JPS6159042B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は、絶縁性ガスが封入されたガス絶縁
電気機器と絶縁油が充填された油入絶縁電気機器
を直結する接続装置における異常電圧発生から電
気機器を保護する保護装置に関するものである。

例えばガス開閉装置と油入変圧器を接続装置で
直結すると、ガス開閉装置の管体に発生する循環
電流は接続装置を通つて変圧器外箱の側板に流れ
る。このため接続装置の外被に配置されるような
変流器は、その特性が変つてしまい、のみならず
変圧器本体においては接地電流検出が不可能にな
る等、変圧器側に与える悪影響も大になる。

この防止対策としては、接続装置の一端に絶縁
物を設置し、両電気機器の外被相互間を電気的に
絶縁することが考えられるが、このようにする
と、ガス開閉装置側のしや断器あるいは断路器の
開閉時、数ＭHzの高周波異常電圧がガス管体に発
生し、絶縁物設置個所の金属フランジ間において
閃絡事結を起こす。

このような異常電圧は、絶縁物の両面側の接続
装置とガス管とのリアクタンスが異なるため開閉
サージに含まれる高周波成分によつてガス管体の
インピーダンスが大きくなり、かつ開閉時、ガス
管体に流れる電流によつて発生するものである。
このため、上述したように絶縁物両面側の金属フ
ランジ間で閃絡を起こし、絶縁物が沿面破壊し、
劣化を早め、また感電の危険性もでてくるもの
で、従来、これらの点についての改善が要望され
ていた。

この発明は上記のような要望に鑑みてなされた
もので、構成簡単かつ確実にガス絶縁電気機器側
に生じたサージによる異常電圧から絶縁物を保護
すると共に感電事故を防止するようにした電気機
器の保護装置を提供することを目的とする。

以下第１図ないし第３図を参照してこの考案の
実施例を説明する。第１図はこの考案による電気
機器の保護装置が適用されたガス絶縁電気機器、
油入絶縁電気機器およびこれらを直結する接続装
置の一例を示す図、第２図は第１図中の接続装置
部分を取り出し拡大して示す断面図で、これら両
図において、１は油入絶縁電気機器、ここでは変
圧器、２は油充填接続装置、３はこの発明保護装
置、４はガス絶縁電気機器、ここではガス開閉装
置である。また、５は接地線、６は絶縁物、７は
大地、８は保護電極、９は油貫通ブツシング、１
０は油−ガス貫通ブツシング、１１は可撓導体、
１２は電極支持金、１３は取付ボルト、１４は接
続装置取付フランジ、１５はガス開閉装置取付フ
ランジである。

すなわち第１図に示すように、ガス開閉装置４
と変圧器１とを直結する場合に接続装置２が用い
られるもので、これは、変圧器１より引出された
油貫通ブツシング９とガス開閉装置４より引出さ
れた油−ガス貫通ブツシング１０を可撓導体１１
で電気的に接続するよう構成されている。この場
合、両機器の外被の接続は、第２図に拡大して示
すように、両機器それぞれのフランジを接続装置
２両端のフランジと結合することによつて行われ
る。

絶縁物６は、ガス開閉装置４と接続装置２の間
に、ガス開閉装置４に発生する循環電流を変圧器
１側に流れないように設けられたものである。ま
た、絶縁物６にはこの発明保護装置３が設けら
れ、異常電圧が発生した場合にこの保護装置３に
おいて閃絡させるように構成されている。さらに
接続装置２は接地線５により接地されている。

第３図は上記この発明保護装置３の一実施例を
拡大して示す断面図で、図中１６はパツキン、１
７は保護電極８の対向間隔Ａの調整棒、１８は絶
縁管、１９は絶縁ワツシヤーである。その他、第
３図において第１図および第２図と同一符号は同
一部分を示す。

すなわち、ガス開閉装置取付フランジ１５と接
続装置取付フランジ１４は、絶縁物６、ブツシグ
１０およびパツキン１６を介して取付ボルト１３
により固定される。この取付ボルト１３には絶縁
管１８および絶縁ワツシヤー１９が通され、接続
装置２とガス開閉装置４の電気的絶縁を保持して
いる。また、絶縁物６の両面側、ここでは接続装
置２およびガス開閉装置４それぞれの取付フラン
ジ１４および１５には、これら取付フランジ１
４，１５と同様に上記取付ボルト１３で締付固定
された電極支持金１２を介して一対の保護電極８
が対向配置されている。この実施例では、保護電
極８は上記電極支持金１２に図中左右方向に移動
自在に支持された調整棒１７の先端に取り付けら
れており、この調整棒１７によつて保護電極８の
対向間隔Ａが調整可能に構成されている。

すなわち、ガス開閉器４に発生する循環電流
は、絶縁物６によつてその通路がしや断され、変
圧器１側へは侵入しない。また、ガス開閉器４で
発生する異常電圧は、対向間隔が調整された保護
電極８相互間で閃絡され、消滅するものである。

以上述べたようにこの発明によれば、ガス絶縁
電気機器と油入絶縁電気機器を直結する接続装置
に絶縁物を設置すると共に、この絶縁物の両面側
より保護電極を対向配置したので、ガス絶縁電気
機器に発生する循環電流の油入絶縁電気機器への
侵入が防止できると共に、ガス絶縁電気機器で発
生する異常電圧を保護電極で閃絡させ、絶縁物の
沿面破壊が防止できる。しかも保護電極の対向間
隔は調整可能に構成されているので、接続する電
気機器がどんなものであつても常に最適な値に調
整でき保護の確実性が高い。また、感電事故も防
止することができる。さらに、構成も上述したよ
うに極めて簡単である等の効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明による電気機器の保護装置が
適用されたガスおよび油入両絶縁電気機器および
これらを直結する接続装置の一例を示す断面図、
第２図は第１図中の接続装置部分の拡大断面図、
第３図はこの発明装置の一実施例を示す拡大断面
図である。 １……変圧器（油入絶縁電気機器）、２……接
続装置、４……ガス開閉装置（ガス絶縁電気機
器）、５……接地線、６……絶縁物、８……保護
電極、１７……保護電極対向間隔調整棒。なお、
図中同一符号は同一または相当部分を示す。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ ガス絶縁電気機器と油入絶縁電気機器を直結
   する接続装置を有するものにおいて、上記ガス絶
   縁電気機器の取付フランジと上記接続装置の取付
   フランジとの相互間に絶縁物を設置して上記両電
   気機器の外被を電気的に絶縁すると共に、上記絶
   縁物の外側で上記取付フランジにそれぞれ接続さ
   れた保護電極を対向配置し、かつこの保護電極の
   対向間隔を調整可能としたことを特徴とする電気
   機器の保護装置。