JPS6156358B2 - - Google Patents

Description

明細書 本発明は、前端の先細の末端部と、この末端部
から後方に向けられた管部とを有し、この管部の
反対側末端は丸編糸の端部または編組コードのス
トランド端部を末端から受けるために開かれてい
る様にした、糸またはコードの仕上げ用、特に丸
編糸または編組コードの組み継ぎ用の針装置に関
するものである。

本発明は特にいわゆる丸編糸において、すなわ
ち軸方向に圧縮した時に軸方向の中空中心スペー
スを成し、これと共に編組フイラメントの中間に
前記中心スペースに達する比較的大きな側面開口
を生じる糸の組み継ぎに使用するのに特に適当で
ある。この場合、例えば最初Ｓ型の丸編糸を糸の
一部の中に通し、最後に糸の外側端部を軸方向内
側に前記の中空中心スペースの中に通し、この様
にして糸の外側端部が前記糸部分の内部に遮蔽さ
れて仕上げられる様にして、糸の末端に組み継ぎ
された糸輪が形成される。例えば通常の編組コー
ドにおいても、同様に組み継ぎされたループまた
はその他の組み継ぎ部が形成される。

米国特許第4158281号から、前記の目的に使用
される針が公知である。この特許においては、管
部の後端の外側に２個の対向フツク部が備えら
れ、これらのフツク部はその中間にある糸端部に
対して両側から締付けられる様に成された針が公
知である。これらのフツク部が糸端部に固着され
たのち、針をフツク部とこれに固着された糸端部
に対してその軸線回りに回転させることによつ
て、これらのフツク部と糸端部を管端部の内部に
一定距離導入する。針から糸端部をはずす際に、
まずフツク部とこれに組合わされた糸を針に対し
て回転させ、そののち糸端部の除去のためにこれ
らのフツク部を開かなければならない。

この公知の針は比較的複雑な構造を有し、使用
法が比較的複雑であり、また針の中に糸端部を配
置固定する作業および針から糸端部を除去する操
作がそれぞれ比較的時間を消費する操作である。
更に海上では普通の比較的寒冷な作業条件または
種々の困難な作業条件のもとに糸端部を固定しま
たはほどく際にそれぞれ問題が生じ、これらの作
業には高度の機敏さを必要とする。

本発明の場合、その目的は、遥かに簡単な構造
と遥かに簡単な操作法を有し、従つて組み継ぎ操
作が従来よりも容易にまた急速に実施される針に
ある。本発明の目標は、ユーザの購入する索具ロ
ールまたはその他の適当なロープ部分長の標準備
付け品として含まれる程度に針を安価に製造する
にある。

本発明による装置は、丸編糸の端部または編組
コードのストランドの端部を針の管部の中に受け
るために管部がその後端に、横方向に開いた細長
い開口を備え、この開口に対向する管部の底面か
ら、前記開口に向つて斜上方に、また管部の後端
に対して斜前方に１個または複数のフツク部材が
突出し、開口の内側縁からフツク部材の外端まで
の距離は丸編糸または編組コードの直径より若干
大であることを特徴としている。

可動部材を避けた上述の本発明による針の簡単
な構造により、針の開放端の中に糸の端部または
コードの端部を取付ける作業およびこの端部を針
から取はずす作業が必要な際に、単に手で握るこ
とによつて実施することが可能となる。本発明に
よる方法によれば、針のロツク手段またはその他
の可動部材を調節するために指を使用する必要が
なく、針を片手で持ちながら、他方の手で丸編糸
の端部またはストランドの端部を持ち、これを針
の管部の端部の中に挿入し、次に枢転させて針の
フツク部材と確実にロツク係合する位置に押圧す
る。この糸部分またはストランド部分を逆方向に
枢転させ、次に針から斜外方向に引出すことによ
り、同様に簡単に針から引出すことができる。

針のこの様な簡単な操作は、寒冷地の屋外で糸
またはコードの組み継ぎ作業または類似の仕上げ
作業において非常に重要であるが、糸の径が小さ
く、針も対応の小径を有する場合の組込み作業ま
たはその他の仕上げ作業においても、きわめて重
要である。小径の針の場合、可動ロツク手段は操
作が困難であろう。

可動部材を有しない針の簡単な設計の結果とし
て、比較的細い糸用の針をも比較的丈夫にまた操
作確実に設計することが可能である。

本発明によれば、好ましい実施態様として管部
の外周の約1/3に亘る側方に開いた開口を備える
ことによつて、糸は簡単に針のフツク部材との係
合位置に保持される。またこの様にして、開口の
縁部分は、糸を管部の中においてフツク部分に隣
接してその前方と後方に固定するための保持手段
を成すことができる。糸を管部の中に導入しまた
糸を管部から取出すためには、糸をそれぞれ横方
向にある程度変形させなければならない。実際
に、使用中に糸を針の中に確実に配置するにはこ
の様な変形で十分であり、糸の挿入と除去を大巾
に複雑にすることはない。

本発明の他の特色について、付図を参照して下
記に詳細に説明する。付図において、 第１図は金属薄壁から成る針の第１実施態様を
示す縦断面図、 第２図は第１図の針の平面図、 第３図は第１図と第２図による実施態様の端面
図、 第４図はダイス成形プラスチツクから成る針の
他の実施態様の縦断面図、 第５図は第４図による実施態様の端面図、 第６図は第４図と第５図による針の端部詳細図
である。

第１図と第２図においては、一体部品として金
属薄壁で構成された本発明による針３０が図示さ
れている。針の長さの約1/6に亘つて延びる針前
端部は閉じた円錐先細形末端部３１を備え、この
末端部は第１円筒形管状中心部３２に直接に移行
し、この円筒部は針の長さの約1/2に亘つて延び
る。細長い横方向開口３４を備えた第２管状部３
３が針の長さの最後の1/3に亘つて延びている。
第３図に図示の様に、開口３４は管の外周の約1/
３に亘つて延び、また管の外周方向において開口
３４を限定し相互に集中する縁部３５，３６は、
糸１１の末端部１１ａが管部３２，３３の中に固
定されたのちにこれを固着するためのクランプ手
段または保持手段を成す様に成されている。第１
図においては、糸１１の外端部１１ａが開口３４
の中に矢印３７の方向に押込まれ、更に内側に針
の主軸線と同軸的に第１円筒部３２の中まで押込
まれたあとの状態を実線で示す。また糸が管状部
３３の底部３８の内側面、すなわち開口３４に直
接に対向する側面に固着されたロツク手段と係合
する位置に配置されたのちの状態をダツシユ線で
示す。このロツク手段はフツク部材３９の形を成
し、このフツク部材は底面３８から、開口３４の
内側縁を成す端縁４０に向つて、斜め上方、斜め
前方に延びている。フツク部材３９と端縁４０と
の間隔ａは糸１１の断面寸法より大である。この
断面寸法より大巾に大きくないことが好ましいの
であるが、糸末端１１ａを矢印３７の方向に導入
する際にこの糸が開口縁部３５，３６によつて限
定されて断面をある程度、横方向に絞られなが
ら、フツク３９の外端３９ａによつて大巾に制限
されることなく管部３２の中まで導入されうる程
度に糸１１の断面より大であることが好ましい。
フツク部材３９の外端は針の後縁４１から測つて
針長の約1/6の距離に配置される。

第１図乃至第３図による実施例において、フツ
ク部材３９は管部３３の底面３８から打抜かれ、
針の縦方向に対して約45゜の角度で斜め前上方向
に延びている。このフツク外端３９ａは、端部３
５，３６を通る面のすぐ近傍、すなわち図示の実
施例においてはこの面の直下の水準に終つてい
る。フツクの基部は管部の径の約1/2の巾を有す
るが、フツクの外端部は先細の、しかしある程度
丸い端部に終つている。

第４図と第５図による実施態様においては、一
体部品としてダイス成形されたプラスチツクから
成る針４５が図示されている。針の前端は、閉じ
た円錐先細型の端部４６を成す様に形成されてい
る。針はその長さの約1/3に亘つて中実の比較的
剛性の部分４７を有し、この剛性部分が前記の先
細端部４６を含む。針はこの中実部４７から、針
全長の1/3より少し短い長さに亘つて円筒部４８
が延長され、この管状部４８から管状部４９が延
長され、この管状部４９は横方向の細長い開口５
０を備えている。この開口５０は、第１図乃至第
３図の開口３４と同様に管の外周の約1/3に亘つ
て切出されている。開口５０に対向する底面５１
にフツク部材５２が加工され、このフツク部材は
補強背部５３と補強基部５４とを備えている。こ
のフツク部５２の外端５２ａは前記のフツク部３
９の外端３９ａと同様に先細にされているが、少
し丸味を帯びた端部を有する。管部の後縁を５５
で示す。

第６図によれば、第４図と第５図の針の前端の
変形構造が図示されている。中実の、比較的剛性
の部分４７の前端部に、金属ピン５６が挿入さ
れ、このピンの基部５７はダイス成形プラスチツ
ク物質の中に成形されている。金属ピンの基部５
７は針の前端を特に補強するのに適合している。
金属ピンの基部の軸方向背後において、針は（も
しこれが柔軟なプラスチツクで構成されていれ
ば）ある程度、弾性的に降伏するが、針の次の管
状部は更に弾性的に降伏するので、針の縦方向に
おける制御された偏位が望ましい場合に、これが
可能である。針の後部においては開口５０が切出
され、またこの部分で針が特に弾性的に降伏する
ので、糸に対する一層の把持効果を得るために、
もし所望なら管断面をある程度変形させることが
できる。

針の外部に突出したピン部５８により、組み継
ぎされる糸部分、すなわち他の糸部分の中にまた
次の繊度部分への通路の中に通される糸部分の内
部に針を簡単に挿通することが可能となる。二、
三の場合には、針を糸の中に任意に、例えば糸の
偶発的フツク部分の中間に、または正確に糸の編
組部またはねじれ部の間に針の挿通することが好
ましいからである。

糸の仕上げについて上述したのであるが、コー
ドもまた同様にして仕上げられるものと了解され
たい。その場合には、編成コードの中のストラン
ド部を本発明による針によつて組み継ぎすればよ
い。編組コードの組み継ぎは丸編糸の場合と実質
的に同様に実施されるが、唯一の相違点は糸の末
端ではなく各ストランドの末端を組み継ぎするに
ある。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １請求の範囲 後端を開口し前端を先細り形状とした管部と、
   この管部に挿入されるコード等のストランドを管
   部に固定するためのフツクとを有するコード等の
   組み継ぎ用針装置において、上記針装置の管部と
   後端との間に横方向に開いた開口を設けるととも
   に、この開口に対向した管部の底面に斜め前方に
   延びるフツクを設け、横方向に開いた開口縁とフ
   ツクの先端との間の距離を固定されるストランド
   の外径よりわずかに大きい値に設定したことを特
   徴とする組み継ぎ用針装置。 ２ 横方向に開いた開口は管部の外周の約1/3に
   亘つて延び、この開口の縦縁を限定する部分は相
   互の方に集中して、スランドをフツクに係合固定
   するための保持装置を成すことを特徴とする請求
   の範囲第１項記載の針装置。 ３ 管部はフツクと一体部品とし構成されること
   を特徴とする請求の範囲第１項または第２項によ
   る針装置。 ４ 管部は少くとも弾性的に変形し得る材料から
   成ることを特徴とする請求の範囲第３項による針
   装置。