JPS6143247Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、地板に文字板足を挿入して固定する
時計用文字板の固定構造に関する。

従来、時計用文字板を固定するには、地板に孔
を穿設してその孔に文字板足を挿入し、その文字
板足に地板の側面からねじを締め込んでいた。こ
の固定用ねじの近傍には時計のムーブメントを時
計側に固定するための側止め座がねじで固定され
ており、側止め座の縁を時計側に設けた溝に嵌め
込むことによつて固定する。

しかし、従来の上記構造によれば、文字板の固
定用ねじと時計側止め座の固定用止めねじとを別
別に使用しているために部品点数が多くなり、し
かも、地板へのねじ切り加工の工数が増え、スペ
ースを必要とするので限られたスペースでの部品
配置がある程度規制される。

本考案は、１つの固定用止めねじを兼用するこ
とによつて上記欠点を解消した時計用文字板の固
定構造を提供せんとするものである。そして、本
考案の目的達成手段とするところは、文字板足径
より大きい孔を地板に設けて前記文字板足を挿入
し、前記孔の逆方向から前記文字板足と前記孔壁
面との間に止めねじを螺入するとともに、その止
めねじで時計側止め座を固定することにある。

以下に本考案の実施例を図にもとづいて説明す
る。第１図は時計用文字板固定構造の断面図であ
り、符号１は地板、２は文字板である。地板１に
は、第２図に示すようなひようたん形の孔３を穿
設してある。すなわち、この孔３は、２つの円孔
の一部を重ねた形状を有し、一方の円孔４は、文
字板２の裏面に植設した文字板足５の径より僅か
に大きくして円滑に挿入可能にしている。他方の
円孔６は円孔４とつながつているので、円孔６内
に文字板足５の一部がはみ出すことになるが、そ
の円孔６には孔３の逆方向から、すなわち文字板
足５を挿入した方向とは逆側から止めねじ７をね
じ込む。止めねじ７はタツピングねじを用い、時
計側止め座８を貫通して円孔６内に突出した文字
板足５と円孔６の壁面９との間にねじ切りをしな
がら螺入する。止めねじ７を螺着すると、時計側
止め座８は地板１に固定され、同時に止めねじ７
は文字板足５を地板１内に引き込んで文字板２を
強固に固定して浮きを無くす。

以上説明したように、本考案によれば、本来的
に文字板２を固定する止めねじ７を利用して時計
側止め座８をも固定するものである。

したがつて、部品数が少なくなつて組立てが容
易になり、孔加工の工数が少なくなる利点があ
る。

なお、上記実施例において、孔３の逆方向から
螺入する止めねじ７はタツピングねじを用いた
が、予め文字板足５と孔３の壁面９とにねじ溝を
切設してそのねじ溝に合うねじを螺入して固定し
てもよい。

また、叙述の実施例では、地板１に穿設した孔
３の形状をひようたん形にしたが、孔の形状は文
字板足５の径より大きい円形あるいは楕円形にす
ることもできる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例を示す時計用文字板固
定構造の断面図、第２図は地板にあけた孔の形状
を示す地板の一部平面図である。 １……地板、２……文字板、３……孔、５……
文字板足、７……止めねじ、８……時計側止め
座、９……壁面。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 文字板足径より大きい孔を地板に設けて前記文
   字板足を挿入し、前記孔の逆方向から前記文字板
   足と前記孔壁面との間に止めねじを螺入するとと
   もに、その止めねじで時計側止め座を固定する時
   計用文字板の固定構造。