JPS6142033Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の技術分野〕 この考案は主燃料を燃焼する炉体と補助燃焼用
オイルバーナとを有する温水ボイラの沸騰防止装
置に係り、特に、温水ボイラの炉体による主燃料
の燃焼中に送風機の吸入口を開閉制御して主燃料
の燃焼を制御し、温水の過熱による沸騰を防止し
た温水ボイラの沸騰防止装置に関する。

〔考案の技術的背景〕

従来、例えば、いわゆる特殊ボイラ属するもの
として、薪はもちろん薪以外にも都市ゴミ等の廃
棄物をも燃料とし得るボイラがある。このボイラ
によれば、廃棄物の焼却処理を果すとともに、そ
の際発生する熱を有効に利用して温水を発生させ
るので、焼却炉兼用の温水ボイラとして機能す
る。このような温水ボイラは、廃棄物等を主燃料
とする炉体と、主燃料の良好な燃焼を助け自己燃
焼開始温度まで乾燥し点火するための補助燃焼と
の二系統の燃焼機を有している。補助燃焼を燃焼
する補助燃焼機は、サーモスタツト等の水温検知
手段で検知した発生温水温度により、所定の温度
段階に応じて主燃料を乾燥し助燃するという二つ
の機能を有している。そして、これら主燃料およ
び補助燃料を燃焼するために、各燃焼機に燃焼用
空気を強制送給するいわゆる押込送風機方式を採
用するのが一般的である。

〔背景技術の問題点〕

ところで、温水ボイラの炉体による主燃料の燃
焼中にある時間間隔をもつてしか温水を使用せぬ
場合や、あるいは例えば就床後の夜間等のように
長時間温水を使用せぬ場合において、一旦燃焼を
開始した薪や廃棄物等の主燃料は送風機が停止し
ているにも拘らず、送風機の空気吸入口からの自
然通風を得て燃焼し続ける。この主燃料の燃焼
は、終には温水を沸騰させて使用に際し危険を生
じ、さらには沸騰によりボイラ内が高圧になり安
全弁から蒸気の無駄な排出をなすとともに、主燃
料の浪費を為す。そして、次回の温水を使用する
際たとえば翌朝には、主燃料は燃焼し尽くしてボ
イラ中には冷水のみが残るという問題をも生じ
た。

〔考案の目的〕 そこで、この考案はこのような問題を解消し、
温水ボイラの炉体による主燃料の燃焼中に送風機
の吸入口を開閉制御することにより主燃料の燃焼
を制御し、温水の沸騰や主燃料の浪費等を防止し
得る温水ボイラの沸騰防止装置を実現することを
目的とする。

〔考案の実施例〕

以下図面に基づいて本考案の実施例を詳細且つ
具体的に説明する。

第１〜３図は、本考案の第１実施例を示すもの
であり、焼却炉を兼ねた温水ボイラ１の炉体２
は、主燃料を燃焼する。炉体２の正面側には、主
燃料たる薪・石炭あるいは都市ゴミ等の廃棄物の
投入口３が設けてある。投入口３の下方には、主
燃料を乾燥し点火するための補助燃焼用オイルバ
ーナ４が設けてある。この補助燃焼用オイルバー
ナ（以下単にオイルバーナを称す）４は、補助燃
焼としての石油送給系統５を備えている。そし
て、前記主燃焼機たる炉体２とオイルバーナ４と
に燃焼用空気を強制送給する押込送風機６は、前
記オイルバーナ４と一体的に構成されている（第
３図参照）。前記オイルバーナ４の燃焼は、第１
サーモスタツト７が所定の温水温度を検知するこ
とにより点火・消火を制御される。また、押込送
風機６は、第２サーモスタツト８が所定の温水温
度を検知することにより回転・停止を制御され
る。

前記押込送風機６は、第２〜３図に示すように
モータ９と、モータ９により回転される送風フア
ン１０と、この送風フアン１０を被包するケーシ
ング１１とからなる。このケーシング１１には、
燃焼用空気の吸入口１２と吐出口１３とが設けて
ある。そして、吸入口１２には、パツキン１５を
設けた制御板１６が蝶番１４によつて開閉自在に
蝶着されている。この制御板１６には、第１ロツ
ド１７が固設され、該第１ロツド１７には主ロツ
ド１８の一端が枢着され、該主ロツド１８の他端
はＬ字形に屈曲され、該Ｌ字形端部にはソレノイ
ド１９により挿脱されるアーマチユア２０が固設
されている。前記主ロツド１８は、ケーシング１
１にはホルダー２１，２１により軸方向移動可能
に抱持され、該主ロツド１８に戻りバネ２２によ
り第３図において矢印２３方向に、すなわち前記
制御板１６をして空気吸入口１２を封鎖する方向
に付勢される。

なお、２４は燃焼と制御板１６の開閉を制御す
るコントロールボツクス（第３図参照）であり、
第１図の符号２５は給水口、２６は出湯口、２７
は排気筒、２８は灰の取出口である。

本考案は上述の如く構成されているので以下の
如く作用する。炉体２正面側の投入口３から薪や
廃棄物等の主燃料を投入し、メインスイツチ（図
示せず）をオンにすると、オイルバーナ４の補助
燃料に自動点火される。また、押込送風機６も回
転を開始する。オイルバーナ４の燃焼で主燃料が
点火され自己燃焼を開始すると第１サーモスタツ
ト７は温水の温度上昇により主燃料の自己燃焼開
始を検知し、オイルバーナ４への送油を停止す
る。主燃料の継続燃焼で温水温度が設定温度に達
すると、第２サーモスタツト８がその温度を検知
してコントロールボツクス２４に出力し、送風機
６の回転を停止する。

しかして、一旦燃焼を開始した主燃料は、押込
送風機６の回転停止時にも拘らず該送風機６の吸
入口１２から自己燃焼の力で空気を吸入して盛ん
なる燃焼を続け、前述した如く極めて危険かつ不
経済な温水の過剰加熱等の不都合を生じる。この
考案では、押込送風機６の吸入口１２に制御板１
６を設けており、この制御板１６をソレノイド１
９で駆動し開閉制御する。すなわち、炉体による
主燃料の燃焼中にコントロールボツクス２４によ
り温水温度に応じてソレノイド１９に電源を供
給・遮断し、吸入口１２を開閉する。温水温度が
設定温度より上昇したときは、ソレノイド１９へ
の通電を遮断する。ソレノイド１９が非励磁状態
になると、戻りバネ２２の付勢力により主ロツド
１８は第３図の矢印２３方向に移動され、制御板
１６は吸入口１２を封止する。このため、空気の
自然流入が阻止されて主燃料の燃焼を抑制し、温
水の危険かつ不経済な温度上昇を防止し得る。温
水温度が低下したときは、ソレノイド１９へ通電
してアーマチユア２０を吸着し、第２図の矢印に
示す方向へ主ロツド１８を移動する。主ロツド１
８の移動で制御板１６は吸入口１２から離間し、
吸入口１２を開成して空気の自然流入を許容す
る。この空気の流入によつて主燃料の燃焼は促進
され、温水温度を上昇させる。

また、長時間の吸入口１２の封止によつても主
燃料の火種が完全に消失することは殆どない。万
一、主燃料の火種が消失したときは、温水温度は
更に低下するので、第１サーモスタツド７が主燃
料の自己燃焼による温水温度以下であることを検
知し、オイルバーナ４に点火する。そして、オイ
ルバーナ４は、主燃料が自己燃焼を開始するまで
燃焼を続けるので、ボイラ１の機能が全く停止し
てしまう不都合はない。

第４図は、この考案の第２実施例を示すもので
ある。第２実施例において上述第１実施例と同一
機能を果す箇所には同一符号を付して説明する。
第２実施例の特徴とするところは、制御板１６の
開閉を支点３１を中心に回動させることにより行
うように構成した点と、該制御板１６に風景微調
整用の小扉３２を有する小窓３３を設けた点にあ
る。

上述第２実施例の如く、小窓３３を制御板１６
に設け適当に小扉３２を調整し少量の空気流入を
許容する構成とすれば、制御板１６の長時間の締
切りによつても主燃焼の炎は完全に消失されるこ
となく、小さな火種を残して温水の上昇を休止す
るので、温水の温度コントロールに極めて有利で
ある。

なお、この考案は上記実施例に限定されるもの
ではなく、この。考案の精神を逸脱しない範囲に
おいて種々の応用改変を為し得るのは言うまでも
ない。

例えば、ソレノイド１９と押込送風機６との作
動・停止を連動させることにより、主燃料の燃焼
促進と抑制をより確実かつ効果的に制御すること
ができる。

さらに、制御板の開閉手段としてはソレノイド
のみではなく、公知の他の種々機構をも使用し得
るし、主ロツドの途中にテコ等による運動増大機
構を設け吸入口の開放面積を大とすることも可能
である。

また、この考案に係る制御板は、上述の廃棄物
焼却を兼ねた温水ボイラのみでなく、その他種々
のボイラにも使用可能なことは勿論である。

〔考案の効果〕

以上詳細に説明した如くこの考案によれば、温
水ボイラの炉体による主燃料の燃焼中に送風機の
回転停止時において温度検出手段の検出する温水
温度に関連し送風機の吸入口をソレノイドによつ
て駆動される制御板で開閉制御することにより主
燃料の燃焼を制御することができる。そのため、
主燃料が独自に燃焼を続け火勢を増して温水の必
要以上の加熱を為すなど、危険かつ不経済な事態
を極めて効果的に防止し得て、しかも構造が頗る
簡単なので製作費も安価で、故障が少ない等の実
用上有用な顕著な効果を奏するものである。

【図面の簡単な説明】

第１〜３図は本考案の第１実施例を示すもので
あり、第１図は温水ボイラの斜視図、第２図は押
込送風機の斜視図、第３図は押込送風機を有する
オイルバーナの平面図である。第４図は本考案の
第２実施例を示す押込送風機の斜視図である。 図において、２は炉体、４は補助燃焼用オイル
バーナ、６は押込送風機、１２吸入口、１６は制
御板、１９はソレノイドである。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 主燃料を燃焼する温水ボイラの炉体と、主燃料
   を乾燥し点火するための補助燃焼用オイルバーナ
   と、前記炉体と補助燃焼用オイルバーナとに燃焼
   用空気を強制送給する押込送風機と、前記温水ボ
   イラの発生する温水温度を検出する温度検出手段
   と、前記押込送風機の吸入口に空気の流通を制御
   する制御板を設け、前記炉体による主燃料の燃焼
   中に該主燃料の燃焼を制御すべく押込送風機の回
   転停止時において前記温度検出手段の検出する温
   水温度に関連し該押込送風機の吸入口をソレノイ
   ドによつて駆動される制御板で開閉制御する構成
   としたことを特徴とする温水ボイラの沸騰防止装
   置。