JPS6141702B2 - - Google Patents
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- JPS6141702B2 JPS6141702B2 JP56172835A JP17283581A JPS6141702B2 JP S6141702 B2 JPS6141702 B2 JP S6141702B2 JP 56172835 A JP56172835 A JP 56172835A JP 17283581 A JP17283581 A JP 17283581A JP S6141702 B2 JPS6141702 B2 JP S6141702B2
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Classifications
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B24—GRINDING; POLISHING
- B24B—MACHINES, DEVICES, OR PROCESSES FOR GRINDING OR POLISHING; DRESSING OR CONDITIONING OF ABRADING SURFACES; FEEDING OF GRINDING, POLISHING, OR LAPPING AGENTS
- B24B37/00—Lapping machines or devices; Accessories
- B24B37/04—Lapping machines or devices; Accessories designed for working plane surfaces
Landscapes
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Mechanical Engineering (AREA)
- Finish Polishing, Edge Sharpening, And Grinding By Specific Grinding Devices (AREA)
- Grinding Of Cylindrical And Plane Surfaces (AREA)
- Grinding And Polishing Of Tertiary Curved Surfaces And Surfaces With Complex Shapes (AREA)
- Polishing Bodies And Polishing Tools (AREA)
Description
この発明は、加工物とポリシヤ間に砥粒をはさ
み、両者の相対運動によつて加工物表面を研摩す
る表面研摩法とその装置に関する。 かかる表面研摩法は、従来、例えばラツプ仕上
又はバフ仕上の場合、加工物をラツプ又はバフの
如きポリシヤに押し付けて研摩するようになつて
おり、この押し付け力つまり加工圧は、作業者の
経験と熟練に依存するところが大で、自由に制御
することは困難であつた。 この発明は、加工圧を自由に制御することので
きる表面研摩法とその装置を得ることを目的とし
ている。 この発明は、磁性流体が磁石に引付けられる力
を利用したものである。磁性流体は、液相中にコ
ロイドサイズの強磁性微紛末を分散させたコロイ
ド液であつて、分散質が150Å程度以下と極めて
微細であるため常磁性的挙動を示す超常磁性の磁
気的性質を有する。従つて磁場を印加すれば、磁
性流体は磁束径路に引き寄められ、特に磁束密度
の大きい方に引き寄せられる性質がある。 第1図にもとずいてこの発明の原理を説明する
と、回転又は往復動可能な加工盤1に設けたみぞ
2内に磁性流体を充填し、この磁性流体を膜状の
ポリシヤ3内に封じ込め、ポリシヤ3上に形成し
た加工室4内にポリシ液を収容して、ポリシ液と
磁性流体を膜状のポリシヤ3で仕切る。加工物5
を加工室4のポリシ液中に浸漬しその被加工面を
ポリシヤ膜3にすきまを置いて対面又は接触さ
せ、加工物5に対向するみぞ部分の磁性流体に点
線で示す磁束φの径路を形成するように磁場を印
加すると、みぞ2内の磁性流体は磁束形成部に引
き寄せられて液面が盛り上がり、ポリシヤ膜3
は、点線で示すように膨出し、ポリシ液中の砥粒
をはさんで加工物5の被加工面に押し付けられ
る。そこでポリシヤ膜3と加工物5の両者を相対
運動させれば加工物の表面研摩が行われる。磁場
を電磁石により印加すれば、電流の大きさに比例
して磁束密度を変えることができ、ひいては磁性
流体を引きよせる力を変えることができ、結局は
ポリシヤ膜3の押し付け力つまり加工圧を変える
ことができる。従つて、磁場形成用電流を無段に
変えることにより加工圧を自由に制御することが
できる。 以下この発明の実施例を説明する。第2図に示
す研摩装置において、11は厚さ約5mmの黄銅製
の如き非磁性体の円形加工盤つまり円盤、12は
円盤11の片面に穿設した外径145mm、内径109
mm、深さ3.5mmのドーナツ形のみぞ、13はみぞ
12を覆つて取付けた約1mm厚の環状の生ゴム製
ゴム板からなる粘弾性体の膜状のポリシヤ、14
はアクリル製の内側円環、15はアクリル製の外
側円環であつて、両円環14及び15と円盤11
間にゴム板13をはさみ両円環を円盤にねじ止め
16をしてゴム板13を円盤11に固定する。ゴ
ム板の固定は、先に内側円環14をねじ止めし、
次いでゴム板13を張りながら外側円環15をね
じ止めして、ゴム板が円周全域にわたつて均一な
弾性を持つように固定するとよい。17及び17
はそれぞれ通路18を介してみぞ12に連絡した
1対の注入口17であつて、一方の注入口から磁
性流体をみぞ12内に流し込みながら他方の注入
口からみぞに残つている空気を抜き取り、みぞ1
2内に充満するまで磁性流体を充填する。磁性流
体の充填は、ゴム板13に余分な圧力が加わらな
いように流量を調節することが望ましい。充填
後、注入口17を弁その他適当な手段で密閉す
る。内側及び外側円環14及び15は、ゴム板1
3を底壁として上端を開放し、かつポリシ液を収
容する環状の加工室19を形成する。円盤11は
下部回転軸20の上部にアクリル製ワツシヤ21
及び22を介してナツト23により固定され、下
部回転軸20は、支持台24に設けた下部台25
に縦に間隔をおいて設けた軸受26及び26に支
承され、その下部にプーリ27を取付け、これに
よりプーリ27の回転が円盤11に伝えられる。 円盤11をはさんで上部電磁石28及び下部電
磁石29を対設する。上部電磁石28は、黄銅管
に直径0.8mmのエナメル線を巻いたもので、支持
台24にねじ止め30した上部台31に固定さ
れ、内部円管28aと外部円管28b間のすきま
32に冷却水を流して軟鋼製鉄心33の通電中の
熱膨張を防止している。鉄心33は、内部円管2
8aを貫通して上方に伸長し、上部台31に設け
た軸受34に回転可能に支承された黄銅円管製の
スリーブ35に固定ねじ36により固定され、ス
リーブ35にプーリ37を取付け、これにより鉄
心33を円盤11と同じ回転数で回転させる。上
部電磁石の鉄心33は、その先端部が磁極として
磁束放射機能を有すると共に、ゴム板13に被加
工面をすきまを置いて対面又は接触させるように
加工物を担持する機能を有し、その下端には黄銅
円柱製の加工物取付台38が接着その他適当な手
段で取付けられ、鉄心に対する加工物の取付け取
外しは、固定ねじ36をゆるめて鉄心33を抜き
出すことによつて行われる。鉄心33の上端には
黄銅製の丸頭ボルト39がねじ込まれ、ボルト3
9の頭に接触できるようにマイクロメータヘツド
40を上部台31に取付ける。マイクロメータヘ
ツド40は、加工物取付台38に取付けた加工物
を加工室19に配置する際、鉄心33の上下位置
を調節したとき、その鉛直方向の移動距離を読取
り、以後新たな加工物を加工室に配置する毎に、
鉄心33をヘツド40の読みに合わせて鉄心位置
つまりは加工物位置の再現性を得るようにしてい
る。加工物の取付け取外しのため鉄心33を抜き
出す際ヘツド40が邪魔にならぬ様に、マイクロ
メータヘツド40全体を上部台に旋回又は上下ス
ライド可能に取付けることが望ましい。下部電磁
石29は、軟鋼の固定鉄心41に薄肉の黄銅管を
かぶせ、その上から直径0.8mmのエナメル線を巻
いたもので、鉄心41が上部電磁石の鉄心33と
同軸となるように下部台25に固定されている。
上方板29aから突出している鉄心41の先端磁
極部41aを、磁力線分布を変えるため例えば、
昭和56年実願第40649号に記載した不均一磁場形
成用の磁極用鉄心の如き磁極形状に変えることが
できるように着脱自在としてもよい。 上記ように構成された研摩装置において、鉄心
33の加工物取付台38に研摩すべき加工物を接
着し、加工物の被加工面がゴム板13に接触しか
つ自転できる程度に又はゴム板から少なくとも砥
粒の粒子よりは大きなすきまをおいて対面する程
度に鉄心33の上下位置を調節して鉄心33をね
じ36で固定する。プーリ27及び37に接続す
るインダクシヨンモータ(図示なし)を起動して
円盤11及び鉄心33を回転する。上下電磁石2
8及び29の電磁コイルに直流電流を通電する
と、第3図に示すように鉄心33の下端の磁極例
えばN極とこれに対向する鉄心41の上端の磁極
例えばS極間に磁束φが形成され、それにより両
磁極間を通過する円盤11のみぞ12内の磁性流
体に磁場が印加され、みぞ12内の磁性流体は磁
界の強いところに集まろうとする。そのため同じ
く両磁極間を通過するゴム板13の部分が第1図
に示したように加工物に向け上方に盛り上がり、
このゴム板部分が加工室19内のポリシ液中の砥
粒をはさんで加工物表面に押し付けられ、被加工
面の研摩が行われる。電磁コイルに流す電流の強
さを加減することによりゴム板13による加工圧
が制御され、従つて加工量が制御される。 上記実施例に係る研摩装置によつて得られた加
工例は次の通りであつた。 (1) 印加する磁場の大きさつまり磁束密度は電流
によつて変えることができ、両者の関係は第4
図に示す通りであつた。電磁石のコイルに流す
直流電流はスライダツクスにより調節し、磁束
密度の測定は鉄心33に取付けた加工物の面上
で行つた。 (2) 電磁石のコイルに流す電流とゴム板による加
工圧の関係は第5図に示す通りであつた。測定
は、ひずみゲージを接着したリン青銅板に加工
物と同形の試料を接着し、リン青銅板を片持梁
式に支持して試料下面をゴム板13に接触さ
せ、円盤11のみを回転した上で上下電磁石2
8及び29に通電し、リン青銅板の変位を測定
し、その平均変位をとつて加工圧に換算した。
その手順は下表に示す通りである。試料のガラ
スの直径は16mmであるから、リン青銅板に加わ
る力から加工圧を求めることができる。下表に
おいて予荷重というのは自重による荷重のこと
である。
み、両者の相対運動によつて加工物表面を研摩す
る表面研摩法とその装置に関する。 かかる表面研摩法は、従来、例えばラツプ仕上
又はバフ仕上の場合、加工物をラツプ又はバフの
如きポリシヤに押し付けて研摩するようになつて
おり、この押し付け力つまり加工圧は、作業者の
経験と熟練に依存するところが大で、自由に制御
することは困難であつた。 この発明は、加工圧を自由に制御することので
きる表面研摩法とその装置を得ることを目的とし
ている。 この発明は、磁性流体が磁石に引付けられる力
を利用したものである。磁性流体は、液相中にコ
ロイドサイズの強磁性微紛末を分散させたコロイ
ド液であつて、分散質が150Å程度以下と極めて
微細であるため常磁性的挙動を示す超常磁性の磁
気的性質を有する。従つて磁場を印加すれば、磁
性流体は磁束径路に引き寄められ、特に磁束密度
の大きい方に引き寄せられる性質がある。 第1図にもとずいてこの発明の原理を説明する
と、回転又は往復動可能な加工盤1に設けたみぞ
2内に磁性流体を充填し、この磁性流体を膜状の
ポリシヤ3内に封じ込め、ポリシヤ3上に形成し
た加工室4内にポリシ液を収容して、ポリシ液と
磁性流体を膜状のポリシヤ3で仕切る。加工物5
を加工室4のポリシ液中に浸漬しその被加工面を
ポリシヤ膜3にすきまを置いて対面又は接触さ
せ、加工物5に対向するみぞ部分の磁性流体に点
線で示す磁束φの径路を形成するように磁場を印
加すると、みぞ2内の磁性流体は磁束形成部に引
き寄せられて液面が盛り上がり、ポリシヤ膜3
は、点線で示すように膨出し、ポリシ液中の砥粒
をはさんで加工物5の被加工面に押し付けられ
る。そこでポリシヤ膜3と加工物5の両者を相対
運動させれば加工物の表面研摩が行われる。磁場
を電磁石により印加すれば、電流の大きさに比例
して磁束密度を変えることができ、ひいては磁性
流体を引きよせる力を変えることができ、結局は
ポリシヤ膜3の押し付け力つまり加工圧を変える
ことができる。従つて、磁場形成用電流を無段に
変えることにより加工圧を自由に制御することが
できる。 以下この発明の実施例を説明する。第2図に示
す研摩装置において、11は厚さ約5mmの黄銅製
の如き非磁性体の円形加工盤つまり円盤、12は
円盤11の片面に穿設した外径145mm、内径109
mm、深さ3.5mmのドーナツ形のみぞ、13はみぞ
12を覆つて取付けた約1mm厚の環状の生ゴム製
ゴム板からなる粘弾性体の膜状のポリシヤ、14
はアクリル製の内側円環、15はアクリル製の外
側円環であつて、両円環14及び15と円盤11
間にゴム板13をはさみ両円環を円盤にねじ止め
16をしてゴム板13を円盤11に固定する。ゴ
ム板の固定は、先に内側円環14をねじ止めし、
次いでゴム板13を張りながら外側円環15をね
じ止めして、ゴム板が円周全域にわたつて均一な
弾性を持つように固定するとよい。17及び17
はそれぞれ通路18を介してみぞ12に連絡した
1対の注入口17であつて、一方の注入口から磁
性流体をみぞ12内に流し込みながら他方の注入
口からみぞに残つている空気を抜き取り、みぞ1
2内に充満するまで磁性流体を充填する。磁性流
体の充填は、ゴム板13に余分な圧力が加わらな
いように流量を調節することが望ましい。充填
後、注入口17を弁その他適当な手段で密閉す
る。内側及び外側円環14及び15は、ゴム板1
3を底壁として上端を開放し、かつポリシ液を収
容する環状の加工室19を形成する。円盤11は
下部回転軸20の上部にアクリル製ワツシヤ21
及び22を介してナツト23により固定され、下
部回転軸20は、支持台24に設けた下部台25
に縦に間隔をおいて設けた軸受26及び26に支
承され、その下部にプーリ27を取付け、これに
よりプーリ27の回転が円盤11に伝えられる。 円盤11をはさんで上部電磁石28及び下部電
磁石29を対設する。上部電磁石28は、黄銅管
に直径0.8mmのエナメル線を巻いたもので、支持
台24にねじ止め30した上部台31に固定さ
れ、内部円管28aと外部円管28b間のすきま
32に冷却水を流して軟鋼製鉄心33の通電中の
熱膨張を防止している。鉄心33は、内部円管2
8aを貫通して上方に伸長し、上部台31に設け
た軸受34に回転可能に支承された黄銅円管製の
スリーブ35に固定ねじ36により固定され、ス
リーブ35にプーリ37を取付け、これにより鉄
心33を円盤11と同じ回転数で回転させる。上
部電磁石の鉄心33は、その先端部が磁極として
磁束放射機能を有すると共に、ゴム板13に被加
工面をすきまを置いて対面又は接触させるように
加工物を担持する機能を有し、その下端には黄銅
円柱製の加工物取付台38が接着その他適当な手
段で取付けられ、鉄心に対する加工物の取付け取
外しは、固定ねじ36をゆるめて鉄心33を抜き
出すことによつて行われる。鉄心33の上端には
黄銅製の丸頭ボルト39がねじ込まれ、ボルト3
9の頭に接触できるようにマイクロメータヘツド
40を上部台31に取付ける。マイクロメータヘ
ツド40は、加工物取付台38に取付けた加工物
を加工室19に配置する際、鉄心33の上下位置
を調節したとき、その鉛直方向の移動距離を読取
り、以後新たな加工物を加工室に配置する毎に、
鉄心33をヘツド40の読みに合わせて鉄心位置
つまりは加工物位置の再現性を得るようにしてい
る。加工物の取付け取外しのため鉄心33を抜き
出す際ヘツド40が邪魔にならぬ様に、マイクロ
メータヘツド40全体を上部台に旋回又は上下ス
ライド可能に取付けることが望ましい。下部電磁
石29は、軟鋼の固定鉄心41に薄肉の黄銅管を
かぶせ、その上から直径0.8mmのエナメル線を巻
いたもので、鉄心41が上部電磁石の鉄心33と
同軸となるように下部台25に固定されている。
上方板29aから突出している鉄心41の先端磁
極部41aを、磁力線分布を変えるため例えば、
昭和56年実願第40649号に記載した不均一磁場形
成用の磁極用鉄心の如き磁極形状に変えることが
できるように着脱自在としてもよい。 上記ように構成された研摩装置において、鉄心
33の加工物取付台38に研摩すべき加工物を接
着し、加工物の被加工面がゴム板13に接触しか
つ自転できる程度に又はゴム板から少なくとも砥
粒の粒子よりは大きなすきまをおいて対面する程
度に鉄心33の上下位置を調節して鉄心33をね
じ36で固定する。プーリ27及び37に接続す
るインダクシヨンモータ(図示なし)を起動して
円盤11及び鉄心33を回転する。上下電磁石2
8及び29の電磁コイルに直流電流を通電する
と、第3図に示すように鉄心33の下端の磁極例
えばN極とこれに対向する鉄心41の上端の磁極
例えばS極間に磁束φが形成され、それにより両
磁極間を通過する円盤11のみぞ12内の磁性流
体に磁場が印加され、みぞ12内の磁性流体は磁
界の強いところに集まろうとする。そのため同じ
く両磁極間を通過するゴム板13の部分が第1図
に示したように加工物に向け上方に盛り上がり、
このゴム板部分が加工室19内のポリシ液中の砥
粒をはさんで加工物表面に押し付けられ、被加工
面の研摩が行われる。電磁コイルに流す電流の強
さを加減することによりゴム板13による加工圧
が制御され、従つて加工量が制御される。 上記実施例に係る研摩装置によつて得られた加
工例は次の通りであつた。 (1) 印加する磁場の大きさつまり磁束密度は電流
によつて変えることができ、両者の関係は第4
図に示す通りであつた。電磁石のコイルに流す
直流電流はスライダツクスにより調節し、磁束
密度の測定は鉄心33に取付けた加工物の面上
で行つた。 (2) 電磁石のコイルに流す電流とゴム板による加
工圧の関係は第5図に示す通りであつた。測定
は、ひずみゲージを接着したリン青銅板に加工
物と同形の試料を接着し、リン青銅板を片持梁
式に支持して試料下面をゴム板13に接触さ
せ、円盤11のみを回転した上で上下電磁石2
8及び29に通電し、リン青銅板の変位を測定
し、その平均変位をとつて加工圧に換算した。
その手順は下表に示す通りである。試料のガラ
スの直径は16mmであるから、リン青銅板に加わ
る力から加工圧を求めることができる。下表に
おいて予荷重というのは自重による荷重のこと
である。
【表】
(3) 下記の条件で表面研摩した場合、電磁石のコ
イルに流す電流と加工量つまり加工前後の加工
物の質量減の関係は第6図に示す通りであつ
た。同図において加工量mg/hは1時間当りの
平均をとつて示してある。 加工物:ソーダ石灰ガラス、直径約16mmの円
板、厚み約1.2mm、GC砥粒SiC#400で
粗ラツピングの前加工したもの。 ポリシ液:GC砥粒SiC#800と水を重量比3.8対
12で混合したもの。 回転数:30r.p.m ポリシ時間:60分 加工圧:1〜8.5g重/cm2 磁性流体:フエリコロイドDES−40、 タイホー工業株式会社製、ダイエステ
ルをベースとしたもの。 ポリシヤ:約1mm厚の生ゴム製ゴム板。 (4) 上記の条件で得られた加工面の表面あらさは
第7図に示す通りであつた。測定は加工面の直
径上で測定した。第7図において、イ図は前加
工面、ロ図は電流OA及び加工圧1g重/cm2、
ハ図は電流0.2A及び加工圧1.8g重/cm2、ニ図
は電流0.4A及び加工圧3.7g重/cm2、ホ図は電
流0.6A及び加工圧5.5g重/cm2、ヘ図は電流
0.8A及び加工圧7.3g重/cm2、ト図は電流1.0A
及び加工圧8g重/cm2の場合を示し、イないし
ト図においてα曲線は加工面の中央部を、β曲
線は加工面の周辺部を示している。第8図は上
記条件下の研摩において各電流値に対応する表
面あらさの変化を示したもので、同図において
白丸は中央部を黒丸は周辺部を示している。第
9図は、上記条件で研摩した後、GC砥粒SiC
#1500と水を2.5対12の重量比で混合したポリ
シ液で更に研摩した場合の電流と表面あらさの
関係を示すもので、白三角は中央部を黒三角は
周辺部を示している。 (5) 上記加工例から下記の事項が確認された。 (イ) 電流に比例した加工圧が得られる。 (ロ) 電流を増加させるにつれ、加工量が増加
し、表面あらさが小さくなる。 (ハ) 加工量の変化は電流に対する加工圧の関係
と一致する。 (ニ) 加工後の表面あらさは、中央部と周辺部で
は異なり、中央部の方が小さくなる傾向があ
る。 第2図に示す装置において、加工室19内のポ
リシ液中の砥粒を分散させる手段えば刷毛42を
第10図に示すように支持台24に取付け、円盤
11の回転と共に刷毛42でポリシ液を撹拌し、
加工室19内で砥粒濃度が均一に分散するように
することが望ましい。ポリシヤと加工物の相対運
動は回転運動に限らない。例えば第11図に示す
ように、磁性流体の収容みぞ12及び加工室19
を直線状として、回転する円形加工盤の代りに左
右に往復運動する直方形加工盤11としてもよ
い。場合により、上部電磁石の鉄心を回転させる
ことなく静止した状態でもよい。また場合によ
り、一方の電磁石を省略してもよい。例えば第1
2図に示すように、上部電磁石28を省略し、鉄
心の代りにラツプ棒133を回転可能に設け、こ
のラツプ棒を加工物の担持手段としてその下端に
加工物取付台38を設けた構造としてもよい。こ
の場合、磁束は下部電磁石の鉄心41の先端の磁
極からラツプ棒133の下端に向けて形成される
が、第3図に示す場合よりも磁界が拡がつて磁性
流体の集中も少なくなり、やや能率が落ちる傾向
がある。第2,11及び12図において、加工物
を膜状のポリシヤ13の表面に必ずしも接触させ
る必要はなくすきまを置いて対置させてもよい。
この場合、鉄心33及びラツプ棒133の回転に
従いすきま内を砥粒が流動して流体研摩が行われ
る。従つて第2,11及び12図に示す装置によ
れば、膜状のポリシヤ表面に対する加工物の取付
け位置次第で、加工圧を加えたポリシングをした
り或は砥粒の動きによる流体研摩をしたりするこ
ともできる。 この発明において使用する膜状のポリシヤは、
磁性流体に対し不透過性でかつ磁束通過を遮断し
ないもので砥粒を加工面に押し付けることができ
れば、ゴム板に限らず他の任意の材料のものでも
よい。例えば、ゴム板に通常使用されているポリ
シヤを貼り付けるとか、スポンジ状のポリシヤを
使用することも可能であり、またテープにバイン
ダを介して砥粒を貼り付けて使用することも可能
である。膜状ポリシヤ材の選定に当つては下記の
如きポリシヤに必要な力学的性質を強慮するとよ
い。砥粒が有効に作用するためには砥粒が余り早
くポリシヤに埋め込まれない方がよい。ポリシヤ
は適当な粘性、又は遅延弾性があるとよい。ポリ
シヤが加工物例えばガラスに接着するのを避け、
ポリシヤと加工物の間にポリシ液がゆきわたるた
めには、ポリシヤ表面が水に濡れ易くなることも
必要である。砥粒が加工物表面例えばガラス表面
に作用する時、その反作用としてポリシヤに瞬間
的な力が加わるが、この力によつてポリシヤ局部
が変形してしまわないためには、瞬間弾性の大き
いことも望ましい。膜状のポリシヤをそれ自体砥
粒を担持したもの或は例えばアブラシベルトの如
く砥粒を散布したものとすれば、工作液を使用せ
ず乾式で行うこともできる。 第13図ないし15図はこの発明を使用した研
削盤方式の表面研摩加工を例示するものである。
第13図は円筒外面みがきの場合を示し、同図に
おいて、管状の加工盤11の内周に磁性流体収容
の内周みぞ12を設け、磁性流体を封じ込むよう
にポリシヤ膜13を管状に取付け、加工盤11の
直径方向に1対の電磁石28及び29を対設す
る。加工すべき丸棒50を、その被加工面がポリ
シヤ13の表面に接触又はすきまを置いて対面す
るように、管状のポリシヤ膜内に挿入し、電磁石
28及び29に通電して両磁極N,S間に磁束φ
を形成すると、ポリシヤ膜13が図示の如く盛り
上つて丸棒表面に押し付けられる。丸棒50を回
転すると共に、加工盤11を丸棒50とは反対方
向に回転させるか又は静止させ、電磁石28及び
29を単独でか又は加工盤11と共に左右に往復
動させて円筒外面みがきを行う。第14図は円筒
内面みがきの場合を示し、スピンドル60を取付
けた円柱状の加工盤11の外周に磁性流体収容の
外周みぞ12を設け、磁性流体を封じ込むように
ポリシヤ膜13を円筒状に取付け、加工盤11を
加工物50の孔の中に挿入して回転させ、加工物
50の直径方向に対設した1対の電磁石28,2
9に通電し、電磁石又はスピンドルを左右に往復
動させるか、或は加工物を左右に往復動させて円
筒内面みがきを行う。第15図は平面みがきの場
合を示し、スピンドル60を取付けた円形加工盤
11の片面に磁性流体収容のドーナツ形みぞ12
を設け、磁性流体を封じ込むようにポリシヤ膜1
3を平板状に取付け、ポリシヤ膜を加工物50の
表面に接触させ、加工盤及び加工物をはさんで対
設した1対の電磁石28,29に通電し、加工盤
11を回転すると共に、加工物50を左右に往復
動させかつ紙面に垂直方向に送ることにより表面
みがきを行う。第13ないし15図に示す表面研
摩加工において、膜状のポリシヤ13にはそれ自
体砥粒を担持したポリシヤ膜を使用する。また場
合により対設する1対の電磁石を円周に沿つて複
数個配設してもよい。 加工盤11は、必らずしも全体を非磁性体とす
る必要はなく、磁束φの通過部分のみを非磁性材
とし、残りも鉄鋼の如き磁性材からなるものとし
てもよく或かその逆でもよい。また加工物は、任
意の材質のものでよいが、なるべくポリシングに
適したものが望ましい。特に第13ないし15図
に示す装置の場合には、磁性流体に対する磁界の
集中を図るために加工物50を磁束の貫通し易い
材質とするとよい。 上下電磁石の各磁極は、図示のように互に異極
とする以外に、場合により同極としてその反発力
を利用してポリシヤ膜を変位させ加工圧を得るよ
うにしてもよい。磁性流体に印加する磁場は磁力
線が磁極面のラジアル方向に概ね均等に分布した
均一磁場でよい。しかし、特殊な局在したみがき
を必要とする場合は磁場勾配のある、例えば磁極
面のラジアル方向に磁束密度が不均一に偏在した
不均一磁場をかけるとよい。この場合、磁性流体
が不均一磁場のうち特に磁束密度の高い方へ集中
し、それに伴いポリシヤ膜が特定方向にのみ変位
して加工物に対し局部的に偏つた加工圧を得るこ
とになる。電磁石のコイルに流す電流を直流に限
らず交流として、ある一定の圧力を中心として交
流の振動数に合わせて強弱の力を交互に加えるこ
とも可能である。前記した条件下の加工例は例示
であつて、加工物の材質、大きさ又は平面ないし
曲面の如き表面形状に従いそれぞれに適したポリ
シヤ、ポリシ剤、磁性流体等の諸条件を選定すれ
ばよい。また図示した表面研摩加工及び装置は、
例示であつて、状況に応じこの発明の範囲内で
種々変形し得ることは理解できよう。 以上説明したように、この発明は、磁性流体に
磁場を印加することにより膜状のポリシヤを被加
工面に押し付けて加工圧を得るので、磁場印加用
電流を容易に無段に変えて加工圧を自由に制御す
ることができる。また電流の制御によつて加工圧
の制御を自動化することもできる。
イルに流す電流と加工量つまり加工前後の加工
物の質量減の関係は第6図に示す通りであつ
た。同図において加工量mg/hは1時間当りの
平均をとつて示してある。 加工物:ソーダ石灰ガラス、直径約16mmの円
板、厚み約1.2mm、GC砥粒SiC#400で
粗ラツピングの前加工したもの。 ポリシ液:GC砥粒SiC#800と水を重量比3.8対
12で混合したもの。 回転数:30r.p.m ポリシ時間:60分 加工圧:1〜8.5g重/cm2 磁性流体:フエリコロイドDES−40、 タイホー工業株式会社製、ダイエステ
ルをベースとしたもの。 ポリシヤ:約1mm厚の生ゴム製ゴム板。 (4) 上記の条件で得られた加工面の表面あらさは
第7図に示す通りであつた。測定は加工面の直
径上で測定した。第7図において、イ図は前加
工面、ロ図は電流OA及び加工圧1g重/cm2、
ハ図は電流0.2A及び加工圧1.8g重/cm2、ニ図
は電流0.4A及び加工圧3.7g重/cm2、ホ図は電
流0.6A及び加工圧5.5g重/cm2、ヘ図は電流
0.8A及び加工圧7.3g重/cm2、ト図は電流1.0A
及び加工圧8g重/cm2の場合を示し、イないし
ト図においてα曲線は加工面の中央部を、β曲
線は加工面の周辺部を示している。第8図は上
記条件下の研摩において各電流値に対応する表
面あらさの変化を示したもので、同図において
白丸は中央部を黒丸は周辺部を示している。第
9図は、上記条件で研摩した後、GC砥粒SiC
#1500と水を2.5対12の重量比で混合したポリ
シ液で更に研摩した場合の電流と表面あらさの
関係を示すもので、白三角は中央部を黒三角は
周辺部を示している。 (5) 上記加工例から下記の事項が確認された。 (イ) 電流に比例した加工圧が得られる。 (ロ) 電流を増加させるにつれ、加工量が増加
し、表面あらさが小さくなる。 (ハ) 加工量の変化は電流に対する加工圧の関係
と一致する。 (ニ) 加工後の表面あらさは、中央部と周辺部で
は異なり、中央部の方が小さくなる傾向があ
る。 第2図に示す装置において、加工室19内のポ
リシ液中の砥粒を分散させる手段えば刷毛42を
第10図に示すように支持台24に取付け、円盤
11の回転と共に刷毛42でポリシ液を撹拌し、
加工室19内で砥粒濃度が均一に分散するように
することが望ましい。ポリシヤと加工物の相対運
動は回転運動に限らない。例えば第11図に示す
ように、磁性流体の収容みぞ12及び加工室19
を直線状として、回転する円形加工盤の代りに左
右に往復運動する直方形加工盤11としてもよ
い。場合により、上部電磁石の鉄心を回転させる
ことなく静止した状態でもよい。また場合によ
り、一方の電磁石を省略してもよい。例えば第1
2図に示すように、上部電磁石28を省略し、鉄
心の代りにラツプ棒133を回転可能に設け、こ
のラツプ棒を加工物の担持手段としてその下端に
加工物取付台38を設けた構造としてもよい。こ
の場合、磁束は下部電磁石の鉄心41の先端の磁
極からラツプ棒133の下端に向けて形成される
が、第3図に示す場合よりも磁界が拡がつて磁性
流体の集中も少なくなり、やや能率が落ちる傾向
がある。第2,11及び12図において、加工物
を膜状のポリシヤ13の表面に必ずしも接触させ
る必要はなくすきまを置いて対置させてもよい。
この場合、鉄心33及びラツプ棒133の回転に
従いすきま内を砥粒が流動して流体研摩が行われ
る。従つて第2,11及び12図に示す装置によ
れば、膜状のポリシヤ表面に対する加工物の取付
け位置次第で、加工圧を加えたポリシングをした
り或は砥粒の動きによる流体研摩をしたりするこ
ともできる。 この発明において使用する膜状のポリシヤは、
磁性流体に対し不透過性でかつ磁束通過を遮断し
ないもので砥粒を加工面に押し付けることができ
れば、ゴム板に限らず他の任意の材料のものでも
よい。例えば、ゴム板に通常使用されているポリ
シヤを貼り付けるとか、スポンジ状のポリシヤを
使用することも可能であり、またテープにバイン
ダを介して砥粒を貼り付けて使用することも可能
である。膜状ポリシヤ材の選定に当つては下記の
如きポリシヤに必要な力学的性質を強慮するとよ
い。砥粒が有効に作用するためには砥粒が余り早
くポリシヤに埋め込まれない方がよい。ポリシヤ
は適当な粘性、又は遅延弾性があるとよい。ポリ
シヤが加工物例えばガラスに接着するのを避け、
ポリシヤと加工物の間にポリシ液がゆきわたるた
めには、ポリシヤ表面が水に濡れ易くなることも
必要である。砥粒が加工物表面例えばガラス表面
に作用する時、その反作用としてポリシヤに瞬間
的な力が加わるが、この力によつてポリシヤ局部
が変形してしまわないためには、瞬間弾性の大き
いことも望ましい。膜状のポリシヤをそれ自体砥
粒を担持したもの或は例えばアブラシベルトの如
く砥粒を散布したものとすれば、工作液を使用せ
ず乾式で行うこともできる。 第13図ないし15図はこの発明を使用した研
削盤方式の表面研摩加工を例示するものである。
第13図は円筒外面みがきの場合を示し、同図に
おいて、管状の加工盤11の内周に磁性流体収容
の内周みぞ12を設け、磁性流体を封じ込むよう
にポリシヤ膜13を管状に取付け、加工盤11の
直径方向に1対の電磁石28及び29を対設す
る。加工すべき丸棒50を、その被加工面がポリ
シヤ13の表面に接触又はすきまを置いて対面す
るように、管状のポリシヤ膜内に挿入し、電磁石
28及び29に通電して両磁極N,S間に磁束φ
を形成すると、ポリシヤ膜13が図示の如く盛り
上つて丸棒表面に押し付けられる。丸棒50を回
転すると共に、加工盤11を丸棒50とは反対方
向に回転させるか又は静止させ、電磁石28及び
29を単独でか又は加工盤11と共に左右に往復
動させて円筒外面みがきを行う。第14図は円筒
内面みがきの場合を示し、スピンドル60を取付
けた円柱状の加工盤11の外周に磁性流体収容の
外周みぞ12を設け、磁性流体を封じ込むように
ポリシヤ膜13を円筒状に取付け、加工盤11を
加工物50の孔の中に挿入して回転させ、加工物
50の直径方向に対設した1対の電磁石28,2
9に通電し、電磁石又はスピンドルを左右に往復
動させるか、或は加工物を左右に往復動させて円
筒内面みがきを行う。第15図は平面みがきの場
合を示し、スピンドル60を取付けた円形加工盤
11の片面に磁性流体収容のドーナツ形みぞ12
を設け、磁性流体を封じ込むようにポリシヤ膜1
3を平板状に取付け、ポリシヤ膜を加工物50の
表面に接触させ、加工盤及び加工物をはさんで対
設した1対の電磁石28,29に通電し、加工盤
11を回転すると共に、加工物50を左右に往復
動させかつ紙面に垂直方向に送ることにより表面
みがきを行う。第13ないし15図に示す表面研
摩加工において、膜状のポリシヤ13にはそれ自
体砥粒を担持したポリシヤ膜を使用する。また場
合により対設する1対の電磁石を円周に沿つて複
数個配設してもよい。 加工盤11は、必らずしも全体を非磁性体とす
る必要はなく、磁束φの通過部分のみを非磁性材
とし、残りも鉄鋼の如き磁性材からなるものとし
てもよく或かその逆でもよい。また加工物は、任
意の材質のものでよいが、なるべくポリシングに
適したものが望ましい。特に第13ないし15図
に示す装置の場合には、磁性流体に対する磁界の
集中を図るために加工物50を磁束の貫通し易い
材質とするとよい。 上下電磁石の各磁極は、図示のように互に異極
とする以外に、場合により同極としてその反発力
を利用してポリシヤ膜を変位させ加工圧を得るよ
うにしてもよい。磁性流体に印加する磁場は磁力
線が磁極面のラジアル方向に概ね均等に分布した
均一磁場でよい。しかし、特殊な局在したみがき
を必要とする場合は磁場勾配のある、例えば磁極
面のラジアル方向に磁束密度が不均一に偏在した
不均一磁場をかけるとよい。この場合、磁性流体
が不均一磁場のうち特に磁束密度の高い方へ集中
し、それに伴いポリシヤ膜が特定方向にのみ変位
して加工物に対し局部的に偏つた加工圧を得るこ
とになる。電磁石のコイルに流す電流を直流に限
らず交流として、ある一定の圧力を中心として交
流の振動数に合わせて強弱の力を交互に加えるこ
とも可能である。前記した条件下の加工例は例示
であつて、加工物の材質、大きさ又は平面ないし
曲面の如き表面形状に従いそれぞれに適したポリ
シヤ、ポリシ剤、磁性流体等の諸条件を選定すれ
ばよい。また図示した表面研摩加工及び装置は、
例示であつて、状況に応じこの発明の範囲内で
種々変形し得ることは理解できよう。 以上説明したように、この発明は、磁性流体に
磁場を印加することにより膜状のポリシヤを被加
工面に押し付けて加工圧を得るので、磁場印加用
電流を容易に無段に変えて加工圧を自由に制御す
ることができる。また電流の制御によつて加工圧
の制御を自動化することもできる。
第1図はこの発明の原理円示す概要図、第2図
はこの発明による表面研摩装置を一部断面にして
示す正面図、第3図は磁性流体に対する磁場印加
を示す概要図、第4図は電流と磁束密度の関係を
示すグラフ、第5図は電流と加工圧の関係を示す
グラフ、第6図は電流と加工量の関係を示すグラ
フ、第7図はこの発明によつて得られた加工物の
表面あらさを例示する線図、第8図は電流と表面
あらさの関係を示すグラフ、第9図は電流と表面
あらさの関係を示すグラフ、第10図は加工室内
の砥粒分散用の刷毛を示す一部断面にした部分正
面図、第11図は加工盤の変形例を一部断面にし
て示す部分正面図、第12図は上部電磁石を省略
した変形例を一部断面にして示す部分正面図、第
13図はこの発明を使用した円筒外面みがきを例
示する一部断面にした概要図、第14図は円筒内
面みがきを例示する概要図、及び第15図は平面
みがきを例示する概要図である。 1……加工盤、2……磁性流体の収容みぞ、3
……膜状のポリシヤ、4……ポリシ液の収容室、
5……加工物、11……加工盤、12……収容み
ぞ、13……ポリシヤ、19……加工室、28…
…上部電磁石、29……下部電磁石、33……上
部電磁石の磁極用鉄心、38……加工物取付台、
41……下部電磁石の磁極用鉄心。
はこの発明による表面研摩装置を一部断面にして
示す正面図、第3図は磁性流体に対する磁場印加
を示す概要図、第4図は電流と磁束密度の関係を
示すグラフ、第5図は電流と加工圧の関係を示す
グラフ、第6図は電流と加工量の関係を示すグラ
フ、第7図はこの発明によつて得られた加工物の
表面あらさを例示する線図、第8図は電流と表面
あらさの関係を示すグラフ、第9図は電流と表面
あらさの関係を示すグラフ、第10図は加工室内
の砥粒分散用の刷毛を示す一部断面にした部分正
面図、第11図は加工盤の変形例を一部断面にし
て示す部分正面図、第12図は上部電磁石を省略
した変形例を一部断面にして示す部分正面図、第
13図はこの発明を使用した円筒外面みがきを例
示する一部断面にした概要図、第14図は円筒内
面みがきを例示する概要図、及び第15図は平面
みがきを例示する概要図である。 1……加工盤、2……磁性流体の収容みぞ、3
……膜状のポリシヤ、4……ポリシ液の収容室、
5……加工物、11……加工盤、12……収容み
ぞ、13……ポリシヤ、19……加工室、28…
…上部電磁石、29……下部電磁石、33……上
部電磁石の磁極用鉄心、38……加工物取付台、
41……下部電磁石の磁極用鉄心。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 膜状のポリシヤ内に磁性流体を封じ込め、加
工物の被加工面を前記ポリシヤの表面に対面又は
接触させ、ポリシヤと加工物の両者を相対運動さ
せ、磁性流体に磁場を印加することにより前記ポ
リシヤを被加工面に押し付けることを特徴とする
表面研摩法。 2 前記加工物を砥粒を含むポリシ液中に浸漬さ
せた特許請求の範囲第1項に記載の表面研摩法。 3 前記ポリシヤがそれ自体砥粒を担持したもの
となつている特許請求の範囲第1項に記載の表面
研摩法。 4 磁性流体の収容みぞを有する加工盤と、収容
みぞを覆つて磁性流体を封じ込むように前記加工
盤に取付けた膜状のポリシヤと、磁性流体に磁場
を印加するための電磁石と、被加工面を前記ポリ
シヤに対面又は接触させるように加工物又は加工
盤を担持する手段と、加工盤と加工物を相対運動
させる手段とを備えてなる表面研摩装置。 5 前記加工盤をはさんで少くとも1対の又は上
部及び下部の電磁石を対設した特許請求の範囲第
4項に記載の表面研摩装置。 6 前記ポリシヤを底壁とした加工室を前記加工
盤に設け、該加工室に砥粒を含むポリシ液を収容
した特許請求の範囲第5項に記載の表面研摩装
置。 7 前記加工盤をドーナツ形のみぞを有する回転
可能な円盤とし、該円盤をはさんで上部及び下部
の電磁石を対設し、上部電磁石の鉄心を加工物担
持手段としかつ回転可能とした特許請求の範囲第
6項に記載の表面研摩装置。 8 前記加工盤を直線状のみぞを有する往復動可
能な直方形加工盤とし、該加工盤をはさんで上部
及び下部の電磁石を対設し、上部電磁石の鉄心を
加工物担持手段としかつ回転可能とした特許請求
の範囲第6項に記載の表面研摩装置。 9 上部電磁石を省略し、上部電磁石の鉄心の代
りに回転可能なラツプ棒を設けた特許請求の範囲
第7項に記載の表面研摩装置。 10 それ自体砥粒を担持した膜状のポリシヤを
使用し、磁性流体収容の内周みぞを設けた管状の
加工盤に管状のポリシヤ膜を取付け、加工盤の直
径方向に少なくとも1対の電磁石を対設し、加工
物を管状のポリシヤ膜内に挿入して円筒外面みが
きを行う特許請求の範囲第5項に記載の表面研摩
装置。 11 それ自体砥粒を担持した膜状のポリシヤを
使用し、磁性流体収容の外周みぞを設けた円柱状
の加工盤に円筒状のポリシヤ膜を取付け、加工物
の直径方向に少なくとも1対の電磁石を対設し、
加工盤を加工物の孔の中に挿入して円筒内面みが
きを行う特許請求の範囲第5項に記載の表面研摩
装置。 12 それ自体砥粒を担持した膜状のポリシヤを
使用し、磁性流体収容のドーナツ形みぞを設けた
円形加工盤に平板状のポリシヤ膜を取付け、加工
盤及び加工物をはさんで少なくとも1対の電磁石
を対設し、加工盤のポリシヤ膜を加工物表面に接
触させて平面みがきを行う特許請求の範囲第5項
に記載の表面研摩装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP56172835A JPS5877447A (ja) | 1981-10-30 | 1981-10-30 | 表面研摩法とその装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP56172835A JPS5877447A (ja) | 1981-10-30 | 1981-10-30 | 表面研摩法とその装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS5877447A JPS5877447A (ja) | 1983-05-10 |
JPS6141702B2 true JPS6141702B2 (ja) | 1986-09-17 |
Family
ID=15949218
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP56172835A Granted JPS5877447A (ja) | 1981-10-30 | 1981-10-30 | 表面研摩法とその装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS5877447A (ja) |
Families Citing this family (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS60186368A (ja) * | 1984-03-02 | 1985-09-21 | Taihoo Kogyo Kk | 磁性流体による研摩方法 |
JPS61244456A (ja) * | 1985-04-20 | 1986-10-30 | Ajikawa Tekko Kensetsu Kk | 管内面の研磨方法 |
JPS61244458A (ja) * | 1985-04-20 | 1986-10-30 | Ajikawa Tekko Kensetsu Kk | 管内面の研磨方法 |
JPS63212461A (ja) * | 1987-02-25 | 1988-09-05 | Mitsubishi Metal Corp | 非磁性金属管の内面研摩法 |
JPH01216762A (ja) * | 1988-02-23 | 1989-08-30 | Toshiji Kurobe | 曲面研摩装置 |
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CN109648457B (zh) * | 2019-02-11 | 2023-08-22 | 辽宁科技大学 | 一种六自由度摆动的磁力研磨装置及磁力研磨方法 |
-
1981
- 1981-10-30 JP JP56172835A patent/JPS5877447A/ja active Granted
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Publication number | Publication date |
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JPS5877447A (ja) | 1983-05-10 |
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