JPS6184359A - 耐熱オ−ステナイト鋳鋼 - Google Patents

耐熱オ−ステナイト鋳鋼

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JPS6184359A
JPS6184359A JP59206260A JP20626084A JPS6184359A JP S6184359 A JPS6184359 A JP S6184359A JP 59206260 A JP59206260 A JP 59206260A JP 20626084 A JP20626084 A JP 20626084A JP S6184359 A JPS6184359 A JP S6184359A
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の技術分野〕 本発明は耐熱性に優れたオーステナイト鋳鋼に関する。
〔発明の技術的背景とその問題点〕
オーステナイト鋼は耐食性に優れることから、腐食環境
下で多く使用されている。また、フェライト鋼に比べる
と機械的性質の温度依存性が小さいことから、強度的な
使用限界温度はフェライト鋼より高くできるとされてお
り、その応用範囲は拡がる傾向にある。しかしながら、
オーステナイト鋼は、強度の温度依存性は小さいものの
、強度レベルはフェライト鋼に比べ低いため8U830
4や5US316などの従来型のオーステナイト鋼を高
温度域で使用するためには、強度を補うために部品の肉
厚を厚くし、所定の強度を確保しなければならない。そ
の結果、部品の重量増加を招き、大型部品の場合には、
輸送や架設が複雑で困難になる。さらに、加熱時には厚
肉部品の内外面で大きな不均一熱分布を発生し、くり返
しの加熱、冷却を受ける場合には、熱疲労が加速される
という欠点を有している。従って、オーステナイト鋼の
使用限界温度を上げるためには、室温、高温での機械的
特性を向上させることが必須である。
特に複雑形状をした大型構造物は熱間鍛造や冷間加工が
困難なため、鋳物品が多く用いられるが、鋳物品は熱間
鍛造材や熱間圧延材、冷間加工材に比べ、強度はさらに
低く、大型部材に鋳物材を用いる場合は肉厚を一層厚く
しなければならない。
また、鋳物材は鍛造材に比べ鍛造などの加工を加えない
ため偏析を生じやすく、添加元素量の制約を受けること
、結晶粒を小さくできないことなども強度を向上できな
い理由に挙げられる。ざらにNi基合金にみられるよう
なγ1の積極的な析出による強度の向上は、材料の伸び
、絞りの低下を招くばかりか、熱処理が複雑になる欠点
がある。特に絹 鋳鋼品のように、鋳造欠像を避けることが困難な場合に
は欠陥部の補修溶接時に析出形態が変化し、′材料特性
の劣化をきたすため、鋳物材での積極的な析出強化は難
しい。
ところで、石炭や石油を燃料とする火力発電プラントで
は熱効率を向上させるため、蒸気条件の一層の高温、高
圧化(例えば12000F、352気圧)が推進されて
おり、そこに用いられるタービン部材もその対応が要請
されている。しかしタービン構成用部材として従来用い
られているCr −Mo −Vなどのマルテンサイト鋳
鋼は高温下での強度は不足であり、より高温特性のよい
耐熱オーステナイト鋳鋼に移行されようとしている。ま
た、タービン構造用部材のうちケーシングは蒸気圧力に
よる負荷を受けるため、高圧力蒸気条件下で使用するに
は、さらに強度向上が要求される。
さらに、化学プラントやボイラーにおいても同様な理由
から使用条件は苛酷になってきており高温、高圧環境下
でも強度的に耐えられるオーステナイト鋼が要望されて
いる。
このように、鋼の使用環境が変化しているにも拘らず既
存のオーステナイト鋳鋼↓は特に耐力やクリープ破断強
さ、伸び、絞りなどが不足しているため、さらに高い耐
力、クリープ破断強さ、伸び、絞りなどを有するオース
テナイト鋳鋼の開発が強く要望されている。
〔発明の目的〕
本発明はこのような点をこ鑑みてなされたもので鋳造品
として優れた耐熱強度を有するオーステナイト鋳鋼を提
供することにある。また本発明の他の目的は合金元素を
調整することにより、結晶粒を微細化し機械的性質を向
上させた耐熱オーステナイト鋳鋼を提供することにある
〔発明の概要〕
本発明は重量パーセントで0.15%以下の炭素、2.
0チ以下のシリコン、3.0%以下のマンガン、0.0
2〜0.5%の窒素、6〜15%のニッケル、15〜2
2チのクロム、0.01〜0.1チのバナジウム、5チ
以下のモリブデン、残部が実質的に鉄よりなるオーステ
ナイト鋳鋼、あるいは上記組成にさらに0.01〜1.
0%のニオブ、0.002〜0.5チのチタン、0.0
005〜0.01%のボロン、0.5〜5%のタングス
テンのうちの少なくとも一種を含むオーステナイト鋳鋼
、さらにはNi当量を16〜24%、Cr当量を18〜
24%となるように上考7 記組成を調整したオーステナイ) 14である。
ここで本発明に係る耐熱オーステナイト鋳鋼の組成限定
理由について説明する。
炭素(C1:Cはオーステナイト相を安定にし、鋳鋼を
強化するために多い程有効であるが、0.15チを越え
て添加すると偏析を生じ2000℃以上の高温で均質化
処理を施しても偏析は消えず、機械的性質、耐食性を劣
化させることから上限を0.15 %とする。クリープ
破断強さの点からは0.03〜0.12 %が望ましい
が、クリープ破断伸び、絞りの観点からは0.04%を
越え0.08チ未満とすることが望ましい。
シリコン(Si):シリコンは製鋼時に脱酸剤として作
用するとともに鋳鋼の湯流れ性をよくし、溶接性をよく
するために必要な元素であるが、多量の添加は靭性を害
することから上限を2.0チとする。また、少なすぎる
と湯流れ性を悪くし、ピンホールを発生させることから
、望ましくは0、1〜0,9チであり、さらに望ましく
は0.3〜0.7チである。
マンガン(Mn):マンガンはシリコン同様製鋼時に脱
酸剤として作用するとともにオーステナイト生成元素と
してオーステナイト相を安定化させるが、多量に添加す
ると耐酸化性などの耐食性を害すること、強度向上の効
果が少ないか、もしくは劣化させることから上限を3.
0%とする。
望ましくは0.2〜2.4チとすることが良いが、さら
に望ましくは、0.5〜1.9チとすることがよい。
窒素(N):窒素はオーステナイト相を安定にするとと
もにオーステナイト中に固溶したり、あるいは熱処理に
より窒化物を形成し耐力やクリープ破断強さを向上させ
るため0.02%以上の添加が必要であるが、過剰に添
加すると製鋼やその後の溶接時にピンホールやブローホ
ールを形成するとともに粒界に窒化物を形成してクリー
プ破断強さやクリープ破断伸びや絞り、さらには靭性を
害することから上限を0.5%とする。
特に鋳鋼では鍛鋼のように鍛造によりピンホールやブロ
ーホールをつぶすことができないことカラ、ピンホール
、ブローホールは極力避けなければならず望ましくは0
.08〜0.35%とすることが良いが、さらに望まし
くは0.11〜0、25 %とすることがよい。才た、
工業的な窒素添加法を考えれば0.11〜0.2チとす
ることがよい。
ニッケル(Ni):ニッケルは鋼の組織をオーステナイ
トにすると同時に耐食性、溶接性をよくするために必須
な元素で少なくとも6チは必要である。しかしCr量と
の兼ねあいで、過乗に添加するとクリープ破断強さやク
リープ破断伸び、絞りを急激に減少させるため15チ以
下の添加とする必要がある。オーステナイトの安定、ク
リープ破断強さ、クリープ破断伸び、絞りの観点から望
ましくは8.5〜13.5 %とすることがよいが、C
r量を16〜20チとした場合には9〜12.5%とす
ることがよく、さらには9.5〜11.5%とすること
がよい。
クロム°(Cr)ニクロムは室温、高温の強度を高める
とともに、耐食性、耐酸化性を向上させるために15チ
以上必要であるが多量に添加すると高温で長時間使用す
るとシグマ相を生成し靭性を害すること、およびフェラ
イト相を形成しオーステナイト単相を得難くすることか
ら上限を22%とする。Ni量とのバランスおよびN添
加を容易にすることを考慮すると16〜19.5%とす
ることが望ましく、さらには16〜18.5チとするこ
とが望ましい。
バナジウム(V):バナジウムは本発明において特に重
要な元素でオーステナイト相中に固溶したり、あるいは
窒素や炭素と作用して微細な析出物を形成させクリープ
破断強さ、クリープ破断伸びや絞りを向上させるために
0.01 %以上の添加が必要であるが、過剰に添加す
ると偏析を生じ2000℃以上の高温で均質化処理を施
しても偏析が消えずクリープ破断強さやクリープ破断伸
び、絞りを低下させることから上限を1. O%とする
。高温での機械的性質を考慮すると、0.03〜0.5
%とすることが望ましいが、さらにクリープ破断絞りの
観点からは0.05〜0.35%とすることが望ましい
モリブデン(MO):モリブデンは■やNb、Ti 、
 W 、 Bを添加したときのクリープ破断強さやクリ
ープ破断伸び、絞りをさらに向上させるために必須であ
るが、過剰に添加するきフェライト相を生成したり偏析
を生じたりして高温での特性を低下させることから上限
を5チとする。フェライト相の形成、偏析および高温特
性の観点からは0.5チを越え、3.5チ以下とするこ
とが望ましいが、さらには1.5〜3.0%とすること
が望ましい。
ニオブ(Nb):ニオブはクリープ破断強さを向上させ
、二次クリープ速度を抑えるために0.01 ’1以上
の添加が必要であるが、過剰の添加は局部的にフェライ
ト相を生成させたり、偏析を生じ2000℃以上の熱処
理を加えても均質化されずクリープ破断強さや、クリー
プ破断伸び、絞りを低下させることから上限を0.5%
とする。偏析、高温特性を考慮すると0.02〜0.3
%とすることが望ましくさらには0602〜0.15%
とすることが望ましい。
チタン(’ri):チタンはクリープ破断強さを向上さ
せるために0.0021以上の添加が必要であるが、過
剰の添加は偏析を生じ、クリープ破断伸びや絞りを低下
させることから上限を0.5%とする。
高温特性の観点からは0.02〜0.3チとすることが
望ましいが、さらには0.02〜0.15 %とするこ
とが望ましい。
ボロン(ロ):ボロンは、クリープ破断強さを向上させ
、3次クリープでの伸びを向上させるためにo、ooo
s%以上の添加が必要であるが、過剰に添加すると粒界
を脆弱にすることから上限を0、01 %とする。さら
に望才しくは0.003〜0.007チである。
タングステン尚:タングステンはオーステナイト相中に
固溶して、クリープ破断強度を向上させるために0.5
%以上の添加が必要であるが、過剰に添加しても大巾な
効果向上は得難いばかりでなく、比重が大きいため、大
型部材として用いた場合には偏析を生じやすくなるため
、上限を5チとする。望ましくは1〜3チとすることが
よい。
AA’ 残部は不可避的に入る不純物としてはP 、 S 、8
などであるが、これらの元素は粒界を脆弱にすることか
ら、極力避ける必要があり、望ましくは不純物の総量と
して0.05%以下とすることがよい。
また、本発明の鋳鋼の場合は添加成分を調整することに
より従来鋳鋼では得難かった細かい結晶粒が得られるが
、さらに均一な微細粒を得るためには(%Ni)+30
X(%C)+25.7X(%N)+0.5x(%Mn 
)で表わせるNi当量を16〜24%とし、(%Cr 
)+1.2x (%Si )+(%Mo )+sX (
%V)+0.5×(%Nb)+0,75X(%W)+1
.5x(%Ti)+40x(%B)で表わせるCr当量
が18〜24%となるようにする事が好ましい。さらに
望ましくはNi当量を16〜22%に、Cr当量を19
〜23%とすることがよい。これらの細粒化により耐力
、伸び、絞りや高温特性の一層の向上ができるばかりで
なく熱疲労に対しても有効である。さらには、結晶粒を
微細化させることにより、部材の鋳造欠陥を検査するた
めの超音波探傷が可能となる利点がある。
機械的性質の点からは平均結晶粒面積が2J以下が望ま
しく、さらには1m以下とする事が好ましい。
本発明では、鋳造品として室温、高温においてを 機械特性に優れた耐熱オーステナイト鋳鋼を得る事がで
きる。
〔発明の実施例〕 高周波誘導溶解炉により第1表に示す化学組成を有する
鋳鋼を溶製後、1200℃、24時間の均質化処理、次
いで炉冷した後さらに800℃で8時間の安定化処理を
行なった。なお鋳鋼の溶製に際しては金型モールドを用
い、直径50園のインタ ゴxトを得た。
比較例1は市販のオーステナイト系SUS 316相当
の鋳鋼で同様な熱処理を施しである。
第  1  表 第  2  表 第  3  表 これらの鋳鋼について室温引張試験、クリープ破断試験
及び組織観察を行ない各特性を評価した。
これらの結果を第2表及び第3表に示す。結晶粒の大き
さは、平均粒面積で表わした。
また、クリープ破断試験は700℃、 18 kpdの
条件で行ない、クリープ破断強さは破断時間で評価した
第2表に示すように、本発明材は従来の5US316鋳
鋼(比較例−1)に比べ破断時間が大巾に長くなってお
り、優れた高温強度及び機械的特性を示すことがわかる
。さらに結晶組織を示す第1図(75倍)に代表される
ように実施例7の結晶粒は第2図(75倍)の比較例1
に比べ結晶粒が微細化されており、超音波探傷による欠
陥の検査ができた。また実施例7のクリープ破断後の結
晶組織は第3図(75倍)に示されるように、結晶粒は
引張力方向によく伸ばされており、伸び。
絞りの向上に有効なことがわかる。
以上説明した如く、本発明の耐熱オーステナイト鋳鋼は
鋳造状態で優れた室温および高温特性を有することから
タービン構造用部材、特に蒸気タービン等のケーシング
やパルプケーシングなどに看 用いることは発電効率、調合などの観点から工業上すこ
ぶる有用である。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に係る耐熱オーステナイト鋳鋼の結晶組
織図(倍率75倍)、第2図は従来のSUS 316鋳
鋼の結晶組織図(倍率75倍)、第3図は本発明に係る
耐熱オーステナイト鋳鋼のクリープ破断後の結晶組織図
(倍率75倍)。 代理人 弁理士 則 近 憲 佑(他1名)第1図 第2図 一二亡一一一 第3図

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1)重量パーセントで0.15%以下の炭素、2.0%
    以下のシリコン、3.0%以下のマンガン、0.02〜
    0.5%の窒素、6〜15%のニッケル、15〜22%
    のクロム、0.01〜1.0%のバナジウム、5%以下
    のモリブデン、残部が実質的に鉄よりなる耐熱オーステ
    ナイト鋳鋼 2)(%Ni)+30×(%C)+25.7×(%N)
    +0.5×(%Mn)で表わせるNi当量が16〜24
    %、(%Cr)+1.2×(%Si)+(%Mo)+5
    ×(%V)で表わせるCr当量が18〜24%である事
    を特徴とする特許請求の範囲第1項記載の耐熱オーステ
    ナイト鋳鋼 3)タービン構造用部材である事を特徴とする特許請求
    の範囲第1項又は第2項記載の耐熱オーステナイト鋳鋼 4)タービン構造用部材がケーシングである事を特徴と
    する特許請求の範囲第3項記載の耐熱オーステナイト鋳
    鋼 5)重量パーセントで0.15%以下の炭素、20%以
    下のシリコン、3.0%以下のマンガン、0.02〜0
    .5%の窒素、6〜15%のニッケル、15〜22%の
    クロム、0.01〜1.0%のバナジウム5%以下のモ
    リブデンおよび0.01〜0.5%のニオブ、0.00
    2〜0.5%のチタン、0.0005〜0.01%のボ
    ロン、0.5〜5%のタングステンの少くとも一種残部
    が実質的に鉄よりなる耐熱オーステナイト鋳鋼 6)(%Ni)+30×(%C)+25.7×(%N)
    +0.5×(%Mn)で表わせるNi当量が16〜24
    %、(%Cr)+1.2×(%Si)+(%Mo)+5
    ×(%V)+0.5×(%Nb)+0.75×(%W)
    +1.5×(%Ti)+40×(%B)で表わせるCr
    当量が18〜24%である事を特徴とする特許請求の範
    囲第5項記載の耐熱オーステナイト鋳鋼 7)タービン構造用部材である事を特徴とする特許請求
    の範囲第5項又は第6項記載の耐熱オーステナイト鋳鋼 8)タービン構造用部材がケーシングである事を特徴と
    する特許請求の範囲第7項記載の耐熱オーステナイト鋳
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