JPS6141468Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本案は、ガソリンエンジン、特に二サイクルガ
ソリンエンジンの吸入通路等に配設される板状リ
ード弁に関するものである。

第１図に図示されるように、二サイクルガソリ
ンエンジンにおいては、低圧予圧室の機能を有す
るクランクケース１に吸入通路５より混合気を吸
入させ、ピストン３の下降によつてクランクケー
ス１内で圧縮された混合気を、シリンダ２に設け
られた掃気ポート４を通じてシリンダ２内に送り
込むために、吸入通路５に板状リード弁６を介装
していた。

そしてエンジンの全開時、低出力時、スロツト
ル急開時等のエンジンの出力応答性を図るには、
板状リード弁６の開弁抵抗を極力下げる必要があ
る。

このようなリード弁の開弁抵抗を下げるには、
リードの板厚を薄くすればよいが、これを薄くす
ると、リードが弁座に着座する際の衝撃力によ
り、リードの先端が損傷し易くなつた。

本案はこのような難点を克服した板状リード弁
の改良に係り、その目的とする処は、リードの先
端を補強してリードの薄肉化を図り、リード弁の
開弁抵抗を下げることができる構造の簡単なリー
ド弁を供する点にある。

以下自動二輪車用二サイクルガソリンエンジン
の吸入通路に介装される第２図ないし第３図に図
示された本案の一実施例について説明する。

７はリード弁本体で、同本体７の弁座８は緩衝
と密封のためにラバーが焼付けられている。

またリード弁本体７の基部に、肉厚の薄いリー
ド９とバツクアツププレート１０との各基端が重
ね合せられた状態で締状け螺子１１およびワツシ
ヤ１２により一体に固着されている。

しかしてリード９の先端９ａは弁座８と接する
シール巾Ｗを残して弁座８より離れる方向へ彎曲
されている。

第２図ないし第３図に図示の実施例は前記した
ように構成されているので、リード弁本体７を挾
んだエンジン吸入通路５の上流側５ａにおける圧
力に比べて下流側通路５ｂの圧力が低いと、その
圧力差によりリード９が弁座８より離れ、リード
弁本体７の開口部７ａが開放され、混合気が上流
側吸入通路５ａよりリード弁本体開口部７ａを通
過して下流側吸入通路５ｂに流れ、エンジンのク
ランクケース１内に吸入される。

そして、下流側通路５ｂの圧力が上流側通路５
ａの圧力より高くなると、その圧力差でリード９
が弁座８に接触し、リード弁本体開口部７ａが閉
塞される。

このように図示されないエンジンの回転に応じ
てリド弁６は間欠的に開閉される。

またリード９は薄く形成されているため、リー
ド弁６の開弁抵抗が低下し、この結果、エンジン
の出力特性が向上する。

さらにリード９の先端９ａは弁座８より離れる
方向へ彎曲されているため、この彎曲先端部９ａ
がリード９の補強と緩衝の役を果し、リード彎曲
先端部９ａに大きな応力が発生せず、リード９の
先端部９ａは損傷し易い。

このため、リード９の厚みをより一層薄くする
ことができる。

さらにまたリード９の先端部９ａのみを彎曲す
るだけでよいため、エツジングまたは切削により
リード先端部９ａを厚くする必要がなく、加工が
簡単でコストは安い。

前記実施例では、リード９の先端部９ａのみを
彎曲させたが、これに隣接したリード９の両側の
先端部も弁座８より離れる方向へ彎曲させてもよ
い。

本案では、前記したように一端が弁座に固着さ
れ下流側通路の負圧により開閉する板状リード弁
において、前記リード弁のリードの少なくとも先
端に前記弁より離れる方向の折曲部を形成したゝ
め、リードの先端を補強して、リード全体の板厚
を薄くすることができ、その結果、リード弁の開
弁抵抗と同リード弁の通過抵抗とを減少させるこ
とができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本案の板状リード弁が適用される二サ
イクルガソリンエンジンの概略を図示した縦断側
面図、第２図は本案に係る板状リード弁の一実施
例を図示した縦断側面図、第３図はその要部拡大
縦断側面図である。 ５……吸入通路、６……板状リード弁、７……
リード弁本体、８……弁座、９……リード、１０
……バツクアツププレート、１１……締付け螺
子、１２……ワツシヤ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 一端が弁座に固着され下流側通路の負圧により
   開閉する板状リード弁において、前記リード弁の
   リードの少なくとも先端に前記弁より離れる方向
   の折曲部を形成したことを特徴とする板状リード
   弁。