JPS6152959B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、原子炉の中性子計装管の交換時に通
常のハンドリングツールの補助として使用される
中性子計装管の頭部把持工具に関する。

一般に、沸騰水型原子炉においては、炉心内に
中性子計装管が装架され、この計装管は上部格子
の交叉部分の下側に装着され、原子炉の定検作業
時にはハンドリングツールを使用して計装管の一
部を抜き取り新しいものに交換するようにしてい
る。

計装管は、前記上部格子の交叉部分の凹部に、
その頭部をばね付勢することにより固定されてい
るが、その交換時には、ハンドリングツールで計
装管の頭部を押下げながら前記凹部から抜き出さ
れる。ハンドリングツールの操作は水中テレビで
監視しながら行なうけれども、遠隔操作であるの
で熟練を要し、ともすれば引き抜き中にハンドリ
ングツールから外れてしまう。ハンドリングツー
ルから計装管が外れると、それは若干浮き上が
り、浮き上つた後に再び格子の隅部に寄りかか
る。

このように、格子内で浮動する計装管を従来の
工具で把持することは難しく、計装管の交換に長
時間を要し無駄な努力をしなければならないとい
う欠点があつた。

本発明は、かかる点に鑑み、中性子計装管の交
換時に、通常のハンドリングツールから外れて格
子内で浮動する中性子計装管の頭部を簡単に、し
かも確実に把持して炉外に抜き出すことのできる
中性子計装管の頭部把持工具を提供することを目
的とする。

以下、図面を参照して本発明の実施例について
説明する。

第１図および第２図において、工具Ｍは直方体
の工具本体１を有し、この工具本体１の上端に
は、工具本体１を吊下げるための吊下げ部２が取
付けられ、工具本体１の下端には、中性子計装管
３の頭部を受入れて把持するための受入凹部４が
形成されている。この受入凹部４は工具本体１の
長手方向に伸びる略円錐形をなし、凹部４の半形
は本体１中に形成され、他の半形は直方体の押え
板５によつて形成されている。

前記凹部４の入口の本体１側には案内体６がボ
ルト７，７によつて固着され、この案内体６に沿
つて計装管３の頭部が凹部４の入口に案内される
ようになつている。

前記吊下げ部２は本体１上端に溶接等で固着さ
れたボルト８を有し、このボルト８上部には大径
部８ａが形成され、大径部８ａの下端にカラー９
が溶着され、大径部８ａ上端にアイボルト１０が
螺着され、アイボルト１０の目１０ａにワイヤロ
ープが引掛けられて本体１が吊下げられるように
なつている。

前記本体１の下端部は段部を形成するように切
欠いてあり、この切欠部分に前記押え板５が設置
され、この押え板５の内側は凹部４の半形を形成
するように削り取られている。前記押え板５の両
側はボルト１１，１１によつて本体１の切欠部分
に取付けられ、押え板５はボルト１１に沿つて凹
部４の軸方向に対して直交する方向に移動できる
と共に、ボルト１１に装着されたコイルスプリン
グ１２によつて凹部４を狭める方向に付勢されて
いる。また、押え板５上部には横方向に引外し板
１３が溶着され、この引外し板１３には開口１３
ａが形成され、この開口１３ａには、本体１が浮
動する計装管３を把持した後に押え板５を計装管
頭部３ａから外すための適宜の工具が挿入され
る。

前記案内体６は樋状をなし、平担な基板部６ａ
と、この基板部６ａから横方向に折り曲げられて
伸びる横板部６ｂとを有している。また案内体６
の上部には傾斜部６ｃが設けられ、この傾斜部６
ｃの形成により、基板部６ａが本体１から側方に
はみ出した位置に設けられている。

前記横板部６ｂの上部６ｄは互いに斜め内側に
折曲げられ、その折曲先端は凹部４の入口に連な
つている。

次に、本発明の作用について、第２図および第
３図を参照して説明する。

中性子計装管３の頭部３ａは常時においては、
縦格子１４および横格子１５の交叉下部に形成さ
れた凹み１６内に押圧状態で挿入されている。計
装管３の交換時には、ハンドリングツールでその
上端部近傍をフオークで押し下げながら横方向に
引出すが、このときにその頭部３ａが凹み１６か
ら完全に抜け出ないで引掛かかると、ハンドリン
グツールのフオークが計装管から外れることがあ
る。すると、計装管頭部３ａは格子壁に沿つて若
干浮上する。なお、計装管３は前記凹み直下に設
けられた図示しない案内管内に挿入されているの
で、極端に定位置から離れることなく、その頭部
３ａは格子壁に寄りかかつた状態になる。

その後、案内体６を格子壁に沿わせながら、補
助ウインチに吊下げられた工具Ｍを下ろしてい
く。すると、浮動状態の計装管頭部３ａは案内体
６に案内されて凹部４内に挿入される。このと
き、工具Ｍの自重が押え板５を介して計装管頭部
に加わるので、押え板５は図上右方向にコイルス
プリング１２を圧縮しながら移動し頭部３ａが凹
部４の頂部４ａに到達するのを許す。前記頭部３
ａが頂部４ａに至ると、押え板５の先端部分は頭
部３ａの下部段部３ｂを係止する。こうして計装
管３は工具Ｍによりしつかりと把持される。

その後、補助ウインチを巻き上げ、計装管３が
格子を抜け出た時点で、移動掴み具で計装管の上
下を掴み直し、炉水中で計装管を反転させ線量の
少ない炉底側を上部にしてプール内に保管する。

このように、本発明の工具においては、案内体
６が設けられているので、工具を格子壁に沿つて
下降させるのみで計装管頭部を凹部４入口に導び
くことができ、しかも凹部４は略円錐形になつて
いるので、工具の自重で押え板５が左右に移動し
て計装頭部が確実に凹部４内に把持される。

本発明は、以上のように構成したので、浮動す
る計装管頭部を簡単にしかも正確に把持でき、定
検時の中性子計装管の交換中に、通常のハンドリ
ングツールでの引抜き作業にミスがあつても、本
発明の工具を前記ハンドリングツールの補助とし
て使用すれば、交換作業が短時間で効率よく行う
ことができるという効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に係る工具の縦断面図、第２図
は同平面図および第３図は同作用説明図である。 １……工具本体、２……吊下げ部、３……中性
子計装管、４……受入凹部、５……押え板、６…
…案内体、１４，１５……格子。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 工具本体の一端部に工具を吊下げるための吊
   下げ部を形成すると共に、その他端部に中性子計
   装管の頭部を受入れるための略円錐形の受入凹部
   を形成し、この受入凹部の周壁の一部を押え部材
   により形成し、この押え部材を前記受入凹部の内
   側にばね付勢して受入凹部の軸と直角方向に移動
   可能にし、前記受入凹部の入口に前記中性子計装
   管の頭部を受入凹部内に案内するための案内体を
   取付けたことを特徴とする中性子計装管の頭部把
   持装置。