JPS6145177Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はニツト調ソフト織物に関するものであ
る。

織物表面に現わす織柄は従来、通常ドビー、ジ
ヤガード等を付設した織機により構成し、織組織
を変化させたものである。

本考案はこの種織機により製織し、緯糸が織物
表面に浮糸として現われた編物状のソフト感を有
する織物であつて、以下その構成を図面に示す実
施例に基いて説明する。

本織物ａは第１図、第３図〜第５図にその一例
として示すように表組織１を1/9緯斜文の浮織組
織とし、裏組織２を平織組織とした緯二重織に織
成する。ここで緯糸３は第４図に示すように太糸
３ａと細糸３ｂとよりなる異番手交撚糸とし、更
にその撚ピツチの長さを1/9緯斜文にした浮織組
織の表面に浮く経糸と交撚糸緯糸との各交点距離
と同一長さとした特定長とする。また、この場合
経糸４は通常織物に使用する普通糸とする。かか
る構成糸により織成すると、浮織部分の緯糸３は
図示の如く９本の経糸４に跨がり長く表面に浮出
る。而もこの緯糸３は浮織組織の表面に浮く経糸
と緯糸との交点距離と同一長さとした長い撚ピツ
チの異番手交撚糸であるからその浮出た部分は殆
んどソフトな極甘撚太糸部分であり、且つこの太
糸３ａは恰もニツト製品の編糸のようにループ状
をなして露出している。

以上のように本織物は特に異番手交撚糸を表組
織で浮織りにするのであるが、第２図はその浮織
組織の他の例を示す組織図であつて、裏組織は第
１図の例と同じく平織組織とし、表組織を2/7緯
斜文とし緯糸を７本の経糸上に浮出させたもので
ある。上記２つの例のような緯斜文の具体的な糸
の構成は例えば経糸を、綿35％、ポリエステル65
％混紡、太さ85番手の単糸２本の撚糸とし、緯糸
を異番手交撚糸、即ち、綿６番手（撚数9.3T／
in）と綿30番手（撚数21.0T／in）とを引揃えて
逆撚9.0T／inの上撚を施す。これにより、異番手
交撚糸は綿６番手の太糸が極甘撚太糸となり、こ
れに綿30番手の細糸が長い撚ピツチで交撚した糸
となり、糸全体として極甘撚太糸が顕著な太糸と
なる。

なお、裏組織は上記実施例のように平織組織に
するほか、斜文組織等にしてもよく、これにより
比較的に経、緯交叉が密な裏組織とする。いずれ
にしても表組織の保形が良く、織物に強さと張り
を持たせる組織であればよい。

以上説明したように本考案は表組織を浮織組織
とした緯二重織に織成し、緯糸を極甘撚太糸と細
糸とを撚合してなる異番手交撚糸となし、この交
撚糸の撚ピツチを特定長、即ち浮織組織の表面に
浮く経糸と交撚糸緯糸との各交点距離と同一長さ
にして織込むことにより極甘撚太糸を浮織組織の
表面に露出させたから極甘撚太糸は、ニツトの編
糸に類似したループ状を呈するので織物は、この
太糸によりソフトな織物となる。而も本考案に係
る異番手交撚糸は撚ピツチを浮織組織の表面に浮
く経糸と交撚糸緯糸との各交点距離と同一長さに
して極甘撚太糸と細糸とを撚合せた糸であるから
糸全体としてほぼ極甘撚太糸よりなる緯糸となる
ので浮織組織部分では容易にこの極甘撚太糸が表
面に露出する。なお、本考案によれば裏組織と平
織組織等の経緯交点の比較的密なものとすること
により表の浮織組織の保形が良くなり、浮出し緯
糸がスリツプしてずれ動くことがなく整然と並
び、選ぶ浮織組織により風合に富んだ織柄も得ら
れ、而も強さと張りがあり、シワ発生も少ない。

本考案は二重織組織で太番手糸の使用であつて
も充分なソフト感を有し、表面糸がループ状に整
然と柄模様に綺麗に顕出した織物であつて、広範
囲の衣料に適用することができ、極めて実用的な
ものである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例であつて、第１図はその
１例の組織図、第２図は他の例の組織図、第３図
は第１図の例の組織を斜面図的に示す説明図、第
４図はその断片の拡大平面図、第５図はその縦断
面図である。 １……表組織、２……裏組織、３……緯糸、４
……経糸。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 表組織を浮織組織とした緯二重織に織成し、緯
   糸を極甘撚太糸と細糸とを撚合してなる異番手交
   撚糸となし、この交撚糸の撚ピツチを特定長、即
   ち浮織組織の表面に浮く経糸と交撚糸緯糸との各
   交点距離と同一長さにして織込むことにより極甘
   撚太糸を浮織組織の表面に露出させたことを特徴
   とするニツト調ソフト織物。