JPS6158410B2 - - Google Patents

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JPS6158410B2
JPS6158410B2 JP56147797A JP14779781A JPS6158410B2 JP S6158410 B2 JPS6158410 B2 JP S6158410B2 JP 56147797 A JP56147797 A JP 56147797A JP 14779781 A JP14779781 A JP 14779781A JP S6158410 B2 JPS6158410 B2 JP S6158410B2
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Description

【発明の詳細な説明】
本発明はカラーCRT表示装置用のコントラス
トフイルターに関するものであつて、例えば航空
機の操縦室などの如く、明るい周囲光の下で使用
されるカラーCTR表示装置に適用して高いコン
トラスト効果を発揮するフイルターガラスに係
る。 CRTの映像を観察する場合、明るい周囲光の
下では面板の螢光体面からの反射光強度に対する
螢光体の発光強度の比が小さくなるので、映像の
コントラストは周囲光の明るさの増加に伴つて低
下する。これを改善するために従来種々の提案が
なされ、実用化もされている。このうち、着色ガ
ラスを使用する例としては、面板や面板の前面フ
イルターに無彩色のガラスを使い、周囲光の反射
光強度を低下させる方法が知られている。この種
のガラスでは光透過率の低いもの程高いコントラ
ストが得られるが、映像の明るさ(輝度)も低下
してしまうため、高濃度のガラスは不適当であつ
て、光透過率が50%以上のものが使用される。ま
た無彩色のフイルターやその他のフイルターを張
り合わせることによつて、上記した映像の輝度低
下を改善させる試みもなされているが、この場合
には熱や衝撃などによつて張り合わせ部分が剥れ
てしまう虞れがあるばかりでなく、接着色で光の
反射や散乱が起る問題がある。 従つて、本発明の目的は明るい周囲光の下でも
高コントラストで高輝度の映像が得られる単体の
ガラスフイルターを提供することにあり、その目
的がNd3+イオン個有の光吸収特性と、Ce、Mn、
Co、Cu、Fe(Ni)イオン個有の青、緑、赤色各
光域に対する透過率調整及び色相調整の機能並び
に螢光体の発色ピーク波長以外の波長光を有効に
吸収する特性とを活用することによつて、初めて
達成されることを本発明者は見い出した。 ガラス中のNd3+イオンは530nm及び585nm波長
域にシヤープな強い光吸収を有することは周知で
ある。また本発明者の発明に係る特願昭54―
31785号によれば、Nd2O3を比較的多く含むガラ
スは550nm付近に極めて小さい半値幅の透過ピー
クを形成し、この透過ピークはP―43螢光体の発
色ピーク波長に非常に近いとの知見のもとに、当
該ガラスにCrO3及びCuOなどの着色剤を共存さ
せたP―43螢光体からなるCTR表示装置用コン
トラストフイルターが開示されている。 本発明者はNd2O3を比較的多く含むガラスで形
成される550nm付近の透過ピークと、P―43螢光
体の発色ピークの波長の一致性を活かしたカラー
CRT表示装置用コントラストフイルターについ
て更に研究を重ねた結果、青色(ZnS:Ag)、赤
色(Y2O2S:Eu)螢光体としてP―22、そして
緑色用螢光体としてP―43(Gd2O2S:Tb)の構
成からなるカラーCRTに最適な単体のガラスフ
イルターを作ることに成功した。 添付図面は上記螢光体の各発光スペクトル(曲
線a,b,c参照)と、本発明の実施例No.2のガ
ラスの肉厚2.5mmに於ける分光透過率(曲線A参
照)との関係を示したものであるが、図示の通り
各螢光体の発光ピーク波長付近の透過率は高く、
その他の波長光は効果的に吸収されていることが
解る。従つて、本発明のガラスを使用すれば、周
囲光がCRTの面板から反射される光強度レベル
に対する輝度レベル比が、従来のニユートラルデ
ンシテイーフイルターよりも高く、比較的高輝度
でかつ高コントラストが得られるのである。 本発明に於て、Nd2O3以外のCeO2、MnO2
CoO、CuO、Fe2O3、NiOからなる着色成分は、
ガラス着色の色相を整えるだけでなく、螢光体か
らの各色光の輝度を調節し、なおかつ発光ピーク
波長以外の波長光を吸収する効果を有し、これら
着色成分の2種以上の共存によつて初めて本発明
のコントラストフイルターが得られる。 Nd2O3含有ガラスは演色性を示し、光の分光エ
ネルギー分布によつて色相が異なつて見えること
は周知である。すなわち、Nd2O3含有量が比較的
少ない場合には、自然光下ではマゼンタ色に、そ
して螢光灯下では青色に見える。ところが、本発
明のガラスのようにNd2O3を5重量%以上含むガ
ラスは、緑色光域の吸収が非常に強くなるため
に、螢光灯下でもマゼンタ色が強くなる。各螢光
体の発光によつて形成される映像の色相を変えず
にそれを忠実に表示するためには、フイルターの
色相が無彩色であることが必要である。しかしな
がら、上記したように、Nd2O3を5重量%以上含
むガラスはマゼンタ色を呈するので、単に無彩色
フイルターを組合わせたり、単一着色成分を導入
したのでは無彩色のフイルターガラスを得ること
はできない。ガラスの色相を無彩色にするために
は、Nd3+イオンによつて低下した緑色光量に対
応させて、青色光及び赤色光透過率を減少させれ
ばよいが、この場合螢光体の発色ピーク波長付近
の透過率をなるべく低下させずに、それ以外の波
長光を吸収することによつて3色光量をバランス
させれば、高輝度で高コントラストの無彩色フイ
ルターが得られるのである。 CeO2は可視短波長域に吸収を有し、青色光螢
光体の発色ピークより短波長の青色光の低下に効
果的な成分である。これに対してCuOは主とし
て可視長波長域に吸収を有し、赤色光螢光体の発
色ピークより長波長の赤色光の低下に効果的な成
分である。MnO2及びCoOは青色光と緑色光の中
間波長域及び緑色光と赤色光の中間波長域の透過
率低下に効果を持ち、緑色光の輝度を調整するた
めには必要な成分である。Fe2O3は可視短波長及
び長波長の両側を吸収する効果があり、NiOは主
として青色光域の透過率を低めるのに有効であ
る。 カラーCRT表示装置用コントラストフイルタ
ーには、各螢光体の発光輝度及び分光視感度に対
応させた3色光の相対輝度調節機能も要求され
る。Nd2O3は色相調整機能も相対輝度調節機能も
備えていないので、上記した着色成分の共存なし
には本発明のフイルターを得ることができない。
Nd2O3着色の分光透過率特性は基礎ガラス組成に
よつてほとんど影響を受けないが、上記着色成分
では基礎ガラス組成によつて分光透過率特性及び
吸収強度が変化する。 従つて本発明に係るカラーCRT表示装置用コ
ントラストフイルターは、Nd2O3を5重量%以上
含むガラスに於ける種々の着色成分の光吸収特性
の挙動を知り、基礎ガラス組成に適した着色成分
を選定し、かつそれらの導入量を調整することに
より得られたものであつて、その組成は重量%で
SiO2 3〜70%、B2O3 0〜40%、SiO2+B2O3 25
〜80%、Al2O3 0〜23%、R2O 0〜23%(但
し、R2OはLi2O、Na2O及びK2Oの1種又は2種
以上を示す)、RO 2〜35%(但し、ROは
MgO、CaO、SrO、ZnO及びPbOの1種又は2種
以上を示す)、TiO2 0〜10%、ZrO2 0〜10%、
La2O3 0〜35%、Nd2O3 5〜40%、La2O3
Nd2O3 5〜40%からなる基礎ガラス100重量部に
対して、6重量%以下のCeO2、1.0重量%以下の
CuO、3.5重量%以下のMnO2、0.15重量%以下の
CoO、3.0重量%以下のFe2O3、1.5重量%以下の
NiO及び5重量%以下のPr6O11から選ばれる着色
成分の2種以上を配合してなり、かつCeO、
CuO、MnO2及びCoOの少なくとも1種を必須着
色成分とするものである。 次に各成分の限定理由を述べる。 基礎ガラス成分ではSiO2は70%以上ではガラ
スの粘性が高くなりすぎ溶解が困難となると共に
Nd2O3の溶解度が小さくなりガラス化しにくくな
る。3%以下ではB2O3が比較的多量に共存しな
いとガラス化せず、また使用に耐えうる化学耐久
性が得られない。B2O3はSiO2に代わりうるガラ
ス網目形成成分で、Nd2O3の溶解度を上げるので
40%まで導入可能であるが、これ以上では化学耐
久性が悪くなつてしまう。またB2O3は緑色光量
の調節にCoO着色を利用する場合に有効な成分で
ある。そして、SiO2+B2O3が25%以下又は80%
以上ではガラスになりにくくなる。Al2O3はガラ
スの化学耐久性や機械的強度を向上させ、また光
吸収を強める効果を有するが、23%以上ではガラ
スの溶解が困難となる。R2Oはガラスの溶融性を
良くするが、23%以上ではガラスの化学耐久性が
悪くなるので不可である。ROは強度、硬度、化
学耐久性等実用ガラスとして要求される諸性質を
満足しうるガラスを得るために必要な成分で、2
%以上必要であるが、35%以上ではむしろ化学耐
久性が悪くなつてしまう。 TiO2は紫外域に強い吸収を有し、又CeO2の着
色を強め可視短波長域の吸収及び青色光量の調節
に寄与するが、10%以上ではガラスが失透しやす
くなる。ZrO2はガラスの化学耐久性や硬度を高
める効果を有するが、10%以上ではやはりガラス
が失透しやすくなる。La2O3は着色成分ではない
が、Nd2O3と性質が非常に似ているのでガラスの
化学耐久性、硬度を高めるためにNd2O3との置換
で35%まで加えることができる。35%を越えると
ガラスが失透しやすくなる。そして、La2O3
Nd2O3が5%以下では本発明の吸収特性を有する
ガラスが得られず、40%以上ではガラスが失透し
やすくなる。 Nb2O5、Ta2O5はガラスの化学耐久性、硬度を
高めるので加えても良いが、非常に高価な成分で
あり、5%以上加えても意味がない。 Nd2O3は本発明において螢光体からの青、緑、
赤の3色光を分離する効果を有する必須成分であ
つて、5%以上加えないと効果に乏しいが、40%
以上加えても効果の増大はなく、またガラスが失
透しやすくなる。 次にNd2O3以外の着色成分について言えば、
CeO2は可視短波長光域に光吸収を有し、この領
域光の吸収及び青色光透過率の調節に使われる
が、基礎ガラス100重量部当り6重量%以下で目
的は充分達成され、適量は0.5〜6.0重量%であ
る。CuOは反対に可視長波長光域に光吸収を有
し、この領域光の吸収及び赤色光透過率の調節に
有効であるが、1.0重量%以上では着色が濃くな
りすぎ赤色光透過率が低くなりすぎてしまう。適
量は0.01〜0.5重量%である。Fe2O3は可視光の
長、短波長の両側に光吸収を有するので青色及び
赤色光の透過率の調節に使われるが、3.0重量%
以上では着色濃度が大きくなりすぎてしまう。 MnO2及びCoOは各々青色光と緑色光及び緑色
光と赤色光の中間波長域光を吸収し、更に緑色光
透過率を低下させるのに有効な成分であるが、
MnO2は3.5重量%、CoOは0.15重量%を越えると
着色が濃くなりすぎてしまい、また各々0.1重量
%、0.001重量%以下では効果に乏しい。NiOは
青色光域に強い吸収を有し、青色光透過率の調節
に効果があるものの、吸収波長が螢光体の青色光
発光ピークに近すぎるために多量に導入すること
はできないが、緑色光と赤色光とで表示するタイ
プのカラーCRT表示装置用コントラストフイル
ターには1.5重量%以下加えて青色光を吸収させ
る成分として有効である。Pr6O11は青色光域と
580〜590nm付近に吸収を有するので青色光強度
を抑えかつ緑色光と赤色光を分離するのに効果が
あるので、5重量%まで加えられるが、5重量%
を越えると青色光域の透過率が低くなりすぎてし
まう。 なお、As2O3及びSb2O3は通常のガラス同様に
脱泡剤として加えられるものである。 次に本発明の実施例を示す。
【表】 一般的ガラス原料である酸化物、炭酸塩、硝酸
塩及び水酸化物等を使用してこれら原料をよく混
合し、セラミツク又は白金製のルツボ又はタンク
で1300〜1450℃で溶融し、撹拌、清澄、均質化し
た後、所定の形状に成型、徐冷することによつて
上表に示す組成(重量%)のフイルターガラスを
得た。 本発明によるフイルターガラスNo.1〜No.12は張
り合わせ構成ではなく、単一ガラス板からなり、
更に図面にガラスNo.2の分光透過率を例にとつて
示した如く、青色、緑色、赤色の3色光をよく分
離しており、かつ各透過ピーク波長が螢光体の発
光ピーク波長とよく一致しているので、輝度の低
下が少なくコントラストを上げる効果が大である
と共に、ガラスの色相が灰色又は灰色に近いので
表示色を忠実に再現するという特長を有する。 本発明によるガラスは上記の様な特長を有する
ので、カラーCRT表示装置の前面パネルやフエ
ースプレートとして使用すると、色再現性が良く
極めて鮮明な映像が得られ、また極めて明るい周
囲光下でも映像のコントラストを失うことがない
ので、航空機操縦室内に設置されるカラーCRT
表示装置用コントラストフイルターに最適であ
る。
【図面の簡単な説明】
図面は本発明の実施例No.2のガラスの分光透過
率曲線を示す線図と3色螢光体の発光の分光エネ
ルギー分布を示す線図である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 重量%でSiO2 3〜70%、B2O3 0〜40%、
    SiO2+B2O3 25〜80%、Al2O3 0〜23%、R2O
    0〜23%(但し、R2OはLi2O、Na2O及びK2Oの
    1種又は2種以上を示す)、RO 2〜35%(但
    し、ROはMgO、CaO、SrO、ZnO及びPbOの1
    種又は2種以上を示す)TiO2 0〜10%、ZrO2
    0〜10%、La2O3 0〜35%、Nd2O3 5〜40%、
    La2O3+Nd2O3 5〜40%からなる基礎ガラス100
    重量部に対して、6重量%以下のCeO2、1.0重量
    %以下のCuO、3.5重量%以下のMnO2、0.15重量
    %以下のCoO、3.0重量%以下のFe2O3、1.5重量
    %以下のNiO及び5重量%以下のPr6O11から選ば
    れる着色成分の2種以上を配合してなり、かつ
    CeO、CuO、MnO2及びCoOの少なくとも1種を
    必須着色成分とするカラーCTR表示装置用コン
    トラストフイルター。 2 特許請求の範囲第1項記載のガラス組成に於
    て、少なくとも1種の必須着色成分の配合量が、
    前記基礎ガラス100重量部に対して、CeO2 0.1〜
    6.0重量%、CuO 0.01〜1.0重量%、MnO2 0.1〜
    3.5重量%、CoO 0.001〜0.15重量%であるカラー
    CTR表示装置用コントラストフイルター。
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