JPS6144146B2 - - Google Patents

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JPS6144146B2
JPS6144146B2 JP2449982A JP2449982A JPS6144146B2 JP S6144146 B2 JPS6144146 B2 JP S6144146B2 JP 2449982 A JP2449982 A JP 2449982A JP 2449982 A JP2449982 A JP 2449982A JP S6144146 B2 JPS6144146 B2 JP S6144146B2
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JP
Japan
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resistance
amount
corrosion resistance
strength
corrosion
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JP2449982A
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JPS5913052A (ja
Inventor
Hiroshi Ootsubo
Hayao Kurahashi
Isao Takada
Tatsuo Kawasaki
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JFE Steel Corp
Original Assignee
Kawasaki Steel Corp
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Publication date
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Priority to JP11092686A priority patent/JPS62103319A/ja
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Description

【発明の詳細な説明】
本発明は、高強度かつ耐食性、耐応力腐食割れ
性及び耐硫化物割れ性の優れたステンレス鋼材に
関する。 近年、石油の需要のひつ迫から掘削環境が従来
以上に厳しい油井、ガス井の開発が進められてい
る。このように油井、又はガス井は、ほとんど深
層、高温、高圧でH2S,CO2,Cl等を含有する環
境である。したがつて高強度でかつ、耐食性、耐
応力腐食割れ性(以下、耐SCC性という。)、耐
硫化物割れ性(以下、耐SSC性という。)の優れ
た油井用材料の開発が叫ばれている。 従来、油井用ステンレス鋼としては、420系が
使用されている。その理由の一つとして、深層用
の油井管としては80ksi以上の降状応力が必要で
あり(炭素鋼には、深層、H2S環境用としてAPI
merican Petroleum Institute)規格L80とい
う規格が決められている。ステンレス鋼には未だ
規格がなく、したがつてL80相当として製造され
ている。)、420系は熱処理により高強度が得られ
るためである。しかし420系はCO2のみを含む環
境下においても、耐食性は不十分であり、しかも
耐SCC性が悪く、CO2+H2Sの環境下では、使用
できない。実際、CO2に微量のH2Sを含む油井に
おいて、H2Sによる鋼材の水素割れに起因すると
考えられる事故が起こつている。 本発明者らは、420系のこれらの欠点を解消し
た油井環境の使用に耐える、耐食性、耐SSC性、
耐SCC性の優れた降状応力80ksi以上(API規
格)のマルテンサイト系ステンレス鋼の開発を目
的として、実際、研究を重ね、まず、化学成分、
熱処理条件の強度におよぼす影響を明らかにし
た。 すなわち、強度は次式で表わされることを発見
した。 引張強さ(Kg/cm2)=3.416√+・TP2−145.6
√+・TP+1642√++3.21Ni+5.7(Si
−0.5)+2.0(Mn−0.5)++0.1344Cu3−1.499Cu2
+6.69Cu+0.0172√・TP2−3.78√・TP+
7.76√+80V+20Nb+33.1 ……(3) TP:焼戻しパラメータ、TP=T(20+logt)×
10-3 降状強さ=0.9625TS−40.6(C+N)−7.64
……(4) TS:引張強さ (3),(4)式より80ksiの降伏強度を確保するに必
要な化学成分、焼もどし条件が分かる。 さらに、本発明者らは、これらを基に強度を確
保させながら、耐食性、耐SCC性、耐SSC性を向
上させるべく、化学組成について多くの実験、検
討を行い、本発明を創作するに至つた。 本発明の要旨とするものは次のとおりである。 (1) C:0.05〜0.15%,Si≦1.00%,Mn:0.50〜
2.00%,P≦0.025%,S≦0.010%,Ni≦0.20
%,Nb:0.02〜0.10%,Cu≦0.20%,Cr:11.0
〜14.0%,N:0.02〜0.10%,Al≦0.10%を下
記(1)式で求められる最終鋼材中のフエライト量
が20%以下となる限度で含有し、残部はFe及
び不純物よりなることを特徴とする、高強度か
つ耐食性、耐SCC性及び耐SSC性の優れたステ
ンレス鋼材。 フエライト量(%)=−195C−185N−18Ni−
6Cu−5Mn+5Si+12Cr+6Nb+50Al−120……
(1) (2) C:0.05〜0.15%,Si≦1.00%,Mn:0.50〜
2.00%,P≦0.025%,S≦0.010%,Ni≦0.20
%,Nb:0.02〜0.10%,Cu≦0.20%,Cr:11.0
〜14.0%,N:0.02〜0.10%,Al≦0.10%、さ
らにMo≦1.00%,V≦0.10%のいずれか1種
又は2種を、下記(2)式で求められる最終鋼材中
のフエライト量が20%以下となる限度で含有
し、残部はFe及び不純物よりなることを特徴
とする、高強度かつ耐食性、耐SCC性及び耐
SSC性の優れたステンレス鋼材。 フエライト量(%)=−195C−185N−18Ni−
6Cu−5Mn+5Si+12Cr+16V+5Mo+6Nb+
50Al−120 ……(2) 以下、本発明について詳細に説明する。 まず鋼材の成分と成分範囲の限定理由を述べ
る。 C:C量のCO2環境下及びH2S環境下での鋼材
の腐食速度に及ぼす影響をそれぞれ第1図a,第
1図bに示す。これらの図表からCが0.15%以上
で十分な耐食性が得られることが分かる。鋼材の
耐SSC性とそのC量との関係は第2図に示され
る。この図表によりC量が0.15%以下であると、
耐SSC性が良好であることが分かる。以上によ
り、Cの上限を0.15%とする。また下限を0.05%
としたのは、0.05%以上で鋼材が所要の高強度を
得ることができるからである。 Si:耐食性に及ぼす影響は小さいが、脱酸剤と
して使用される。しかしながら多量に入れるとフ
エライトが出現しやすく、強度の確保が困難とな
る。そこで1.00以下と限定した。 Al:脱酸剤として使用されるが、多量に入れ
ると表面欠陥が多くなり、かつフエライトが出現
しやすく強度の確保が困難となる。そこで0.10%
以下と限定した。 Mn:第3図、第4図に示すように耐食性、耐
水素脆化感受性に及ぼす影響はない。しかしなが
ら強度を確保するためオーステナイト形成元素で
あるMnをある量以上添加する必要がある。そこ
でMnの下限を0.50%とした、又2.00%より多く
添加するとAc1変態点が低下し、焼戻しに必要な
温度領域(後述するが、耐SSC性の確保のため
600℃以上が必要である。)が取れなくなつてしま
う。したがつて上限を2.00%とした。 P:耐食性に及ぼす影響は小さいが耐SSC性に
及ぼす影響は大きい。第5図に示すようにPが
0.025%を超えると、耐SSC性は急激に劣化す
る。そこでPの上限を0.025%とした。 S:Pと同様、耐食性に及ぼす影響はないが、
第6図に示すように耐SSC性に及ぼす影響は大き
く、0.010%を超えると耐SSC性は急激に低下す
る。そこでSの上限を0.010%とした。 Ni:ステンレス鋼のような高合金鋼の溶製で
は、スクラツプの使用量が多いためNiの混入は
避け難い。しかし第7図に示すように、Niの添
加とともに腐食速度は低下し、耐食性は向上する
が、第8図より明らかなように、Niの添加とと
もに割れ発生限界応力(threshold stress)は低
下していく、このようにNiは耐SSC性を劣化させ
る。そこでNiの上限を0.20%とした。 Cu:Niと同様にスクラツプからの混入は避け
難いがCu量と割れ発生限界応力の関係を第9図
に示すようにCuの添加とともに上記限界応力は
低下し、Niと同様にCuは耐SSC性を劣化させ
る。そこで、Cuの上限を0.20%とした。 N:Nの耐食性に及ぼす影響を第10図に示
す。0.02%の添加により耐食性は向上する。しか
しながら0.15%以上添加すると逆に劣化する。次
に耐SSC性におよぼす影響を第11図に示す。
0.10%を超えて添加するとthreshold stressは急
激に低下する。そこでNの上限を0.10%、下限を
0.02%とした。 Cr:第12図に示すように、CO2環境化での
耐食性を著しく向上させ、かつ孔食、すきま腐食
を防ぐためには11.0%以上の添加が必要である。
また、Cr自身フエライト形成元素であるため、
後述するが耐SCC性を良好とするのに必要な焼
もどし温度以上では14.0%を超えた場合、所定の
強度を得ることはできない。そこで、Crの下限
を11.0%に上限を14.0%とした。 Mo,V,:Moは耐食性、強度を向上させるが
1.00%を超える量を添加しても、第13図、第1
4図に示すように効果は小さくなる。また高価で
もあるので、上限を1.00%とした。 Vは第15図に示すように強度上昇に効果があ
る。しかしながら0.10%を超えて添加しても効果
は更に向上しないばかりでなく高価でもあるので
上限を0.10%とした。 また、Mo,Vはフエライト形成元素である。
したがつてそれらを1種又はそれ以上添加する必
要がある場合、全体のフエライト量を多くする恐
れがある。(2)式で求められるフエライト量が20%
を超えるようにMo,Vの添加量を多くすると、
所定の強度を満足できなくなる。したがつて、こ
れら成分を添加する場合には、フエライト量が20
%以下となる限度で、Mo,Vを添加することに
限定した。 Nb:Nbは耐食性、強度に及ぼす影響は小さい
が、第16図に示すように耐SSC性を向上させ
る。0.02%の添加で割れ発生限界応力
(threshold stress)は0.75σYであり、Deep
Sour Well(深層で0.001atm以上のH2S分圧を有
する油井又はガス井)用の下限値0.75σYを満足
する。とこで4下限値を0.02%とした。また、
0.10%を超えて添加してもその効果の向上は見ら
れず、高価でもあるので、上限を0.10%とした。 次に本発明の鋼材の製造方法を説明する。 本発明の特許請求の範囲第1および2項にそれ
ぞれ記載の成分組成を有する素材を900〜1150℃
でオーステナイト化した後、800〜500℃間の平均
冷却速度を10℃/min以上の速い冷却速度として
冷却し、次いで600〜830℃の温度で焼戻し処理を
施した後、500〜300℃間の平均冷却速度が5℃/
min以上の速い冷却速度として冷却することによ
つて高強度かつ耐食性、耐応力腐食割れ性及び耐
硫化物割れ性の優れたステンレス鋼材となすこと
ができる。なお、上述のような熱処理条件で処理
を施す理由は下記のようである。 オーステナイト化温度が900℃より低いと、本
発明の成分組成の鋼材にあつては所定の強度を得
ることが困難であり、一方1150℃をこえると結晶
粒が粗大化して靱性が劣化し、油井管の施工中又
は使用中に管材脆化に基づく事故が生ずる恐れが
あるから、900〜1150℃の間でオーステナイト化
する。 また800〜500℃間の平均冷却速度が10℃/min
より遅いと所定の強度を確保することができない
ので平均冷却速度は10℃/min以上とする。 焼戻し温度が600℃より低いと、第1表に示す
ように、化学成分によらずに耐SCC性が低くな
り、一方830℃を超える温度では、Ac1変態点を
超え再び一部がオーステナイト化し冷却時にマル
テンサイト変態が起こり、耐SSC性が劣化するの
で焼戻し温度は600〜800℃にする。
【表】 また焼戻し時において、500℃から300℃までに
至る温度間での平均冷却速度が5℃/minよりよ
りも遅い冷却では、第17図に示すように、耐水
素脆化感受性が急激に劣化するから、前記平均冷
却速度は5℃/min以上にする。 次に本発明を実施例について、比較例と対比し
ながら説明する。
【表】
【表】 比較例1,2,3,7による鋼材は、その焼戻
し温度が本発明における下限600℃より低いた
め、耐SSC性、耐SCC性が本発明による鋼材より
劣り、比較例4,5,6による鋼材は、C量が本
発明における上限を超えているため、耐食性と耐
SSC性が劣り、比較例8,9,10による鋼材は、
そのP又はS量が本発明における上限を超えてい
るため、耐SSC性が劣り、比較例11,12,13によ
る鋼材はNiを多量含んでいるため、耐SSC性、耐
SCC性が劣り、比較例14,15,16による鋼材は
Cuを多量に含んでいるために耐SSC性が悪くな
つており、比較例17による鋼材は耐SSC性、耐
SCC性は良好であるが、N量が著しく少なく本
発明における下限値に達していないため、耐食性
が悪くなつている。 比較例18は、逆にN量が本発明における上限
値を超えているため、耐SCC性が悪く、また耐
食性も悪くなつている。 上記表に示すとおり、本発明による鋼材は、強
度並びに耐食性、耐SSC性が優れているので、油
井管材料として優れた鋼材であることは明らかで
ある。
【図面の簡単な説明】
第1図は鋼材C量の鋼材耐食性に及ぼす影響を
示す図表であつて、その(a)はCO2環境下での耐食
性を示す図表、その(b)はCO2−H2S環境下での耐
食性を示す図表、第2図はC量の耐SSC性に及ぼ
す影響(API L80相当)(以下同じ)を示す図
表、第3図はCO2+H2S環境下でのMn量の耐食
性に及ぼす影響を示す図、第4図はMn量の耐
SSC性に及ぼす影響を示す図表、第5図はP量の
耐SSC性に及ぼす影響を示す図表、第6図はS量
の耐SSC性に及ぼす影響を示す図表、第7図はNi
量がCO2+H2S環境下での耐食性に及ぼす影響を
示す図表、第8図はNi量の耐SSC性に及ぼす影響
を示す図表、第9図はCu量の耐SSC性に及ぼす
影響を示す図表、第10図はN量がCO2環境下で
の耐食性に及ぼす影響を示す図表、第11図はN
量の耐SSC性に及ぼす影響を示す図表、第12図
はCr量のCO2環境下での耐食性に及ぼす影響を
示す図表、第13図はMo量がCO2+H2S環境下で
の耐食性に及ぼす影響を示す図表、第14図は
Mo量の鋼材強度に及ぼす影響を示す図表、第1
5図はVの鋼材強度に及ぼす影響を示す図表、第
16図はNb量の耐SSC性に及ぼす影響を示す図
表、第17図は焼戻し後の冷却速度が耐SSC性に
及ぼす影響を示す図表である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 C:0.05〜0.15%,Si≦1.00%,Mn:0.50〜
    2.00%,P≦0.025%,S≦0.010%,Ni≦0.20
    %,Nb:0.02〜0.10%,Cu≦0.20%,Cr:11.0〜
    14.0%,N:0.02〜0.10%,Al≦0.10%を下記(1)
    式で求められる最終鋼材中のフエライト量が20%
    以下となる限度で含有し、残部はFe及び不純物
    よりなることを特徴とする、高強度かつ耐食性、
    耐応力腐食割れ性及び耐硫化物割れ性の優れたス
    テンレス鋼材。 フエライト量(%)=−195C−185N−18Ni−6Cu
    −5Mn+5Si+12Cr+6Nb+50Al−120 ……(1) 2 C:0.05〜0.15%,Si≦1.00%,Mn:0.50〜
    2.00%,P≦0.025%,S≦0.010%,Ni≦0.20
    %,Nb:0.02〜0.10%,Cu≦0.20%,Cr:11.0〜
    14.0%,N:0.02〜0.10%,Al≦0.10%、さらに
    Mo≦1.00%,V≦0.10%のいずれか1種又は2
    種を、下記(2)式で求められる最終鋼材中のフエラ
    イト量が20%以下となる限度で含有し、残部は
    Fe及び不純物よりなることを特徴とする、高強
    度かつ耐食性、耐応力腐食割れ性及び耐硫化物割
    れ性の優れたステンレス鋼材。 フエライト量(%)=−195C−185N−18Ni−6Cu
    −5Mn+5Si+12Cr+16V+5Mo+6Nb+50Al−
    120 ……(2)
JP2449982A 1982-02-19 1982-02-19 高強度かつ耐食性、耐応力腐食割れ性及び耐硫化物割れ性の優れたステンレス鋼材 Granted JPS5913052A (ja)

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