JPS6145129Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は硬貨等を入れるためにズボンの横ポ
ケツト内に設けられた内ポケツトの改良に関す
る。

従来のズボンの横ポケツト内に設けられた内ポ
ケツトは、横ポケツト内の内側面に上部が開口す
るように縫合わされた一室のみからなるポケツト
であつた。このような内ポケツトの場合、横ポケ
ツト内に直接入れた場合に比べて、硬貨がポケツ
ト内で動いて歩いた時に音がしたり、硬貨の重み
が下方にかかつて脹が目立つというような欠点は
解消されるものの、着座時において内ポケツトに
入れた硬貨が該内ポケツトの開口部から出て横ポ
ケツトに入り更に横ポケツト開口部の下端部から
横ポケツ外へ出てしまうという場合や、内ポケツ
トに硬貨を入れたままズボンをハンガーに掛けた
時に硬貨がこぼれ落ちてしまうような場合に対す
る効果はあまり発揮することが出来なかつた。

この考案は上記事情に鑑みなされたものであつ
て、着座時にもポケツトから硬貨が落ちてしまう
事もなく、ハンガーに掛けた時も硬貨がこぼれ落
ちにくくしかも歩く時にも邪魔にならず目立たな
い内ポケツトを提供することを目的とする。

次にこの考案の実施例を図面に基づいて説明す
る。なお、この実施例における横ポケツトは全て
右ポケツトで説明している。

第１図における横ポケツト裁断布１に於て、横
ポケツト折り曲げ線４の左側に当る横ポケツト内
側面１４に四角形の内ポケツト２を該内ポケツト
２の底辺３が前記横ポケツト折り曲げ線４側に向
つて下りの傾斜となるように配置し、この２つの
横ポケツト裁断布１及び内ポケツト２を横ポケツ
ト・内ポケツト縫合線５に沿つて縫合する。該横
ポケツト・内ポケツト縫合線５は内ポケツト２の
上辺６の横ポケツト折り曲げ線４側の一端P₁を出
発点とし前側辺７、底辺３、後側辺８を沿つて上
辺６のもう一端P₂に達し、さらに上辺６に沿つて
該上辺６の中間点P₃まで達すると、そこから底辺
３に向つて後側辺８に平行に上辺６と底辺３の中
間点P₄まで縫合するようになつている。前記上辺
６の中間点P₃から上辺６と底辺３の中間点P₄まで
に至る縫合線は仕切線９となり、内ポケツト２の
内部を内ポケツト前室１１と内ポケツト後室１２
に区切つている。前記説明からも明らかなように
内ポケツト前室１１の上辺側は横ポケツト裁断布
１と縫合されておらず、この部分が内ポケツト開
口部１３となり、一方、内ポケツト後室１２の上
辺側は横ポケツト裁断布１と縫合されているの
で、この上辺側で内ポケツト後室１２は袋小路と
なつている。このようにして内ポケツト２が縫合
された横ポケツト裁断布１を第２図のように、横
ポケツト折り曲げ線４に沿つて内ポケツト２を中
にして二つ折にし横ポケツト内側面１４と横ポケ
ツト外側面１５を重ね合わせ、横ポケツト内側外
側縫合部１６で該横ポケツト内側面１４と横ポケ
ツト外側面１５を縫合している。横ポケツト１０
は前記のようにして形成され、この後、第３図及
び第４図に示すようにズボン本体後部２２、ズボ
ン本体後部２３、ポケツトかくし布２６で構成さ
れるズボン本体１８の裏側に横ポケツト外側面１
５を面し該横ポケツト外側面１５と横ポケツト内
側面１４の間にズボン本体後部２３に縫合された
ポケツトかくし布２６をはさんで横ポケツト上辺
１９とズボン本体上辺２０を合わせ、更にズボン
本体後部２３側において、ズボン本体前部２２と
ズボン本体後部２３の縫合部２４に沿つている線
３６と横ポケツト後側辺２１を合わせて、ズボン
本体・横ポケツト縫合部２５でズボン本体１８と
横ポケツト１０を縫合している。前記ズボン本
体・横ポケツト縫合部２５は、ズボン本体１８に
沿つた、横ポケツト１０とズボン本体１８の重な
り合つている部分をすべて縫合している縫合部２
７、ズボン本体前部２２とズボン本体後部２３の
縫合部２４に沿う、ズボン本体後部２３側になさ
れたズボン本体後部２３と横ポケツト内側面１４
を縫合する縫合部２８、脇閂止め１７の下方に於
て、前記ズボン本体前部２２とズボン本体後部２
３の縫合線２４に沿うズボン本体前部２２になさ
た、ズボン本体前部２２と横ポケツト外側面１
５、更に、ポケツトかくし布２６が重なつている
部分では、該ポケツトかくし布２６も共に縫合す
る縫合部２９、ポケツトかくし布２６の底辺３３
と前側辺３４を横ポケツト内側面１４にのみ縫合
する縫合部３０、ズボン本体前部２２と横ポケツ
ト外側面１５を縫合して横ポケツト開口部３２を
形成する縫合部３１、という５つの縫合部２７乃
至３１によつて構成されている。

この考案による内ポケツト２を取付けられた横
ポケツト１０は、このようにしてズボン本体１８
に縫合されるが、ここで内ポケツト２の持つ効果
について、いくつかの例を考えてみると、まず第
６図のように、この内ポケツト２内に硬貨Ａを入
れて立つている場合、内ポケツト２の底辺３が前
下がりの傾斜となつているためＡはズボン本体１
８の前の方へ行き、歩行の際の邪魔になりにく
く、又、従来に比べても一段とふくらみが出なく
目立たなくなる。次に、同じく第７図のような内
ポケツト２内に硬貨Ａを入れて椅子Ｃに座つた状
態では、内ポケツト２は該内ポケツト２の後側辺
８を下にした形となるが、硬貨Ａが横ポケツト開
口部３２方向へ移動したとしても内ポケツト後室
１２の中へ入つてしまうため、内ポケツト２の外
へ出ることはなく、従つて横ポケツト１０の外へ
出てしまうこともない。さらに第８図に示すよう
にズボン本体１８をハンガーＢにかけたような場
合でも、内ポケツト２内に入れた硬貨Ａが内ポケ
ツト後室１２内に入つていれば外部へ落ちてしま
うことはなく、従来の内ポケツトに比べると横ポ
ケツト１０外へ落ちにくくなつている。

以上の説明からも明らかなように、この考案に
よる内ポケツトを用いれば、該内ポケツト内に入
れた硬貨は歩行の邪魔になりにくく、着座してい
る時に横ポケツト外へ落ちてしまうこともなく、
又ハンガーにかけたようにズボン本体を逆にした
ような場合でも横ポケツト外へ落ちにくい、とい
う種々の効果を得ることができる。

なお、内ポケツトに入れるものとしては必らず
しも硬貨には限定されず、又、上記実施例は左側
横ポケツトに、この考案の内ポケツトを取付ける
場合にも全く同様の効果を得ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は横ポケツトの裁断布に内ポケツトを縫
合した図、第２図は横ポケツト、第３図はズボン
本体の裏からみた横ポケツトをズボン本体に縫合
する際の重ね合わせ順を示した図、第４図は同じ
くズボン本体の裏からみた横ポケツトをズボン本
体に縫合した状態の図、第５図は横ポケツト開口
部から横ポケツト内を見た図、第６図は立つてい
る状態での内ポケツト内の硬貨の状態を示した
図、第７図は座つている状態での同じく硬貨の状
態を示した図、第８図はハンガーにズボンをかけ
た状態での同じく硬貨の状態を示した図である。 ２……内ポケツト、１０……横ポケツト、１８
……ズボン本体、３……内ポケツトの底辺、９…
…仕切線、１３……内ポケツト開口部、１１……
内ポケツト前室、１２……内ポケツト後室。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ズボン本体の側面に設けられた横ポケツトの内
   部に縫合されたズボン用内ポケツトであつて、該
   内ポケツトの底辺が前下りとなるように縫合せ、
   かつ、内ポケツトの上辺の後方を縫合せて封鎖す
   ると共に同前方は開口して内ポケツト開口部と
   し、この開口部の後方端から内ポケツトの底辺の
   中間までを縫合せた仕切線によつて下方が連通し
   た内ポケツト前室及び内ポケツト後室を形成した
   ズボン用内ポケツト。