JPS6144876Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、サインペン等の改良に関するもので
あり、ペン芯を筆記時には軸筒から突出させ、不
使用時には軸筒内に気密に収納し、その乾燥を防
止でき、キヤツプを不必要ならしめた構造の簡単
なサインペンを提供することを目的としている。

既に提案されているこの種のサインペンは、何
れもその内部構造が複雑で構成部品数が多く、コ
ストアツプを招くのみでなく故障も生じやすい欠
点を有している。

本考案は、実用新案登録請求の範囲に記載する
構成とすることにより、比較的簡単な構造で、ペ
ン芯を出没させ、その乾燥の防止を図りうるキヤ
ツプレスサインペンを得たものである。

以下、図示例のサインペンについてその構成を
説明するが、本明細書で指称するサインペンと
は、限定された意味のサインペンのみでなく、マ
ーカー等をも包含する広義の名称として使用され
ている。

第１図乃至第５図は実施の１例であつて、サイ
ンペン１は、先軸２と、後軸３と、リフイール４
とで構成され、リフイール４の先端面５の偏心位
置には、ガイド筒６からペン芯７が突出せしめら
れている。

先軸２の先端８には、第１図に示されるように
ペン芯７を突出させる貫通孔９が偏心位置に貫設
され、また先軸内面１０の偏心位置には、ペン芯
７を気密に嵌入させうるシール孔１１が穿設され
ている。図示例のシール孔１１は、ペン芯７とガ
イド筒６の先端部とを嵌入させうる形状とされて
いるが、かゝる形状に限定されるものではない。

そしてリフイール４の先端部分１２は、前述の
先軸２の内腔内に摺動、回動共に自在に嵌入され
ており、該リフイール４は、ペン芯７が先軸２の
貫通孔９から突出する第１位置と、該ペン芯７が
先軸内面１０のシール孔１１に嵌入する第２位置
とを選択的に占めうるように構成されている。

上述の第１位置と第２位置とをペン芯７が占め
た際において、該位置に相応する先軸内面１０の
所定位置には、軸方向にそれぞれカム溝１３，１
４が形成されている。

またリフイール４の先端部分１２、図示例では
先端面５の周縁部分に、前記２位置において、カ
ム溝１３，１４に嵌入されるカム１５，１６が突
設されている。

先軸２の後端１７側における先軸内面１０の前
記カム溝１３，１４間は、山形に後端１７側へ突
出する山形カム端面１８で連続されている。

また山形カム端面１８より後方の先軸内面１０
部分はカム溝１３，１４の溝底１３′，１４′と同
一位相にまで拡径された大径内周面部１９とされ
ている。

そして、リフイール４の先端部分１２は、先軸
２の内腔内で、少なくとも第１図に示される如く
カム１５，１６がカム溝１３，１４の先端に接す
る位置から、カム１５，１６が大径内周面部１９
に達して前記カム端面１８に当接する位置までの
間において、軸方向に摺動できるよう先軸２内へ
挿入されている。

先軸２の後端１７には螺筒２０が螺着、固定さ
れており、螺筒２０の先端面２１と、リフイール
４のカム１５，１６の後面との間には、コイルバ
ネ２２が縮設され、先軸２に対し、リフイール４
を常時ペン芯７を突出させる方向にバネ弾性で付
勢している。

このコイルバネ２２は、前述の先軸２の内腔内
でのリフイール４の先端部分１２の軸方向の摺動
を許容するまで収縮可能とされている。

リフイール４の後端部分２３には、クリツプ２
４を有する後軸３が緊密に嵌着され、固定されて
いる。

上述の構成よりなるサインペン１は、次のよう
に操作され使用される。即ち、第１図に示される
ように、ペン芯７が先軸２の貫通孔９から突出し
た第１位置に在る筆記状態から、後軸３を把持、
固定し、先軸２を摘み、矢印イで示す方向に、コ
イルバネ２２の弾力に抗して先軸２を押すと或は
後軸３を先軸２から引き出すように操作すると、
該先軸２はコイルバネ２２を圧縮しつゝ矢印イ方
向に前進する。このとき、リフイール４の先端部
分１２、図示例では先端面５のカム１５，１６
は、先軸内面１０のカム溝１３，１４内を矢印イ
と逆方向に相対向に摺動し、遂には山形カム端面
１８の位置に到達する。次いで先軸２か後軸３か
の何れかを回動させ、カム１５，１６を第２位置
のカム溝１３，１４に導き、先軸２に加えていた
矢印イ方向の押圧を除くと、先軸２はコイルバネ
２２の弾力でリフイール４に対し、相対的に矢印
イと逆方向に後退、即ち先軸２に対しては、リフ
イール４が相対的に前進し、ペン芯７が第２位置
に相応するシール孔１１内へ嵌入され、気密にシ
ールされるものである。この状態からペン芯７を
貫通孔９から突出させるには、上述せるところと
逆の操作を行なえばよい。

第１図乃至第５図に示される実施例では、カム
溝１３，１４が角度180度だけ位相を異にした位
置に設けられ、該カム溝１３，１４で区分される
先軸後端側の二つの端面が、共に山形カム端面と
されており、カム１５，１６も角度180度だけ位
相を異にした位置に突設されており、前述の先軸
２か後軸３の回動は、角度180度の正逆何れの方
向への回動でも、ペン芯７の出没が行なわれる。

第６図は別の実施例であつて、先軸２５の内面
の角度180度だけ位相を異ならしめた位置にカム
溝２６，２７を形成し、該カム溝２６，２７で区
分される先軸後端側の二つの端面相当部位のうち
の一方のみを山形カム端面２８とし、他方の端面
相当部位は、第１図、第２図におけるが如き大径
内周面部１９とすることなく、厚肉部２９とする
と共に、リフイール３０にたゞ１個のカム３１の
みを突設し、山形カム端面２８の存する角度180
度の範囲内でのみ、往復回動し、該１個のカム３
１がカム溝２６，２７の何れかに選択的に進入
し、ペン芯を第１位置、第２位置に選択的に位置
させるようにしたものである。

第７図は、所謂マーカーに本考案を適用した実
施例であつて、リフイール３２の後端に大径のイ
ンキ貯溜部３３が形成されているため、第１図に
示されるものの後軸３に相当するものがないと共
にペン芯３４が太く形成されている外は、第１
図、第２図に示されるものと全く同一構成とされ
ているものであり、操作方法も、各部の作用も全
く同一のものである。

本考案は、以上説明した構成であり、先軸にペ
ン芯の突出する貫通孔と、該芯を気密に嵌入させ
るシール孔と、先軸内面における前記貫通孔とシ
ール孔との位置に対応する軸方向の直線上のカム
溝と、先軸内面の後端側のカム溝間の山形カム端
面とを形成し、リフイール側にカム溝に嵌入され
るカムを突設すると共に、先軸とリフイールとの
間に介装されるバネを設けると云う簡単な構造
と、少ない部品とにより、ペン芯を先軸から筆記
可能に突出させ、また乾燥しないよう気密に先軸
内に収納しうると云う効果を奏しうるし、組立も
簡単としうるし、使用中の故障も皆無に近くしう
る等の効果も有している。

【図面の簡単な説明】

第１図は筆記状態における実施の１例の縦断面
図、第２図は第１図に示される実施例のペン芯収
納状態における縦断面図、第３図は第１図に示さ
れるものの先軸先端部分のみの縦断面図、第４図
は第１図中−線断面図、第５図は第１図中
−線断面図、第６図は異なる実施例における第
５図と同様の断面図、第７図は別の実施例の縦断
面図である。 １……サインペン、２……先軸、４……リフイ
ール、７……ペン芯、８……先軸の先端、９……
貫通孔、１０……先軸内面、１１…シール孔、１
２……リフイールの先端部分、１３，１４……カ
ム溝、１５，１６……カム、１７……先軸の後
端、１８……山形カム端面、２２……バネたるコ
イルバネ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 先端面の偏心位置にペン芯を突出させたリフイ
   ールの先端部分が先軸内に摺動回動自在に挿入さ
   れており、前記先軸の先端には、ペン芯を突出さ
   せる貫通孔が貫設され、また該先軸の先端内面に
   はペン芯を気密に嵌入させうるシール孔が穿設さ
   れ、またペン芯が貫通孔から突出する第１位置
   と、ペン芯がシール孔に嵌入される第２位置との
   ２位置に相応する先軸内面の所定位置には、軸方
   向にそれぞれ直線状のカム溝が形成されており、
   他方リフイールの先端部分には、前記２位置にお
   いて選択的に前記カム溝に嵌入されるカムが突設
   されており、先軸内面の後端側のカム溝間は、山
   形カム端面で連続させられていると共に、先軸の
   後端側とリフイール先端部分との間には、ペン芯
   突出方向にリフイールを付勢するバネが介装され
   ていることを特徴とするキヤツプレスサインペ
   ン。