JPS6149593B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 従来、冷蔵庫等の断熱箱体に於いては、第１図
に示す如く、外箱１の前面フランジ２の内側に断
面略コ字型の溝３を形成し、この溝３内に露付き
防止パイプ４及びシール材５と共に内箱６の前面
フランジ７を挿入し、その後上記外箱１と内箱６
との空間部に発泡断熱材８を充填発泡してなるも
のであるが、此の種のものでは外箱１の前面開口
部から内箱６を挿入し、その後該内箱６を内側に
撓ませてその前面フランジ７を外箱１のコ字型溝
３内に挿入しなければならないため、外箱１と内
箱６との組み込み工程に必要以上の時間と労力を
要し、その結果、トータルコストが高くなるとい
う欠点があつた。

本発明は上述欠点を除去すべく考案されたもの
で、以下図示の実施例により詳細に説明する。

１１は金属板を屈曲して形成した前面及び背面
開口の外箱にして、その前面開口部の周縁には前
面フランジ１２を形成すると共に、該前面フラン
ジ１２の先端を折り返して該フランジのコーナー
部に露付き防止パイプ１３の収納部１４を形成し
ている。

又、上記収納部１４を形成する折り返し片の先
端は外箱１１の側壁と略平行になるよう屈曲し、
その先端部を水平に屈曲した後、更に該水平部と
鋭角をなすように傾斜部を屈曲して係合片１５を
構成している。即ち、該係合片１５は外箱１１の
側壁と略平行に延びる脚部１５ａと水平部をなす
係止部１５ｂと該係止部１５ｂと鋭角をなす如く
傾斜した当接部１５ｃとで構成され、上記脚部１
５ａを以つて外方（外箱１１の側壁方向）に撓み
得る形状となつている。

１６は上記外箱１１の背面開口部より前面に向
かつて挿入される合成樹脂製の内箱にして、冷凍
室１６ａと冷蔵室１６ｂとを一体成型してなり、
その前面開口縁部には外箱１１の内面に当接する
前面フランジ１７を形成すると共に、該前面フラ
ンジ１７の先端部を内方に折り返して立ち上がり
部１８を形成している。この立ち上がり部１８の
先端は上記係合片１５の係止部１５ｂに係脱自在
となつている。１９は外箱１１と内箱１６との空
間部に充填発泡される硬質ウレタンフオームの如
き発泡断熱材である。

第５図及び第６図は本発明の他の実施例図を示
し、上記実施例と比較した場合、第５図は内箱１
６の立ち上がり部１８の先端に折り返し部１８ａ
を設けて該立ち上がり部１８と係合片１５の脚部
１５ａとの間に上記露付き防止パイプ１３の収納
部１４に連通する空間部を形成した点で相違し、
第６図は上記立ち上がり部１８及び脚部１５ａを
若干外方（外側１１の側壁側）に傾斜させた点で
第４図実施例のものと相違する。然し乍ら、何れ
の実施例に於いても、本質的には何等変わらない
ものである。尚、２０は仕切板、２１は底前面パ
ネルを示す。

ここで本発明断熱箱体の組み立てについて説明
する。先ず最初、第３図に示す如く外箱１１をそ
の前面開口部を下にして設置し、その上方即ち外
箱１１の背面開口から内箱１６を挿入していく。

すると、内箱１６の前面フランジ１７は係合片
１５の当接部１５ｃ（傾斜部）に当たり、該係合
片１５を外方に押し拡げる。更に、内箱１６を挿
入していくと、係合片１５は更に拡がり、やがて
上記内箱１６の前面フランジ１７の外面は外箱１
１の前面フランジ１２の内面に当接する。する
と、係合片１５はそれ自体の弾性力により元に復
帰し、係止部１５ｂが内箱１６の立ち上がり部１
８の先端部に係合して上記内箱１６の前面フラン
ジ１７を外箱１１の前面フランジ１２に圧接せし
める。

而して、外箱１１と内箱１６との空間部に硬質
ウレタンフオームの如き発泡断熱材１９を充填発
泡すれば良い。この発泡断熱材１９の充填発泡
時、発泡圧及び収縮力が外箱１１及び内箱１６に
かかるが、内箱１６の前フランジ１７はその立ち
上がり部１８及び外箱１１の係合片１５の係合に
よつて該外箱１１の前面フランジ１２の内面に圧
接されているため、上記発泡圧及び収縮力がかか
つても外箱１１の前面フランジ１２と内箱１６の
前面フランジ１７との間に隙間が生じることはな
い。又、発泡断熱材１９は上記立ち上がり部１８
と係合片１５との係合により外部に漏れ難い構造
となつているが、仮にこの立ち上がり部１８と係
合片１５との接合部を通して発泡断熱材１９が漏
洩したとしても、外箱１１の前面フランジ１２の
裏面コーナー部に露付き防止パイプ１３を収納す
るための収納部１４が形成されていること及び内
箱１６の前面フランジ１７が外箱１１の前面フラ
ンジ１２の内面に押圧されていること、によつて
外箱１１外にまで発泡断熱材１９が流出すること
はない。

本発明は、以上の如く外箱の背面開口部より内
箱を挿入し、外箱の前面フランジと内箱の前面フ
ランジとを、外箱側の係合片と内箱側の立ち上が
り部との係合により圧接するようにしたものであ
るから、内箱の自動挿入が可能となり、組み立て
簡単且つ安価に製作することができる他、発泡断
熱材の充填発泡時外箱の前面フランジと内箱の前
面フランジとの接合面に隙間を生じることがなく
商品性を損うことがないものであり、又上記内箱
の前面フランジの先端部に係合片に係合する立ち
上がり部を形成しているため、該前面フランジの
強度が増しそれだけ内箱の板厚を薄くでき材料の
削減によるコストダウンを計ることができると共
に、外箱の前面フランジの裏面への塗装も行い易
くなり、塗装不完全による錆の発生を防止するこ
とができるという多々顕著な効果を奏し得るもの
である。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来断熱箱体の要部拡大断面図、第２
図は本発明断熱箱体の外観斜視図、第３図は本発
明断熱箱体の組み立て説明図、第４図は第２図の
Ａ―A′線断面図、第５図及び第６図は第４図に
相当する本発明の他実施例図を示す。 １１…外箱、１２…前面フランジ、１５…係合
片、１６…内箱、１７…前面フランジ、１８…立
ち上がり部。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 背面を開口した外箱の背面より内箱を挿入
   し、この外箱の前面フランジ内面には内箱の前面
   フランジ外面を当接させると共に、上記外箱と内
   箱との間に発泡断熱材を充填発泡してなる断熱箱
   体に於いて、内箱の前面フランジの先端を内方に
   折り返し立ち上がり部を形成すると共に、外箱の
   前面フランジの裏側には先端を折り返して二重壁
   となし且つその先端を露付き防止パイプの収納部
   を形成する如く折曲し、更にその先端を外箱の前
   面フランジの略中腹部の位置で該前面フランジと
   は反対の方向に折り返して係合片を形成し、この
   係合片は外箱の側壁と適宜間隔を以つて延びる脚
   部と外箱の前面フランジに対して平行に延びる係
   止部と該係止部と鋭角をなす如く傾斜した当接部
   とで構成され、この係合片と上記立ち上がり部と
   の嵌め込み係合により内箱の前面フランジを外箱
   の前面フランジに圧接せしめた事を特徴としてな
   る断熱箱体。