JPS6144757Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は工作機械の被加工物テーブルに関わ
り、更に詳細には冷却液や切削油を加工点のまわ
りに供給して加工を行う工作機械において、被加
工物を支承する移動テーブルと固定テーブルの両
方から供給液を併合して回収する機構を備えた工
作機械の被加工物テーブルに関するものである。

初めに本考案を実施するに至つた背景について
第１図によつて説明する。

第１図は工作機械の１例としてのレーザ加工機
１の被加工物テーブル３の平面図であつて、この
場合の被加工物は大型の板材などを例えば数値制
御の移送位置決め装置５の把持爪装置７に把持し
て加工点であるレーザビームの照射中心９に対し
て、板材を移動位置決めしながら切断、穴あけな
どの加工を行うものである。

前記した被加工物テーブル３は、機台１１の上
方に固定されたＹ軸方向に長い固定テーブル１３
と、そのＸ軸方向両側の機台１１上でＹ軸方向に
延設されたリードスクリユ１５によつてＹ軸方向
に移動位置決めされる移動テーブル１７とから成
つている。

第１図の例示では、前記したリードスクリユー
１５は例えばパルスモータ１９などで数値制御的
に駆動され、ベベルギヤーと連結軸２１とによつ
て固定テーブル１３の両側で同期して回転する。

両側の移動テーブル１７は、前記したリードス
クリユー１５と螺合するナツト部材（図示省略）
を備え、リニアーモーシヨンベアリングガイド２
３と外側のガイドレール２５に乗つてＹ軸方向に
移動する。

両側の移動テーブル１７の第１図における右端
を連結してキヤリツジベース２７が設けてあつ
て、キヤリツジベース２７が内蔵するリードスク
リユやパルスモータなどによつて、キヤリツジ２
９がＸ軸方向に移動位置決めされ、キヤリツジ２
９の左側に把持爪装置装置７が設けてあつて、例
えば被加工物である大型板材などを把持し、レー
ザ加工機１の加工点である照射中心９に対して移
動位置決めするのである。

上記のようにレーザ加工機１やドリル穿孔機や
タツピングマシンなどのように一定の加工点９に
対して被加工物を移動位置決めし、加工点９のま
わりに冷却水や切削油などの液体を放射しながら
加工を進める場合、特に被加工物が大型でテーブ
ルが固定テーブルと移動テーブルから成つている
場合には、従来の工作機械ではこれらの液体を完
全に回収して再利用する機構を備えていなかつ
た。

従つて被加工物上に滞溜した液体が床上に落下
して作業員の歩行に危険を及ぼしたり、回収して
再利用はできないなどの不都合があつたのであ
る。

本考案は上記した従来の工作機械の不都合を解
消すべくなされたもので、以下に図面にもとづい
てその好適実施例を詳細に説明する。

第１図、第２図に示した本考案の実施例装置で
は、固定テーブル１３の下面に回収パレツト３１
を備えていて、固定テーブル１３上の被加工物或
いは固定テーブル１３上に停滞した冷却水などを
ボールブツシユ３３の間から流下させて集め、回
収している。

第２図の左側に示したのはレーザ加工機におけ
る加工位置において被加工物を下側から支持する
環状の支持部材３５であつて、その下には漏斗部
材３７が設けてあつて前記した回収パレツト３１
を貫いているように構成してある。

両側の移動テーブル１７のボールブツシユ３３
は、移動テーブル１７の上面に設けた複数本の溝
３９の巾の中に、ゴムなどのシール性座４１を介
して設けてあり、前記した溝３９の１端を低い位
置で連結する側部溝４３が設けてある。

上記側部溝４３の１部に流出導孔４５を設け、
流出導孔４５から流下した冷却水などが回収パレ
ツト３１の底に当つてはねないように移動テーブ
ル１７の流出導孔４５の下方に反射板４７を回収
パレツト３１側へ傾斜してとりつてある。

本考案の実施例装置は以上のように構成してな
るものであるから、工作機械の加工点のまわりに
供給した冷却液や切削油を、固定テーブルと移動
テーブルからなる被加工物テーブルの全面上から
回収することが可能であり、これらの供給液が工
作機械の回転部分などに飛散して腐食させたり、
床上に落ちて作業員の歩行に危険を及ぼすことが
なくすべての供給液を回収して再活用することが
できる省資源上の効果をも得たのである。

以上のごとき実施例の説明より理解されるよう
に、要するに本考案の要旨は実用新案登録請求の
範囲記載のとおりであるから、その記載より明ら
かなように、本考案においては、固定テーブルの
両側に配置した各移動テーブルの上面には移動方
向に対して直交する方向の溝が複数本形成してあ
り、各溝は、移動テーブルの固定テーブル側の側
部に設けられた側部溝に連結してある。そして、
側部溝に設けられた流出導孔は、固定テーブルの
下部に設けられた回収パレツトに臨ませてあり、
かつ各流出導孔の下方位置には、流出導孔から流
下した液体が底に当つてはねないように反射板が
傾斜して設けられているものである。

したがつて本考案によれば、被加工物上を流れ
て移動テーブル上に移動した冷却液等は、移動テ
ーブルの上面に設けられた複数の溝および側部溝
を経て流出導孔に集められてから回収パレツトに
回収されることとなり、回収パレツトは移動テー
ブルの移動長にほぼ等しければ良く、比較的小型
化できると共に、回収されるので周囲に飛散する
ようなことがないものである。また、前記流出導
孔から回収パレツトに流下するとき、底に直接落
下するものではなく、反射板に当つてパレツトの
内方向へ指向されるので、回収パレツトからはね
散るようなことがないものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例としての被加工物テー
ブルの平面図である。第２図は第１図の−断
面矢視図である。 図面の主要部を表わす符号の説明、１……レー
ザ加工機、３……被加工物テーブル、１３……固
定テーブル、１７……移動テーブル、３１……回
収パーレツト、３９……溝、４３……側部溝、４
５……流出導孔。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 被加工物を加工する加工部を備えた固定テーブ
   ルの両側に、固定テーブルの長手方向に移動自在
   の移動テーブルを配置して設け、各移動テーブル
   の上面に、移動テーブルの移動方向に対し直交す
   る方向の溝を複数本形成して設け、各移動テーブ
   ルの固定テーブル側の側部に、前記各溝を連結し
   た側部溝を形成して設け、各移動テーブルにおけ
   る各側部溝に設けられた流出導孔を、前記固定テ
   ーブルの下部に設けられた回収パレツトに臨ませ
   て設け、各流出導孔から流下した液体が前記パレ
   ツトの底に当つてはねないように、各流出導孔の
   下方において各移動テーブルに反射板をパレツト
   側へ傾斜して設けてなることを特徴とする工作機
   械の被加工物テーブル。