JPH0541394B2 - - Google Patents
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- JPH0541394B2 JPH0541394B2 JP60173158A JP17315885A JPH0541394B2 JP H0541394 B2 JPH0541394 B2 JP H0541394B2 JP 60173158 A JP60173158 A JP 60173158A JP 17315885 A JP17315885 A JP 17315885A JP H0541394 B2 JPH0541394 B2 JP H0541394B2
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Landscapes
- Finish Polishing, Edge Sharpening, And Grinding By Specific Grinding Devices (AREA)
Description
発明の目的
産業上の利用分野
この発明は、ボールベアリングその他に使用さ
れる非磁性材料よりなる球体を研磨して、真球度
が高い球体を効率よく製造するための方法及び装
置に関するものである。 従来の技術 現在、粗形の球体を精密な球体にする場合、第
9図に示す如く同心円状又は渦巻き状にV型の溝
が掘られたラツプ盤71及び72を上下に対向さ
せ、それらのV型溝間に粗形球体1を荷重をかけ
て挟み込み、両ラツプ盤を相対運動させることに
より研磨している。しかしこの方法ではラツプ盤
が硬く、且つ軸受に剛体支持されているために、
被加工物が粗形球体である場合は凸部への応力集
中が著しく、硬く脆い材料の場合、凸部への衝撃
により表面の破壊等が起こるため、高加工圧及び
高回転速度は不可能であり、研磨速度はおのずと
制約を受ける。 一方、磁性体粉末を液状媒体中に分散させた磁
性流体に砥粒を分散させた研磨用液を磁場の作用
下で使用して物体の表面を研磨する方法は、特開
昭51−10499号、特開昭57−163057号、特開昭57
−158280号、特開昭58−77447号、特開昭59−
102569号等の明細書に記載されているが、いずれ
も平面を研磨する方法が主体であつて、球体を研
磨する方法や装置については述べていない。 発明が解決しようとする問題点 本発明は非磁性材料よりなる硬く脆い球体を効
率的に研磨して真球度が高い球体を製造するため
の方法及び装置を提供することを目的とする。 発明の構成 問題点を解決するための手段 本発明の磁性流体を用いる球体の研磨方法は、
下方に磁石が配置された容器内に充填された砥粒
を含有する磁性流体中に非磁性材料よりなる被研
磨球体を浸漬し、前記磁石により形成される磁場
の作用により球体に生じる磁気浮揚現象により球
体を容器の上部に位置させた駆動用治具の下面に
押しつけて駆動用治具の運動を球体に伝達して球
体を砥粒を含有する磁性流体中で運動させること
を特徴とする。 非磁性研磨粒を混合した磁性流体に磁場を作用
させると、磁場の作用により生じる磁性流体の磁
気的浮揚力によつて非磁性研磨粒は磁性流体の上
方に浮上し高密度の砥粒層を形成するので、かか
る状態の磁性流体の表面に被研磨体を接触させて
運動させれば、被研磨体は研磨粒により研磨する
方法が特開昭59−102569号明細書等に記載されて
いるが、発明においては研磨粒のみならず被研磨
体である球体も磁場の作用により生じる磁性流体
の磁気的浮揚力によつて浮揚した状態で研磨する
ものである。 この方法を実施するに適した装置を第1図〜第
8図により説明しながら、本発明方法を詳細に説
明する。 第1図においては、容器2の下部に磁石3が配
置されて磁場を形成し、容器の上部には駆動用治
具4が設置されており、容器内には砥粒を含有す
る磁性流体5が充填されている。 この磁石3は単一磁石または極性を揃えて配置
した磁石群であつてもよいや、むしろ隣り合う磁
石の極が互いに異なるように(図で矢印で示す)
組合せた磁石群であることが好ましい。これは水
平方向にも磁力を作用させ、球体の運動方向に抗
して摩擦抵抗を高めるように砥粒を保持するため
である。 この磁石または磁石群は永久磁石でも電磁石で
もよい。 砥粒を含有する磁性流体5中に浸漬された非磁
性材料よりなる被研磨球体1は、下方より働く磁
場の作用により磁気浮揚現象を生じてその上方に
位置する駆動用治具4の下面に押しつけられる。
駆動用治具4が運動すれば、その運動は球体1に
伝達され、球体1は砥粒を含有する磁性流体5中
で運動するようになる。この場合、球体の運動は
案内面として作用する容器2の側壁内面及び駆動
用治具の下面によつて運動範囲が限定される。 駆動用治具の運動は、主軸を中心とする回転運
動、水平方向の往復運動などがある。 駆動用治具の運動が水平方向の往復運動である
場合は容器の形状は箱型となる。 第1図には容器の形状が円筒状で、駆動用治具
は主軸(図の場合垂直軸)を中心とする回転運動
を行うように構成されている装置を示している。 駆動用治具4は、下方から押しつけらる球体に
運動を伝達すると共に、球体研磨のためのラツプ
盤(上部ラツプ盤)としても働くものであるが、
その下面の形状について詳細に説明する。 第1図には駆動用治具4の下面の形状が円板状
である場合を示している。この場合球体1は円板
の下面に押しつけられて、円盤が回転すると球体
1は自転しながら円周方向の回転をする。 第2図に側断面図、第3図に駆動用治具の裏側
から見た平面図で示しているのは、駆動用治具4
の下面が円板状で且つその円板面41に環状のV
形溝42を設けたものである。この場合球体1は
V形溝42の両側の斜めの壁に押しつけられた状
態で駆動用治具4の運動を伝達され、自転しなが
ら環状のV形溝に沿つて円周方向の回転をする。 第4図に側断面図、第5図に駆動用治具の裏側
から見た平面図で示しているのは、駆動用治具の
下面が円板状で且つその円板面41の下方に環状
の仕切板43を設置したものである。この場合仕
切板43は駆動用治具に固定しないことが好まし
い。球体1は円板の下面及び環状の仕切板43の
側壁に押しつけられて駆動用治具4の運動を伝達
され、自転しながら環状仕切板に沿つて円周方向
の回転をする。 第7図に側断面図として示したのは、駆動用治
具4の下端が倒置円錐44状となつているもので
ある。この場合球体1は倒置円錐44の斜面に押
しつけられて駆動用治具の運動を伝達され、容器
2の内壁にも押しつけられた状態で自転しながら
円周方向の運動をする。なおこの駆動用治具は、
下端が完全な円錐状でなく頭部が平面になつてい
る裁頭円錐状であつても、球体1が接触する面が
円錐面であれば効果は全く同じである。第8図は
同一サイズの球体1を4個、第7図に示した装置
の円筒状容器2内に設置した状態を平面図で示し
たものである。 更に本発明装置においては、第6図または第7
図に示すように、浮力板6が容器内の磁性流体中
に浸漬されていることが好ましい。 球体1の下部に位置するように浮力板6を磁性
流体5中に浸漬すると、浮力板の浮力及び磁石に
より形成される磁場の作用により浮力板を生じる
磁気浮揚現象による浮力により浮力板は浮揚して
球体1を下から押し上げて球体の駆動用治具への
押しつけを増強する。 磁性流体と球体の比重差及び磁気による浮揚力
の関係が球体を浮揚させるのに不十分な場合で
も、浮揚力の大きい浮力板を使用して球体を駆動
用治具4に押しつけることができる。 浮力板の比重は砥粒を含有する磁性流体の比重
よりも軽いことは絶対必要な条件ではなく、下方
より働く磁場の作用による磁気浮揚現象により浮
力を生じるものであればよい。 駆動用治具4の下面は磁性流体中の液面近傍に
位置させるが、該駆動用治具は上下方向に移動で
き、且つ任意の高さに固定した状態で運動(垂直
軸を中心とする回転運動や水平方向の往復運動)
できる構造にするのがよい。このように駆動用治
具を上下方向に移動できる構造にするのは、被研
磨球体を容器内に設置するのを容易にするためで
ある。 球体1は1個乃至複数個を容器内に設置する。 磁性流体中に含有される砥粒は、公知の研磨用
砥粒を適宜選択して使用することができる。例え
ばAl2O3(コランダム)、SiC(炭化ケイ素:カーボ
ランダム)、ダイヤモンド等である。 作 用 第1図、第2図、第4図、第6図または第7図
に示すように設置された状態で砥粒を含有する磁
性流体に磁力が作用すると、磁性流体中の磁性成
分は磁石の側に引き寄せられ、磁性流体中の砥粒
は磁気浮揚現象により上層に浮揚して高濃度の砥
粒層を形成する。 非磁性材料よりなる球体1にも同様に磁気浮揚
現象による浮力が生じて、球体1は駆動用治具4
の下面に押しつけられ、駆動用治具の回転運動と
共に球体1も運動(自転及び公転−円筒状容器内
での円周方向の運動)する。 この場合駆動用治具4は上部ラツプ盤として作
用する。 第4図に示した装置のように駆動用治具の下面
が円板状で、且つその円板面下方に環状の仕切板
を設けてある装置を使用した場合は、環状の仕切
板は側部ラツプ盤として作用する。 第7図に示した装置のように下端が倒置円錐状
となつている駆動用治具を使用した場合は球体1
は容器2の壁面に押しつけられるので、容器2の
壁面は側部ラツプ盤として作用する。 さらに第6図または第7図に示すように浮力板
6を球体1の下部に設置した場合、浮力板6は浮
揚して球体を下から押し上げて駆動用治具(兼上
部ラツプ盤)に押しつけると共に、浮力板も球体
に押しつけられているので、下部ラツプ盤として
作用する。 このように球体1は浮揚力によつてラツプ面に
接触しているので、被加工物が粗形球体であつて
も剛体支持されている場合のように凸部への応力
集中が起こらず、衝撃による激しい表面の破壊が
起きない。従つて高回転速度を与えて研磨効率の
向上をはかることができる。 この場合球体1は自ら運動(自転及び公転−円
筒状容器内での円周方向の運動)しつつラツプ盤
と接触し研磨されるので、特定の部位のみが研磨
されることなく球状に研磨される。 実施例 1 第7図に示した装置のステンレス鋼製円筒状容
器(内径24mm)に、所定量の磁性流体(フエリコ
ロイドW−35)、平均粒径180μ(80メツシユ)の
砥粒(磁性流体に対し20vo1.%)及び厚さ2mmの
アクリル樹脂製の円板状浮力板(下部ラツプ盤)
を入れ、予めマイクロメーター(最小目盛1μm)
により直径を10ケ所で測定した直径約9mmの
Si3N4製の粗形球体(当初の真球度280μm)を3
個又は4個容器内に入れて、駆動用治具(上部ラ
ツプ盤:リン青銅製)を浮力板と容器の底との間
隔が2mmになるまで近づけて設置して毎分9000回
転させ、15分間研磨した後被加工物を水にて水洗
し、再び直径を10ケ所で測定し、その直径の減少
量の平均値から研磨率(μm/min)を算出(初
期値)した。この操作を繰り返して再び研磨率を
算出(終期値)した。そして真球度が最小値にな
つた時の真球度をdmin(μm)として示した。結
果を第1表に示す。
れる非磁性材料よりなる球体を研磨して、真球度
が高い球体を効率よく製造するための方法及び装
置に関するものである。 従来の技術 現在、粗形の球体を精密な球体にする場合、第
9図に示す如く同心円状又は渦巻き状にV型の溝
が掘られたラツプ盤71及び72を上下に対向さ
せ、それらのV型溝間に粗形球体1を荷重をかけ
て挟み込み、両ラツプ盤を相対運動させることに
より研磨している。しかしこの方法ではラツプ盤
が硬く、且つ軸受に剛体支持されているために、
被加工物が粗形球体である場合は凸部への応力集
中が著しく、硬く脆い材料の場合、凸部への衝撃
により表面の破壊等が起こるため、高加工圧及び
高回転速度は不可能であり、研磨速度はおのずと
制約を受ける。 一方、磁性体粉末を液状媒体中に分散させた磁
性流体に砥粒を分散させた研磨用液を磁場の作用
下で使用して物体の表面を研磨する方法は、特開
昭51−10499号、特開昭57−163057号、特開昭57
−158280号、特開昭58−77447号、特開昭59−
102569号等の明細書に記載されているが、いずれ
も平面を研磨する方法が主体であつて、球体を研
磨する方法や装置については述べていない。 発明が解決しようとする問題点 本発明は非磁性材料よりなる硬く脆い球体を効
率的に研磨して真球度が高い球体を製造するため
の方法及び装置を提供することを目的とする。 発明の構成 問題点を解決するための手段 本発明の磁性流体を用いる球体の研磨方法は、
下方に磁石が配置された容器内に充填された砥粒
を含有する磁性流体中に非磁性材料よりなる被研
磨球体を浸漬し、前記磁石により形成される磁場
の作用により球体に生じる磁気浮揚現象により球
体を容器の上部に位置させた駆動用治具の下面に
押しつけて駆動用治具の運動を球体に伝達して球
体を砥粒を含有する磁性流体中で運動させること
を特徴とする。 非磁性研磨粒を混合した磁性流体に磁場を作用
させると、磁場の作用により生じる磁性流体の磁
気的浮揚力によつて非磁性研磨粒は磁性流体の上
方に浮上し高密度の砥粒層を形成するので、かか
る状態の磁性流体の表面に被研磨体を接触させて
運動させれば、被研磨体は研磨粒により研磨する
方法が特開昭59−102569号明細書等に記載されて
いるが、発明においては研磨粒のみならず被研磨
体である球体も磁場の作用により生じる磁性流体
の磁気的浮揚力によつて浮揚した状態で研磨する
ものである。 この方法を実施するに適した装置を第1図〜第
8図により説明しながら、本発明方法を詳細に説
明する。 第1図においては、容器2の下部に磁石3が配
置されて磁場を形成し、容器の上部には駆動用治
具4が設置されており、容器内には砥粒を含有す
る磁性流体5が充填されている。 この磁石3は単一磁石または極性を揃えて配置
した磁石群であつてもよいや、むしろ隣り合う磁
石の極が互いに異なるように(図で矢印で示す)
組合せた磁石群であることが好ましい。これは水
平方向にも磁力を作用させ、球体の運動方向に抗
して摩擦抵抗を高めるように砥粒を保持するため
である。 この磁石または磁石群は永久磁石でも電磁石で
もよい。 砥粒を含有する磁性流体5中に浸漬された非磁
性材料よりなる被研磨球体1は、下方より働く磁
場の作用により磁気浮揚現象を生じてその上方に
位置する駆動用治具4の下面に押しつけられる。
駆動用治具4が運動すれば、その運動は球体1に
伝達され、球体1は砥粒を含有する磁性流体5中
で運動するようになる。この場合、球体の運動は
案内面として作用する容器2の側壁内面及び駆動
用治具の下面によつて運動範囲が限定される。 駆動用治具の運動は、主軸を中心とする回転運
動、水平方向の往復運動などがある。 駆動用治具の運動が水平方向の往復運動である
場合は容器の形状は箱型となる。 第1図には容器の形状が円筒状で、駆動用治具
は主軸(図の場合垂直軸)を中心とする回転運動
を行うように構成されている装置を示している。 駆動用治具4は、下方から押しつけらる球体に
運動を伝達すると共に、球体研磨のためのラツプ
盤(上部ラツプ盤)としても働くものであるが、
その下面の形状について詳細に説明する。 第1図には駆動用治具4の下面の形状が円板状
である場合を示している。この場合球体1は円板
の下面に押しつけられて、円盤が回転すると球体
1は自転しながら円周方向の回転をする。 第2図に側断面図、第3図に駆動用治具の裏側
から見た平面図で示しているのは、駆動用治具4
の下面が円板状で且つその円板面41に環状のV
形溝42を設けたものである。この場合球体1は
V形溝42の両側の斜めの壁に押しつけられた状
態で駆動用治具4の運動を伝達され、自転しなが
ら環状のV形溝に沿つて円周方向の回転をする。 第4図に側断面図、第5図に駆動用治具の裏側
から見た平面図で示しているのは、駆動用治具の
下面が円板状で且つその円板面41の下方に環状
の仕切板43を設置したものである。この場合仕
切板43は駆動用治具に固定しないことが好まし
い。球体1は円板の下面及び環状の仕切板43の
側壁に押しつけられて駆動用治具4の運動を伝達
され、自転しながら環状仕切板に沿つて円周方向
の回転をする。 第7図に側断面図として示したのは、駆動用治
具4の下端が倒置円錐44状となつているもので
ある。この場合球体1は倒置円錐44の斜面に押
しつけられて駆動用治具の運動を伝達され、容器
2の内壁にも押しつけられた状態で自転しながら
円周方向の運動をする。なおこの駆動用治具は、
下端が完全な円錐状でなく頭部が平面になつてい
る裁頭円錐状であつても、球体1が接触する面が
円錐面であれば効果は全く同じである。第8図は
同一サイズの球体1を4個、第7図に示した装置
の円筒状容器2内に設置した状態を平面図で示し
たものである。 更に本発明装置においては、第6図または第7
図に示すように、浮力板6が容器内の磁性流体中
に浸漬されていることが好ましい。 球体1の下部に位置するように浮力板6を磁性
流体5中に浸漬すると、浮力板の浮力及び磁石に
より形成される磁場の作用により浮力板を生じる
磁気浮揚現象による浮力により浮力板は浮揚して
球体1を下から押し上げて球体の駆動用治具への
押しつけを増強する。 磁性流体と球体の比重差及び磁気による浮揚力
の関係が球体を浮揚させるのに不十分な場合で
も、浮揚力の大きい浮力板を使用して球体を駆動
用治具4に押しつけることができる。 浮力板の比重は砥粒を含有する磁性流体の比重
よりも軽いことは絶対必要な条件ではなく、下方
より働く磁場の作用による磁気浮揚現象により浮
力を生じるものであればよい。 駆動用治具4の下面は磁性流体中の液面近傍に
位置させるが、該駆動用治具は上下方向に移動で
き、且つ任意の高さに固定した状態で運動(垂直
軸を中心とする回転運動や水平方向の往復運動)
できる構造にするのがよい。このように駆動用治
具を上下方向に移動できる構造にするのは、被研
磨球体を容器内に設置するのを容易にするためで
ある。 球体1は1個乃至複数個を容器内に設置する。 磁性流体中に含有される砥粒は、公知の研磨用
砥粒を適宜選択して使用することができる。例え
ばAl2O3(コランダム)、SiC(炭化ケイ素:カーボ
ランダム)、ダイヤモンド等である。 作 用 第1図、第2図、第4図、第6図または第7図
に示すように設置された状態で砥粒を含有する磁
性流体に磁力が作用すると、磁性流体中の磁性成
分は磁石の側に引き寄せられ、磁性流体中の砥粒
は磁気浮揚現象により上層に浮揚して高濃度の砥
粒層を形成する。 非磁性材料よりなる球体1にも同様に磁気浮揚
現象による浮力が生じて、球体1は駆動用治具4
の下面に押しつけられ、駆動用治具の回転運動と
共に球体1も運動(自転及び公転−円筒状容器内
での円周方向の運動)する。 この場合駆動用治具4は上部ラツプ盤として作
用する。 第4図に示した装置のように駆動用治具の下面
が円板状で、且つその円板面下方に環状の仕切板
を設けてある装置を使用した場合は、環状の仕切
板は側部ラツプ盤として作用する。 第7図に示した装置のように下端が倒置円錐状
となつている駆動用治具を使用した場合は球体1
は容器2の壁面に押しつけられるので、容器2の
壁面は側部ラツプ盤として作用する。 さらに第6図または第7図に示すように浮力板
6を球体1の下部に設置した場合、浮力板6は浮
揚して球体を下から押し上げて駆動用治具(兼上
部ラツプ盤)に押しつけると共に、浮力板も球体
に押しつけられているので、下部ラツプ盤として
作用する。 このように球体1は浮揚力によつてラツプ面に
接触しているので、被加工物が粗形球体であつて
も剛体支持されている場合のように凸部への応力
集中が起こらず、衝撃による激しい表面の破壊が
起きない。従つて高回転速度を与えて研磨効率の
向上をはかることができる。 この場合球体1は自ら運動(自転及び公転−円
筒状容器内での円周方向の運動)しつつラツプ盤
と接触し研磨されるので、特定の部位のみが研磨
されることなく球状に研磨される。 実施例 1 第7図に示した装置のステンレス鋼製円筒状容
器(内径24mm)に、所定量の磁性流体(フエリコ
ロイドW−35)、平均粒径180μ(80メツシユ)の
砥粒(磁性流体に対し20vo1.%)及び厚さ2mmの
アクリル樹脂製の円板状浮力板(下部ラツプ盤)
を入れ、予めマイクロメーター(最小目盛1μm)
により直径を10ケ所で測定した直径約9mmの
Si3N4製の粗形球体(当初の真球度280μm)を3
個又は4個容器内に入れて、駆動用治具(上部ラ
ツプ盤:リン青銅製)を浮力板と容器の底との間
隔が2mmになるまで近づけて設置して毎分9000回
転させ、15分間研磨した後被加工物を水にて水洗
し、再び直径を10ケ所で測定し、その直径の減少
量の平均値から研磨率(μm/min)を算出(初
期値)した。この操作を繰り返して再び研磨率を
算出(終期値)した。そして真球度が最小値にな
つた時の真球度をdmin(μm)として示した。結
果を第1表に示す。
【表】
浮力板の存在は研磨率を大きく向上させている
ことがわかる。 浮力板6と容器の底との距離を2mm〜0.5mm間
で変化させたところ、研磨率には影響がなかつた
が、真球度はこの距離が小さいほど優れていた。 また4球の場合より3球の場合の方が研磨率は
高いが、真球度は4球の場合の方が優れていた。 容器にステンレス鋼以外の材質を使用して同様
な実験を行つたところ、ステンレス鋼よりは黄銅
の方が、また黄銅よりはアクリル樹脂の方が研磨
率が優れていた。 しかし駆動用治具(上部ラツプ盤)の材質をリ
ン青銅からステンレス鋼に代えても、研磨率にも
真球度にも影響はなかつた。 発明の効果 非磁性材料よりなる被研磨球体は磁気浮揚現象
による浮揚力により駆動用治具の下面(運動伝達
面兼上部ラツプ盤)に接触しているので、被加工
物が粗形球体であつても剛体支持されている場合
のように凸部への応力集中が起きず、衝撃による
激しい表面の破壊が起きない。従つて高回転速度
を与えて研磨速度の向上をはかることができる。 さらに浮力板を球体の下部に設けると、浮力板
も浮揚して球体を下から押し上げて駆動用治具に
押しつけると共に、浮力板も球体に押しつけられ
て下部ラツプ盤として作用するので、研磨速度は
さらに向上する。
ことがわかる。 浮力板6と容器の底との距離を2mm〜0.5mm間
で変化させたところ、研磨率には影響がなかつた
が、真球度はこの距離が小さいほど優れていた。 また4球の場合より3球の場合の方が研磨率は
高いが、真球度は4球の場合の方が優れていた。 容器にステンレス鋼以外の材質を使用して同様
な実験を行つたところ、ステンレス鋼よりは黄銅
の方が、また黄銅よりはアクリル樹脂の方が研磨
率が優れていた。 しかし駆動用治具(上部ラツプ盤)の材質をリ
ン青銅からステンレス鋼に代えても、研磨率にも
真球度にも影響はなかつた。 発明の効果 非磁性材料よりなる被研磨球体は磁気浮揚現象
による浮揚力により駆動用治具の下面(運動伝達
面兼上部ラツプ盤)に接触しているので、被加工
物が粗形球体であつても剛体支持されている場合
のように凸部への応力集中が起きず、衝撃による
激しい表面の破壊が起きない。従つて高回転速度
を与えて研磨速度の向上をはかることができる。 さらに浮力板を球体の下部に設けると、浮力板
も浮揚して球体を下から押し上げて駆動用治具に
押しつけると共に、浮力板も球体に押しつけられ
て下部ラツプ盤として作用するので、研磨速度は
さらに向上する。
第1図は本発明に係る装置の一例の側断面図、
第2図は他の例の側断面図、第3図は第2図にお
いて使用されている駆動用治具の底面の形状を示
す平面図、第4図はさらに他の例の側断面図、第
5図は第4図において使用されている駆動用治具
の底面と仕切板の形状を示す平面図、第6図は浮
力板を浸漬してある装置の側断面図、第7図は駆
動用治具の下面が倒置円錐状に構成されている装
置の側断面図、第8図はその中に同一サイズの球
体を4個設置した状態を示す平面図、第9図は従
来装置の説明図である。
第2図は他の例の側断面図、第3図は第2図にお
いて使用されている駆動用治具の底面の形状を示
す平面図、第4図はさらに他の例の側断面図、第
5図は第4図において使用されている駆動用治具
の底面と仕切板の形状を示す平面図、第6図は浮
力板を浸漬してある装置の側断面図、第7図は駆
動用治具の下面が倒置円錐状に構成されている装
置の側断面図、第8図はその中に同一サイズの球
体を4個設置した状態を示す平面図、第9図は従
来装置の説明図である。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 下方に磁石が配置された容器内に充填された
砥粒を含有する磁性流体中に非磁性材料よりなる
被研磨球体を浸漬し、前記磁石により形成される
磁場の作用により球体に生じる磁気浮場現象によ
り球体を容器の上部に位置させた駆動用治具の下
面に押しつけて駆動用治具の運動を球体に伝達し
て球体を砥粒を含有する磁性流体中で運動させる
ことを特徴とする磁性流体を用いる球体の研磨方
法。 2 球体の下部に位置するように浮力板を磁性流
体中に浸漬し、浮力板の浮力及び磁石により形成
される磁場の作用により浮力板に生じる磁気浮揚
現象による浮力により浮力板を浮揚させ球体を下
から押し下げて球体の駆動用治具への押しつけを
増強する特許請求の範囲第1項記載の方法。 3 駆動用治具の運動が主軸を中心とする回転運
動である特許請求の範囲第1項または第2項記載
の方法。 4 駆動用治具の運動が水平方向の往復運動であ
る特許請求の範囲第1項または第2項記載の方
法。 5 容器、その容器の下部に配置された磁石、容
器の上部に設置された駆動用治具及び容器内に充
填された砥粒を含有する磁性流体よりなり、該磁
性流体中に被研磨球体を浸漬した時にその被研磨
球体が容器の下部に配置された磁石により形成さ
れる磁場の作用によつて球体に生じる磁気浮揚現
象により容器の上部に設置された駆動用治具の下
面に押しつけられ駆動用治具の運動が球体に伝達
されて球体が砥粒を含有する磁性流体中で運動す
るように構成されていることを特徴とする磁性流
体を用いる球体の研磨装置。 6 容器の下部に配置された磁石が、隣り合う磁
石の極が互いに異なるように組合せた磁石群であ
る特許請求の範囲第5項記載の装置。 7 浮力板が容器内の磁性流体中に浸漬されてい
る特許請求の範囲第5項または第6項記載の装
置。 8 駆動用治具は主軸を中心とする回転運動を行
うように構成された特許請求の範囲第5項、第6
項または第7項記載の装置。 9 球体が押しつけられる駆動用治具の面が円板
状である特許請求の範囲第8項記載の装置。 10 球体が押しつけられる駆動用治具の面が円
板状で、且つその円板面に環状のV形溝を設けて
ある特許請求の範囲第8項記載の装置。 11 球体が押しつけられる駆動用治具の面が円
板状で、且つその円板面に環状の仕切板を配置し
てある特許請求の範囲第8項記載の装置。 12 球体が押しつけられる駆動用治具の面が円
錐状に構成されている特許請求の範囲第8項記載
の装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP60173158A JPS62173166A (ja) | 1985-08-08 | 1985-08-08 | 磁性流体を用いる球体の研磨方法及び研磨装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP60173158A JPS62173166A (ja) | 1985-08-08 | 1985-08-08 | 磁性流体を用いる球体の研磨方法及び研磨装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS62173166A JPS62173166A (ja) | 1987-07-30 |
JPH0541394B2 true JPH0541394B2 (ja) | 1993-06-23 |
Family
ID=15955170
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP60173158A Granted JPS62173166A (ja) | 1985-08-08 | 1985-08-08 | 磁性流体を用いる球体の研磨方法及び研磨装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS62173166A (ja) |
Families Citing this family (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS63196368A (ja) * | 1987-02-09 | 1988-08-15 | Yasushi Kato | 磁性流体を用いる研磨方法 |
KR100812717B1 (ko) | 2006-06-05 | 2008-03-14 | 주식회사 윈트 | 절삭공구의 성능 향상을 위한 자기연마장치 |
KR100861775B1 (ko) | 2007-07-20 | 2008-10-08 | 중앙대학교 산학협력단 | 순환식 자기유변유체 연마장치 |
JP2010052123A (ja) * | 2008-08-29 | 2010-03-11 | Utsunomiya Univ | 超精密磁気研磨方法及び超精密磁気研磨用の研磨スラリー |
JP2011104696A (ja) * | 2009-11-16 | 2011-06-02 | Jtekt Corp | 球体研磨装置 |
CN110223859B (zh) * | 2019-05-23 | 2020-12-01 | 北京交通大学 | 基于磁性液体一阶浮力原理的控制开关 |
Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5914461A (ja) * | 1982-07-14 | 1984-01-25 | Toshiba Corp | 球体加工装置 |
-
1985
- 1985-08-08 JP JP60173158A patent/JPS62173166A/ja active Granted
Patent Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5914461A (ja) * | 1982-07-14 | 1984-01-25 | Toshiba Corp | 球体加工装置 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS62173166A (ja) | 1987-07-30 |
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