JPS6144855Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は金属光沢を有するプラスチツクカード
に関する。

最近、身分証明書、銀行カード、会員証、クレ
ジツトカード等に見られるようにプラスチツクカ
ードが非常に多く利用されており、上記カードを
そのまま使用するかまたは上記カードに磁気記録
方式を用いて各種情報を記録し、磁気カードとし
て機能するように構成して使用されている。

近年、金属光沢を有する外観美麗なカードがい
くつか提案されており、この種の従来のカードと
してプラスチツクシートに、金属光沢顔料を分散
させた印刷インキをオフセツト印刷あるいはスク
リーン印刷等により印刷して金属光沢印刷層を形
成し、該印刷層上に透明プラスチツクシートを積
層してなる構造のものや、金属光沢を有する金属
粉末を接着剤によりプラスチツクシートに付着さ
せて金属光沢粉末層を形成し、該粉末層上に透明
プラスチツクシートを積層してなる構造のもの等
があつた。しかしながら、金属光沢印刷層あるい
は金属光沢粉末層をあまり厚く形成することがで
きないため、充分な金属光沢が得られ難く、また
透明プラスチツクシートと、金属光沢印刷層ある
いは金属光沢粉末層との接合が不充分であり、透
明プラスチツクシートが剥離し易い等の欠点があ
つた。また上述した点を改善するために透明プラ
スチツクシート中に金属光沢顔料を分散し練り込
むことにより金属光沢プラスチツクシートを作成
し、該シート上に透明プラスチツクシートを積層
してなる構造のものが提案された。しかしこの場
合、金属光沢を良好にするため顔料濃度を高くす
ると、顔料の分散が悪くなり、金属光沢発色のム
ラを生じ易く、又シート作製工程上圧延ロールに
顔料が付着し、製造作業性の面で不都合を生じ易
くなること、更にシートの物性値において引張強
度、衝撃強度が劣ることより、結局良好なるプラ
スチツクシートは得られなかつた。またプラスチ
ツクカードを磁気カードとして用いる場合、上記
のように顔料濃度が高いものが得難いため通常用
いられているカード厚（0.7〜0.8mm）では、カー
ドが半透明となつてしまい、これはカードとして
光の透過性が高過ぎるので、例えば各種カード処
理装置にカードを適用したとき、カードの光透過
性が高過ぎるためカード位置の検出が不可能にな
つてしまうという不具合があつた。

本考案は上記従来技術の欠点を解消した金属光
沢を有するプラスチツクカードを提供することを
目的とする。

すなわち、本考案は黒色プラスチツクシートの
両面に、金属光沢顔料を含有する金属光沢プラス
チツクシートを積層し、該金属光沢プラスチツク
シートの各々の外面に透明プラスチツクシートを
積層してなる金属光沢を有するプラスチツクカー
ドを要旨とする。

以下、本考案の実施例を図面に基き説明する。

第１図には本考案の１実施例である金属光沢を
有するプラスチツクカード１が示されている。こ
のプラスチツクカード１は黒色プラスチツクシー
ト２の両面に、金属光沢顔料３を含有する金属光
沢プラスチツクシート４を積層し、その金属光沢
プラスチツクシート４の各々の外面に必要に応じ
て可視記録層５を形成し、さらに金属光沢プラス
チツクシート４の各々の外面に可視記録層５を被
覆するように透明プラスチツクシート６を積層し
た構成を有し、その厚さは通常0.7〜0.8mmであ
る。

黒色プラスチツクシート２、金属光沢プラスチ
ツクシート４、および透明プラスチツクシート６
の材質は同じであつても異なつていてもよく、材
質として例えばポリ塩化ビニル、ポリエチレン、
ポリプロピレン、ポリエステル、ポリスチレン、
ポリカーボネート等を用いることができるが透明
性の良いものが望ましい。

黒色プラスチツクシート２は、カーボンブラツ
ク、ランプブラツク、ダイヤモンドブラツク等の
黒色顔料と上記プラスチツクを加熱混練後ロール
等を用いて表面平滑なシート状として得ることが
でき、また金属光沢プラスチツクシート４は金属
光沢顔料３を用いて上記と同様にして得ることが
できる。金属光沢顔料３としては、鉛系化合物、
ビスマス系化合物等が挙げられ、プラスチツク
100重量部に対し、1.0〜10重量部、黒色顔料は
0.5〜5.0重量部用いられる。上記の加熱混練時少
量の安定剤、滑剤等を加えることができる。

可視記録層５は金属光沢プラスチツクシート４
の各々の外面に地紋、模様、文字等を形成する
が、通常オフセツト印刷またはシルクスクリーン
印刷等により形成される。

プラスチツクカード１を製造するに当つては、
黒色プラスチツク基板２の両面に、予め可視記録
層５を形成した金属光沢プラスチツクシート４を
置き、さらにその両面に透明プラスチツクシート
６を置いた後、適宜な温度、圧力で加熱、圧着し
て得ることができる。尚、この際必要であればそ
の積層面に接着剤を用いることも可能である。

本考案のプラスチツクカード１は光透過濃度
5.0以上の範囲にあり、これは磁気ストライプ付
クレジツトカードに関する日本工業規格
（JISB9560）に定められた光透過濃度2.0以上とい
う規定を満足するものであるので磁気カードとし
て用いることができる。この場合には特に図示し
ないが本考案プラスチツクカード１の透明プラス
チツクシート上に磁性層を設けて磁気カードを作
成する。この磁気カードは美麗な金属光沢を有
し、かつJISの規定による光透過濃度以上の濃度
を有するので該磁気カードをカード処理装置に適
用した場合、確実にカード位置を検出できるもの
である。なお本考案のプラスチツクカードは磁気
カードに利用する場合に限られず、身分証明書、
会員証、クレジツトカードに用いることができ
る。

以上説明したように本考案のプラスチツクカー
ドは黒色プラスチツクシートを設けたことにより
該黒色プラスチツクシートによつて金属光沢プラ
スチツクシートの虹彩効果を著しく良好ならしめ
るため金属光沢顔料の含有量が少量でも極めて美
麗な金属光沢を呈することができ、意匠的効果大
なものであり、さらに製造簡単にして低コストで
ある等種々の利点を有するものである。

次に本考案の具体的実施例を示す。

実施例 １ ポリ塩化ビニル100重量部、錫系安定剤3.0重量
部、滑剤2.0重量部、カーボンブラツク4.0重量部
を加熱混練した後厚さ0.1mmの黒色プラスチツク
基板を成形した。一方、ポリ塩化ビニル100重量
部、錫系安定剤3.0重量部、滑剤2.0重量部、金属
光沢顔料（商品名：パールエツセンス、日本光研
工業(株)製）5.0重量部を加熱混練した後厚さ0.23
mmの２枚の金属光沢プラスチツクシートを得た。
このシートに地紋、模様等の可視記録層をオフセ
ツト又はシルクスクリーン印刷により形成した。
次いで黒色プラスチツクシートの両側に、可視記
録層を施した金属光沢プラスチツクシートを可視
記録層を外側にして重ね合わせ、さらに外側両面
に厚さ0.1mmの透明硬質ポリ塩化ビニルからなる
透明プラスチツクシートを重ね合わせた後これを
鏡面仕上げステンレス艷板の間に挾み熱プレスに
より温度150℃、圧力30Kg／cm²で10分間加熱圧着
したところ完全に溶融接着して美麗な金属光沢を
有するプラスチツクカードが得られた。

このプラスチツクカードの光透過濃度をマクベ
スTD404透過光濃度計（フイルター：ラツテン
＃106）で測定したところ5.5であつた。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示すもので、第１図は
本考案の１実施例であるプラスチツクカードを示
す縦断面図である。 １……プラスチツクカード、２……黒色プラス
チツクシート、３……金属光沢顔料、４……金属
光沢プラスチツクシート、５……可視記録層、６
……透明プラスチツクシート。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 黒色プラスチツクシートの両面に、金属光沢顔
   料を含有する金属光沢プラスチツクシートを積層
   し、該金属光沢プラスチツクシートの各々の外面
   に透明プラスチツクシートを積層してなる金属光
   沢を有するプラスチツクカード。