JPS6152020B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （利用分野） この発明は車両重量を空気ばね圧力によつて検
出し、ブレーキシリンダの最高圧力をその空気ば
ね圧力に応じて制限する方式の鉄道車両用応荷重
弁、特にその２つの圧力の比率を自由に調整し得
る構造の可調整型応荷重弁に関するものである。

（従来の技術） 特許出願公開番号昭52−122775号の公開特許公
報にこの種の応荷重弁の一例が開示されている。

この応荷重弁にはブレーキシリンダ圧力に比例
した推力を発生する膜板２と、空気ばね圧力に比
例した推力を発生する膜板４と、その推力を夫々
受けて揺動する２つの釣合レバー６，７と、ブレ
ーキシリンダへ圧力空気を供給する給気弁１３
と、２つの釣合レバーの間に配設されたコロ８と
が含まれ、２つの推力が釣合レバーおよびコロを
介して釣り合つたとき、給気弁が閉じ、ブレーキ
シリンダの圧力は空気ばね圧力に比例した値に設
定される。

またブレーキシリンダ圧力と空気ばね圧力との
比率はコロ８を左右に移動させることによつて調
整されるようになつている。

（問題点） この応荷重弁は２つの釣合レバーを必要とする
ばかりでなく、コロ８の支持機構が次に述べる通
り非常に複雑になると言う問題点がある。コロの
支持機構については前記公報に記載されていない
が、コロを左右に移動せしめ得るとともに特定の
位置にロツクしなければならないこと、釣合レバ
ーの揺動に伴うコロの上下動が許容されているこ
と、紙面と直角の方向には移動しないこと、摺動
抵抗を軽減するためコロの自転が許容されている
ことなどの条件を満足させるためその構造が複雑
になることは避けられない。

（技術的課題） 従つて本発明の技術的課題は更に簡単な構造の
調整機構を有する応荷重弁を提供することにあ
る。

（技術的手段） 上述の課題を解決するため、本発明による応荷
重弁は一端を支点として揺動し得る釣合レバー
と、その釣合レバー上の作用点に空気ばね圧力に
比例した推力を付与する制御部と、釣合レバーの
他の作用点にブレーキシリンダ圧力に比例した推
力を付与し上記２つの推力が釣合レバーを介して
釣り合つたときブレーキシリンダへの圧力空気の
供給を停止する作用部と、制御部および作用部を
釣合レバーと平行の方向に夫々移動せしめ得る２
つの調整ねじから構成されている。

（作 用） 釣合レバーは制御部の推力により一方向の揺動
トルクを受け、作用部の推力により逆方向の揺動
トルクを受け、２つのトルクが釣り合つたときブ
レーキシリンダの圧力上昇が停止されるから、ブ
レーキシリンダの最高圧力は空気ばね圧力に比例
した値に制限される。空気ばね圧力は車両重量に
比例するから車両に適用される最大ブレーキ力は
車両重量に応じて制限され、過大ブレーキ力によ
る車輪の滑走は完全に防止される。

また、制御部および作用部を夫々調整ねじによ
つて移動させることにより、釣合レバーの支点か
ら作用点までの距離が変化するからブレーキシリ
ンダ圧力と空気ばね圧力との比率は自由に設定さ
れる。

（効 果） 本発明による応荷重弁においては前述の公報に
記載された応荷重弁に比して、２個の釣合レバー
が唯１個の釣合レバーに簡素化され、また複雑な
コロの支持機構が簡単な調整ねじに置換されてい
るから前述の技術的課題は完全に解決される。

（実施例） 第１図および第２図に示す実施例において、本
体１には作用部３および制御部５が内蔵され、そ
の中間の大気室７に釣合レバー６が配設され、そ
の左端はピン６Ａにより本体１に取り付けられ、
このピン６Ａを支点として釣合レバー６は揺動し
得るようになつている。

作用部３には作用ピストン８が内蔵され、その
上側の室１０は通路２２、管１３を経てブレーキ
シリンダ１３Ａに連通し、下側は大気室７に連通
している。作用ピストン８の下面に軸９が形成さ
れ、その下端は釣合レバー６の上面の作用点に接
している。室１０の上方に形成された室１６に作
用弁１９が配設され、作用弁１９は軸１４に押さ
れて通常図示の通り筐体２３に形成された弁座２
０から離座している。

制御部５には制御ピストン２７が内蔵され、そ
の下側の室２９は通路３０、管３３を経て空気ば
ね３３Ａに連通し、上側は大気室７に連通してい
る。制御ピストン２７の上面に軸２８が形成され
その上端は釣合レバー６の下面の作用点に接して
いる。

作用部３の筐体２３および制御部５の筐体３１
の外形は共に立方体で、本体１に形成された凹部
３８および４１に夫々収納され、調整ねじ３９，
４２によつて夫々左右方向に移動せしめられる。
従つてピン６Ａから軸９および軸２８の先端の作
用点までの距離を調整ねじ３９，４２によつて
夫々単独に設定することができる。

次にこの応荷重弁の作用について説明する。

車両のブレーキが弛められているとき、ブレー
キシリンダ１３Ａの圧力空気は管１３、室１０、
室１６、管１８を経て排気され、作用ピストン８
の推力は０である。一方制御ピストン２７は空気
ばね圧力に応じた推力により釣合レバー６に反時
計方向の揺動トルクを付与し、釣合レバー６は図
示の通り作用弁１９を離座させている。

管１８から圧力空気が供給されるとその空気は
室１６、離座している作用弁１９、室１０、通路
２２、管１３を経てブレーキシリンダ１３Ａに供
給され車両にブレーキが適用され、作用ピストン
８はこのブレーキシリンダ圧力に応じて推力を発
生し、釣合レバー６はこの推力により時計方向の
揺動トルクを受ける。

適用されたブレーキが比較的弱く時計方向の揺
動トルクが反時計方向の揺動トルクより小さいと
き応荷重弁の各部は作動せず図示の位置に保持さ
れている。

車両に更に強いブレーキが適用され、時計方向
の揺動トルクが反時計方向のトルクと等しくなつ
たとき、作用弁１９はばね２４に押されて弁座２
０に着座し、ブレーキシリンダ１３Ａの圧力上昇
は停止する。このようにしてブレーキシリンダ１
３Ａの最高圧力は空気ばね３３Ａの圧力に応じて
抑制される。

空気ばね圧力とブレーキシリンダ最高圧力との
比率は調整ねじ３９，４２によつて作用部３、制
御部５を左右に移動させることによつて調整でき
る。第１図の実施例においては作用ピストン８と
制御ピストン２７とは同径であり、且つ軸９と２
８とは共にピン６Ａから等距離の位置にあるから
両圧力の比率は１：１となり、第３図の実線Ａで
示すように傾斜角45゜の直線で示された比率とな
る。作用部３を右方へ、また制御部５を左方へ移
動させるに従つて釣合レバー６に付与される揺動
トルクが変化し、第３図の点線Ｂで示すように45
゜より小さい傾斜角の直線で示された比率にな
る。

従つて車両重量ならびに空気ばねの大きさが相
異した各種の車両にこの応荷重を使用することが
できる。

尚、本実施例においては、釣合レバー６の右端
に付加ばね５３、制御ピストン２７の下方に抑制
ピストン３５、更にその下方に保証ばね３４が配
設されている。

付加ばね５３は釣合レバー６に反時計方向の揺
動トルクを付与し、車両のばね下重量に対応する
ブレーキシリンダ圧力（第３図における圧力P₁）
がこのばね５３によつて加算される。

保証ばね３４は空気ばねが破損して室２９の圧
力が０になつたとき釣合レバー６に反時計方向の
揺動トルクを付与し、車両のばね上空車重量に対
応するブレーキシリンダ圧力（第３図における圧
力P₂）がこのばね３４によつて保証される。また
抑制ピストン３５は空気ばね３３Ａが正常なとき
室２９の空気ばね圧力によりばね３４の張力を封
殺するために設けられている。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明による可調整型応荷重弁の断
面図、第２図はその底面図、第３図は空気ばね圧
力とブレーキシリンダ最高圧力との関係を示す圧
力線図である。 １……本体、３……作用部、５……制御部、６
……釣合レバー、１３Ａ……ブレーキシリンダ、
３３Ａ……空気ばね、３９，４２……調整ねじ。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ ブレーキシリンダ１３Ａおよび空気ばね３３
   Ａを有する車両に使用され、一端を支点にして揺
   動し得る釣合レバー６と、その釣合レバー上の作
   用点に上記空気ばねの圧力に比例した推力を一方
   向に付与する制御部５と、上記釣合レバーの他の
   作用点に上記ブレーキシリンダの圧力に比例した
   推力を逆方向に付与し、上記２つの推力が上記釣
   合レバーを介して釣り合つたとき上記ブレーキシ
   リンダへの圧力空気の供給を停止する作用部３
   と、上記制御部および上記作用部を上記釣合レバ
   ーと平行の方向に夫々移動せしめ得る２つの調整
   ねじ３９，４０とから成る可調整型応荷重弁。