JPS6146231B2 - - Google Patents
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Classifications
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- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
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- B22D—CASTING OF METALS; CASTING OF OTHER SUBSTANCES BY THE SAME PROCESSES OR DEVICES
- B22D11/00—Continuous casting of metals, i.e. casting in indefinite lengths
- B22D11/04—Continuous casting of metals, i.e. casting in indefinite lengths into open-ended moulds
- B22D11/049—Continuous casting of metals, i.e. casting in indefinite lengths into open-ended moulds for direct chill casting, e.g. electromagnetic casting
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- Engineering & Computer Science (AREA)
- Mechanical Engineering (AREA)
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Description
本発明は角形鋳塊の連続的鋳造方法に係り、特
に断面が矩形の軽合金鋳塊、なかでもアルミニウ
ム若しくはその合金からなる鋳塊を、高品質で、
安定して得ることのできる方法に関する。 従来から、アルミニウム、アルミニウム合金等
の金属の鋳塊を連続的に得るために、連続鋳造法
あるいは半連続鋳造法などとして多数の提案が為
されている。その代表的な例は、米国特許第
2983972号明細書などに示される如く、昇降可能
な鋳型底を所定の筒状鋳型の底部に位置せしめて
該鋳型の一方の開口部を塞ぎ、そして該鋳型内に
金属溶湯をノズル、フロートを通じて供給する一
方、順次鋳型底を降下させることにより、鋳型内
部の流路を流通する冷却剤(通常は水)による鋳
型内壁の冷却と、鋳型底部(下端)のスリツトよ
り流出せしめられる冷却剤による直接の冷却に基
づいて鋳型内に形成される溶湯柱を凝固せしめ、
以て凝固させた鋳塊を鋳型底部の開口部から連続
的に取り出すことにより、所定の鋳塊を得てい
る。 ところで、このようにして連続的に製造される
鋳塊の表面には、発汗、コールドシヤツト、焼付
きなどと称される各種の表面欠陥が現われる場合
が多い。而して、これらの表面欠陥は、最終製品
(加工品)の表面品質に悪影響を及ぼすところか
ら、可能な限り、その発生を防ぐ必要があるので
ある。 このため、従来における鋳塊表面の改善は、こ
れらの表面欠陥が鋳型内壁を冷却せしめる冷却剤
による一次冷却によつて形成される薄い一次凝固
殻に起因するところから、この脆弱な一次凝固殻
の形成を抑制することで対処されている。そし
て、この対策の一つである、米国特許第3612151
号に代表されるホツトトツプ鋳造法は、鋳型上に
軸的に整合された断熱湯溜を配置せしめ、それら
の接合部から下方1インチ以内に凝固界面の先端
が位置するように鋳込速度を設定するものであつ
て、これにより鋳型内で形成される薄い一次凝固
殻を実質的に消失せしめる一方、鋳型底部から放
出される冷却剤による直接冷却(二次冷却)にて
形成される強固な二次凝固殻のみで鋳造を進行せ
しめ、上記した表面欠陥の発生を低減させている
のである。また、このホツトトツプ鋳造と考え方
を同じくするものとして、米国特許第3326270号
明細書などで明らかにされている如く、鋳型内壁
の所定位置に下端が位置するように鋳型内壁面の
上部を覆う筒状断熱材を設け、該断熱材の下端の
真下に二次冷却による凝固界面の先端が位置する
ようにして、鋳造を行なう方法も提案されてい
る。 しかしながら、これら従来の対策は、いずれ
も、断面が円形の丸形鋳塊を鋳造する場合におい
ては有効に実施され得て、鋳塊表面の効果的な改
善が図られ得ることが認められているが、断面が
矩形の角形鋳塊の場合にあつては、丸形鋳塊程の
表面改善を達成することが著しく困難であつたの
である。けだし、角形鋳塊の場合においては、直
接冷却(二次冷却)による凝固殻レベルの大き
さ、換言すれば凝固界面の高さが鋳型内周囲で異
なり、矩形の各辺の中央部に対してコーナー部に
おいて凝固殻レベルが大きくなるところから、凝
固界面の一律的な移動だけでは、前記脆弱な一次
凝固殻を鋳型内周囲全体に亘つて同時に消失せし
めることが困難であるからであり、それ故形成さ
れる鋳塊全周の表面程度を均一に改善することが
困難であつたのである。 一方、本発明者らの中の1人は、先に、特願昭
51−91719号(特開昭53−16323号公報参照)とし
て、所定の断熱筒を鋳型内壁の上部と溶湯その間
に介在せしめる一方、鋳型内壁の熱伝達を制御す
る手段を設けて、前記脆弱な一次凝固殻の消失を
図るようにした金属の連続鋳造手法を提案した。
そして、そこにおいて、角形鋳塊の鋳造時におけ
る前記した問題、即ち矩形の各辺の中央部とコー
ナー部との間での一次凝固殻の形成形態の相違を
明らかにすると共に、かかる問題を解決するに
は、断熱筒の各辺の中央部が下方に凸となるよう
な下端部形状とすることがよいことを明らかにし
たのである。 しかしながら、本発明者らの更なる検討によれ
ば、かかる先に提示した断熱筒の下端部形状だけ
では未だ充分に鋳塊の表面品質程度が改善されて
いるとは言えず、また鋳塊表面層組織の改善も充
分ではない一方、鋳塊の全周にわたつた表面程度
の均一化が図り難い等の問題も内在していること
が明らかとなり、より一層の改善策が望まれたの
である。 ここにおいて、本発明者らは、かかる事情に鑑
みて鋭意検討した結果、鋳造に際して、前記溶湯
と鋳型内壁の上部との間に介在せしめられ、それ
らの直接の接触を阻止する熱断シートの下端部の
位置を、鋳型の矩形形状の各辺の中央部と端部
(コーナー部)とにおいて、鋳造条件、合金種な
どに従つて特定の範囲内において制御せしめると
共に、該矩形形状の長辺の中央部における熱断シ
ートの下端部を両端側にそれぞれ延長せしめて、
所定長さの直線状の下端部と為すことにより、前
記従来の問題がより一層効果的に解消され、鋳塊
の全周にわたつて均一に表面品質の改善された鋳
塊を安定して得ることが出来る事実を見い出し、
本発明を完成するに至つたのである。 すなわち、本発明の主要なる目的は、安定した
鋳塊品質を得ることの出来る、角形鋳塊の連続的
鋳造方法を提供することにある。 また、本発明の目的は、金属、特にアルミニウ
ム若しくはその合金の角形鋳塊を連続鋳造するに
際して、形成される鋳塊の表面品質程度を改善
し、また鋳塊表面層組織の改善を図ると共に、鋳
塊全周に亘つて均一な品質と為し得るに有効な手
法を提供することにある。 そして、これらの目的を達成するために、本発
明にあつては、矩形の直接冷却鋳型を用い、該鋳
型内に供給される溶湯を、該鋳型内部を流通しそ
の底部から放出される冷却剤により直接冷却して
凝固せしめることによつて、所定の角形鋳塊を連
続的に形成せしめるにあたり、供給される溶湯と
鋳型内壁の上部との間に熱断シートを介在せしめ
て該溶湯と該鋳型内壁との直接の接触を阻止する
と共に、該熱断シートを、下式: 0.2≦V・H1≦0.7 V+0.2/V≦H2≦4V+0.7/V L−1.2T≦L1≦L−0.6T 〔但し、V:鋳造速度(cm/秒)、 H1:矩形の各辺中央部における鋳型底部から
断熱シート下端部までの、該断熱シートに
て被覆されていない鋳型内壁面の高さ
(cm)、 H2:矩形のコーナー部における鋳型底部から
断熱シート下端部までの、該断熱シートに
て被覆されていない鋳型内壁面の高さ
(cm)、 L:矩形の長辺の長さ(cm)、 T:矩形の短辺の長さ(cm)、 L1:矩形の長辺の中央部からその両端に向つ
て前記H1の高さでそれぞれ略等距離延び
る非被覆部分の長さ(cm)。〕 を満足するように、下方に凸なる形状と為して、
該鋳型内壁からの溶湯の冷却を制御しつつ、鋳造
を行なうようにしたことにある。 かくの如き本発明によれば、所定の鋳造速度、
鋳込条件に応じて、矩形の各辺の中央部と端部
(コーナー部)における熱断シートの形状が定め
られ、それにより、本来鋳型内壁に接触する溶湯
部分に形成される薄い一次凝固殻を、矩形の各辺
における中央部とコーナー部において、同時に、
効果的に抑制せしめ、更には実質的に消失せしめ
ることが出来るのであり、加えて矩形の長辺の中
央部における熱断シートの下端部を特定長さだけ
直線形状としたことによつて、該長辺部分におけ
る一次凝固殻とその長さ方向において均一に且つ
効果的に消失せしめ得るのであり、以て鋳塊サイ
ズ、鋳造条件が異なつても、最適な鋳造作業を為
し得て、美麗で平滑な鋳肌を有する角形鋳塊が安
価に且つ安定的に得ることが出来ることとなつた
のである。 また、かかる手法に従つて得られた角形鋳塊は
その全周にわたつて表面品質が均一化されてお
り、しかもその表層部の鋳塊組織が改善されて、
微細になり、鋳塊表層に形成されるやや粗大な結
晶粒からなる好ましくない層(サブサーフエスバ
ンド;SSB)が鋳塊の極表層に移動し、これによ
つて鋳塊の加工に際しての鋳肌表面の面削量を低
減し得ることとなつたのである。 さらに、かかる本発明手法に従えば、鋳肌から
50mm程度までの表層部におけるデンドライトが微
細化される効果がある他、鋳塊の収縮率も小さく
なり、鋳塊形状が改善される効果も発揮されるの
である。 以下、図面を参照しつつ、本発明を更に詳細に
説明することとする。 先ず、第1図は、通常の直接水冷角形鋳塊を用
いたアルミニウムの連続鋳造における鋳型内凝固
殻形状を摸式的に示す、コーナー部を含む鋳型の
1/4断面斜視図である。図において、矩形の筒状
鋳型1の内部には、冷却剤としての水が流通せし
められる水室2が設けられており、そして該鋳型
1の底部側の開口部の周縁にスリツト3が設けら
れ、該スリツト3から前記水室2内の冷却水が放
出されるようになつている。一方、該鋳型1の矩
形の鋳込孔4内に連続的に供給される溶湯5は、
鋳型1の内壁からの一次冷却を受けて一次凝固殻
6を形成し、更に鋳型1底部のスリツト3から放
出される冷却水による直接冷却(二次冷却)によ
つて二次凝固殻7を形成して完全に凝固せしめら
れ、鋳型1下方に取り出されるのである。 而して、かかる角形鋳塊の形成に際して、鋳型
1の矩形のコーナー部ではスリツト3からの放出
冷却水による二次冷却が強く、それ故かかる直接
冷却による二次凝固殻7の長さがコーナー部では
長く、矩形の直線部では短くなるのであり、逆に
鋳型内壁を通じての一次冷却による一次凝固殻6
はコーナー部で短く、直線部で長くなるようにな
るのである。 本発明は、このような鋳型1の異なる場所にお
ける冷却の差異に基因する凝固殻形成の相違をな
くし、均一化すると共に、望ましくない一次凝固
殻6の形成を抑制乃至は実質的に消失せしめる一
方、鋳塊表面層組織の改善等を図るために、各種
の基礎実験や実際の鋳造結果のデータなどから、
第2図に示されるように、鋳型1内壁の上部を被
覆し、該内壁を通じての溶湯の冷却を制御する断
熱シート8の形状を特定の範囲内に維持するよう
にしたのである。 すなわち、鋳型1の矩形の長辺の長さをLcm、
短辺の長さをTcm、鋳造速度(鋳込速度)をV
cm/秒とすると、次式(),(): 0.2≦V・H1≦0.7 ……() V+0.2/V≦H2≦4V+0.7/V ……() 〔但し、H1は矩形の各辺中央部における鋳型
底部から断熱シート下端部までの、該断熱シート
にて被覆されていない鋳型内壁面の高さ(cm)で
あり、H2は矩形のコーナー部における鋳型底部
から断熱シート下端部までの、該断熱シートにて
被覆されていない鋳型内壁面の高さ(cm)であ
る〕を満足するように、下方に凸なる形状と為す
と共に、更に矩形の長辺の中央部からその両端に
向つて前記H1の高さでそれぞれ略等距離延びる
非被覆部分の長さ;L1(cm)が、次式(): L−1.2T≦L1≦L−0.6T ……() を満足するように、該矩形の長辺の特定部位の下
端部を直線形状と為す必要があることが、判明し
たのである。 そして、これによつて、鋳塊の全周にわたつて
発汗、コールドシヤツト等の現象が抑制され得て
鋳肌の均一な改善が達成され、美麗で平滑な鋳肌
を有する鋳塊が安定して得られることとなつたの
であり、また表層部の鋳塊組織の改善、デンドラ
イトセルサイズの微細化、収縮率の低減なども達
成され得たのである。 なお、かかる本発明において鋳型1内壁を被覆
して該内壁面と溶湯5との直接の接触を阻止する
断熱シート8は、通常、アルミナ繊維;グラスフ
アイバー、カーボンフアイバー、アスベスト、マ
リナイトプレートなどの無機繊維等にて構成さ
れ、0.5〜10mm程度の厚さを有するものが用いら
れることとなる。また、前式において、T,L,
Vは目的とする鋳塊の形状や鋳造条件などによつ
て適宜に決定されることとなるが、実用的には、
一般にTとしては300〜700mm、Lとしては500〜
1600mm、Vとしては30〜100mm/min程度の値が
採用されるものである。 また、本発明において、前記L1の端部からコ
ーナー部までの間の長さ;L2においては、第2
図の如く該コーナー部のH2の高さに至るまで直
線的に非被覆部分の高さが変化せしめられるよう
に、断熱シート8の下端部を傾斜部とすること
が、該断熱シート8の切断の容易性の点などから
望ましいが、湾曲した形状と為すことも可能であ
る。 さらに、前記矩形の短辺側においては、その中
央部におけるH1の高さの非被覆部分;T1は該中
央部から両端(コーナー部)に向つて略等距離延
び、且つ該短辺Tの略1/3の長さを有する(T1=
T/3)ように構成されることが望ましく、更に
また該短辺部におけるH1の端部からコーナー部
のH2の高さに至る間T2にあつても、長辺のL2部
分の構成と同様に、コーナー部のH2の高さに至
るまで直線的に断熱シート8の下端部の高さがが
変化するようにすることが望ましいのである。尤
も、このような短辺部の構成は、該短辺部の長
さ;Tが500mm程度以上の場合において特に有効
であるが、場合により、H1及びH2が前記(I)
式及び()式を満足する限りにおいて、下方に
凸の湾曲した形状も採用することが可能である。 そして、本発明にあつては、前記矩形の長辺に
おけるH1の高さの非被覆部分の端部からコーナ
ー部に至る距離;L2は、短辺の長さ;Tの略1/2
とされる(L2=T/2)ことが望ましいのであ
る。 以下にいくつかの実施例を示し、本発明を更に
具体的に明らかにするが、本発明がそれら実施例
の記載によつて何等の制約をも受けるものではな
いことは言うまもないところである。 実施例 1 短辺Tが500mm、長辺Lが1080mmの矩形の直接
水冷鋳型を用いて、純アルミニウムの角形鋳塊を
半連続鋳造法にて製造した。鋳造は、鋳型内壁を
断熱シートにて被覆しない従来法の場合と、本発
明に従う形状の断熱シートにて鋳型内壁上部を覆
つた(第2図参照)場合とに、分けて行なつた。
なお、本発明に従つて用いられた断熱シートはセ
ラミツクフアイバーからなる3mm厚のものであ
り、H1=50mm、H2=70mm、L1=580mm、L2=250
mm、T1=T2=167mmとなるように、下方に凸なる
形状にて、鋳型内壁上部を被覆せしめ、所定領域
の該内壁上部と供給される溶融アルミニウムとの
間の直接の接触を阻止した。また、鋳造速度は55
mm/分であつた。 かくして得られた従来法に従う角形鋳塊と本発
明法に従うそれとを比較観察した結果、従来法に
従う角形鋳塊にあつては鋳塊全周にわたつて発汗
並びにコールドシヤツトが発生していることが認
められ、鋳塊の表面品質が悪にものと判断され
た。一方、本発明法に従う角形鋳塊には、ホツト
トツプ法に特有な微小リツプルが認められるもの
の、その深さは3mm以内であり、また発汗、コー
ルドシヤツトも全く認められず、鋳塊全周にわた
つて均一な表面品質の、美麗で平滑な鋳肌を呈す
るものであつた。 また、かくして得られた2種の角形鋳塊につい
て、その表層部の断面顕微鏡写真を第3図及び第
4図に、また短辺方向における鋳肌から中央部ま
でのデンドライトセルサイズの変化を第5図に、
更に各鋳塊の頭部と底部について長辺方向におけ
る鋳塊厚みの収縮率変化を第6図a,bに、それ
ぞれ示した。 第3図及び第4図の顕微鏡写真から明らかなよ
うに、従来法による鋳塊の表層組織を示す第3図
には、サブサーフエスバンド(SSB)は組織が大
きく、鋳肌から8〜10mm内部に入つたところに存
在していることが示されているのに対し、本発明
に従う鋳塊の表層組織を示す第4図には、SSBは
微細な組織となつて、極表層部に移行しているこ
とが示され、それ故本発明に従う鋳塊にあつて
は、低面削量化が可能であることを明らかにして
いるのである。 また、第5図からは、本発明に従う角形鋳塊が
鋳肌から略50mmまでの表層部分において従来法に
比して著しく微細化されたデンドライトセルサイ
ズを有していることが明らかであり、更に第6図
a,bからは、本発明に従つて得られた角形鋳塊
の方が、従来法によるものよりも、鋳塊の頭部、
底部の両方において収縮率を低くすることが出
来、それ故鋳塊形状の改善を図り得ることが理解
されるのである。 一方、前記本発明に従う形状の断熱シートに代
えて、長辺部の下端形状が全体的に単に下方に凸
状に湾曲した断熱シート(但し、H1,H2は前記
条件通り)を用いて、前記鋳造操作を繰り返した
ところ、矩形の長辺部に発汗やコールドシヤツト
が少なからず発生した角形鋳塊が得られ、鋳塊全
周にわたつて鋳肌の平滑な且つ美麗なものとはな
らず、鋳塊の表面品質の充分な向上を図ることは
困難であつた。また、発汗やコールドシヤツトが
部分的に発生することにより、鋳塊の周方向に品
質は不均一となり、品質的には従来法における鋳
塊と同程度は或はそれよりもやや良い程度のもの
に過ぎないものと判断された。 実施例 2 下記第1表に示す各種形状の断熱シートにて、
短辺T:500mm、長辺L:1230mmの矩形の直接水
冷鋳型の内壁上部を被覆せしめ、半連続鋳造法に
より純アルミニウム角形鋳塊を鋳造した。鋳造速
度は、いずれの場合においても、50mm/分とし
た。 得られた各種の鋳塊の表面品質を評価し、その
結果を第1表に併せ示した。
に断面が矩形の軽合金鋳塊、なかでもアルミニウ
ム若しくはその合金からなる鋳塊を、高品質で、
安定して得ることのできる方法に関する。 従来から、アルミニウム、アルミニウム合金等
の金属の鋳塊を連続的に得るために、連続鋳造法
あるいは半連続鋳造法などとして多数の提案が為
されている。その代表的な例は、米国特許第
2983972号明細書などに示される如く、昇降可能
な鋳型底を所定の筒状鋳型の底部に位置せしめて
該鋳型の一方の開口部を塞ぎ、そして該鋳型内に
金属溶湯をノズル、フロートを通じて供給する一
方、順次鋳型底を降下させることにより、鋳型内
部の流路を流通する冷却剤(通常は水)による鋳
型内壁の冷却と、鋳型底部(下端)のスリツトよ
り流出せしめられる冷却剤による直接の冷却に基
づいて鋳型内に形成される溶湯柱を凝固せしめ、
以て凝固させた鋳塊を鋳型底部の開口部から連続
的に取り出すことにより、所定の鋳塊を得てい
る。 ところで、このようにして連続的に製造される
鋳塊の表面には、発汗、コールドシヤツト、焼付
きなどと称される各種の表面欠陥が現われる場合
が多い。而して、これらの表面欠陥は、最終製品
(加工品)の表面品質に悪影響を及ぼすところか
ら、可能な限り、その発生を防ぐ必要があるので
ある。 このため、従来における鋳塊表面の改善は、こ
れらの表面欠陥が鋳型内壁を冷却せしめる冷却剤
による一次冷却によつて形成される薄い一次凝固
殻に起因するところから、この脆弱な一次凝固殻
の形成を抑制することで対処されている。そし
て、この対策の一つである、米国特許第3612151
号に代表されるホツトトツプ鋳造法は、鋳型上に
軸的に整合された断熱湯溜を配置せしめ、それら
の接合部から下方1インチ以内に凝固界面の先端
が位置するように鋳込速度を設定するものであつ
て、これにより鋳型内で形成される薄い一次凝固
殻を実質的に消失せしめる一方、鋳型底部から放
出される冷却剤による直接冷却(二次冷却)にて
形成される強固な二次凝固殻のみで鋳造を進行せ
しめ、上記した表面欠陥の発生を低減させている
のである。また、このホツトトツプ鋳造と考え方
を同じくするものとして、米国特許第3326270号
明細書などで明らかにされている如く、鋳型内壁
の所定位置に下端が位置するように鋳型内壁面の
上部を覆う筒状断熱材を設け、該断熱材の下端の
真下に二次冷却による凝固界面の先端が位置する
ようにして、鋳造を行なう方法も提案されてい
る。 しかしながら、これら従来の対策は、いずれ
も、断面が円形の丸形鋳塊を鋳造する場合におい
ては有効に実施され得て、鋳塊表面の効果的な改
善が図られ得ることが認められているが、断面が
矩形の角形鋳塊の場合にあつては、丸形鋳塊程の
表面改善を達成することが著しく困難であつたの
である。けだし、角形鋳塊の場合においては、直
接冷却(二次冷却)による凝固殻レベルの大き
さ、換言すれば凝固界面の高さが鋳型内周囲で異
なり、矩形の各辺の中央部に対してコーナー部に
おいて凝固殻レベルが大きくなるところから、凝
固界面の一律的な移動だけでは、前記脆弱な一次
凝固殻を鋳型内周囲全体に亘つて同時に消失せし
めることが困難であるからであり、それ故形成さ
れる鋳塊全周の表面程度を均一に改善することが
困難であつたのである。 一方、本発明者らの中の1人は、先に、特願昭
51−91719号(特開昭53−16323号公報参照)とし
て、所定の断熱筒を鋳型内壁の上部と溶湯その間
に介在せしめる一方、鋳型内壁の熱伝達を制御す
る手段を設けて、前記脆弱な一次凝固殻の消失を
図るようにした金属の連続鋳造手法を提案した。
そして、そこにおいて、角形鋳塊の鋳造時におけ
る前記した問題、即ち矩形の各辺の中央部とコー
ナー部との間での一次凝固殻の形成形態の相違を
明らかにすると共に、かかる問題を解決するに
は、断熱筒の各辺の中央部が下方に凸となるよう
な下端部形状とすることがよいことを明らかにし
たのである。 しかしながら、本発明者らの更なる検討によれ
ば、かかる先に提示した断熱筒の下端部形状だけ
では未だ充分に鋳塊の表面品質程度が改善されて
いるとは言えず、また鋳塊表面層組織の改善も充
分ではない一方、鋳塊の全周にわたつた表面程度
の均一化が図り難い等の問題も内在していること
が明らかとなり、より一層の改善策が望まれたの
である。 ここにおいて、本発明者らは、かかる事情に鑑
みて鋭意検討した結果、鋳造に際して、前記溶湯
と鋳型内壁の上部との間に介在せしめられ、それ
らの直接の接触を阻止する熱断シートの下端部の
位置を、鋳型の矩形形状の各辺の中央部と端部
(コーナー部)とにおいて、鋳造条件、合金種な
どに従つて特定の範囲内において制御せしめると
共に、該矩形形状の長辺の中央部における熱断シ
ートの下端部を両端側にそれぞれ延長せしめて、
所定長さの直線状の下端部と為すことにより、前
記従来の問題がより一層効果的に解消され、鋳塊
の全周にわたつて均一に表面品質の改善された鋳
塊を安定して得ることが出来る事実を見い出し、
本発明を完成するに至つたのである。 すなわち、本発明の主要なる目的は、安定した
鋳塊品質を得ることの出来る、角形鋳塊の連続的
鋳造方法を提供することにある。 また、本発明の目的は、金属、特にアルミニウ
ム若しくはその合金の角形鋳塊を連続鋳造するに
際して、形成される鋳塊の表面品質程度を改善
し、また鋳塊表面層組織の改善を図ると共に、鋳
塊全周に亘つて均一な品質と為し得るに有効な手
法を提供することにある。 そして、これらの目的を達成するために、本発
明にあつては、矩形の直接冷却鋳型を用い、該鋳
型内に供給される溶湯を、該鋳型内部を流通しそ
の底部から放出される冷却剤により直接冷却して
凝固せしめることによつて、所定の角形鋳塊を連
続的に形成せしめるにあたり、供給される溶湯と
鋳型内壁の上部との間に熱断シートを介在せしめ
て該溶湯と該鋳型内壁との直接の接触を阻止する
と共に、該熱断シートを、下式: 0.2≦V・H1≦0.7 V+0.2/V≦H2≦4V+0.7/V L−1.2T≦L1≦L−0.6T 〔但し、V:鋳造速度(cm/秒)、 H1:矩形の各辺中央部における鋳型底部から
断熱シート下端部までの、該断熱シートに
て被覆されていない鋳型内壁面の高さ
(cm)、 H2:矩形のコーナー部における鋳型底部から
断熱シート下端部までの、該断熱シートに
て被覆されていない鋳型内壁面の高さ
(cm)、 L:矩形の長辺の長さ(cm)、 T:矩形の短辺の長さ(cm)、 L1:矩形の長辺の中央部からその両端に向つ
て前記H1の高さでそれぞれ略等距離延び
る非被覆部分の長さ(cm)。〕 を満足するように、下方に凸なる形状と為して、
該鋳型内壁からの溶湯の冷却を制御しつつ、鋳造
を行なうようにしたことにある。 かくの如き本発明によれば、所定の鋳造速度、
鋳込条件に応じて、矩形の各辺の中央部と端部
(コーナー部)における熱断シートの形状が定め
られ、それにより、本来鋳型内壁に接触する溶湯
部分に形成される薄い一次凝固殻を、矩形の各辺
における中央部とコーナー部において、同時に、
効果的に抑制せしめ、更には実質的に消失せしめ
ることが出来るのであり、加えて矩形の長辺の中
央部における熱断シートの下端部を特定長さだけ
直線形状としたことによつて、該長辺部分におけ
る一次凝固殻とその長さ方向において均一に且つ
効果的に消失せしめ得るのであり、以て鋳塊サイ
ズ、鋳造条件が異なつても、最適な鋳造作業を為
し得て、美麗で平滑な鋳肌を有する角形鋳塊が安
価に且つ安定的に得ることが出来ることとなつた
のである。 また、かかる手法に従つて得られた角形鋳塊は
その全周にわたつて表面品質が均一化されてお
り、しかもその表層部の鋳塊組織が改善されて、
微細になり、鋳塊表層に形成されるやや粗大な結
晶粒からなる好ましくない層(サブサーフエスバ
ンド;SSB)が鋳塊の極表層に移動し、これによ
つて鋳塊の加工に際しての鋳肌表面の面削量を低
減し得ることとなつたのである。 さらに、かかる本発明手法に従えば、鋳肌から
50mm程度までの表層部におけるデンドライトが微
細化される効果がある他、鋳塊の収縮率も小さく
なり、鋳塊形状が改善される効果も発揮されるの
である。 以下、図面を参照しつつ、本発明を更に詳細に
説明することとする。 先ず、第1図は、通常の直接水冷角形鋳塊を用
いたアルミニウムの連続鋳造における鋳型内凝固
殻形状を摸式的に示す、コーナー部を含む鋳型の
1/4断面斜視図である。図において、矩形の筒状
鋳型1の内部には、冷却剤としての水が流通せし
められる水室2が設けられており、そして該鋳型
1の底部側の開口部の周縁にスリツト3が設けら
れ、該スリツト3から前記水室2内の冷却水が放
出されるようになつている。一方、該鋳型1の矩
形の鋳込孔4内に連続的に供給される溶湯5は、
鋳型1の内壁からの一次冷却を受けて一次凝固殻
6を形成し、更に鋳型1底部のスリツト3から放
出される冷却水による直接冷却(二次冷却)によ
つて二次凝固殻7を形成して完全に凝固せしめら
れ、鋳型1下方に取り出されるのである。 而して、かかる角形鋳塊の形成に際して、鋳型
1の矩形のコーナー部ではスリツト3からの放出
冷却水による二次冷却が強く、それ故かかる直接
冷却による二次凝固殻7の長さがコーナー部では
長く、矩形の直線部では短くなるのであり、逆に
鋳型内壁を通じての一次冷却による一次凝固殻6
はコーナー部で短く、直線部で長くなるようにな
るのである。 本発明は、このような鋳型1の異なる場所にお
ける冷却の差異に基因する凝固殻形成の相違をな
くし、均一化すると共に、望ましくない一次凝固
殻6の形成を抑制乃至は実質的に消失せしめる一
方、鋳塊表面層組織の改善等を図るために、各種
の基礎実験や実際の鋳造結果のデータなどから、
第2図に示されるように、鋳型1内壁の上部を被
覆し、該内壁を通じての溶湯の冷却を制御する断
熱シート8の形状を特定の範囲内に維持するよう
にしたのである。 すなわち、鋳型1の矩形の長辺の長さをLcm、
短辺の長さをTcm、鋳造速度(鋳込速度)をV
cm/秒とすると、次式(),(): 0.2≦V・H1≦0.7 ……() V+0.2/V≦H2≦4V+0.7/V ……() 〔但し、H1は矩形の各辺中央部における鋳型
底部から断熱シート下端部までの、該断熱シート
にて被覆されていない鋳型内壁面の高さ(cm)で
あり、H2は矩形のコーナー部における鋳型底部
から断熱シート下端部までの、該断熱シートにて
被覆されていない鋳型内壁面の高さ(cm)であ
る〕を満足するように、下方に凸なる形状と為す
と共に、更に矩形の長辺の中央部からその両端に
向つて前記H1の高さでそれぞれ略等距離延びる
非被覆部分の長さ;L1(cm)が、次式(): L−1.2T≦L1≦L−0.6T ……() を満足するように、該矩形の長辺の特定部位の下
端部を直線形状と為す必要があることが、判明し
たのである。 そして、これによつて、鋳塊の全周にわたつて
発汗、コールドシヤツト等の現象が抑制され得て
鋳肌の均一な改善が達成され、美麗で平滑な鋳肌
を有する鋳塊が安定して得られることとなつたの
であり、また表層部の鋳塊組織の改善、デンドラ
イトセルサイズの微細化、収縮率の低減なども達
成され得たのである。 なお、かかる本発明において鋳型1内壁を被覆
して該内壁面と溶湯5との直接の接触を阻止する
断熱シート8は、通常、アルミナ繊維;グラスフ
アイバー、カーボンフアイバー、アスベスト、マ
リナイトプレートなどの無機繊維等にて構成さ
れ、0.5〜10mm程度の厚さを有するものが用いら
れることとなる。また、前式において、T,L,
Vは目的とする鋳塊の形状や鋳造条件などによつ
て適宜に決定されることとなるが、実用的には、
一般にTとしては300〜700mm、Lとしては500〜
1600mm、Vとしては30〜100mm/min程度の値が
採用されるものである。 また、本発明において、前記L1の端部からコ
ーナー部までの間の長さ;L2においては、第2
図の如く該コーナー部のH2の高さに至るまで直
線的に非被覆部分の高さが変化せしめられるよう
に、断熱シート8の下端部を傾斜部とすること
が、該断熱シート8の切断の容易性の点などから
望ましいが、湾曲した形状と為すことも可能であ
る。 さらに、前記矩形の短辺側においては、その中
央部におけるH1の高さの非被覆部分;T1は該中
央部から両端(コーナー部)に向つて略等距離延
び、且つ該短辺Tの略1/3の長さを有する(T1=
T/3)ように構成されることが望ましく、更に
また該短辺部におけるH1の端部からコーナー部
のH2の高さに至る間T2にあつても、長辺のL2部
分の構成と同様に、コーナー部のH2の高さに至
るまで直線的に断熱シート8の下端部の高さがが
変化するようにすることが望ましいのである。尤
も、このような短辺部の構成は、該短辺部の長
さ;Tが500mm程度以上の場合において特に有効
であるが、場合により、H1及びH2が前記(I)
式及び()式を満足する限りにおいて、下方に
凸の湾曲した形状も採用することが可能である。 そして、本発明にあつては、前記矩形の長辺に
おけるH1の高さの非被覆部分の端部からコーナ
ー部に至る距離;L2は、短辺の長さ;Tの略1/2
とされる(L2=T/2)ことが望ましいのであ
る。 以下にいくつかの実施例を示し、本発明を更に
具体的に明らかにするが、本発明がそれら実施例
の記載によつて何等の制約をも受けるものではな
いことは言うまもないところである。 実施例 1 短辺Tが500mm、長辺Lが1080mmの矩形の直接
水冷鋳型を用いて、純アルミニウムの角形鋳塊を
半連続鋳造法にて製造した。鋳造は、鋳型内壁を
断熱シートにて被覆しない従来法の場合と、本発
明に従う形状の断熱シートにて鋳型内壁上部を覆
つた(第2図参照)場合とに、分けて行なつた。
なお、本発明に従つて用いられた断熱シートはセ
ラミツクフアイバーからなる3mm厚のものであ
り、H1=50mm、H2=70mm、L1=580mm、L2=250
mm、T1=T2=167mmとなるように、下方に凸なる
形状にて、鋳型内壁上部を被覆せしめ、所定領域
の該内壁上部と供給される溶融アルミニウムとの
間の直接の接触を阻止した。また、鋳造速度は55
mm/分であつた。 かくして得られた従来法に従う角形鋳塊と本発
明法に従うそれとを比較観察した結果、従来法に
従う角形鋳塊にあつては鋳塊全周にわたつて発汗
並びにコールドシヤツトが発生していることが認
められ、鋳塊の表面品質が悪にものと判断され
た。一方、本発明法に従う角形鋳塊には、ホツト
トツプ法に特有な微小リツプルが認められるもの
の、その深さは3mm以内であり、また発汗、コー
ルドシヤツトも全く認められず、鋳塊全周にわた
つて均一な表面品質の、美麗で平滑な鋳肌を呈す
るものであつた。 また、かくして得られた2種の角形鋳塊につい
て、その表層部の断面顕微鏡写真を第3図及び第
4図に、また短辺方向における鋳肌から中央部ま
でのデンドライトセルサイズの変化を第5図に、
更に各鋳塊の頭部と底部について長辺方向におけ
る鋳塊厚みの収縮率変化を第6図a,bに、それ
ぞれ示した。 第3図及び第4図の顕微鏡写真から明らかなよ
うに、従来法による鋳塊の表層組織を示す第3図
には、サブサーフエスバンド(SSB)は組織が大
きく、鋳肌から8〜10mm内部に入つたところに存
在していることが示されているのに対し、本発明
に従う鋳塊の表層組織を示す第4図には、SSBは
微細な組織となつて、極表層部に移行しているこ
とが示され、それ故本発明に従う鋳塊にあつて
は、低面削量化が可能であることを明らかにして
いるのである。 また、第5図からは、本発明に従う角形鋳塊が
鋳肌から略50mmまでの表層部分において従来法に
比して著しく微細化されたデンドライトセルサイ
ズを有していることが明らかであり、更に第6図
a,bからは、本発明に従つて得られた角形鋳塊
の方が、従来法によるものよりも、鋳塊の頭部、
底部の両方において収縮率を低くすることが出
来、それ故鋳塊形状の改善を図り得ることが理解
されるのである。 一方、前記本発明に従う形状の断熱シートに代
えて、長辺部の下端形状が全体的に単に下方に凸
状に湾曲した断熱シート(但し、H1,H2は前記
条件通り)を用いて、前記鋳造操作を繰り返した
ところ、矩形の長辺部に発汗やコールドシヤツト
が少なからず発生した角形鋳塊が得られ、鋳塊全
周にわたつて鋳肌の平滑な且つ美麗なものとはな
らず、鋳塊の表面品質の充分な向上を図ることは
困難であつた。また、発汗やコールドシヤツトが
部分的に発生することにより、鋳塊の周方向に品
質は不均一となり、品質的には従来法における鋳
塊と同程度は或はそれよりもやや良い程度のもの
に過ぎないものと判断された。 実施例 2 下記第1表に示す各種形状の断熱シートにて、
短辺T:500mm、長辺L:1230mmの矩形の直接水
冷鋳型の内壁上部を被覆せしめ、半連続鋳造法に
より純アルミニウム角形鋳塊を鋳造した。鋳造速
度は、いずれの場合においても、50mm/分とし
た。 得られた各種の鋳塊の表面品質を評価し、その
結果を第1表に併せ示した。
【表】
第1表の結果より明らかなように、本発明の条
件を満足するように断熱シート形状を定めること
により、良好な鋳肌を有する、品質の優れた角形
鋳塊が得られるのである。
件を満足するように断熱シート形状を定めること
により、良好な鋳肌を有する、品質の優れた角形
鋳塊が得られるのである。
第1図は矩形の直接水冷鋳型を用いた連続鋳造
における鋳型内凝固殻形成状態を摸式的に示す、
コーナー部を含む1/4断面斜視図、第2図は本発
明における断熱シートによる鋳型内壁被覆状態を
説明するための断面斜視図であり、第3図及び第
4図はそれぞれ実施例1における従来法及び本発
明法に従つて得られた角形鋳塊の表層部の断面顕
微鏡写真、第5図は実施例1における従来法及び
本発明法に従つて得られた角形鋳塊のデンドライ
トセルサイズの分布を示すグラフ、第6図a,b
はそれぞれ実施例1における従来法及び本発明法
に従つて得られた角形鋳塊の頭部及び底部におけ
る矩形の長辺方向の収縮率変化を示すグラフであ
る。 1:鋳型、2:水室、3:スリツト、4:鋳込
孔、5:溶湯、6:一次凝固殻、7:二次凝固
殻、8:断熱シート。
における鋳型内凝固殻形成状態を摸式的に示す、
コーナー部を含む1/4断面斜視図、第2図は本発
明における断熱シートによる鋳型内壁被覆状態を
説明するための断面斜視図であり、第3図及び第
4図はそれぞれ実施例1における従来法及び本発
明法に従つて得られた角形鋳塊の表層部の断面顕
微鏡写真、第5図は実施例1における従来法及び
本発明法に従つて得られた角形鋳塊のデンドライ
トセルサイズの分布を示すグラフ、第6図a,b
はそれぞれ実施例1における従来法及び本発明法
に従つて得られた角形鋳塊の頭部及び底部におけ
る矩形の長辺方向の収縮率変化を示すグラフであ
る。 1:鋳型、2:水室、3:スリツト、4:鋳込
孔、5:溶湯、6:一次凝固殻、7:二次凝固
殻、8:断熱シート。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 矩形の直接冷却鋳型を用い、該鋳型内に供給
される溶湯を、該鋳型内部を流通しその底部から
放出される冷却剤により直接冷却して凝固せしめ
ることによつて、所定の角形鋳塊を連続的に形成
せしめるにあたり、 供給される溶湯と鋳型内壁の上部との間に断熱
シートを介在せしめて該溶湯と該鋳型内壁との直
接の接触を阻止すると共に、該断熱シートを、下
式: 0.2≦V・H1≦0.7 V+0.2/V≦H2≦4V+0.7/V L−1.2T≦L1≦L−0.6T 〔但し、V:鋳造速度(cm/秒)、 H1:矩形の各辺中央部における鋳型底部から
断熱シート下端部までの、該断熱シートに
て被覆されていない鋳型内壁面の高さ
(cm)、 H2:矩形のコーナー部における鋳型底部から
断熱シート下端部までの、該断熱シートに
て被覆されていない鋳型内壁面の高さ
(cm)、 L:矩形の長辺の長さ(cm)、 T:矩形の短辺の長さ(cm)、 L1:矩形の長辺の中央部からその両端に向つ
て前記H1の高さでそれぞれ略等距離延び
る非被覆部分の長さ(cm)。〕 を満足するように、下方に凸なる形状と為して、
該鋳型内壁からの溶湯の冷却を制御しつつ、鋳造
を行なうようにしたことを特徴とする角形鋳塊の
連続的鋳造方法。 2 前記矩形の長辺におけるH1の高さの非被覆
部分の両端部から、それぞれ、コーナー部のH2
の高さに至るまで、直接的に非被覆部分の高まが
変化せしめられている特許請求の範囲第1項記載
の鋳造方法。 3 前記矩形の短辺の中央部におけるH1の高さ
の非被覆部分が、該短辺の中央部から両端に向つ
て略等距離延び、且つ該短辺の略1/3の長さを有
する特許請求の範囲第1項記載の鋳造方法。 4 前記矩形弐短辺におけるH1の高さの非被覆
部分の両端部から、それぞれコーナー部のH2の
高さに至るまで、直線的に非被覆部分の高さが変
化せしめられている特許請求の範囲第3項記載の
鋳造方法。 5 前記矩形の長辺におけるH1の高さの非被覆
部分の端部からコーナー部に至る距離が、短辺の
長さ;Tの略1/2である特許請求の範囲第1項乃
至第4項のいずれかに記載の鋳造方法。
Priority Applications (5)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP57080596A JPS58196146A (ja) | 1982-05-13 | 1982-05-13 | 角形鋳塊の連続的鋳造方法 |
US06/426,137 US4558730A (en) | 1982-05-13 | 1982-09-28 | Method of and apparatus for continuously or semi-continuously casting metal ingots |
GB08300560A GB2122522B (en) | 1982-05-13 | 1983-01-10 | Continuously or semi-continuously casting aluminium |
DE3303484A DE3303484C2 (de) | 1982-05-13 | 1983-02-02 | Vertikal-Stranggießkokille |
FR8307974A FR2526689B1 (fr) | 1982-05-13 | 1983-05-13 | Procede et appareil pour la coulee continue ou semi-continue de lingots de metal |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP57080596A JPS58196146A (ja) | 1982-05-13 | 1982-05-13 | 角形鋳塊の連続的鋳造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS58196146A JPS58196146A (ja) | 1983-11-15 |
JPS6146231B2 true JPS6146231B2 (ja) | 1986-10-13 |
Family
ID=13722706
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP57080596A Granted JPS58196146A (ja) | 1982-05-13 | 1982-05-13 | 角形鋳塊の連続的鋳造方法 |
Country Status (5)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US4558730A (ja) |
JP (1) | JPS58196146A (ja) |
DE (1) | DE3303484C2 (ja) |
FR (1) | FR2526689B1 (ja) |
GB (1) | GB2122522B (ja) |
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- 1982-05-13 JP JP57080596A patent/JPS58196146A/ja active Granted
- 1982-09-28 US US06/426,137 patent/US4558730A/en not_active Expired - Fee Related
-
1983
- 1983-01-10 GB GB08300560A patent/GB2122522B/en not_active Expired
- 1983-02-02 DE DE3303484A patent/DE3303484C2/de not_active Expired
- 1983-05-13 FR FR8307974A patent/FR2526689B1/fr not_active Expired
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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FR2526689A1 (fr) | 1983-11-18 |
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