JPS6151013B2 - - Google Patents

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JPS6151013B2
JPS6151013B2 JP21021084A JP21021084A JPS6151013B2 JP S6151013 B2 JPS6151013 B2 JP S6151013B2 JP 21021084 A JP21021084 A JP 21021084A JP 21021084 A JP21021084 A JP 21021084A JP S6151013 B2 JPS6151013 B2 JP S6151013B2
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JP
Japan
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alumina
aluminum
combustion
coke
furnace
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JP21021084A
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Masao Fujishige
Harumi Yokogawa
Tetsuya Kameyama
Akihiro Motoe
Seiichi Ujiie
Masayuki Tokya
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National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Original Assignee
Agency of Industrial Science and Technology
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Publication date
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  • Manufacture And Refinement Of Metals (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔技術分野〕 本発明は溶鉱炉法によるアルミニウム製錬法に
関するものである。
〔従来技術〕
アルミニウムは、鉄に次ぐ基礎的金属素材であ
り、その需要は年々高率で増加しつつある。しか
るに近年、世界的規模におけるエネルギーコスト
の上昇により、我国のような電力コストの高い地
域におけるアルミニウム製造は、極めて困難化
し、産業構造上極めて重大な障害を招きつつあ
る。加うるに、今後世界的に予想されている低廉
な水力電源立地可能地域の狭隘化は、この重要産
業資材であるアルミニウム製錬における、省エネ
ルギー低コスト製造法の開発を緊急の課題として
要請しつつある。
近年においては、従来の電力を用いるアルミニ
ウム製錬法における問題を克服する方法として、
向流移動床の溶鉱炉を用い、原料アルミナを、炭
素材料により還元する、溶鉱炉方式によるアルミ
ニウム製錬法が検討されるようになつてきた。こ
の方法の場合、溶鉱炉内に、原料アルミナと、燃
料及び還元剤として作用する炭素材料とを含有す
る充填層を形成させ、炉内において、次の燃焼反
応(1′)と還元反応(2′)とも同時に行わせる。
C+1/2O2→2CO (1′) Al2O3+3C→2Al+3CD (2′) 即ち、(2′)式によつて示される酸化アルミニ
ウム(アルミナ)の還元を、(1′)式によつて示
される炭素材料の酸素燃焼熱を熱源として行わせ
る。また、溶鉱炉は向流移動床式であり、下部か
ら酸素ガスが吹込まれると共に、溶鉱炉底部から
還元生成物が取出され、それに応じて、頂部から
供給原料が装入され、充填層全体は下部で発生し
た燃焼ガスと向流接触しながら下方に移動する。
このような溶鉱炉方式により前記反応(1′)及
び(2′)を同時に行つてアルミニウム製錬を行う
場合、経済性及び操業性の上で解決すべき技術問
題が種々存在し、その実用化が極めて困難であ
る。
従来、前記のような純アルミナの還元による純
アルミニウムの生産は熱力学的に不可能であるこ
とから、アルミナを原料とする製錬法の実際に可
能な方法としては、2400℃以上の高温においてア
ルミニウム/アルミニウム炭化物の混合物を製造
し、これを蒸留によつてアルミニウムを分離する
か、あるいは1900℃以上の高温においてアルミニ
ウム/ケイ素又は鉄の粗合金を製造し、この粗合
金を精製してアルミニウム製品とする方法等が研
究されている。
ところで、アルミナをケイ素又は鉄とのアルミ
ニウム合金とする製錬法は、アルミニウムがケイ
素又は鉄によつて合金化されるため、アルミニウ
ムの活量が低下、金属生成の熱力学的条件が緩和
されると同時に、アルミニウム蒸気を始め、
Al2OやSiO等の揮発分が抑制されるという利点を
有し、この点では、現在のところ、実用化可能性
の最も高い方法ということができる。この方法は
アーク炉等の電気炉により実施可能であるが、こ
の場合、大量の電力が必要になることから、軽済
的な利益が得られず溶鉱炉法により実施すること
で始めて経済的な利益が得られるが、しかし、溶
鉱炉法の場合には、電気炉法により実施する場合
に比して、数多くの困難が生じる。溶鉱炉法によ
る実施の場合は、次のような基本的反応が採用さ
れる。
C+1/2O2→CO (1) Al2O3+MO+4C→Al2−M+4CO (2) (式中、Mはケイ素又は鉄) 反応(1)は炭素材の燃焼による発熱反応であり、
吸熱反応である還元反応(2)に対する反応熱を与え
る。この場合、反応(2)は1900℃以上、生成率及び
反応速度を上げるには好ましくは1950℃以上の温
度が必要であり、反応(2)を円滑に進行させるに
は、反応(1)に供される炭素量は、多量の燃焼熱を
発生させる点から、アルミナ1モルに対し少なく
とも30モル程度必要である。
また、反応(2)を進行させる場合には、溶鉱炉法
で問題となる次の反応(3)〜(6)の進行を抑制し、
Al2OやSiOの生成揮発を防止するという利点が得
られる。
Al2O3+2C→Al2O+2CO (3) 2Al+CO→Al2O+C (4) SiO2+C→SiO+CO (5) Si+CO→SiO+C (6) 溶鉱炉法により前記反応(2)を円滑に進行させる
場合の困難は、その反応熱を得るために、反応(1)
による炭素の酸化燃焼を用いることから生成する
COガス量が電気炉を用いる場合に比して、数倍
以上にも達し、その結果、COガスと共に飛散す
るAl2O、SiO等の揮散成分が増加し、安定なアル
ミニウム合金が得難いことに起因する。このアル
ミニウム合金の安定化は、ケイ素成分に加え、さ
らに鉄成分の添加により改良し得るが、この場
合、鉄成分の添加は、粗合金を精製する工程にお
いて技術的困難を増加させる。また、アルミニウ
ム合金を精製する場合、合金中のアルミニウム含
量が高い程有利であることは明らかであり、従つ
て、反応(2)で得られる合金中のケイ素や鉄の含量
を可及的少量にするような技術開発が要望され
る。
〔目 的〕
本発明は、溶鉱炉法によるアルミニウム製錬に
おいて、高アルミニウム含量のアルミニウム合金
を効率よく製造し得る方法を提供することを目的
とする。
〔構 成〕
即ち、本発明によれば、溶鉱炉内に燃焼域と還
元域を形成させると共に、該還元域に、アルミナ
含有物を、カルシア/アルミナ共融液化物として
流下させることからなり、該還元域を2000℃以上
の温度に保持し、該還元域において、鉄成分の存
在下、該カルシア/アルミナ共融液化物を還元
し、鉄及びケイ素を含むアルミニウム合金を形成
させることを特徴とする溶鉱炉法によるアルミニ
ウム製錬法が提供される。
本明細書でいう溶鉱炉とは、コークスないしコ
ークスに準じる石炭等の石炭燃料材(以下、単に
コークスという)の充填層下部に酸素を吹込み、
コークスの酸素燃焼により、充填層内に高温熱源
及び高温状態を設定する反応器であり、COを主
とする燃焼ガスが上方に流れ、供給原料及びコー
クスが下方に移動し、生成物が最下部から採取さ
れる。即ち、本発明で用いる溶鉱炉は向流移動型
の反応炉ということができる。
本発明で用いる主原料は、アルミナ含有物であ
り、アルミナ含有物としては、粘土やボーキサイ
ト等の鉱物が挙げられる。このようなアルミニウ
ム含有物は、一般に、鉄成分及びケイ素成分を含
有し、鉄成分の添加は特に必要とされない場合が
多い。しかし、鉄成分量が不十分な場合にはそれ
を添加することが必要であり、この鉄成分の添加
により、前記反応(2)を円滑に進行させることがで
きる。この場合の鉄成分としては、屑鉄等の鉄の
他、鉄鉱石等が挙げられる。供給原料中における
鉄とアルミニウムの重量比率Fe/Alは1/5以上で
あり、好ましくは1/3以上に調整するのがよい。
本発明において、前記アルミナ含有物は、通
常、ボーキサイトからなる団鉱の形で用いられる
が、この団鉱の場合、あらかじめコークスと混合
し、表面をコークスで被覆した団鉱として用いる
ことができるし、また後記するように、アルミナ
含有物にはカルシウム化合物の添加が有利であ
り、従つて、この団鉱中にはカルシウム化合物も
添加することができる。
溶鉱炉を用いて前記アルミナ含有原料を処理す
る場合、従来の一般の操業方法ではアルミナ含有
物の炭素還元に必要な1900℃以上の温度を有する
充填層の高温領域は、コークスの燃焼反応が進行
している領域(燃焼域)とその極く周辺のみに見
られるだけである。この主な原因は、燃焼熱の炉
壁等からの熱損失、特に酸素吹込管の冷却水を通
しての熱損失が大であること、及び燃焼熱の充填
層への熱伝導が主に燃焼ガスの対流に依存するた
めに燃焼ガスの通路(手に燃焼域の上方)のみが
高温化すること等にある。このような理由によ
り、従来法では、アルミナ含有物の還元は、事実
上燃焼域内及びその上方の燃焼ガス流速の大なる
領域で進行することになる。従つて、このような
溶鉱炉法では、酸素が多量に存在する燃焼域、即
ち酸化性雰囲気下において還元反応を実施せざる
を得ないという不合理や、揮散性に富むアルミニ
ウムやAl2O、SiOが燃焼ガスと共に飛散しやすい
高速流通ガス下において還元反応を実施しなけれ
ばならないという不合理が生じ、アルミニウム含
有量の低い合金しか得ることができない。
本発明は、前記のような不合理を解消してアル
ミニウム含有量の高められた合金を溶鉱炉法によ
り製造しようとするものであり、前記燃焼域と共
に還元域を炉内に形成させ、アルミナ含有物を、
鉄成分の存在下、カルシア/アルミナ溶融液化物
の形で、2000℃以上の温度に保持した還元域に流
下させて前記反応(2)を行わせ、鉄及びケイ素を含
むアルミニウム合金を形成させることを特徴とす
るものである。
本発明においては、溶鉱炉内には、燃焼域と共
に、別に高温の還元域を形成させる。この還元域
は、溶鉱炉内に、複数の酸素送風管より酸素を吹
込み、複数の高温燃焼域を間隔を置いて形成する
ことによつて得ることができ、還元域はそれらの
燃焼域の間及びその上方に形成される。この場
合、還元域の温度は、燃焼域の温度及び燃焼域か
ら還元域への熱伝達に依存する。燃焼域の温度
は、燃焼コークスの表面温度(最高火点温度)に
依存し、この表面温度は、コークス粒径を大きく
することにより上昇させ得るが、本発明の場合、
コークスの粒径は、10mm以上、通常15〜50mm程度
にるのが好ましいことが見出された。また、燃焼
ガスの上方への流通又は対流は、コークス粒径が
大きくなる程周辺への拡がり部分が増加するた
め、炉内の単位断面積当りの燃焼ガスへの流量が
減少し、それに応じて、還元域を流通する燃焼ガ
スの比率を減少させることができる。即ち、前記
したコークス粒径の増大により、燃焼温度が増大
すると共に、燃焼ガスの還元域への流量が減少さ
れ、還元域への熱伝導及び放射による熱伝達の割
合が増大する結果として、本発明で目的とする高
温度でかつ燃焼ガス流量割合の減少されたアルミ
ナ還元に好適な還元域が形成される。本発明者の
研究によれば、前記した工夫を施すと共に、燃焼
熱の炉外への熱損失を抑制することにより、2000
℃以上、特に2050〜2200℃もの高温の還元域を形
成し得ることを見出した。
本発明においては、アルミナ含有物は、カルシ
アとの共融液化物の形で還元域を流下させる。ア
ルミナ含有物は溶融温度が高いことから、還元さ
れて金属に転換されるまでは固体状態で存在す
る。従つて、このアルミナ含有物は、一般に、コ
ークスに随伴して炉内を降下し、燃焼域へ輸送さ
せる傾向を示す。前記したように、燃焼域におい
てはアルミナ含有物の有利な還元が達成されない
ことから、アルミナ含有物の燃焼域への輸送は好
ましくなく、還元域への選択的な輸送が好まし
い。従つて、アルミナ含有物は、還元域へ達する
以前にあらかじめ溶融化し、還元域を液化状態で
輸送させるのが好ましく、アルミナ含有物を液化
状態で輸送させる場合は、固体状態での輸送とは
異なり、流動性が良好であるために、コークスに
随伴して輸送されずに、その自重により、炉内の
コークス充填層内をほぼ均等に流下し、燃焼域へ
の輸送の割合を著しく減少させ、還元域への輸送
を増大させることができる。従来の場合は、アル
ミナ含有物は、還元反応温度直前まで固体で存在
するため、コークスに随伴して燃焼域に輸送され
る欠点があつたが、本発明の場合は、このような
欠点は解消される。
アルミナ含有物は、その融点が高いために、そ
れ自体を融解することは困難であり、低められた
温度で溶融させるためには共融化剤の使用が必要
となる。しかし、共融化されたアルミナ含有物
は、逆に、アルミナ単独の場合に比して、還元性
の悪いものになる。本発明者は、この共融化され
たアルミナ含有物の還元について種々研究を重
ね、カルシウム化合物によつて共融化されたアル
ミナ含有物は、2000℃以上の高温、特に2050℃、
好ましくは2100℃以上の高温に保持した還元域を
流通させることによつて、還元し得ることを見出
した。従つて、本発明では、アルミナ含有物は、
カルシウム化合物との共融液化物の形で、少なく
とも2000℃の温度に保持された還元域を流下させ
ることによつて還元処理される。
本発明においては、共融化剤としては、カルシ
ウム化合物、例えば、カルシア(CaO)や、炭酸
カルシウム(CaCO3)等が用いられるが、本発明
の場合、特に、硬焼カルシアの使用が有利であ
る。このアルシウム化合物は、炉内においては、
カルシアの形でアルミナ含有物と共融する。カル
シウム化合物は、アルミナ含有物との混合物の形
で炉内に装荷することができる他、装荷に際して
は、アルミナ含有物とは別個に、例えば、コーク
ス、カルシウム化合物及びアルミナ含有物を順次
層状に装荷することによつても良好な結果を得る
ことができる。炉内に対して、各原料を層状に装
荷する時には、還元域や燃焼域で発生した
Al2O、SiO等の揮散物は、これらの層状装荷物に
よつて捕集され、カルシアとアルミナ含有物との
共融化を促進させる。また、カルシアとアルミナ
含有物との共融液化を容易にするために、予じ
め、カルシウム化合物の一部をアルミナ含有物と
混合し、団鉱化することができる。カルシウム化
合物とアルミナ含有物との一般的使用割合は、
CaO/Al2O3モル比で、0.2以上、好ましくは0.4
以上であり、通常0.4〜2.0の範囲である。カルシ
ウム化合物をアルミナ含有物との団鉱として用い
る場合、団鉱中のカルシウム化合物とアルミナ含
有物との割合は、CaO/Al2O3モル比で、1以
下、好ましくは0.6以下であり、通常、0.2〜0.6の
範囲である。
本発明によりアルミナ含有物の還元処理を行う
場合、装荷アルミナ含有物は、還元域の上方の還
元温度より低い温度1600〜1800℃の帯域でカルシ
ウム化合物と共融液化し、液状のカルシア/アル
ミナ共融物として炉内を流下し、還元域に達し、
ここで還元されると同時に、共存する鉄成分及び
ケイ素成分と反応し、アルミニウム/鉄/ケイ
素/合金が形成される。この場合、アルミナ含有
物の環元は一部であり、還元域を通過する生成物
にはアルミナ/カルシア共融体が残存し、アルミ
ニウム/鉄/ケイ素合金はこの残存アルミナ/カ
ルシア共融体に保護された形で炉内を速やかに流
下し、このために生成したアルミニウム/鉄/ケ
イ素合金の酸素による再酸化が防止される。従つ
て、本発明の場合、炉底から得られる生成物は、
アルミナ/カルシア共融体とアルミニウム/鉄/
ケイ素合金を含むが、両者は分離され、アルミニ
ウム/鉄合金は製品として回収され、またカルシ
ア/アルミナ共融体は、供給原料として再使用す
ることができる。
本発明を実施する場合、前記したように、アル
ミナ含有物をカルシアとの共融体の形で還元域を
流下させると共に、その際の還元域温度を約2000
℃以上、好ましくは2100℃以上に保持することが
重要であり、これによつて、アルミニウム含有量
の高いアルミニウム/鉄/ケイ素/合金を形成さ
せることができる。この場合、環元域を前記温度
に保持するには、一般に、燃焼域におけるコーク
スの最高火点温度は2700℃以上、好ましくは2900
℃以上に保持する。
本発明においては、カルシア/アルミナ共融液
化物の還元は、前記したように、鉄成分の存在下
で行われるが、この場合、アルミニウムやカルシ
ウムのオキシカーバイドの共存下で行うのが有利
である。炉内には、炉下部から上方に向つての
Al2Oの蒸気の流れがあり、これは炭素と反応し
てオキシカーバイドを形成する。従つて、炉内を
流下するカルシア/アルミナ共融液化物には少量
のアルミニウムオキシカーバイドが含まれる。ま
た、還元域においても、ここに炭素が存在するた
め、カルシア/アルミナ共融化物と炭素との反応
によるアルミニウムオキシカーバイド及びカルシ
ウムオキシカーバイドが生成される。このような
オキシカーバイドは、カルシア/アルミナ共融液
化物の還元反応速度を高める効果を示す。従つ
て、本発明においては、アルミニウムオキシカー
バイドやカルシウムオキシカーバイドをあらかじ
めアルミナ含有物に添加することも有利であり、
この場合、オキシカーバイドの添加量は、アルミ
ナ含有物に対し、0.1〜10重量%、好ましくは1
〜5重量%程度にするのがよい。また、本発明で
得られるスラグ(カルシア/アルミナ共融物)中
には、このようなオキシカーバイドが含まれるた
め、これをアルミナ含有物に対して添加して再使
用することは非常に有効である。
〔実施例〕
次に本発明を実施例によりさらに詳細に説明す
る。
比較例 1 内径36cm、内部炉高100cmの実験炉を使用し、
水冷式酸素送風管(羽口径5mm)120゜の円周角
度で3本装着した。この場合、水平に対する送風
管の角度は12゜とした。羽口より約5cm下方に黒
鉛製火格子を置き、生成した粗合金の流下を容易
ならしめた。炉項にホツパーを設備し、コークス
及び原料団鉱を装荷した。8時間コークスのみを
装荷(166Kg)し、予熱し、炉温が安定した後、
3時間にわたつて、コークス(130Kg)及びコー
クス被覆団鉱(ボーキサイト1000部、混合用コー
クス粉250部、被覆用コークス粉770部より成り、
外径約30〜35mm径(40Kg)をそれぞれ交互に投入
した。なお、ボーキサイト中の鉄とアルミニウム
との重量比Fe/Alは0.31であつた。試験後、炉
を解体し、未反応の団鉱12Kg及び火格子下に64Kg
の粗合金を採取した。粗合金の組成は
Al11.7Fe51.2、Si21.8、炭素10.3、Ti2.8%であ
る。即ち、原料中のFe/Al=0.31に対し、粗合
金中のFe/Al=4.35に増大しており、このこと
は、Al2Oの発生、合金の再酸化がいちじるしい
ことを示している。なお、前記実験において、使
用したコークス粒径は4〜7mm、酸素流量210
/min×3本であり、燃焼温度2200〜2400℃で
あり、炉中心部、火格子上10cmにおける充填層温
度は1640℃であるが、試験後炉を解体し、燃焼域
を調査し、3本の酸素送風管によつて形成される
燃焼域が合一してドーム状になつており、燃焼域
から独立した還元域は存在しないことが確認され
た。したがつて、この実験においては、還元反応
は燃焼域内で進行せざるを得ないことが明らかで
ある。
比較例 2 内径60cm、内部高240cmの実験炉に、酸素送風
管6本(羽口径7mm)を60℃の円周角度で装着し
た。この場合、水平に対する送風管の角度は20゜
とした。
炉底と羽口間約20cmの間に、30〜50mm大のコー
クスを充填し、その間隙に粗合金が溜まるように
配慮し、かつ炉底に湯出し孔を設けた。塔項ホツ
パーよりコークス及び比較例1と同一原料団鉱を
投入した。予熱期間(29時間)に消費したコーク
スは470Kg、団鉱投入開始後停止まで(20時間)
に投入したコークス790Kg、団鉱260Kgである。予
熱終了時、団鉱投入10時間後、停止直前にそれぞ
れ湯出しを行い、それぞれ6.5Kg、7.3Kg、6.1Kgの
試料を採取した。前2回の試料採取ではコークス
及び再凝固した原料物質が固形物として得られ、
最終試料の大半も同様であつたが、そのうち2Kg
は液体金属であり、その組成はフエロシリコンで
あり、アルミニウムは存在しないことが確認され
た。また、この実験において使用したコークス粒
径は1〜4mmであり、燃焼温度は2000〜2600℃で
ある。羽口上20cm、炉壁より10cm、酸素送風管羽
口より30゜角位置の充填層温度は1840℃である。
また同位置における燃焼ガス組成は酸素85%、
CO15%である。
炉解体の結果、炉底より羽口上30cmまで、コー
クスまじりのスラグ物質が充満し、その上部にド
ーム状の合一した燃焼域とコークス層が存在し
た。スラグ物質中に金属アルミニウムはほとんど
認められず、アルミナとして存在した。従つて、
この実験も比較例1と同様、燃焼域内において還
元が進行し、かつ、スラグ等の融点が高いため、
反応物質が燃焼域に滞留することを示している。
比較例 3 比較例2と同一の実験炉を用い、コークス粒径
を15〜25mmに変え、羽口径を14mmに拡大した。酸
素流量180/min×6本における最高燃焼温度
は2880℃であり、羽口上20cm、炉還より10cm、酸
素送風管より30゜角位置における充填層温度は
1680℃である。同位置における酸素は4.3%、
CO20.9%、他はCOである。
この実験においては、予熱2時間に消費したコ
ークス140Kg、団鉱(比較例1と同じ)50Kg、コ
ークス200Kgの他の硬焼カルシア20Kgを6時間に
わたり交互に投入した。湯出しにより採取された
試験及び炉底残留物として得られた試料は全て酸
化物であり、アルミニウム成分はCaO―Al2O3
融物としてのみ存在しており、金属アルミニウム
は認められなかつた。この実験結果は単にカルシ
アを混合してアルミナ/カルシア共融物を形成し
ても、その還元温度が低いとアルミニウム合金が
得られないことを示す。
実施例 1 比較例3において、送風管を3本減少し、送風
管当りの酸素流量を500/minに増加させ、冷
却水熱損比を減少させた。他の条件はほぼ比較例
3と同様にし、予熱消費コークス300Kgとした。
また、この実験においては、団鉱120Kg、コーク
ス360Kg、硬焼カルシア60Kgを交互に投入し、粗
合金約13Kgを得た。その組成はAl32.2、Fe40.3、
Si20.4、Ca1.74、C2.88、Ti2.27である。この他
に、スラグ約26Kgが生成し、粗合金から分離され
たが、その組成はCaO―Al2O3共融体及び金属ア
ルミニウムを部分的に含有する部分に大別され、
後者の代表的組成は、Al30.4、Fe5.2、Si2.4、
Ca20.1、C13.5、Ti0.7%である。
この実験における羽口先最高燃焼温度は3200℃
であり、充填層温度は2000〜2100℃である。同位
置における燃焼ガス組成は、CO99.7%、O20.3%
である。
実施例 2 実施例1と同一の実験炉に、黒鉛内張りを施
し、内径48cm2にしたものを用い、他の条件を実施
例1と同一にして、原料団鉱を変化させた。即
ち、ボーキサイトのみを12×18×26mmのアーモン
ド状に成型し、ロータリーキルンにて1200〜1300
℃で焼結して原料団鉱を作つた。このようにして
作つた原料団鉱78Kg、硬焼カルシア50Kg、コーク
ス605Kg(内予熱用305Kg)を用いて、実施例1と
同様にして実験を行つた結果、粗合金26Kg、スラ
グ15Kgを得た。この粗合金組成物Al24.8、
Fe42.4、Si21.6、C3.58、Ti3.87、Ca1.38であつ
た。また、この場合に得られたスラグの組成は、
Al7.6、Fe3.62、Si0.67、C23.3、Ti0.12、Ca51.3
であつた。
〔効 果〕
以上に示した比較例と実施例の結果を参照する
ことにより、本発明の場合には、高アルミニウム
含有のアルミニウム/鉄合金を製造し得ることが
明らかである。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 溶鉱炉内に燃焼域と還元域を形成させると共
    に、該還元域に、アルミナ含有物を、カルシア/
    アルミナ共融液化物として流下させることからな
    り、該還元域を2000℃以上の温度に保持し、該還
    元域において、鉄成分の存在下、該カルシア/ア
    ルミナ共融液化物を還元し、鉄及びケイ素を含む
    アルミニウム合金を形成させることを特徴とする
    溶鉱炉法によるアルミニウム製錬法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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