JPS6142849Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、抽選番号や抽選文字等の抽選情報が
肉眼では直接認識できないようにした抽選劵に関
するものである。

以下図面を参照して本考案を詳細に説明する。

第１図は本考案に係る抽選劵１の構成説明図で
あり、下部紙片２と上部紙片３とが接着部４で接
着して成る。また、第２図は本考案の他の実施例
を示しており、上部紙片３と下部紙片２とを密
接・載置した状態で、両側面に位置する接着部
５，６で接着してあり、接着部６の近辺にはミシ
ン目７が設けてある。この抽選劵９はミシン目７
により切り離し、後述するような方法により所期
の抽選を行なう。

上部紙片３は紙より成り、透しインキをスポツ
ト状に印刷し、浸透させることによつて得られた
透視部１０と、この透視部１０上に設けた万線パ
ターン１１が少なくとも設けてある。

本明細書で言う「透しインキ」とは、上部紙片
３の一部に透視部１０を設けるために使用するイ
ンキである。このインキを使用し、不透明な紙の
上に印刷すると、紙の表面には酸化重合した透明
なインキ皮膜を形成し、紙の内部では、セルロー
ス繊維間に浸透して液状を保ち、印刷した部分を
透明化する。一例としては、アルキド樹脂を主成
分とし、不乾性油を添加した浸透性良好なインキ
が挙げられる。

従つて、上部紙片３は、透しインキの浸透が良
好な紙をその基体とすべきである。具体的には模
造紙やカレンダーがけを弱くしたマシン仕上げ紙
を基体として選択することが好ましい。また、使
用する紙は、その坪量が30〜45g、好ましくは35
〜40gの範囲のものを使用することが、透視部１
０形成性の点から推奨される。

透視部１０上には、第１図及び第２図に示すよ
うに、一定間隔の万線より成る万線パターン１１
が設けてある。この万線パターン１１は、後述す
る隠しパターン１５と迷彩パターン１６のそれぞ
れを構成する万線と同一の間隔を有する。なお、
上部紙片３には、上述した透視部１０と万線パタ
ーン１１の他、抽選劵としての必要な情報２０を
設けておいてもよい。

下部紙片２は上部紙片３と同様に紙より成り、
その一部に、一定間隔の万線より成る隠しパター
ン１５と、この隠しパターン１５の万線と平行で
かつ位置をずらせた万線より成る迷彩パターン１
６及びこれらの各パターン上の細絞パターン１７
が少なくとも設けてある。上述した３個のパター
ン形成に際しては、第２図に示すように、上部紙
片３を下部片２上に密接・載置してある場合、そ
れぞれのパターンが透視部１０から観察できない
ように設けておく必要がある。

隠しパターン１５及び迷彩パターン１６を構成
する万線は、実際にはその間隔を非常に狭く設定
するため、このままでは肉眼で判別することはで
きない。しかし、第３図に示すように、隠しパタ
ーン１５と迷彩パターン１６と細絞パターン１７
上に上部紙片３の透視部１０が位置するように重
ねると、隠しパターン１５が現出する。すなわち
迷彩パターン１６の万線と万線パターン１１の万
線が重なつた場合、隠しパターン１５の万線は万
線パターン１１の万線とは重ならず。隠しパター
ン１５の部分と迷彩パターン１６の部分に差が生
じ、これによつて隠しパターン１５が可視化する
のである。

なお、万線は以上の直線状の万線の外に、同心
円状の万線、スパイラル状の万線等の曲線状の万
線も可能である。

更にまた隠しパターン１５の万線又は迷彩パタ
ーン１６の万線あるいはその双方の万線の太さを
部分的に変えたり、あるいは万線を形成するイン
キの盛り量を部分的に変えたりすることで、隠し
パターン以外のパターンが肉眼で見えるようにす
ることができる。

この場合、肉眼で見えるパターンがあるために
これが迷彩となり、一層隠しパターン１５を分り
にくくする。

また、本考案においては、前記構成の隠しパタ
ーン１５及び迷彩パターン１６上に細絞パターン
１７を設けておく必要がある。これにより、下に
位置する隠しパターン１５の確認が肉眼では全く
不可能となる。

隠しパターン１５及び迷彩パターン１６を構成
する万線の太さが部分的に異なる時には、その万
線のうち最も太い部分と同じ太さかあるいはそれ
以上の太さを有する万線より成る万線パターン１
１を使用するのが好ましい。この万線パターン１
１を隠しパターン１５の上に重ねた時には前記肉
眼で見えるパターンはその全体又は一部分が非可
視化し、隠しパターン１５が可視化する。

本考案は以上のような構成のため、万線パター
ンを設けてある上部紙片によつて容易に隠しパタ
ーンを確認することができるが、肉眼では見るこ
とができず、また偽造や改ざんも困難である。

また、上部紙片及び下部紙片はともに用紙を用
いるため、貼り合せ加工や透視部の透明化加工、
更には各パターンの形成が容易で、また、抽選劵
として取り扱う場合にも、一般の用紙と同様に取
り扱うことができる。（透視部を透明なポリエス
テルフイルムやセロハンフイルムで作成した場合
には、折り曲げると不透明になるために取り扱い
が不便になり、また価格の面で不利となる）。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の構成説明図、第２図は本考案
の他の実施例の説明図、第３図は使用状態の説明
図をそれぞれ示している。 １，９……抽選劵、２……下部紙片、３……上
部紙片、４，５，６……接着部、１０……透視
部、１１……万線パターン、１５……隠しパター
ン、１６……迷彩パターン、１７……細絞パター
ン。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 上部紙片と下部紙片とを一側端で少なくとも接
   合して成り、該上部紙片上の一部には、透しイン
   キをスポツト状に印刷し、浸透させることによつ
   て得られる透視部と、該透視部上に施す一定間隔
   の万線パターンが少なくとも設けてあり、一方該
   下部紙片上の一部には、該万線パターンを構成す
   る万線と同じ間隔を有する万線から構成される隠
   しパターンと当該隠しパターン周辺の迷彩パター
   ン及びこれら各隠しパターンと迷彩パターン上の
   細絞パターンの３個のパターンが、該上部紙片が
   該下部紙片上に密接・載置してある場合には該透
   視部から見えないように設けてあることを特徴と
   する抽選劵。