JPS6146113B2 - - Google Patents

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JPS6146113B2
JPS6146113B2 JP60034259A JP3425985A JPS6146113B2 JP S6146113 B2 JPS6146113 B2 JP S6146113B2 JP 60034259 A JP60034259 A JP 60034259A JP 3425985 A JP3425985 A JP 3425985A JP S6146113 B2 JPS6146113 B2 JP S6146113B2
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JP
Japan
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medium
production
creatinine
enzyme
microorganisms
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JP60034259A
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JPS60214881A (ja
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Sharatochandora Mashurekaru Purakashu
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Eastman Kodak Co
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Eastman Kodak Co
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Publication date
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Application filed by Eastman Kodak Co filed Critical Eastman Kodak Co
Publication of JPS60214881A publication Critical patent/JPS60214881A/ja
Publication of JPS6146113B2 publication Critical patent/JPS6146113B2/ja
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N9/00Enzymes; Proenzymes; Compositions thereof; Processes for preparing, activating, inhibiting, separating or purifying enzymes
    • C12N9/14Hydrolases (3)
    • C12N9/78Hydrolases (3) acting on carbon to nitrogen bonds other than peptide bonds (3.5)
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC
    • Y10STECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y10S435/00Chemistry: molecular biology and microbiology
    • Y10S435/8215Microorganisms
    • Y10S435/822Microorganisms using bacteria or actinomycetales
    • Y10S435/85Flavobacterium

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  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
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  • Organic Chemistry (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
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  • Wood Science & Technology (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Microbiology (AREA)
  • Biotechnology (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Enzymes And Modification Thereof (AREA)
  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
本発明は、クレアチニンイミノヒドロラーゼを
生産する好気性土壌微生物の増殖のための改善さ
れた水性栄養培地に関する。 クレアチニンイミノヒドロラーゼはクレアチニ
ンをアンモニアに加水分解する酵素である。従つ
て、クレアチニン含有水性液を本酵素と接触させ
てアンモニアを発生させ、発生アンモニアの水準
を検出することにより液中のクレアチニンの存在
及び/又は濃度は測定することができる。従つて
本酵素は臨床研究室に於て重要な役割を果すもの
であり、生物学的液体中のクレアチニン定量用診
断試薬として使用される。 クレアチニンイミノヒドロラーゼ、或いはクレ
アチニンデシダーゼ(desimidase)と称される
ものは各種微生物から得られている。例えばJ.
Szulmajster,J.Bacteriolol,75:633(1958)及
びBiochim Biophys Acta,30:154(1958)に
は、嫌気性グラム陽性微生物クロストリジウムパ
ラプトリフイカム(Clostridium
Paraputrificum)から得たクレアチニンイミノヒ
ドロラーゼの調製について記載されている。クロ
ストリジウムパラプトリフイカム微生物の増殖方
法も記載されている。しかしながら、これらの文
献は嫌気性グラム陽性微生物に限定されており、
開示されている微生物増殖用の醗酵法は長時間を
要するものである。更に増殖した微生物細胞の量
及びそれから抽出される酵素収量は比較的少量で
ある。 米国特許第4087329号及び第4134793号には、ブ
レビバクテリウム(Brevibacterium)、コリネバ
クテリウム(Coryhebacterium)、シユードモナ
ス(Pseudomonas)及びアルスロバーター
(Arthrobacter)属の微生物を含む数種の好気性
微生物源の一種からのクレアチニンデシミダーゼ
の生産について記載されている。これらの特許に
は前記諸属微生物の培地に使用可能な栄養培地の
記載があり、この栄養培地の配合を広範に変え得
ること及び多数の特記された炭素及び窒素源のい
くつか、並びに無機成分及びクレアチニンインデ
ユーサーを含む他の任意の栄養を含むことが可能
であることが述べられている。 クレアチニンイミノヒドロラーゼを生産する好
気性土壌微生物の増殖及び該微生物からのクレア
チニンイミノヒドロラーゼ収量増加のための改善
方法及び水性栄養培地は、明らかに利点を付加す
るものである。 本発明は、好気条件下で好気性土壌微生物を成
育し、それからクレアチニンイミノヒドロラーゼ
酵素組成を得るための水性栄養培地に関するもの
である。 本発明は、一実施態様として、PH5.0乃至10.0
の好気条件下でクレアチニン含有水性保存培地に
保存された好気性土壌微生物からクレアチニンイ
ミノヒドロラーゼを生産するための醗酵方法に関
する。本醗酵方法は下記工程からなる。 a 微生物の新鮮な試料を保存培地からPH5.0乃
至10.0の微生物増殖培地に移して微生物を増殖
させ、微生物増殖培地が、実質的にクレアチニ
ンを含まず、植物蛋白加水分解物又は非ペプシ
ン性の乳蛋白加水分解物を含む栄養を含有し、
好気条件下で微生物増殖に有効な水性栄養培地
からなること、 b 工程(a)で得られた増殖微生物を含有する物増
殖培地を、PH5.0乃至10.0の範囲の生産培地に
移して好気条件下で微生物を発生させ、その微
生物中でクレアチニンイミノヒドロラーゼ生産
を誘導すること、 c 工程(b)で生産された微生物からクレアチニン
イミノヒドロラーゼを抽出すること、 工程(b)記載の生産培地は、下記のものを含有す
る水性栄養培地からなる。 グルコース、又はアミノ基非含有の有機酸で
あるアミノ酸前駆物質、又はグルコースとアミ
ノ酸前駆物質の混合物を含有する炭素源、 クレアチニン及び好ましくは植物蛋白加水分
解物、又は非ペプチン性乳蛋白加水分解物、又
は植物蛋白加水分解物と非ペプシン性乳蛋白加
水分解物の混合物も含有する窒素源、 微量栄養分及び 緩衝剤。 好適実施態様として、ATCC31546等の好気性
土壌微生物からウレアーゼ(Urease)を含まぬ
クレアチニンイミノヒドロラーゼを生産するのに
有用な、本発明の改善された水性栄養培地が知見
されたのである。“ウレアーゼを含まぬ”なる用
語は、酵素が生産される微生物細胞から抽出及び
分離されたままの粗な未精製形態でウレアーゼ作
用を実質的に示さぬことである。ウレアーゼ作用
測定の代表的検定は、後述工程5の“GDH”検
定法を用いて行うことが可能であり、該法にて尿
素をクレアチニンに置き換えるのである。 ATCC31546にて同定する微生物は、この命名
をthe American Type Culture Collection(米
国20852、メリーランド州ロツクビル)への寄託
に基き受けたものである。本微生物は仮にフラブ
バクテリウム(Flavobacterium)属に帰属され
ており、種名フイラメントサム
(filomentosum)が与えられている。本発明は
ATCC31546以外のクレアチニンイミノヒドラー
ゼ生産性好気性土壌微生物にも使用可能である。
例えば本発明は、米国特許第4087329号及び第
4134793号に記載の属の好気性土壌微生物からク
レアチニンイミノヒドロラーゼを生産することに
も好都合に使用できる。 前記醗酵方法は微生物の良好な増殖を促進する
ものであり、酵素の収量を顕著に改善するもので
ある。これらの非常に有利な諸結果は、本方法に
於て、実質的にクレアチニンを含まず、植物蛋白
加水分解物又は非ペプシン性乳蛋白加水分解物か
らなる栄養を特徴とする非特定の微生物増殖培地
中にて微生物を増殖し、次にクレアチニンを含む
明確に定義された炭素源及び窒素源を特徴とする
生産培地にて酵素形成を誘導することにより、期
せずして達成されたものである。 一好適実施態様として、少くとも1種の“直
接”アミノ酸前駆物質(以下にて定義)を含有す
る改善された水性栄養培地は本発明の生産培地と
して使用可能であり、培地リツトル当り500単位
以上のクレアチニンイミノヒドロラーゼと云う高
収量を与える。改善された水性栄養物がグルコー
スと直接アミノ酸前駆物質の少くとも1種を含有
する特に好適な実施態様に於ては、本発明はリツ
トル当り650単位以上の高生産収量のクレアチニ
ンイミノヒドロラーゼをもたらすものである。 生産培地 前記()〜()の成分を有する水性栄養培
地からなる生産培地の配合に関し、従来の微生物
用各種炭素源を検討した。米国特許第4087329号
及び同第4134793号にて確認された従来炭素源の
大多数のものは、ATCC31546等好気性微生物か
らのクレアチニンイミノヒドロラーゼの生産にほ
とんど無効であつた。例えばグリセリン、スクロ
ース、酢酸、アスパラギン酸、グルタミン酸及び
クリシン等の炭素源は、少量のクレアチニンイミ
ノヒドロラーゼしか産出しない微生物細胞を生産
する。本発明の方法にほとんど価値がないとした
前記炭素源のあるものは、微生物細胞の成育には
良好であるが、生成微生物は所望のクレアチニン
イミノヒドロラーゼ酵素をほとんど産出しないの
である。 有用であると知見された炭素源には、グルコー
ス及びアミノ基非含有有機酸であるアミノ酸前駆
物質が含まれる。“アミノ酸前駆物質”は、本明
細書では、アミノ酸の“直接”前駆物質及び“間
接”前駆物質の双方を示す。直接前駆物質とはア
ミノ酸から一段階の代謝反応を省略した物質であ
り、間接前駆物質はアミノ酸の形成に二代謝反応
段階を必要とする。例えばフマル酸は単一反応段
階にて代謝的にアスパラギン酸に転化し得る故
“直接”アミノ酸前駆物質であり、一方乳酸は先
ず代謝的にピルビン酸(直接アミノ酸前駆物質)
に転化せねばならず、次にそれがアラニンに代謝
転化され得る故“間接”アミノ酸前駆物質であ
る。本発明に於ては、間接アミノ酸前駆物質より
も直接アミノ酸前駆物質が好適である。 生産培地の水性栄養培地に使用するアミノ酸前
駆物質は、アミノ基非含有有機酸として更に特徴
づけられる。直接アミノ酸前駆物質として好適な
有機酸の一部を例示すれば、フマル酸、α−ケト
グルタル酸及びピルビン酸が含まれる。間接アミ
ノ酸前駆物質として有用な有機酸の一部の例示と
しては、リンゴ酸、乳酸、クエン酸及びコハク酸
が含まれる。 炭素源として用いるグルコース又は前記アミノ
酸前駆物質の量は種々変え得るものである。有用
の量は、水性栄養培地1リツトル当り1.0乃至
20.0グラムの範囲、好ましくは5.0乃至10.0グラ
ム/リツトルであることが知見されている。 特に好適な本発明の実施態様に於ては、生産培
地はグルコース及び/以上のアミノ酸前駆物質を
有する炭素源を含有する。本実施態様は微生物か
らのクレアチニンイミノヒドロラーゼ酵素の収量
を実質的に増加させ得るものである。本実施態様
に於て、グルコース及び前記アミノ酸前駆物質の
全量を前記の5.0乃至10.0g/の範囲内にし、
グルコース対アミノ酸前駆物質の重量比を1:10
乃至1:1の範囲にすることができる。 生産培地の水性栄養培地に用いる窒素源として
は、クレアチニンだけでよい。しかしながら、生
産培地として使用可能な好適栄養培地は、クレア
チニンと植物蛋白加水分解物又は非ペプシン性乳
蛋白加水分解物の双方を含有する。本好適実施態
様に使用可能な植物蛋白加水分解物及び非ペプシ
ン性乳蛋白加水分解物には、トリプトン
(tryptone:米国ニユージヤージー州ユニオンの
Kraftco Corporation社Scheffield Chemical
Divislonの商品名Hy−Soy等の大豆蛋白加水分解
物)、トリプトンカゼイン加水分解物(米国メリ
ーランド州コツチイスビルのBioquest(BBL)社
製もTrypticase Peptone等)及びプロテアー
ゼカゼイン加水分解物がある。ペプシン性乳蛋白
加水分解物、即ちペプシンにより加水分解された
乳蛋白は、一般に微生物細胞の成長の速度が遅
く、且つ微生物酵素の生産速度が遅い。 クレアチニン量は、生産培地として用いた水性
栄養培地のリツトル当り、0.5乃至20.0グラムの
範囲であり、4.0乃至12.0グラム/リツトル当
り、0.5乃至20.0グラムの範囲であり4.0乃至12.0
グラム/リツトルが好適である。植物蛋白加水分
解物及び/又は非ペプシン性乳蛋白加水分解物は
1.0乃至10.0グラム/リツトルの範囲であり、1.0
乃至5.0グラム/リツトルが好ましい。 生産培地である水性培地に含有される微量栄養
分には水溶性無機塩が含まれる。酵母抽出物が存
在してもよい。これら微量栄養分は、微生物の細
胞を促進し微生物の酵素産出の増加を促進するの
に有効な量が少量添加される。酵母抽出物の有用
量は培地1リツトル当り0.1グラム乃至2グラム
の範囲であり、0.5乃至1.5グラム/リツトルが好
適である。ビタミン類も任意微量栄養分として存
在させてもよい。 微量栄養分として存在し得る水溶性無機塩に
は、リン、マグネシウム、カルシウム、鉄、亜
鉛、ナトリウムの水溶性塩及び他の水溶性塩が含
まれ、それらの陽イオン成分は元素の周期律表の
第3及び第4周期から選択されることが好まし
い。微量栄養分として数種の無機塩の混合物が存
在することも好ましい。特に有用であると判明し
た無機塩混合物の一つは、下記組成の0.1N HCl
水溶液であり、各表記成分の濃度は水溶液1リツ
トル中に存在する量である。 MgSO・7H2O 12.2g CaCl2・2H2O 0.076g FeSO・7H2O 2.8g MnSO4・H2O 1.7g ZnSO4・7H2O 0.06g NaCl 0.6g NaM0O4・2H2O 0.1g 生産培地である水性栄養培地は緩衝剤も含有す
る。緩衝剤はリン酸塩緩衝剤のごとくリン含有緩
衝剤であることが好ましい。もつとも他の緩衝剤
も使用可能である。本好適ケースの場合、緩衝剤
は緩衝剤としての作用の他に、微生物の微量リン
源としての働きもする。好適リン酸塩緩衝剤はリ
ン酸水素二カリウム、K2HPO4であり、存在量は
3.0乃至10.0グラム/リツトルの範囲、好ましく
は3,0乃至6.0グラム/リツトルである。 生産培地である水性栄養培地のPHは5.0乃至
10.0の範囲をとることができ、6.0乃至7.5が好ま
しい。培養液のPHは、KOH又はNaOH、好まし
くはNaOH等の塩基を添加することにより、容易
に前記範囲内の調節を行うことができる。続いて
前記緩衝剤を存在させることにより、PHをこの範
囲に維持するのである。 生産培地に、当業者には周知の他の任意成分を
含有させることもできる。大規模醗酵器にて微生
物を成育する場合しばしば発泡が生ずるので、発
泡調節剤を培地中に含有させてもよい。斯る発泡
調節剤の一つは、Polyqlycolp−2000(米国ミシ
ガン州ミドランドのDow Chemical社の商品名)
のようなポリグリコールである。この発泡調節剤
は一般に0.5グラム/リツトルまでの量で使用さ
れるが、更に少い量例えば0.1グラム/リツトル
でも一般に発泡調節を行うのに十分なことが判明
している。他の発泡調節剤も使用可能であり、主
な選択基準は、発泡調節の濃度水準で微生物増増
殖及び酵素合成を阻害しない或いは最小の影響し
か与えないことである。 酵素生産のための醗酵方法 前記生産培地は、ATCC31546のような好気性
土壌微生物からクレアチニンイミノヒドロラーゼ
を大規模生産するのに好適な醗酵方法の最終工程
に使用すると有利である。 本醗酵方法は、前記生産培地の場合と類似のPH
条件及び好気条件下に保存培地にて増殖せしめた
微生物試料を用いるものである。従つて塩基好ま
しくはNaOH又はKOH(もつとも他の塩基も使
用可能である)を添加することにより、PHを5.0
−10.0、好ましくは6.0−7.5に調節する。保存培
地の温度は15乃至42℃の範囲、好ましくは25乃至
30℃である。 保存培地は、クレアチニンからなる窒素源、好
ましくはアミノ基非含有有機酸である前記アミノ
酸前駆物質の1種以上を含む炭素源、1種以上の
水溶性無機塩及び任意成分として酵母抽出物のよ
うな微量栄養分、及び緩衝剤を含有する水性培地
である。所望ならば他の通常の培養物質、例えば
寒天等を存在させてもよい。 特に有用であると判明した保存培地は下記製成
のものである。 寒天 20.0g フマル酸(炭素源) 10.0g クレアチニン(窒素源) 5.0g 緩衝剤K2HPO4(無水物) 5.0g 酵母抽出物 1.0g 塩溶液 10.0ml 蒸留水 800.0ml NaOHでPHを6.7に調節し、蒸留水で容量を1
リツトルにする。 塩溶液は0.1NHCl水溶液で下記組成を有し、各
表記成分の濃度は塩溶液1リツトル中に存在する
量である。 MgSO4・7H2O 12.2g CaCl2.2H2O 0.076g FeSO4・7H2O 2.8g MnSO4・H2O 1.7g ZnSO4・7H2O 0.06g NaCl 0.6g NaMoO4・2H2O 0.1g 醗酵方法は、微生物の新鮮な試料を保存培地か
ら微生物増殖培地に移して微生物を成育する工程
(a)で始まる。微生物の“新鮮な試料”なる用語
は、保存培地に25℃にて比較的短期間の24乃至72
時間、好ましくは約48時間培養−保存したものを
意味する。それより長時間保存・培養した微生物
試料は、新鮮な微生物試料よりも有用性に於て劣
ることが判明している。 微生物の新鮮な試料を必要時に即時供給するた
め、微生物を凍結乾燥粉末として4乃至25℃の範
囲の温度にて貯蔵し、細胞増殖過程を中断させる
ことも可能である。前記保存培地の塔結乾燥粉末
から、必要時に時を隔てて新しい培養を開始する
ことができる。このようにして醗酵(a)工程の微生
物増殖培地に移すための新鮮な微生物試料を絶え
間なく供給することが可能である。 別法として、液体窒素中にて凍結貯蔵すること
により新鮮な微生物試料を供給することも可能で
ある。 醗酵過程の(a)工程中の微生物増殖培地の組成
は、重要なものではあるが、広範に変えることが
可能である。一般に微生物増殖培地は、微生物の
細胞増殖が最大且つ(b)及び(c)工程の酵素生産が良
好な収量となるよう選択される。このことは、あ
る種の通常の非特定栄養培地を工程(a)の微生物増
殖培地として、使用することにより達成される。
(もつとも(b)工程の生産培地には、明確に定義さ
れた炭素源と特定の窒素源が使用される。)工程
(a)並びに工程(b)の使用によりもたらされた有益な
結果は予期されたものでなく、ましてや予見でき
るものではなかつた。即ち当業者と云えども、非
構成的に酵素を生産する微生物(即ち所望酵素の
基質又は基質同族体を含有する培養液中での成長
により、その内部で所望酵素の生産をする微生
物)が、醗酵過程を通じて、特定配合の明確に定
義された栄養培地を使用することなく、酵素を最
適収量にて生産するであろうと予見することは不
可能だつたであろう。従つて、ATCC31546等の
好気性土壌微生物に関する本醗酵方法が、保存培
地と生産培地の双方に於ける栄養としてクレアチ
ニンを使用し、工程(a)の微生物成育培養液にクレ
アチニンを使用せずして改善された結果をもたら
すことは予期せず知見されたことである。 前記の特性は有利なことである。これは、通常
“複合”培地と称されるある種の必特定の商業的
に入手可能な予備・配合栄養培地から微生物増殖
培地を配合することを可能とする。この“複合”
培地は、通常、植物、牛乳、肉又は魚の栄養源か
ら得られる微生物栄養の複合混合物を含むため、
そのように命名されたものである。従つてこの培
地は典型的には窒素源として植物、牛乳、魚又は
肉の蛋白質を含有し、且つ、各種の他の無機塩及
び栄養源から抽出されたビタミン栄養を含有す
る。この複合培養液には、糖質等の捕足的炭素源
並びに他の補足的ビタミン及び鉱物栄養が存在し
てもよい。本発明の微生物増殖培地として良好な
結果をもたらすこの複合培地は、植物又は牛乳の
栄養源からもたらされたものであり、植物蛋白加
水分解物又は非ペプシン性乳蛋白加水分解物を含
有している。 従つて、この微生物増殖培地の主要な特性は、
実質的にクレアチニンを含有せず、植物蛋白加水
分解物及び/又は非ペプシン性乳蛋白加水分解物
を含む栄養を含有することである。 微生物増殖培地のPH条件は保存培地のそれと同
様である。別の緩衝剤又は別の塩基を使用するこ
となく、非特定栄養培地を使用することにより、
所望のPH範囲を得ることができる。例えば前記の
複合培地の場合、該複合培地の製造時にしばしば
緩衝剤を培地中に添加して好適PH範囲の6.0乃至
7.0に維持しているのである。 増殖培地中での微生物の温度条件は変化させ得
るものである。一般に工程(a)に於ける増殖培地で
の細胞増殖には20゜乃至37℃の範囲の温度が良好
であり、25゜乃至30℃が好適である。 醗酵過程の(a)工程にて微生物増殖培地に移され
る微生物試料は、この増殖培地内に於て、微生物
細胞が溶菌(lysis即ち破裂)することとなく細
胞増殖が最大となるのに有効な期間培養される。
この時間は培地の組成並びに増殖培地に移された
細胞数により変り得るものである。トリプ−ソイ
ブロス(Tryp‐Soy Broth:米国ロードアイ
ランド州フイススケビルのScott Laboratories
製)等の植物蛋白加水分解物から構成される好適
微生物増殖培養物の場合、25mlの微生物増殖培地
を含有するフラスコに微生物試料を接種したとき
の期間は約5乃至11時間であり、7−9時間が好
適である。 工程(a)では、微生物の細胞増殖を最大にするの
に十分な酸素を供給する必要がある。最適酸素量
の決定は、ある所与容量の微生物増殖培地に関
し、数点の空気酸素流量と(培地の)撹拌速度に
て細胞増殖を監視し、細胞増殖が最大となる点以
上の空気流速と撹拌速度を選択することにより、
容易に可能である。 工程(a)で微生物が成長を終えた後、増殖細胞を
含む微生物増殖培地を工程(b)にて生産培地に移
す。工程(b)に於て、増殖細胞を含む全微生物増殖
培地を生産培地に移すことができる。この微生物
増殖培地(即ち微生物増殖培地及びその中に含有
される増殖細胞)は生産培地への接種物となる。 生産培地を醗酵器に収納する。斯る醗酵器の容
量は少くとも25リツトルであり、代表的には150
リツトル乃至200000リツトルである。最終生産醗
酵器の大きさに応じて工程(a)で発生した増殖細胞
を含有する微生物増殖培地の調製を数段階で行
い、最終生産醗酵器用接種物として役立つ十分量
の微生物増殖培地を得ることができる。 例えば最終生産醗酵器の容量が約150リツトル
のとき、工程(a)を二段階行うのが有利である。各
段階で微生物増殖培地中の微生物細胞増殖を最大
にし、生産培養物(培地と増殖細胞の双方を含
有)を工程(a)の次の段階の接種物として新たな、
一般により大なる微生物増殖培地バツチに導入使
用するのである。 最終生産規模醗酵器が150リツトルより大なる
場合、工程(a)を二段階以上にて行い工程(b)の最終
生産規模醗酵器への導入に十分量の微生物増殖培
養物を得ることができる。代表的には、工程(a)の
最終段階で生産した微生物増殖培養物の容量と工
程(b)で用いる生産培地の容量の比は、1:50乃至
1:5の範囲内である。 本発明の醗酵過程で用いる生産培地の組成は、
本明細書の“生産培地”の節で記載した通りであ
る。同様に生産培地の微生物の培養物に維持され
るPH条件も“生産培地”の節にて記載したものと
同一である。微生物による酵素生産を最大に維持
するための十分な酸素も重要である。これは、所
与容量の生産培地に関して、酸素又は空気流量並
びに培地の撹拌速度が工程(b)の範囲で変化すると
き、工程(c)にて抽出される酵素の量がどう変化す
るかを監視することにより容易に決定できる。次
に、生産される酵素量が最大になる点以上の酸素
又は空気速度及び撹拌速度を選択するのである。
工程(b)の微生物培養時間は、生産培地の特定組
成、酸素輪送速度、温度その他の条件に応じて変
化する。150リツトル生産規模醗酵器の場合の代
表的培養時間は、10乃至14時間の範囲内である。
前記のごとく抗発泡剤を生産培地に添加すること
は可能であり、あるいはそれらを多段醗酵過程の
比較的早い段階で微生物増殖培地に添加すること
もできる。 本発明醗酵方法の生産培地中で成育させた
ATCC31546等好気性土壌微生物を一般に妥当な
温度範囲にて成育し、クレアチニンイミノヒドロ
ラーゼ酵素を良好な収量にて生産することが可能
である。20゜乃至37℃の範囲の温度にて良好な結
果を得ることができる。25゜乃至30℃の温度だと
最良の結果が達成された。 工程(b)の完了に引続き、所望のウレアーゼ非含
有クレアチニンイミノヒドロラーゼ酵素を微生物
細胞から抽出する。これは、細胞を音波、粉砕等
で砕く従来法により行うことができ、所望酵素を
培地から、有機溶剤による分別沈澱その他の酵素
分離常法及び精製技術により分離するのである。 以下の実施例制限的なものでなく、本発明を更
に説明するためのものである。実施例では以下の
物質または材料を用いた。 物質: 1 微生物−好気性土壌微生物ATCC31546 2 培地No.1 寒天 20.0g/ フマル酸(炭素源) 10.0g/ クレアチニン(窒素源) 5.0g/ K2HPO4(無水物) 5.0g/ 酵母抽出物 1.0g/ 変性塩溶液C 10.0ml 蒸留水 800.0ml KOHでPHを6.7に調節し、蒸留水で本培地を1
リツトルにした。 変性塩溶液Cの組成 MgSO4・7H2O 12.2g/ CcCl2・2H2O 0.076g/ FeSO4・7H2O 2.8g/ MnSO4・H2O 1.7g/ ZnSO4・7H2O 0.06g/ MaCl 0.6g/ NaMoO4・2H2O 0.1g/ 0.1NHClで1リツトルにした。 3 培地No.2 寒天を加えなかつた以外は培地No.1と同一組
成。 4 培地No.3 リツトル当りポリグリコール0.1g(米国ミ
シガン州ミドランドのDow Chemical社製品
Poly qlycal P−2000)を加えた以外は培地No.
2と同一組成。 5 培地No.4−培養物純度試験用培地 グルコース 10.0g/ 酵母抽出物 10.0g/ リン酸カリウム(二塩基性) 1.0g/ 塩溶液A−1 2.0ml/ 塩溶液A−2 2.0ml/ 寒天 20.0g/ PHを7.0に調節し、蒸留水で1リツトルにし
た。 塩溶液A−1: MgSO・7H2 100.0g/ FeSO・7H2O 10.0g/ MnSO4・H2O 1.0g/ NaMoO4・2H2O 0.5g/ 0.1N HClで1リツトルにした。 塩溶液A−2: CaCl2 10.0g/ 蒸留水 1.0にする。 6 薬品:酵母はデイフコ ラボラトリーズ社
(Difco Laboratories米国ミシガン州デトロイ
ト)の製品;寒天はメドツクス ケミカル社
(Medox Chemicalカナダ国オンタリオ州オツ
タワ)製;L−グルタミンデヒドロゲナーゼ、
トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン緩衝
剤(tris)N,N−ビス(2−ヒドロキシエチ
ル)グリシン(bicine)卵白リゾチーム、ニコ
チナミドアデニンジヌクレオチドリン酸塩の環
元形(NADPH)、リボヌクレアーゼ及び牛の
すい臓からのデオキシリボヌクレアーゼはシグ
マケミカルズ社(Siqma Chemicals米国味ズ
ーリ州セントルイス)製。イーストマンオーガ
ニツクケミカルズ社(Eastman Organic
Chemicals米国ニユーヨーク州ロチエスター)
は有機化学薬品の供給元であり、他の薬品はす
べての分析級の市販品であつた。 本例に於ては以下の操作を用いた。 操 作 1 培養地の維持・保存 微生物ATCC31546培養物をトリプーツイブ
ロス中で30℃10時間増殖させて保存した。次に
細胞を無菌状態で分離し、無菌の10%グリセリ
ン水溶液中にアレン(Allen)の塩溶液
(Allen,M.B.,Archive of Mikrobiology,第
32巻第270−277頁(1959年)で再懸濁した。
0.5−2.0mlの少量の本培養地を無菌のガラスア
ンプルに加え、密封後液体窒素中に貯蔵した。
微生物試料が要るときはアンプル中の培養物を
解かして内容物を無菌状態でトリプーソイブロ
スに移し、30℃で10時間成育させた。本培養物
をレループ一杯、無菌状態で培地No.1の斜面に
移し30℃で培養した。 2 小規模酵素生産 手順1に前記のように培養物を培地No.1斜面
上で2日間成育させ新新鮮試料を得た。この斜
面から培養地をループ一杯、本発明にて使用す
る型の微生物増殖培地25ml(250mlのエルレン
マイヤーフラスコに収容)に接種した。使用し
た微生物増殖培地はトリプーソイブロスからな
るものであつた。培養物をエルレンマイヤーフ
ラスコに接種後、該フラスコを200rpm、30℃
にて8時間振とうすると細胞は良好に増殖し微
生物細胞の崩壊は起らなかつた。その後フラス
コ内容物試料の培養物純度を顕微鏡で検査し、
次に冷凍遠心分離器にて15000×gで無菌的に
遠心分離して細胞とトリプーソイ ブロスを分
離した。トリプーソイ ブロスを含む上澄液を
捨て、沈澱微生物細胞を含む固体物質を遠心分
離前に存在した量の無菌蒸留水中に再懸濁させ
た。次にこの懸濁物2mlを、生産培養液25ml含
有の250mlエルレンマイヤーフラスコの接種物
として使用し、微生物による酵素生産を促進し
た。この生産培養物の特定組成は下記諸例に記
載のように変化させた。しかし各ケース共、微
生物を2mlの接種物としていつたもそれぞれの
生産培地含有フラスコに移したあとは、みな30
℃、200rpmで10時間フラスコを振とうした。
そのあと培養物試料を取り出して稀釈し、乾燥
細胞の重量を測定した。更に、該培養物の一部
分2.5mlを冷凍遠心分離にて15000×gで遠心分
離して細胞と生産培地を分離した。生産培地を
含む上澄液は廃棄した。沈澱細胞を下記操作4
のごとく粉砕して下記操作5記載のごとく酵素
活性を検定した。 3 大規模酵素生産 方法2と同一の工程を経たあと、
ATCC31546培養物を培地No.1斜面にて2日間
増殖した新鮮試料を微生物増殖培地25ml(250
mlエルレンマイヤーフラスコ中に収容)に移し
た。微生物増殖培地は操作2記載のものと同一
であつた。微生物増殖培地中での接種物増殖の
第一段階は、該フラスコを200rpm、25℃にて
12時間振とうすることにより行つた。そのあと
フラスコ内容物試料の培養物純度を顕微鏡で検
査した。次に微生物増殖培地での接種物増殖の
第二段階に於て、第一段階培養物を含む2固の
250mlエルレンマイヤーフラスコの内容物を無
菌状態で14リツトルの醗酵器に移した。該醗酵
器は操作2記載の組成及び0.01重量%のポリグ
リコールP−2000を有する無菌の微生物増殖培
地10リツトルを含有したものである。接種物成
育の第二段階に於て、14リツトル醗酵器を、温
度25℃に維持しながら1300rpmで12時間撹拌し
た。この間醗酵器に5.5リツトル/分の空気流
を通して適当な酸素供給を継続した。こうして
150リツトル醗酵器用の接種物として十分量の
細胞が得られた。14リツトル醗酵器の内容物を
無菌的に150リツトル醗酵器に移した。該醗酵
器には予め以下の諸例に記載する夫々の組成の
無菌生産培地100を仕込んでおいた。その後
150リツトル醗酵器の内容物250rpmで12時間撹
拌した。この間46リツトル/分の空気流を醗酵
器に通し、溶解酸素濃度及びPHを12時間連続し
て監視した。1時間毎に醗酵器から試料を抜き
取り乾燥細胞重量を測定した。更に1時間毎に
醗酵器から一部分2.5mlを抜き取り、操作2記
載のごとく処理して細胞を分離した。次に細胞
を粉砕し操作4及び5記載のごとく検定した。 4 細胞粉砕 前記操作2及び3と以下の諸例に於て細胞粉
砕を行つた。0.05Mトリス(ヒドロキシメチ
ル)アミノメタン(tris)の緩衝剤、PH8.5及び
10-3M(エチレンジニトリロ)、四酢酸二カリ
ウム塩(K2EDTA)の溶液1.4mlに、酵素溶液
0.2ml及び細胞懸濁物0.4mlを添加した。前記酵
素溶液は脱イオン水1ml当りリゾチーム2.5
mg、牛すい臓のデオキシリボヌクレアーゼ1mg
及び牛すい臓のリボヌクレアーゼmgを含有する
ものであつた。細胞懸濁物の量は最終光学密度
が約1.0になるよう調節し、tris緩衝剤で最終容
量を2.0mlにした。該懸濁物を水浴中37℃で20
分間振とうした。冷凍遠心分離器にて27000×
gで遠心して細胞デブリス(debris)を除去
し、上澄液の酵素活性検定を下記操作5記載の
ごとく行つた。 5 クレアチニン イミノヒドロラーゼの検定 諸例記載のクレアチニンイミノヒドロラーゼ
活性を測定するため、L−グルタミンデヒドロ
ゲナーゼ、“GDH”検定法を用いた。GDH検定
法では、以下のごとくGDH−触媒反応に
NADPH(ニコチナミド−アデニンジヌクレオ
チドリン酸塩)を用いて、クレアチニンイミノ
ヒドロラーゼ酵素組成物の活性を表わすクレア
チニンからのアンモニア生産を測定する。クレ
アチニンをクレアチニンイミノヒドロラーゼ試
料の未知作用を介してアンモニアに加水分解
し、触媒のGDHの存在下にアンモニアをα−
ケトグルタル酸試薬と反応させてグルタミン酸
を生産する。GDHを触媒とする後者の反応は
NADPH酸化反応(NADPH→NADP)を用いる
ものであり、340nmでのNADPH吸収ピークの
消失が検定を監視する光学検出手段となる。す
なわちNADPH消失速度がグルタミン酸生産速
度を与え、これがアンモニア生産速度を与え
る。GDH検定法で使用する反応混合物は、全
容量1ミリリツトル中にPH7.6の0.1M N,N
−ビス(2−ヒドロキシエチル)グリシン−
KOH緩衝溶液、(エチレンジニトリロ)四酢酸
二ナトリウム塩(Na2−EDTA)0.4mg、α−ケ
トグルタン酸1.6mg、NADPH0.24mg、GDH(ア
ンモニア非含有)15単位及びクリアチニン4.52
mgを含むものであつた。GDH活性の一単位と
は、PH7.6及び37℃に於て1分間にα−ケトグ
ルタン酸1μモルをグルタミン酸塩に環元する
触媒作用の酵素量と定義されるものである。反
応は、前記反応混合物が37℃で平衡に達した後
所望クレアチニンイミノヒドロラーゼ酵素組成
物の少量試料(約2−10ミリ単位)を添加する
ことにより、該反応混合物内で始まる。クレア
チニンイミノヒドロラーゼ活性は、スペクトロ
ホトメーターで340nm(NADPHの340nmに於
ける分子消失係数は6.22×103)に於ける
NADPHの消失速度を測定して計算される。酵
素活性の一単位とは、前記GDH検定反応条件
下で、1分間にクレアチニン1μモルがアンモ
ニア1μモルに転化する触媒作用に必要な酵素
量と定義されるものである。 実施例 1 微生物増殖培地 本実施例は、本発明の醗酵方法に有用な微生物
増殖培地を決定するための試験結果を報ずるもの
である。本実施で用いる方法では第1表に示すよ
うに各種微生物増殖培地及び生産培地として前記
の培地No.2を使用する。培地No.2は植物蛋白加水
分解物又は非ペプシン性の牛乳蛋白加水分解を含
まず、本発明の改善された水性栄養培地ではな
い。本実施例で用いる方法の操作は以下の通りで
ある。 試験すべき培地を各25ml含むフラスコに、培地
No.1斜面にて30℃18時間成長させた培養物をルー
プ一杯接種した。各フラスコの細胞成長を測定
し、培地リツトル当りの乾燥細胞重量として第
表に記した。第表の第一欄に示すように、培養
物はトリプ−ソイブロス、マイクロ イノキユラ
ム ブロス(Micro Inoculum Broth)及び培地
No.2中で良好に増殖した。次に生産培地として培
地No.225mlを含むフラスコに、試験する各微生物
増殖培地の懸濁物2mlを接種した。第表に示す
ように、トリプ−ソイ ブロス及びマイクロ イ
ノキユラム ブロスから得た培養物接種のフラス
コのものが、生産培地中の増殖が良好であり酵素
生産が優れていた。培地No.2の培養接種のフラス
コのものは細胞増殖は良好であつたが、酵素生産
の水準は高くなつた。サブラウド デキストラー
ゼ ブロス(Sabouraud Dextrose Broth)及び
ニユートリエンス ブロス(Nutrient Broth)で
接種したフラスコのものの結果は悪かつた。サブ
ラウドデキストラーゼ ブロスは細胞増殖が不良
で酵素生産はほとんどなく、ニユートリエントブ
ロスでは若干酵素は生産されたが細胞増殖が不良
であつた。
【表】
【表】 実施例 2 炭素源の効果 小規模酵素生産用の前記操作2を用い、操作2
の生産培地として使用する水性栄養培地用として
最適の炭素源をきめるため、酸、アルコール及び
糖質を含む数種の化合物の試験を行つた。本実施
例にて試験した各水性栄養培地は、炭素源を以下
の第表で示す特定化合物に置き換えた以外は前
記培地No.2と同一であつた。これらの水性栄養培
地は植物蛋白加水分解物又は非ペプシン性カゼイ
ン蛋白加水分解物を含有せず、本発明の改善され
た水性栄養培地ではない。各炭素源の最適濃度を
決定するため、第表に示す夫々の炭素源に関し
一連の水性培地の試験を行つた。最適濃度は、最
高のクレアチニンイミノヒドロラーゼ活性を与え
る濃度とした。試験する各炭素源の1連の培地
を、炭素源として1.0重量%のフマル酸を含有す
る対照培地と比較した。即ち第表にて試験した
各炭素源の乾燥細胞重量及びクレアチニンイミノ
ヒドロラーゼ活性を、対照フマル酸に対する相対
百分率として測定した。第表に示すように、グ
リセリン、スクロース、酢酸及びグリシンは培養
物増殖を支援せぬが、或いは検出可能量の酵素を
生産しなかつた。アスパラギン酸及びグルタミン
酸の場合、培養物の増殖は良好であつたが、酵素
合成は制限された。前記炭素源とは対照的に、炭
素源としてグルコース又は間接アミノ酸前駆物質
例えば乳酸、リンゴ酸、クエン酸、又はコハク酸
を用いた培地では、微生物増殖及び酵素生産は許
容可能水準であつた。第表に更に示すように、
直接アミノ酸前駆物質であるピルビン酸は、微生
物の増殖は幾分低かつたが、酵素生産を良好に支
援した。第表で用いた直接アミノ酸前駆物質で
且つ対照物質であるフマル酸に於ても酵素生産並
びに微生物増殖は良好であつた。α−ケトグルタ
ル酸は微生物の増殖も良好であり且つ対照物質の
2倍以上の酵素を生産し、最高の結果をもたらし
た。これらの結果は、グルコース及び間接アミノ
酸前駆物質が炭素源として有用であること、一方
フマル酸、α−ケトグルタル酸及びピルビン酸等
の直接アミノ酸前駆物質は更に良好な炭素源であ
り、とくにα−ケトグルタル酸は例外的な結果を
与えることを示している。
【表】 ン酸
【表】 酸
アラニン 1.0 64 35
グリシン 0.5 7 −
−:クレアチニンイミノヒドロラーゼ検定
の検定限界の20単位/リツトル未満
a:対照物質としてフマル酸(1.0〓)を使用
実施例 3 フマル酸とクレアチニンの効果 小規模酵素生産用前記操作2を用いた生産培地
である水性栄養培地中で、フマル酸(炭素源)と
クレアチニン(窒素源)の濃度試験を行つた。こ
れらの水性栄養培地は植物蛋白加水分解物又は非
ペプシン性牛乳カゼイン加水分解物を含有してお
らず、本発明の改良された水性栄養培地ではな
い。フマル酸とクレアチニンの濃度を下記第表
記載のごとく同時に変え、それ以外は前記培地No.
2と同一の水性培地を用いて試験をした。第表
は炭素源としてのフマル酸の最適濃度が1.5%で
あり、クレアチニンの最適濃度が0.5%であるこ
とを示している。試験した他の組合せはすべて細
胞増殖、酵素収量共に低かつた。
【表】 実施例 4 追加窒素源の効果 前記実施例2及び3の各々に於て、操作2の小
規模酵素生産方法の生産培地で使用した窒素源は
クレアチニンのみであつた。本実施例に於ては、
植物蛋白分解物のハイ−ソイ(Hy‐Soy、米国ニ
ユージヤージー州ユニオンのシエフイールドケミ
カル(Scheffield Chemical)社製の大豆蛋白加
水分解物の商品名)及び非ペプシン性牛乳蛋白加
水分解物のトリプチカーゼペプトン
(TrypticasePeptone、米国Mコツケイスビル
のビオケスト(Bioquest;BBL)社製のトリプシ
ン性カゼイン加水分解物)を生産培地に追加使用
し、操作2記載の小規模酵素生産方法で評価し
た。追加窒素源の効果は下記第表記載の濃度水
準にて測定した。これらの水性栄養培地は本発明
の改善された水性栄養培地である。生産培地の残
りの成分は培地No.2と同一であつた。第表に示
すように、ハイ‐ソイの場合、濃度水準約0.5重
量%にて最良の結果が得られ、トリプチカーゼペ
プトンの場合濃度水準0.1重量%にて最良の結果
が得られた。ハイソイ及びトリプチカーゼペプト
ンを夫々0.5及び0.1重量%以上の水準で使用する
ことは可能であるが、これらの高水準では酵素の
生産抑制が始つた。
【表】 実施例 5 炭素源組合わせの効果 本実施例では、グルコースとアミノ酸前駆物質
の双方から構成される組合わせ炭素源の微生物成
長及び酵素生産に及ぼす効果を測定検討した。本
実施例の試験は、操作2の小規模酵素生産方法及
び操作3の大規模酵素生産方法の双方を用いて行
なつた。以下の第表に示した濃度のグルコース
を添加した以外は各ケース共その最終生産培養液
の組成は培地No.2と同一であつた。第表の結果
の示すところ、グルコースを添加したグルコース
とアミノ酸前駆物質の組合せ炭素源に於ては、微
生物の増殖は僅かにすぎなかつたが酵素生産増加
は顕著であつた。
【表】 実施例 6 大規模酵素生産に於ける培地変性の結果 本実施例では実施例2−5記載生産培地の変性
の組合せ効果を、操作3記載の大規模酵素生産方
法を用いて検討した。対照生産培地は培地No.2で
あつた。本実施例の残りの試験では第表記載の
ように培地No.2の変性を行つた。実施例2−5に
て議論しなかつた第表の変性は、培地No.2の
KOHをNaOHで置換したことのみであつた。そ
うすると酵素生産が改善可能なことが判明したの
で行つたのである。第表中培地B,C及びDは
すべて本発明で使用する型の改善された水性栄養
培地であり、対照培地Aと比較して酵素活性水準
の改善が顕著であり、一方対照培地Aは前記培地
No.2と同一であつた。特に追加窒素源並びに組合
わせ炭素源を含有する培地C及びDの酵素生産の
増加は顕著であつた。本実施例の大規模生産方法
を行つている間、150リツトル醗酵器中の醗酵過
程の動力学を培地B,C及びDの各々について観
察した。培地Bでは微生物の増殖はほとんど即刻
開始して指数的に増加し、約10時間で一定値38
g/に達した。培地Bの酵素生産は4時間遅れ
で始まり、増殖度とほぼ平行して指数的に増加
し、約10時間後最大酵素生産水準に達した。培地
Cの微生物増殖は最初の3時間指数的に増加し、
約10時間で1定殖4g/に達した。培地Cの酵
素生産は醗酵開始後約4.5時間で始まり、増殖に
平行して大よそ指数的に増加した。培地Cの最大
酵素生産水準は約11−13時間で得られ、その後は
活性が低下し始めた。培地Dの微生物増殖は最初
の4時間指数的に増加し、その後約4g/で一
定になつた。培地Dの酵素生産は約5時間後に始
まり、これも成長と平行して大よそ指数的に増加
し、約11−13時間後に最大酵素生産水準に達し
た。
【表】 タル酸
a:対照物−培地No.2にて増殖させた培養物
実施例 7 本発明の水性栄養培地にて成育した好気性土壌
微生物がクレアチニンヒドロラーゼ酵素の収量を
増加させることを示すため、二種の好気性クレア
チニンイミノヒドロラーゼ生産微生物、即ちブレ
ビバクテリウム ジバリカタム
(Brevibacterium divaricatum)ATCC14020(米
国特許第4087329号及び同第4134793号参照)とウ
レアーゼを含有せぬクレアチニンイミノヒドロラ
ーゼを生産する微生物ATCC31546(操作1に前
記)を二種の水性栄養培地で増殖させた。特に、
これら二種の微生物の各々を、米国特許第
4087329号実施例1記載(本明細書の第表に記
載)組成の対照培地の同量中にて増殖させた。こ
れらの培養の操作は米国特許第4087329号実施例
6記載の操作(本明細書第XI表に記載)と同一で
あつた。その後二種の各微生物細胞を冷凍遠心分
離器にて1500×g15分間遠心して収得した。50ml
醗酵肉汁から得た細胞ペレツトをPH7.5の0.1Mリ
ン酸カリウム緩衝剤10ml中に再懸濁させ、微生物
細胞内で生産された酵素を抽出するため該懸濁物
を5分間音波処理した。冷凍遠心分離器にて
27000×g15分間遠心して細胞デブリスを除去し
た。次に、二種の微生物の夫々から得られた未精
製酵素含有の粗上澄液を、操作5記載のごとく検
定してクレアチニンイミノヒドロラーゼ活性を測
定し、各微生物に於けるクレアチニンイミノヒド
ロラーゼの収量を定量的に評価した。そのある前
記微生物の各々について前記の操作を繰り返し
た。但しこのときの各微生物の増殖は実施例6の
培地Dと同一組成の本発明の改良された水性栄養
培地の同一量中にて行なつた。培地Dにて増殖さ
せた二種の微生物から得られたクレアチニンイミ
ノヒドロラーゼ収量即ちクレアチニンイミノヒド
ロラーゼ活性を、前記と同一の方法にて定量し
た。結果を下記第表に示す。第表に示すよう
に、各二種の微生物により生産されたクレアチニ
ンイミノヒドロラーゼの収量は、本発明の改良さ
れた栄養培地中にて微生物を増殖させることによ
り、著るしく増加したのである。
【表】 PHを7.5に調節して蒸留水にて1リツトルにし
た。
【表】
【表】

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 栄養培地がPH5.0乃至10.0の範囲にあり、 A グリコース及び/又はアミノ基非含有の有機
    酸であるアミノ酸前駆物質を含有する炭素源、 B 1 クレアチニン及び 2 植物蛋白加水分解物及び/又は非ペプトン
    性乳蛋白加水分解物、 を含有する窒素源、 C 微量栄着分;及び D 緩衝剤、 を含有することを特徴とする、好気条件下にてク
    レアチニンイミノヒドロラーゼを生産する好気性
    土壌微生物を成育するための水性栄養培地。
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