JPH0227342Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案はプツシユ式操作ボタンの押圧操作によ
り点火及び出湯と消火及び出湯停止がなされるい
わゆるワンタツチ式ガス湯沸器に生ガスの放出を
防止する装置を設けたワンタツチ式ガス湯沸器の
安全装置に関する。

（従来の技術） 家庭用又は業務用として使用されているワンタ
ツチ式ガス湯沸器においては、一般に常火パイロ
ツトバーナにより加熱される熱電対と電磁安全弁
とからなる熱電対回路を設け燃焼の安全を計つて
いるが、出湯を停止し消火した直後は熱電対がし
ばらくの間余熱で起電力を発生し続けるため直ち
に閉成されない。それ故、消火した直後に再度の
点火操作をした場合ワンタツチ式ガス湯沸器は点
火操作ですべてのガス通路が開かれる構造であ
り、また、不使用時には常火パイロツトバーナも
消火し種火を残さない構造であるから、若し着火
ミスがあると点火操作とほぼ同時にメーンバーナ
から多量の生ガスが放出される危険性がある。

（考案が解決しようとする問題点） 本考案は上記の点に鑑み消火直後における再点
火操作時の着火ミスに伴なう生ガスの放出を防止
することを目的とするものである。特に点火装置
として圧電器方式を採用したワンタツチ式ガス湯
沸器は、発生起電力の立上がりが極めて早い熱電
対とこれを加熱する補助点火バーナを用いること
により、直流電源、クイツクスタート回路及びイ
グナイター点火装置を備えたワンタツチ式ガス湯
沸器と比較し同等の性能を有し、しかも安価に製
作できる利点があるが、反面一定時間放電を継続
して点火するイグナイター点火方式のものに比べ
若干着火ミスが多く上記欠点の解消が望まれてい
た。

そこで、本考案は消火直後で熱電対が余熱で電
磁安全弁を開に吸着保持している間、点火用の炎
（ポストパイロツト）をしばらくの間そのまま残
して消火直後の点火操作により着火ミスがあつて
も確実に点火がされるようにしたものである。

（問題点を解決するための手段） 本考案は常火パイロツトバーナ７と点火操作時
にのみガスが供給され燃焼する補助点火バーナ４
を備え、常火パイロツトバーナ７により加熱され
る熱電対１１と補助点火バーナ４で加熱される補
助熱電対１０と電磁安全弁２とからなる熱電対回
路を有するワンタツチ式ガス湯沸器において、前
記補助点火バーナ４へ火移り可能で、かつ、電磁
安全弁２が開成されている間燃焼を継続しメーン
バーナ９に火移り可能に配設したポストパイロツ
ト１を備えたものである。

（作用） しかして、この構成により点火操作によりポス
トパイロツト１が点火され、該炎が補助点火バー
ナ４及び常火パイロツトバーナ７に火移りして点
火され、補助熱電対１０が加熱され起電力を発生
し電磁安全弁２が直ちに開に吸着保持され、ま
た、熱電対１１も加熱され点火操作の完了に伴つ
て補助点火バーナ４が消火し補助熱電対１０が加
熱されなくなつてもこの起電力が電磁安全弁２を
引続き開に吸着保持する。そして点火操作に伴つ
て通水されるからメーンバーナ９にガスが供給さ
れポストパイロツト１と常火パイロツトバーナ７
との両者により確実に点火され出湯が開始され
る。

次に出湯を停止するとメーンバーナ９及び常火
パイロツトバーナ７へのガスの供給がストツプし
燃焼を停止するが、熱電対１１は予熱によりその
発生起電力が直ちに離脱レベル以下に低下せず消
火後所定時間だけ電磁安全弁２を開に吸着保持し
たままとなる。そのためポストパイロツト１は電
磁安全弁２が閉止されるまで燃焼を継続し消火直
後に再点火操作がされた場合、若し着火ミスがあ
つてもポストパイロツト１により確実に点火され
メーンバーナ９からの生ガスの放出を防止するこ
とができる。再点火操作をしないときは熱電対１
１の冷却に伴つて電磁安全弁２が閉止されポスト
パイロツト１は消火する。

（実施例） 本考案の一実施例を第１図〜第３図に基づいて
説明する。

１は電磁安全弁２の下流側でガス通路３から分
岐して設けられ、電磁安全弁２が開成されている
間燃焼を継続するポストパイロツト、４は点火操
作時のみ押し開かれる補助点火バーナ用ガス弁５
を介してメーンガス弁６の下流側でガス通路３か
ら分岐して設けられ、点火操作時にのみガスが供
給され燃焼する補助点火バーナ、７は同じくメー
ンガス弁６の下流側でガス通路３から分岐し常火
パイロツトバーナ用ガスガバナ８を介して設けら
れた常火パイロツトバーナで、これらはメーンバ
ーナ９の側方に併設され、ポストパイロツト１は
補助点火バーナ４に火移り可能で、かつ、メーン
バーナ９にも火移り可能に設置されている。

また、圧電器方式の点火装置により誘起される
電圧により火花を飛ばす点火プラグ１３が補助点
火バーナに比べポストパイロツト１に着火し易い
位置に配設してある。補助点火バーナ４にはその
燃焼炎で加熱されるように補助熱電対１０が設置
され常火パイロツトバーナ７により加熱される熱
電対１１と直列にして電磁安全弁２に接続され熱
電対回路（第３図）を構成している。尚、補助熱
電対１０は加熱されると急速に大きな起電力を発
生する特性を有する熱電対で、点火操作時に常火
パイロツトバーナ７により加熱される熱電対１１
が十分に大きな起電力を発生するまでの間電磁安
全弁２を開に吸着保持する電力を供するものであ
る。１２はポストパイロツト１に併設され補助点
火バーナ４へのガス通路から分岐して設けられた
点火バーナで、点火プラグ１３により点火され補
助点火バーナ４への点火を更に確実にするもので
ある。

第２図は本考案の安全装置を備えたワンタツチ
式ガス湯沸器のガス系統路を示したもので、１４
は点火操作時に通水されるとメーンバーナ９への
供給ガス量がその給水圧により開弁されるように
した水圧自動ガス弁、１５はメーンバーナ９への
ガス圧の安定化を計るメーンバーナ用ガスガバナ
であり、ガス入口１６から供給されるガスはガス
通路３を通り電磁安全弁２→メーンガス弁６→メ
ーンバーナ用ガスガバナ１５→水圧自動ガス弁１
４→メーンバーナ９へと供給され、電磁安全弁２
の下流側で前記ポストパイロツト１が、メーンガ
ス弁６の下流側で前記補助点火バーナ４と常火パ
イロツトバーナ７が分岐して設けられている。

尚、第３図において１７はフユーズ、１８は内
胴壁部等に設置される酸欠検知用熱電対で前記熱
電対１１と逆極性にして接続されフイン閉塞等の
不完全燃焼時に起電力を発生し熱電対１１の起電
力の打ち消し電磁安全弁２を閉止し安全性を計る
ものである。

しかして、点火に際し操作ボタンを押圧前進さ
せると機械的連動機構を介して電磁安全弁２が押
し開かれ、メーンガス弁６及び補助点火バーナ用
ガス弁５が開かれガス通路からポストパイロツト
１、点火バーナ１２及び補助点火バーナ４にガス
が供給され、また、常火パイロツトバーナ用ガス
ガバナ８を通つて常火パイロツトバーナ７にガス
が供給される。そしてほぼ同時に圧電器方式の点
火装置が作動し点火プラグ１３より火花が飛び前
記点火バーナ１２及びポストパイロツト１に点火
され該炎が補助点火バーナ４及び常火パイロツト
バーナ７に火移りする。この補助点火バーナ４の
燃焼に伴つて補助熱電対１０が加熱され急速にそ
の起電力が立上つて電磁安全弁２を開に吸着保持
し、また、常火パイロツトバーナ７の炎により熱
電対１１が加熱され起電力を発生し電磁安全弁２
に供される。

一方、操作ボタンの押圧前進に伴つて通水され
水圧自動ガス弁１４が開かれメーンバーナ９にガ
スが供給され、先のポストパイロツト１と常火パ
イロツトバーナ７との両者により確実に点火され
出湯を開始する。

尚、上記したように常火パイロツトバーナ炎か
らもメーンバーナ９へ火移り可能に配設してある
ので風圧等によつてメーンバーナ９とポストパイ
ロツト１が万一立消えても直ちに再点火され生ガ
スが放出されることがなく安全である。

そして、点火操作の完了により操作ボタンの押
圧を解くと補助点火バーナ用ガス弁５が閉止され
補助点火バーナ４及び点火バーナ１２が消火し、
補助熱電対１０が加熱されなくなる。しかしなが
ら電磁安全弁２は熱電対１１の起電力によつて継
続して開成保持され出湯を継続する。

次に出湯を停止するときは再び操作ボタンを押
圧するとメーンガス弁６が閉じメーンバーナ９及
び常火パイロツトバーナ７は燃焼を停止し同時に
通水もストツプされ水圧自動ガス弁１４も閉じら
れる。しかし、ポストパイロツト１は熱電対１１
が予熱によりその起電力が直ちに低下しないた
め、消火後起電力が離脱レベル以下に低下するま
でしばらくは電磁安全弁２を開に吸着保持しその
間燃焼を続けることとなる。

そこで出湯停止直後に再び点火操作がなされた
場合には電磁安全弁２が開放された状態にあるの
で即座にメーンバーナ９に多量のガスが供給され
ることとなる。しかしポストパイロツト１の炎に
よりメーンバーナ９及び常火パイロツトバーナ７
に火移りして直ちに点火され出湯を開始する。し
たがつて、点火に失敗してもメーンバーナ９から
生ガスが放出されることがない。そして再点火操
作をしない場合には熱電対１１が次第に冷却され
その発生起電力が電磁安全弁２の離脱レベルにま
で低下すると電磁安全弁２が閉止されポストパイ
ロツト１へのガスの供給がストツプし消火する。

（考案の効果） 上述したように、本考案は電磁安全弁の下流側
でガス通路から分岐してポストパイロツトを設
け、出湯を停止し消火した後電磁安全弁が閉止さ
れるまでのしばらくの間燃焼を継続するようにし
ているので、消火直後に再度の点火操作をし着火
ミスがあつてもこのポストパイロツトにより確実
に点火され、従来の如く点火ミスによる生ガスの
放出は皆無となつて極めて安全である。特に、直
流電源を使用しクイツクスタート回路、イグナイ
ター装置及び出湯停止時に電磁安全弁に逆極性の
電流を流し即座に電磁安全弁を閉じるようにした
装置等を備えたワンタツチ式ガス湯沸器とは異な
り、圧電器方式の点火装置を使用し点火及び出湯
と消火及び出湯停止をすべて機械的操作により行
なうようにしたワンタツチ式ガス湯沸器の生ガス
防止装置として極めて実用価値の高い考案であ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係るワンタツチ式ガス湯沸器
の安全装置の一実施例を示す図、第２図は同じく
そのガス系統図、第３図は熱電対回路の回路図で
ある。 １……ポストパイロツト、２……電磁安全弁、
４……補助点火バーナ、７……常火パイロツトバ
ーナ、９……メーンバーナ、１０……補助熱電
対、１１……熱電対。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 常火パイロツトバーナ７と点火操作時にのみガ
   スが供給され燃焼する補助点火バーナ４を備え、
   常火パイロツトバーナ７により加熱される熱電対
   １１と補助点火バーナ４で加熱される補助熱電対
   １０と電磁安全弁２とからなる熱電対回路を有す
   るワンタツチ式ガス湯沸器において、前記補助点
   火バーナ４へ火移り可能で、かつ、電磁安全弁２
   が開成されている間燃焼を継続しメーンバーナ９
   に火移り可能に配設したポストパイロツト１を備
   えたことを特徴とするワンタツチ式ガス湯沸器の
   安全装置。