JPS6144542Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は自動車、とりわけプレスドアタイプの
ドアを備えた自動車におけるフロントピラーのシ
ール構造に関する。

近年、第１図に例示するように、ドア本体１と
ドアサツシユ２とを一体成形した所謂プレスドア
タイプのドアを備えた自動車が知られている。こ
のプレスドアタイプのドアは前述のドアサツシユ
２の上側部２Ａをルーフパネル３側に延設してあ
ると共に、前側部２Ｂをフロントピラー４の前側
に廻に込んで延設してあり、ドアサツシユ２とル
ーフパネル３、フロントピラー４との一体感が得
られて外観上および空力特性上有利とされてい
る。

ところで、このようなプレスドアタイプのドア
を備えた自動車では、前述のフロントピラー４側
部と、ドアサツシユ前側部２Ｂとの間を第２図に
示す構造によつてシールするようにしている。図
中５は、フロントウインドガラスで、該フロント
ウインドガラス５はフロントピラーアウタ４ａと
フロントピラーインナ４ｂとの接合フランジ部に
接着剤６により固定してあり、このフロントウイ
ンドガラス５の周縁部はフロントピラーアウタ４
ａにスクリユーグロメツト８で固定したウインド
モール９で覆つて装飾してある。そして、このフ
ロントピラーアウタ４ａにウエザーストリツプ１
０をクリツプ１１止めし、該ウエザーストリツプ
１０をドアサツシユ前側部２Ｂの背面に密接させ
て、これらフロントピラー４とドアサツシユ前側
部２Ｂとの間をシールしている。また、前述のウ
エザーストリツプ１０は場合によつてウインドモ
ール９上に重ね合わせ、スクリユーグロメツト８
とずれた位置においてウインドモール９、フロン
トピラーアウタ４ａを貫通してクリツプ１１止め
することもある。第２図中７は接着剤はみ出し防
止用のダム部材、１２はガラスラン、１３はドア
ガラス、１４はウエルトを示す。なお、これに類
似する従来構造としては実開昭52−171026公報に
示されるものがある。

ところが、かかる従来の構成では、ウエザース
トリツプ１０とフロントピラーアウタ４ａ面間お
よびクリツプ１１とフロントピラーアウタ４ａの
取付孔１５との間を、クリツプ１１によりウエザ
ーストリツプ１０を圧縮変形させてシール反力を
得ることによつてシールしているのであるが、こ
のクリツプ１１による固定ではウエザーストリツ
プ１０の圧縮代の調整がきかないため、ウエザー
ストリツプ１０を過度に圧縮して取付けると、該
ウエザーストリツプ１０のクリツプ１１め部分が
経時変化してヘタリを生じ、水洩れの原因となる
問題があつた。またフロントピラーアウタ４ａに
ウインドモール９用の取付孔１６とウエザースト
リツプ１０用の取付孔１５を開設するため、孔数
が非常に多くなり、それだけフロントピラー４内
部への水洩れ頻度も高くなつてしまう。更に、こ
のようなシール性の問題とは別に、ウインドモー
ル９が直接フロントピラーアウタ４ａに接触して
いるため、該部分からの発錆の問題も生じてい
た。

本考案はかかる従来の実状に鑑み、ウエザース
トリツプの圧縮力を適度に一定にしてウエザース
トリツプ締付け部のヘタリを回避し、シール性を
一段と向上できるフロントピラーのシール構造を
提供することを目的とする。

前記目的を達成するため、本考案にあつてはフ
ロントピラー側方まで延設されたサツシユ前側部
とフロントピラーとの間をシールするウエザース
トリツプをフロントピラーアウタに固定するスナ
ツプ部材の本体にスナツプ頭部とフロントピラー
アウタとの間のウエザーストリツプ締付け間隔を
規制する段部を形成することにより該スナツプ部
材のウエザーストリツプ締付け力を一定にする一
方、フロントピラーに取付けられるウインドガラ
スとフロントピラーアウタとに跨つて配設される
ウインドモールを前記スナツプ部材のスナツプ頭
部上に固着することにより、ウインドモールとフ
ロントピラーアウタとの間での発錆を阻止すると
供にフロントピラーアウタの孔形成に伴なうピラ
ー内部への水洩れ頻度を低減するようにしてい
る。

以下、本考案の一実施例を図面と共に前記従来
の構成と同一部分に同一符号を付して詳述する。

第３図において、２０はウエザーストリツプ１
０をフロントピラーアウタ４ａに固定するスナツ
プ部材で、先端にはフロントピラー４ａの取付孔
１７縁に係止する爪２１を形成してあり、かつ、
後端にはフランジ状の頭部２２を形成してある。
また、このスナツプ部材２０の本体には前記取付
孔１７縁に係止してスナツプ頭部２２とフロント
ピラーアウタ４ａとの間のウエザーストリツプ締
付け間隔を規制する段部２３を形成して、ウエザ
ーストリツプ１０の圧縮力を一定に保つようにし
てある。この段部２３の高さｈはウエザーストリ
ツプ１０の厚さに応じて、ウエザーストリツプ１
０取付部分に適度のシール反力が得られるように
任意に設定してある。また、スナツプ部材２０の
軸中心にはスナツプ頭部２２側からスクリユー挿
入孔２４を形成してあり、スナツプ頭部２２上に
ウインドモール９を重ね、タツピングスクリユー
２５を前記挿入孔２４にねじ込んで該ウインドモ
ール９を固定してる。

以上の実施例構造によれば、スナツプ部材２０
の段部２３によつてウエザーストリツプ締付け間
隔を規制しているため、ウエザーストリツプ１０
の圧縮力にバラツキを生じて過度に圧縮すること
がなく、適度に一定に保つことができ、従つてウ
エザーストリツプ１０取付部分に経時変化による
ヘタリを生じることがなくシール性の劣化を防止
できるのである。また、ウインドモール９をこの
スナツプ部材２０の頭部２２上にスクリユー２５
固定してありウインドモール９とフロントピラー
アウタとの金属接触を回避しているので発錆の問
題も解消できる。更に、このようにウインドモー
ル９をスナツプ部材２０に固定するためフロント
ピラーアウタ４ａに特別にウインドモール９を装
着するための取付孔が不要となるため、該フロン
トピラーアウタ４ａの孔形成に伴うピラー内部へ
の水洩れ頻度を著しく低減できる。

以上のように本考案によればフロントピラー面
に対するウエザーストリツプ取付部の圧縮を適度
に一定に保つことができるため、該ウエザースト
リツプの取付部分のヘタリをなくすことができ、
この結果、ウエザーストリツプとフロントピラー
アウタ面間のシールはもとより、フロントピラー
アウタのスナツプ部材貫通部分のシールを確実に
できると共に、前記ヘタリに起因するスナツプ部
材等のガタツキ発生を防止できる。しかも、ウイ
ンドモールをスナツプ部材のスナツプ頭部上にス
クリユー固着してあるので、ウインドモールとフ
ロントピラーアウタとの金属接触を回避すること
ができ、もつてウインドモールとフロントピラー
アウタとの間での発錆を阻止することができる。
さらに、フロントピラーアウタに形成される孔数
が減るので、フロントピラーアウタの孔形成に伴
なうピラー内部への水洩れも低減することができ
るという実用上の効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は自動車の外観斜視図、第２図は従来の
構造を示す第１図Ａ−Ａ線に沿う断面図、第３図
は本考案の一実施例を示す第２図と同様の断面図
である。 １……ドア、２……ドアサツシユ、２Ｂ……ド
アサツシユ前側部、４……フロントピラー、４ａ
……フロントピラーアウタ、１０……ウエザース
トリツプ、２０……スナツプ部材、２２……スナ
ツプ頭部、２３……段部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. フロントピラーと該フロントピラーの側方に延
   設されたドアサツシユ前側部との間をシールする
   ウエザーストリツプと、該ウエザーストリツプを
   フロントピラーアウタに固定するスナツプ部材と
   を備え、該スナツプ部材の本体にはスナツプ頭部
   とフロントピラーアウタとの間のウエザーストリ
   ツプ締付け間隔を規制する段部を形成する一方、
   前記フロントピラーに取付けられるウインドガラ
   スとフロントピラーアウタとに跨つて配設される
   ウインドモールを前記スナツプ部材のスナツプ頭
   部上に固着したことを特徴とするフロントピラー
   のシール構造。