギの一部と非周期性の程度を、ハー
ドさパラメータを関数として示したものである。 第4図は、ハードな放電領域における火花放電の電流お
よび閃光の強度を示す一連のオツシログラムである。 第5図は、一様な電場中にある気体の典型的な電圧−電
流特性を描いたグラフである。 第6図は、低い過電圧条件下での気体誘電体に生ずる絶
縁破壊の発生をダイヤグラムで表したものである。 第7A−7F図は、高い過電圧条件下での気体誘電体に
生ずる放電に対する各段階をダイヤグラムで表したもの
である。 第8図は、主なエネルギ伝達メカニズムを示す。化学的
に反応性の高い混合物中で拡大する火花放電チャネルの
断面積をダイヤグラムで表したものである。 第9図は、第8図に示した拡大する火花チャネルを表す
、また、チャネルの軸方向に延びた一部を示す簡単なダ
イヤグラムである。 第10図は、平衡Hu00niOt曲線である。 第11A図および11B図は拡大するチャネル境界の剛
い構造物からの反射、ならびに隣接の拡大するチャネル
境界との直接的相互作用によるチャネル膨張速度の加速
を示すダイヤグラムである。 第12Aおよび12b図は、それぞれ従来の点火システ
ムと本発明のHDIシステムに対する、燃料の割合と圧
力対クランク角の関係をプロットして表したものである
。 第13図は、本発明の好適な例であるハードな放電を用
いた燃焼開始システムを示す複合ダイヤグラムである。 第14A図は、本発明のハードな放電システムの一部を
な1点火チップの幾何学的配置を示す断面図の一部であ
る。 第14B図は、第14A図に示した点火チップの終り部
分を示す図である。 第14(、−J図は、第14A図に類似した図であるが
、点火チップに対して別の幾何学的配置を描いたもので
ある。 第15図は、各部が分離した、集中キャパシタンス・パ
ルス成型ネットワークを用いた点火ユニットの軸方向断
面を示したものである。 第16図は、集中キャパシタンスを有する別の型式のパ
ルス成型ネットワークを用いる分配ケーブルの軸方向断
面を示す図である。 第17図は、透視図で、部品は、集中キャパシタンスを
用いる゛パルス成型ネットワークを有するさらに別の分
配ケーブルから部分毎に取り外したものを示したもので
ある。 第18A及び18B図は、分布キャパシタンスを有する
パネル成型ネットワークを用いる分配ケーブルの一部を
軸方向の断面にして見たものである。 第19図は、第18図に示した分配ケーブルと共に使用
するだめの終端コネクタの断面図である。 第20図は、本発明の燃焼開始システムで使用するため
のdc−da電力変換器の詳細を示すダイヤグラムであ
る。゛ 第21図は、容量性負荷に接続した、変形キャパシタ放
電高電圧パルス発生器を示すダイヤグラムである。 第22Aおよび22B図は、それぞれ本システムの燃焼
開始システムに用いられている二重共鳴変圧器回路に対
する一次および二次電圧および電流を表すグラフである
。 第23図は、第21図に類似した図であるが、さらに−
次電源および充電ネットワークを示しである。 第24図は、誘導結合されたdc充電回路のダイヤグラ
ムである。 第25図は、第24図の回路に対する電流および電圧の
グラフである。 第26図は、デマンド充電を用いた誘導性充電ネットワ
ークのダイヤグラムである。 第27図は、機械式のディストリビュータを用いた本発
明の燃焼開始システムを示す複合ダイヤグラムである。 第28図は、デマンド充電を用いた別の型式の燃焼開始
システムを示す複合ダイヤグラムである。 第29−36図は、前の型式のパルス発生器−次スイッ
チ・ユニットを示す詳細なダイヤグラムである。 第37図は、第27図および第28図に示したシステム
に使用するためのディストリビュータを示す透視図であ
る。 第38図は、可飽和インダクタ・スイッチングを用いて
高電圧パルスを分配するための回路を示す詳細なダイヤ
グラムである。 第39図は、パルス圧縮用の多段可飽和インダクタ回路
を示すダイヤグラムである。 そして、第40図は、第38図に示した分配システムに
制御信号を供給するための制御システムを示す複合ダイ
ヤグラムである。 特許出願人  スターヒル カンパニーインコーホレイ
ティド 代理人弁理士 絹  谷   信  ・雄図面の、’、
Jq、比−(内容に変更なし)hター/ と ig−3 t7劇℃0 メ2.須       グ=75 ig−6 /F/ターR /F/′gdケ に’11.1a00  : wE/It15 ’ /、
00g/FI!−28 −夕゛クター −hバイ兄く 手続ネ甫正書(方式) %式% 1、事件の表示   特願昭60−34275号2、発
明の名称   内燃機関の燃料−空気混合物の燃焼開始
方法及びその装置 3、補正をする者 事件との関係  特許出願人 スターヒル カンパニー インコーホレイティド4、代
理人 郵便番号 105 東京都港区愛宕1丁目6番7号 愛宕山弁護士ビル 7、補正の内容

Claims (31)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)以下のステップから構成される内燃機関の燃料−
    空気混合物の燃焼開始方法: A)低インダクタンス・エネルギ蓄積装置における電気
    エネルギ量の蓄積ステップ; B)上記蓄積装置に蓄積された電気エネルギの、その間
    に電気エネルギが放電される一対の電極を有する放電装
    置への供給ステップ; C)上記蓄積装置に蓄えられた電気エネルギを用いる上
    記電極間における交流電流のアーク放電チャネルの形成
    ステップ; D)上記交流電流の最初の半サイクル以内での上記放電
    チャネルへの上記蓄えられた電気エネルギ量の少なくと
    も約50%の伝達ステップ;
  2. (2)ステップA)が、実質的に放電装置において上記
    量の電気エネルギを蓄えることによって行なわれる特許
    請求の範囲第1項記載の内燃機関の燃料−空気混合物の
    燃焼開始方法。
  3. (3)ステップB)が、上記放電装置を上記蓄積装置を
    含む回路にスイッチングさせることによって行なわれる
    特許請求の範囲第1項記載の内燃機関の燃料−空気混合
    物の燃焼開始方法。
  4. (4)上記エネルギ蓄積装置および上記放電装置のイン
    ダクタンス対上記アーク放電チャネルの長さの比を約1
    00ナノヘンリー/cm未満の値に保つためのステップ
    を含む特許請求の範囲第1項記載の内燃機関の燃料−空
    気混合物の燃焼開始方法。
  5. (5)上記蓄積装置、該蓄積装置と上記電極間の接続、
    ならびに上記アーク・チャネルを含む電気放電回路のイ
    ンダクタンス対上記アーク・チャネルの長さの比を約8
    0ナノヘンリー/cm未満の値に保つためのステップを
    含む特許請求の範囲第4項記載の内燃機関の燃料−空気
    混合物の燃焼開始方法。
  6. (6)上記蓄えられた電気エネルギ量の少なくとも約8
    0%を、上記交流電気回路の最初の半サイクル以内に上
    記アーク放電チャネルに伝達する特許請求の範囲第1項
    記載の内燃機関の燃料−空気混合物の燃焼開始方法。
  7. (7)上記蓄積装置が、約20,000〜40,000
    ボルトの電圧に充電されたキャパシタを含んでいる特許
    請求の範囲第1項記載の内燃機関の燃料−空気混合物の
    燃焼開始方法。
  8. (8)上記蓄えられた電気エネルギの量の上記50%が
    、30ナノ秒以内に上記放電チャネルに伝達される特許
    請求の範囲第1項記載の内燃機関の燃料−空気混合物の
    燃焼開始方法。
  9. (9)ステップB)において供給された電気エネルギが
    、持続時間が約1マイクロ秒未満の電流パルスであるよ
    うな特許請求の範囲第1項記載の内燃機関の燃料−空気
    混合物の燃焼開始方法。
  10. (10)少なくとも10^9アンペア/秒の電流立上り
    率おいて、上記電極にかかる上記パルスの放電によって
    ステップC)が行なわれる特許請求の範囲第9項記載の
    内燃機関の燃料−空気混合物の燃焼開始方法。
  11. (11)上記蓄えられた電気エネルギの量が、50〜2
    000ミリジュールである特許請求の範囲第1項記載の
    内燃機関の燃料−空気混合物の燃焼開始方法。
  12. (12)上記電流パルスが、少なくとも800アンペア
    の大きさを持つ特許請求の範囲第9項記載の内燃機関の
    燃料−空気混合物の燃焼開始方法。
  13. (13)ステップB)が、50オーム未満のインピーダ
    ンスを有する電気的に導電性のあるラインに上記パルス
    を伝達することによって行なわれる特許請求の範囲第9
    項記載の内燃機関の燃料−空気混合物の燃焼開始方法。
  14. (14)上記導電性ラインが、1オーム未満の抵抗を有
    する特許請求の範囲第13項記載の内燃機関の燃料−空
    気混合物の燃焼開始方法。
  15. (15)ステップB)が、蓄えられた電気エネルギの量
    から電流パルスを導き、該パルスの持続時間を圧縮する
    ステップを含む特許請求の範囲第1項記載の内燃機関の
    燃料−空気混合物の燃焼開始方法。
  16. (16)上記パルスを上記放電装置中に一時的に蓄える
    ステップを含む特許請求の範囲第9項記載の内燃機関の
    燃料−空気混合物燃焼開始方法。
  17. (17)上記アーク放電チャネルが、約0.5以下の硬
    さファクタφを有する特許請求の範囲第1項記載の内燃
    機関の燃料−空気混合物の燃焼開始方法。ここで、φは
    次式で与えられる。 φ≒(L/lg)/[(tm^2/4clg)+(2R
    mtm/3lg)+(L/lg)−1]但し、tmは、
    システムの電流立上り率が実質的に最大となる時間(ナ
    ノ秒)である。 Rmは、tmにおけるオームで表わした電気アーク・チ
    ャネルの抵抗である。 Cは、ナノヘンリーで表わしたシステムのキャパシタン
    スである。そして、 lgは、その間でアークが生ずる、センチメートルで表
    わしたギャップの長さである。
  18. (18)上記硬さファクタφが、0.3未満である特許
    請求の範囲第17項記載の内燃機関の燃料−空気混合物
    の燃焼開始方法。
  19. (19)lgが、0.01〜1.0センチメートルであ
    る特許請求の範囲第17項記載の内燃機関の燃料−空気
    混合物の燃焼開始方法。
  20. (20)C)が、100〜5,000ピコファラッドで
    ある特許請求の範囲第18項記載の内燃機関の燃料−空
    気混合物の燃焼開始方法。
  21. (21)L/lgの値を100ナノヘンリー/cm未満
    に限定するためのステップを含む特許請求の範囲第18
    項記載の内燃機関の燃料−空気混合物の燃焼開始方法。
  22. (22)ある量の電気エネルギを蓄えるためのキャパシ
    タを含む電気回路、上記キャパシタに蓄えられた電気エ
    ネルギを用いて燃料−空気混合物の燃焼を開始させるた
    めに電気アーク・チャネルが確立できる一対の空間的に
    離れた電極を有する放電装置、ならびに上記キャパシタ
    を上記放電装置に電気的に接続する手段から構成され、
    上記回路の全インダクタンスおよび全抵抗の大きさは、
    上記回路の電流率および該回路から上記アーク・チャネ
    ルへ伝達される電気エネルギが、上記アーク・チャネル
    の抵抗によって実質的に完全に決定されるような十分に
    低い値である内燃機関の燃料−空気混合物の燃焼開始装
    置。
  23. (23)上記キャパシタ、上記放電装置、および上記接
    続手段の全抵抗が、約1オーム未満である特許請求の範
    囲第22項記載の内燃機関の燃料−空気混合物燃焼開始
    装置。
  24. (24)上記キャパシタ、上記放電装置、および上記接
    続手段の全インダクタンスが、約50ナノヘンリー未満
    である特許請求の範囲第22項記載の内燃機関の燃料−
    空気混合物の燃焼開始装置。
  25. (25)dc電力を供給するための電源手段、該電源手
    段から受け取ったある量の電気エネルギを蓄え、電気エ
    ネルギのパルスを発生させるための蓄積手段を含む上記
    電源手段と結合された第1の共振回路、第2の共振回路
    、該第2の共振回路の一部を形成する上記放電装置、な
    らびに、上記第1の共振回路を上記第2の共振回路に誘
    導的に結合し少なくとも0.6の実効結合係数を持たせ
    るための手段、実質的に同じ基本周波数を有する上記第
    1および第2の共振回路を含む特許請求の範囲第22項
    記載の内燃機関の燃料−空気混合物の燃焼開始装置。
  26. (26)上記電源手段が、複数の上記電気エネルギ・パ
    ルスを発生させるのに十分な大きさの電気エネルギ量を
    蓄えるための電気蓄積装置、ならびに、該電気蓄積装置
    から導かれるエネルギを用いて上記蓄積手段を充電する
    ための手段を含む特許請求の範囲第25項記載の内燃機
    関の燃料−空気混合物の燃焼開始装置。
  27. (27)上記充電手段が、上記電気蓄積装置からの電気
    エネルギを上記蓄積手段に選択的に結合するためのイン
    ダクタおよびスイッチを含む特許請求の範囲第26項記
    載の内燃機関の燃料−空気混合物の燃焼開始装置。
  28. (28)上記第2の共振回路が、上記放電装置へ伝送す
    る前に、上記電気エネルギ・パルスを圧縮する手段を含
    む特許請求の範囲第25項記載の内燃機関の燃料−空気
    混合物の燃焼開始装置。
  29. (29)上記第1の共振回路が、該第1の共振回路から
    の上記電気エネルギのパルスを、上記誘導結合手段を通
    じて上記第2の共振回路にスイッチングさせるための手
    段を含む特許請求の範囲第25項記載の内燃機関の燃料
    −空気混合物の燃焼開始装置。
  30. (30)上記蓄積手段、上記スイッチング手段、および
    上記誘導結合手段が、互いに直列に接続されている特許
    請求の範囲第29項記載の内燃機関の燃料−空気混合物
    の燃焼開始装置。
  31. (31)上記充電手段が、上記電気蓄積装置からの電気
    エネルギを上記蓄積手段に選択的に結合するための可制
    御スイッチを含み、上記第1の共振回路が、上記蓄積手
    段に蓄えられた電気エネルギ・パルスを上記誘導結合手
    段にスイッチングさせるための手段を含み、そして、さ
    らに該スイッチング手段の動作との時間的な関係におい
    て上記可制御スイッチの動作を制御するための手段を提
    供し、それによって、電気エネルギ・パルスが上記誘導
    結合手段にスイッチされた直後に、電気エネルギが上記
    蓄積手段に供給される特許請求の範囲第26項記載の内
    燃機関の燃料−空気混合物の燃焼開始装置。
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