JPS6145207Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、排水性のよい人工芝に関する。

従来既に、ポリアミド又はポリ塩化ビニリデン
等の合成繊維糸を織布に植付加工し裏面から合成
ゴム等でパイル止め加工し、３乃至６倍に発泡さ
せた厚さ10mm程度のスポンジゴムシートを貼着し
たものが公知である。

しかしながら、従来製品は排水が悪いため雨後
の乾きが遅く、日陰では黴や苔、雑草を生ずると
いう欠点を有していた。

この欠点をなくすため、裏面のパイル止め加工
をしない方法や基布に透孔を穿設する方法が公知
であるが、前者の方法では植付けられた糸が糸間
に介在する土壌の撒布中基布から抜けてしまつた
り、倒伏してしまつたりする欠点を有し、後者の
方法では穿孔工程を余分に要すると共に、穿孔に
際し、植付けられた糸を損傷する欠点を有してい
た。

本考案は上記従来の欠点を解消し、排水性のよ
い人工芝を安価に提供することを目的とする。次
に本考案の実施例を図面に基いて説明する。１は
合成繊維等からなる糸状物であつて、１部に水溶
性素材よりなる糸２１を混織した合成繊維織布２
に植付加工され、裏面から除草剤、防黴剤が混入
された水溶性固着剤層３によつて裏張りされてい
る。４は布２上の糸状物１の間に介在される土壌
である。除草剤、防黴剤は、水溶性固着剤にでは
なく、水溶性素材に混入されていてもよい。

糸状物１としては、ポリプロピレン、ポリアミ
ド、ポリ塩化ビニリデン等からなるモノフイラメ
ント、マルチフイラメント、スプリツトヤーン、
フラツトヤーン等のフイラメントや紡績糸が用い
られ、その太さは1000乃至50000デニール、好ま
しくは2000乃至8000デニールのもので、撚数がＴ
＝Ｋ√（100≧Ｋ＞０、Ｎ：綿番手、Ｔ：１ｍ
当りの撚数）、好ましくは、80≧Ｋ≧30のものが
好適に使用される。更に、該糸に撚セツトを行つ
た後、撚止めを行うことが、糸状物１の自立性を
向上させ、先端のばらけを減少させ、拡がりの方
向性をなくするので望ましい。

糸状物１を構成する単繊維の太さとしては、
0.01乃至１mm、好ましくは0.03乃至0.1mmのもの
が、硬度の点から好適に使用される。

糸状物１が植付加工される布としては、前記実
施例の如き紡織糸よりなる織物の外、編物、不織
布であつてもよく、透水性の悪い不織布の場合に
は、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリエステル
等の耐水性素材に、ポリビニルアルコール、ゼラ
チン等の水溶性素材を一定間隔で混合することに
よつて作製するか、又は、耐水性素材にタフテイ
ング加工によつて植毛することにより、針穴より
透水可能としてもよい。水溶性固着剤としては、
ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロ
ーズ、澱粉等の水溶性糊剤が使用される。

土壌は天然の砂土の外、炭酸カルシウム等の無
機粉粒物も使用できる。

本考案においては布に耐水性糸状物が水溶性固
着剤によつて固着されているので人工芝の上部に
溜つた水は布の隙間を経由して、水溶性固着剤を
溶かして、裏面に速やかに排水されるので、降雨
後の乾きが遅く、衣服等を汚損することがない。
尚、固着剤が水に溶けて流出しても糸状物は糸状
物間に介在する土壌により抑えられているので、
布から離脱することはない。水溶性素材もしくは
水溶性固着剤に除草剤、防黴剤を混入した場合に
は、排水に伴つて、除草剤、防黴剤が撒布される
ので、手間を要さずに黴や苔、雑草の発生を防止
できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の１実施例を示す説明図であ
る。 １……糸状物、２……布、３……水溶性固着剤
層、４……土壌。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 布に植付加工された耐水性糸状物が水溶性固
   着剤によつて裏面から固着され布上の糸状物の
   間に土壌が介在されていることを特徴とする人
   工芝。 ２ 布が、耐水性素材と水溶性素材との混合物で
   ある実用新案登録請求の範囲第１項に記載の人
   工芝。 ３ 水溶性固着剤に除草剤、防黴剤が混入されて
   いる実用新案登録請求の範囲第１項又は第２項
   に記載の人工芝。 ４ 水溶性素材に除草剤、防黴剤が混入されてい
   る実用新案登録請求の範囲第２項又は第３項に
   記載の人工芝。