JPS6147510B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は冷凍食品の品質劣化を防止しながら衛
生的に解凍する装置に関するものである。 従来より、魚類、肉類、野菜類、果物類を長期
保存するため冷凍貯蔵を行うことが広く行われて
いる。冷凍貯蔵は通常ブランチング又はシユガリ
ング等の前処理をほどこして急速に凍結させたも
のを−５〜−25℃の低温に保存する方法である。
この凍結条件や保存条件については数多くの研究
がなされており、それに適した多数の装置が発表
されている。然し意外なことには、凍結したもの
を解凍する装置は極めて少く、従来は水槽中に設
して解凍したり空気中に放置して解凍する方法が
主として構じられ、一部には、加温解凍する装置
も使用されている。本発明者の研究によると、解
凍条件の差は凍結条件に劣らず重要であり、解凍
操作を誤ると、冷凍食品の品質が変化し、乾燥、
油焼け、変色、肉質の損傷、風味抜け、ドリツプ
の発生等の問題があるものである。 本発明者は、上記の問題を解決し、衛生的に解
凍できる装置を得んと研究を進めた結果、円筒形
の解凍庫の中に回転する棚を設け、庫内の空気を
循環させながら解凍用水を噴霧し、常時湿度を飽
和させながら解凍し、解凍時に生ずる水は過、
殺菌して前記噴霧する水として使用することによ
り解決した。 本発明を図面の例により説明すると、解凍庫１
は円筒形をなし、外壁２と内壁２′及び天井４に
より構成され外壁２と内壁２′の間には発泡樹
脂、グラスウール、ロツクウール等の断熱剤３が
充填され、外界との温度交流を防止している。解
凍庫１の円心部には、回転円筒５を配し、該回転
円筒５の中心部には回転軸６を上下方向に設け、
該軸６の上部は天井４に設けたベヤリング７によ
り、又下部は基盤（G.L）に固定した台８により
支持させ、前記回転円筒５は回転軸６との間に設
けた支持板９により封鎖し固定する。又、回転筒
５の周面には多数の通孔１０を設け筒５内外の気
体の流通を許し、更に該筒５の外側には円形載置
棚１１を多段に設け、冷凍食品Ａを載置可能とし
てある。この円形載置棚１１は一枚ものの箱状と
してもよいが、好ましくは扇形の箱を並列させる
のがよく、その下部、側部には多数の通孔１２を
設けるのがよい。前記回転軸６の下部にはモータ
ーM₁を配し駆動するようにしてあるので、前記
回転円筒５、載置棚１１はモーターM₁により回
転するものである。 前記載置棚１１と内壁２′の間には隔壁１３を
設て、該隔壁１３の下部１４はコーン状にしぼ
り、その傾斜端部１５は前記回転円筒５の下端外
周に摺接させる。又前記傾斜端部１５には排水孔
１６を設け、隔壁１３内の水を落下さす如くして
ある。隔壁１３はステー１７により上部に空隙を
残して内壁２′に固定するが、内壁２′との間には
冷却管１８を設けて隔壁１３を外側より取囲み、
該冷却管１８は導管１９を介してブラインタンク
２０と連通させポンプ２１により通液する如くし
てある。従つて冷凍食品Ａを貯蔵する場合は、ブ
ラインタンク２０より送液し、解凍庫１内で適温
に貯蔵できるものである。 前記コーン状下部１４の下方にはこれと平行に
上下室仕切板２２を設け、内方に向けて傾斜させ
反対側端部は内壁２′に固定する。又、前記回転
軸６の下部には管状軸２３を設け、該軸２３の上
部にはフアン２４を取付け、前記回転円筒５の内
側に望ましめると共に下部にはプリー２５を設
け、モーターM₂により駆動さす。このため解凍
庫１内の空気は矢印方向に循環可能となる。尚フ
アン２４は、回転軸６の回転が早い場合には必ず
しも必要ないものである。 上記解凍庫１内には冷凍食品の解凍を行うため
多数の解凍水噴霧孔２６が設けられるが該噴霧孔
に水を供給する水管は天井４には配管２７ａを環
状に設けて固定し隔壁１３の側部には配管２７ｂ
を囲繞して、これに固定した噴霧孔２６を内側に
向けて開口さす。そして配管２７ａ，２７ｂは何
れも外側に設けた配管２７と連通させる。従つ
て、噴霧孔２６よりの水滴は前記フアン２４によ
る循環気流によつて解凍庫内を循環することにな
る。然し解凍庫１内は冷却されているので、蒸発
することなく氷をとかして上下仕切板２２の上部
に集る。このとき上下仕切板２２の下端部に排水
管２８を設け庫外に排出するが排水管２８の端部
にはバルブ３２′、過器２５が設けてあり、排
水に同伴する異物は総べて過される。過され
た水は水管２９を通つてポンプ３０に吸引せられ
る。尚３１は水管２９の技管、３２は技管３１に
設けたバルブである。上記ポンプ３０よりの過
水は殺菌器３３に送られ蒸気３４を吹込んで殺菌
する。殺菌された水は温度調節器３５により５〜
100℃に調温せられ配管２７に入つて前記配管２
７ａ，２７ｂに供給せられる。 尚、３６は解凍庫１に設けた扉、３７は隔壁１
３に設けた扉で冷凍食品の出入れに供する。 使用に際しては、扉３６，３７を開き、別の装
置で凍結させた冷凍食品Ａを棚１１の上に載置す
る。庫入れ作業が完了すると扉３６，３７を閉じ
ポンプ２１を駆動してブラインを冷却管１８内に
移送し、モーターM₁，M₂を駆動する。これによ
り載置棚１１、フアン２４が回転するので空気は
矢印方向に循環し、解凍庫１内は所望の低温に維
持される。解凍を望むときは、ポンプ２１を停止
し、バルブ３２を開きバルブ３２′を閉じてポン
プ３０を駆動し、技管３１より吸水しながら蒸気
３４を殺菌管３３に吹込む。殺菌された水は、配
管２７を通り、配管２７ａ，２７ｂに入り噴霧孔
２６より噴出する。このとき載置棚１１、フアン
２４は回転しているので、矢印方向への気流があ
り、この気流によつて噴霧された水は冷却管１８
方向へ移行する。通常冷却管１８は霜を付着して
いるので、この霜をとかしながら冷却され飽和湿
度の空気が回転円筒５の下方に達する。このとき
同伴した水は分離され排水管２８に移行するので
バルブ３２′を開きバルブ３２を閉じる。従つ
て、水は装置内外を循環することになる。又、前
記空気はフアン２４に送られ、多数の通孔１０よ
り流出し冷凍食品を加熱しながら両側方に移行す
る。上記循環を繰返すと冷凍食品は徐々に加熱さ
れ、次第に半解凍即ち、食品の凍結点近傍（通常
−２〜−５℃）に達する。解凍中は常に飽和湿度
の空気により加熱されるのでそれより低温の冷凍
食品は常に薄い水の被膜で被覆されることにより
直接空気と接することはない。又、露結した水滴
は載置棚の下方に移行し、通孔１６より落下す
る。然し落下量は半解凍の時点迄は極めて少い。
所望の解凍度となつた時装置全体を停止し、扉３
６，３７を開いて食品Ａを取出す。 本発明は上記の如くしてなり、本発明の装置を
使用することにより次の利益が得られる。 冷凍食品のドリツプが防止できる。 冷凍食品の種類大きさに応じて解凍速度を制
御できる。 冷凍食品の変色を防止できる。 解凍庫内は無菌状態に保持でき衛生的であ
る。 飽和湿度の空気による解凍であるから乾燥に
よる目減りを防止できる。 解凍作業が容易であり、均一な解凍を行うこ
とができる。 冷却管は常に清潔に保たれるので冷却効率が
向上する。 この外多くの利点を有するものであるが、この
ような利益は他の解凍手段を以てしては得られな
いものである。 本発明の装置は、どのような冷凍食品の解凍に
でも使用することができ、特に魚類、肉類の解凍
に使用して極めて便利である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の装置の例の縦断面図、第２図
は第１図イ−イ断面図である。 １……解凍庫、５……回転円筒、１１……載置
台、１３……隔壁、１８……冷却管、２０……ブ
ラインタンク、２８……過器、３３……殺菌
器。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 円筒形解凍庫の円心部に多孔回転円筒を設
   け、該多孔回転円筒外周には多段の載置台を固定
   して回転させ、前記解凍庫の内壁と載置台の間に
   は、隔壁を設けて隔壁下部と前記多孔回転円筒の
   下部を連通させ、隔壁と前記内壁との間には冷却
   管を収納させ、隔壁には多数の解凍水噴霧孔を設
   けると共に前記解凍下方には解凍水取出管を設
   け、該取出管に過機と殺菌器を連結し殺菌後の
   水を前記噴霧孔に循環せしめる如した回転式噴霧
   解凍機。 ２ 多孔回転円筒下方に風送機を設けたことを特
   徴とする特許請求の範囲第１項の回転式噴霧解凍
   機。