JPS6140678B2 - - Google Patents

Info

Publication number
JPS6140678B2
JPS6140678B2 JP17042583A JP17042583A JPS6140678B2 JP S6140678 B2 JPS6140678 B2 JP S6140678B2 JP 17042583 A JP17042583 A JP 17042583A JP 17042583 A JP17042583 A JP 17042583A JP S6140678 B2 JPS6140678 B2 JP S6140678B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
gynosaponin
gynosaponins
water
solution
methanol
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired
Application number
JP17042583A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS5980699A (ja
Inventor
Tsunematsu Takemoto
Shigenobu Arihara
Tadashi Nakajima
Megumi Okudaira
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Shoji Co Ltd
Original Assignee
Nippon Shoji Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Shoji Co Ltd filed Critical Nippon Shoji Co Ltd
Priority to JP17042583A priority Critical patent/JPS5980699A/ja
Publication of JPS5980699A publication Critical patent/JPS5980699A/ja
Publication of JPS6140678B2 publication Critical patent/JPS6140678B2/ja
Granted legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
  • Steroid Compounds (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
この発明はアマチヤヅル(Gynostemma
pentaphyllum Makino)のサポニンの構成成分
であるギノサポニン類およびその製造法に関す
る。 この発明の発明者らはアマチヤヅルの含有成分
を研究した結果、下記の新規なギノサポニン類を
見出した。すなわち、式(): 〔式中R1が〔β―D―グルコピラノシル(1
→2)―α―L―ラムノピラノシル(1→6)〕
―β―D―グルコピラノシル基であるときは、
R2が水素原子、β―D―グルコピラノシル(1
→6)―β―D―グルコピラノシル基、α―L―
ラムノピラノシル(1→6)―β―D―グルコピ
ラノシル基もしくはβ―D―グルコピラノシル基
であつて、R3が水素原子もしくはヒドロキシ基
であり、 R1がβ―D―グルコピラノシル(1→2)―β
―D―グルコピラノシル基であるときは、R2
α―L―ラムノピラノシル(1→6)―β―D―
グルコピラノシル基であつて、R3が水素原子で
あり、 R1がα―L―ラムノピラノシル(1→6)―
β―D―グルコピラノシル基であるときは、R2
がβ―D―グルコピラノシル(1→6)―β―D
―グルコピラノシル基、α―L―ラムノピラノシ
ル(1→6)―β―D―グルコピラノシル基、も
しくはβ―D―グルコピラノシルであつて、R3
が水素原子であり、 R1がβ―D―グルコピラノシル基であるとき
はR2がβ―D―キシロピラノシル(1→6)―
β―D―グルコピラノシル基もしくはα―L―ラ
ムノピラノシル(1→6)―β―D―グルコピラ
ノシル基であつて、R2が水素原子であり、また R1が水素原子であるときは、R2がβ―D―グ
ルコピラノシル基、β―D―キシロピラノシル
(1→6)―β―D―グルコピラノシル基もしく
はα―L―ラメノピラノシル(1→6)―β―D
―グルコピラノシル基であつて、R3が水素原子
もしくはヒドロキシ基である〕 で表わされる化合物である。 これらのギノサポニン類()の具体名を列挙
すると次の通りである。 20S―プロトパナキサジオール―3―{〔β―
D―グルコピラノシル(1→2)―α―L―ラム
ノピラノシル(1→6)―β―D―グルコピラノ
シド}―20―0―〔β―D―グルコピラノシル
(1→6)―β―D―グルコピラノシド〕―以下
「ギノサポニンA」と称する― 20S―プロトパナキサジオール―3―0―
{〔β―D―グルコピラノシル(1→2)―α―L
―ラムノピラノシル(1→6)〕―β―D―グル
コピラノシド}―20―0―〔α―L―ラムノピラ
ノシル(1→6)―β―D―グルコピラノシド〕
―以下「ギノサポニンB」と称する― 20S―プロトパナキサジオール―3―0―
{〔β―D―グルコピラノシル(1→2)―α―L
―ラムノピラノシル(1→6)〕―β―D―グル
コピラノシド}―20―0―β―D―グルコピラノ
シド―以下「ギノサポニンF」と称する― 20S―プロトパナキサジオール―3―0―〔β
―D―グルコピラノシル(1→2)―β―D―グ
ルコピラノシド〕―20―0―〔α―L―ラムノピ
ラノシル(1→6)―β―D―グルコピラノシ
ド〕―以下「ギノサポンE」と称する― 20S―プロトパナキサジオール―3,20―ビス
―0―〔α―L―ラムノピラノシル(1→6)―
β―D―グルコピラノシド〕―以下「ギノサポニ
ンG」と称する― 20S―プロトパナキサジオール―3―0―〔α
―L―ラムノピラノシル(1→6)―β―D―グ
ルコピラノシド〕―20―0―β―D―グルコピラ
ノシド―以下「ギノサポニンK」と称する― 20S―プロトパナキサジオール―3―0―β―
D―グルコピラノシド―20―0―〔β―D―キシ
ロピラノシル(1→6)―β―D―グルコピラノ
シド〕―以下「ギノサポニンI」と称する― 20S―プロトパナキサジオール―3―0―β―
D―グルコピラノシド―20―0―〔α―L―ラム
ノピラノシル(1→6)―β―D―グルコピラノ
シド〕―以下「ギノサポニンJ」と称する― 20S―プロトパナキサジオール―20―0―〔β
―D―キシロピラノシル(1→6)―β―D―グ
ルコピラノシド〕―以下「ギノサポニンM」と称
する― 20S―プロニパナキサジオール―20―0―〔α
―L―ラムノピラノシル(1→6)―β―D―グ
ルコピラノシド〕―以下「ギノサポニンN」と称
する― 20S,26―ヒドロキシプロトパナキサジオール
―3―0―{〔β―D―グルコピラノシル(1→
2)―α―L―ラムノピラノシル(1→6)〕―
β―D―グルコピラノシド}―20―0―〔α―L
―ラムノピラノシル(1→6)―β―D―グルコ
ピラノシド〕―以下「ギノサポニンO」と称する
― 20S―プロトパナキサジオール―3―0―〔α
―L―ラムノピラノシル(1→6)―β―D―グ
ルコピラノシド〕―20―0―〔β―D―グルコピ
ラノシル(1→6)―β―D―グルコピラノシ
ド〕―以下「プロギノサポゲニンA2」と称する
― プロトパナキサジオール―3―0―{〔β―D
―グルコピラノシル(1→2)―α―L―ラムノ
ピラノシル(1→6)〕―β―D―グルコピラノ
シド}―以下「プロギノサポゲニンA―AH」と
称する― 20S,26―ヒドロキシプロトパナキサジオール
―20―0―β―D―グルコピラノシド―以下「プ
ロギノサポゲニンO1」と称する― かくしてこの発明は、前記式()で表され、
式中R1が水素原子、R2がβ―D―グルコピピラ
ノシル基、β―D―キシロピラノシル(1→6)
―β―D―グルコピラノシル基もしくはα―L―
ラムノピラノシル(1→6)―β―D―グルコピ
ラノシル基、R3が水素原子もしくはヒドロキシ
基の化合物、具体的にはギノサポニンM、ギノサ
ポニンN及びプロギノサポゲニンンO1を提供す
るものである。 ギノサポニン類()のうち、ギノサポニン
A、B、E、F、G、I、J、K、M、Nおよび
Oはいずれもアマチヤヅルのサポニンの構成成分
であり、例えば次の方法によつてアマチヤヅルか
ら抽出、分離れされる。 先ず初めに、アマチヤヅルを水または含水低級
アルコールで抽出する。含水低級アルコールとし
ては50v/v%程度以下の含水メタノール、含水
エタノール等が例示される。この抽出は加温また
は加熱下に行うのが好ましい。なお、原料のアマ
チヤヅルは、抽出に先立つて予め細切し、あるい
は常法により脱脂したものを用いてもよい。また
抽出溶媒として含水低級アルコールを用いた場合
には抽出液を濃縮してアルコール分を除去したの
ち、適量の水を加えて次の非イオン性吸着樹脂で
の処理に付すのが好ましい。 非イオン性吸着樹脂としては、スチレン―ジビ
ニルベンゼン共重合体からなるハイポーラスなも
のが好ましく、具体的にはアンパーライトXAD
―2(米国ロームアンドハース社製)、セフアデ
ツクスLH20(フアーマシヤフアインケミカルズ
社製)などが繁用される。この処理は、吸着樹脂
を充填したカラムに上記で得られた抽出液を通液
して行うのが便利である。この操作によりサポニ
ンが樹脂に吸着される。 次いで樹脂に吸着されたサポニンを低級アルコ
ールで溶出する。溶出溶媒として用いられる低級
アルコールとしてはメタノール、エタノール等が
好ましい。なお、溶出に先立つて予めカラムを水
あるいは20v/v%程度の含水低級アルコールで
洗浄するのが好ましい。 上記で得られた低級アルコール溶出液を次いで
アルミナで処理する。この処理も、アルミナを充
填したカラムを用いて行えば簡便である。この処
理により、サポニンはアルミナに吸着される。な
お、このアルミナでの処理に先立つて上記の低級
アルコール溶出液を予め適宜濃縮しておいてもよ
い。 アルミナに吸着されたサポニンを次いで低級ア
ルコールまたは含水低級アルコールで、好ましく
は50v/v%程度の含水低級アルコールで溶出す
る。この溶出液を濃縮することにより、粗ギノサ
ポニン類が得られる。 上記のようにして得られる粗ギノサポニン類
は、ギノサポニンA、B、E、F、G、I、J、
K、M、NおよびO等からなり、これらの各成分
は例えば次の方法により分離、精製される。 すなわち、粗ギノサポニン類を水に溶解し、こ
の水溶液をスチレン系吸着樹脂、例えばサーパク
ロム(Servachrom)XAD―2〔サーバ
(Serva)社製〕で処理し、被吸着物質を45−100
%メタノール水溶液で溶出し、溶出液を濃縮後シ
リカゲルカラムで処理する。 シリカゲルに吸着されたサポニンを次いでクロ
ロホルム・低級アルコール・水で好ましくはクロ
ロホルム・メタノール・水(65:35:10下層)で
溶出し、薄層クロマトグラフイー(TLC)を指
標とし、溶出液をフラクシヨン1〜6に分画す
る。 フラクシヨン1〜3をそれぞれシリカゲルカラ
ムで処理し、次いでシリカゲルに吸着されたサポ
ニンをクロロホルム・低級アルコール・酢酸エチ
ル・水で好ましくはクロロホルム・メタノール・
酢酸エチル・水(2:2:4:1下層)で分画溶
出する。 また、フラクシヨン4および5もそれぞれシリ
カゲルカラムで処理し、次いで、シリカゲルに吸
着されたサポニンを低級アルコール・酢酸エチ
ル・水で好ましくはn−ブタノール.酢酸エチ
ル・水(4:1:2上層)で分画溶出する。 また、フラクシヨン6もシリカゲルカラムで処
理し、次いで、シリカゲルに吸着されたサポニン
をクロロホルム・低級アルコール・水で、好まし
くはクロロルム・メタノール・水(65:35:10下
層)で分画溶出する。 上記で得られた各分画溶出液を濃縮し、さらに
TLCの結果を指標にして前記のシリカゲルカラ
ムクロマトグラフイーを繰返し、これらのギノサ
ポニン類を各個別に分離、精製すると、フラクシ
ヨン1からギノサポニンMおよびNが、フラクシ
ヨン2からギノサポニンI、JおよびKが、フラ
クシヨン3からギノサポニンGが、フラクシヨン
4からギノサポニンEおよびFが、フラクシヨン
5からギノサポニンBが、またフラクシヨン6か
らギノサポニンAがそれぞれ得られる。 また、ギノサポニンOは、粗ギノサポニン類を
スチレン系吸着樹脂で処理し、被吸着物質を30〜
40%メタノールで溶出し、溶出液を濃縮後シリカ
ゲルカラムで処理し、次いで吸着されたサポニン
をクロロホルム・低級アルコール・水で、好まし
くはクロロホルム・メタノール・水(65:35:10
下層)で分画溶出することにより、分離、精製で
きる。 さらにプロギノサポゲニンA2およびプロギノ
サポゲニンO1はそれぞれギノサポニンAおよび
ギノサポニンOを酸素加水分解することにより得
られ、またプロギノサポニンA―AHはギノサポ
ニンAを50%酢酸で処理することにより製造でき
る。 また、ギノサポニンF、G、I、J、K、Mお
よびNは他のギノサポニン類()を酵素加水分
解することによつても製造できる。 このようにして得られるギノサポニン類()
は、すべて新規であり、脂質分解抑制および脂質
合成抑制作用を有し、医薬として有用である。そ
して、ギノサポニン類()を医薬として用いる
場合には、個々のサポニンを有効成分として使用
することができる。 次にこの発明を実施例により説明する。 実施例 1 乾燥したアマチヤヅル全草2Kgを水30で熱時
2回抽出した。両抽出液を合し、非イオン性吸着
樹脂、アンバーライトXAD―2 4を充填し
たカラムに通導した。吸着部を水10、次いで20
%メタノール6で洗浄したのち、メタノール5
で溶出し、溶出液を減圧下に蒸発乾固し、黄褐
色粉末37gを得た。これをメタノール1に溶解
し、アルミナ300gを充填したカラムに通導した
のち、50%メタノール約20で溶出した。溶出液
を減圧下に濃縮し、淡黄色粉末として粗ギノサポ
ニン25gを得た。 粗ギノサポニン20gを水1に溶解し、スチレ
ン系吸着樹脂サーバクロムXAD―2(サーバ社
製)600mlを充填したカラムに通導した。吸着部
を20%メタノールより順次メタノール含量を増し
ながら溶出し、45〜100%メタノール溶出液を合
し、減圧下に蒸発乾固して淡黄色粉末16gを得
た。これをシリカゲル(300g)カラムクロマト
グラフイーに付し、TLCを指標として、クロロ
ホルム・メタノール・水(65:35:10下層)で
100mlずつ分画溶出してフラクシヨン1〜6を
得、それぞれ蒸発乾固した。これらフラクシヨン
1〜3をそれぞれシリカゲル(100g)カラムク
ロマトグラフイーに付し、クロロホルム・メタノ
ール.酢酸エチル・水(2:2:4:1下層)で
分画溶出し、さらにこの操作を2回繰返し、フラ
クシヨン(1.1g)からギノサポニンM(60mg)お
よびギノサポニンN(160mg)を、フラクシヨン
2(1.1g)からギノサポニンI(60mg)およびギ
ノサポニンJ(120mg)ならびにギノサポニンK
(110mg)を、またフラクシヨン3(1.0g)からギ
ノサポニンG(450mg)をそれぞれ得た。 またフラクシヨン4および5をそれぞれシリカ
ゲル(200g)カラムクロマトグラフイーに付
し、n―ブタノール・酢酸エチル・水(4:1:
2上層)で分画溶出し、さらにこの操作を2回繰
返しフラクシヨン4(3.4g)からギノサポニンD
(350mg)、ギノサポニンE(1500mg)およびギノ
サポニンF(80mg)を、またフラクシヨン5
(2.5g)からギノサポニンB(220mg)およびギノ
サポニンC(240mg)をそれぞれ得た。 さらに、フラクシヨン6(0.9g)をシリカゲル
(100g)カラムクロマトグラフイーに付し、クロ
ロホルム・メタノール・水(65:35:10下層)で
分画溶出し、さらにこの操作を1回繰返してギノ
サポニンA(510mg)を得た。 各ギノサポニンのうち特にMおよびNの物性は
後記の表1および表2に示す通りである。 参考例 1 ギノサポニンA250mgを0.005M―燐酸2水素ナ
トリウム水溶液(PH4.0)50mlに溶解し、これに
粗ヘスペリジナーゼ(田辺製薬株式会社製)500
mgを加え、37〜38℃で6時間撹拌した。反応液を
スチレン系吸着樹脂、サーバクロムXAD―2
(サーバ社製)50mlを充填したカラムに通導し、
水1次いで20%メタノール2で洗浄したの
ち、メタノール300mlで溶出した。溶出液を減圧
下に濃縮し、濃縮物をシリカゲル・カラム・クロ
マトグラフイーに付し、クロロホルム・メタノー
ル・水(65:35:10下層)で分画溶出して、ギノ
サポニンF(20mg)、ギノサポニンK(15mg)お
よびプロギノサポニンA2(35mg)を得た。ギノ
サポニンFおよびKはIRおよびNMRにより、実
施例1で得られた標品と同定した。 参考例 2 ギノサポニンA150mgを50%酢酸10mlに溶解
し、70℃で6時間撹拌した。反応液をスチレン系
吸着樹脂、サーバクロムXAD―250mlを充填した
カラムに付して、プロサポゲニン画分約100mgを
得た。これをシリカゲルカラムクロマトグラフイ
ーに付し、クロロホルム・メタノール.酢酸エチ
ル・水(2:2:4:1下層)で分画溶出して、
プロギノサポニンA―AH35mgを得た。 参考例 3 ギノサポニンA400mgを0.005M―燐酸2水素ナ
トリウム水溶液(PH4.0)50mlに溶解した。これ
にセルラーゼ(シグマ社製)300mgを加え、37〜
38℃で24時間撹拌した。反応液を実施例2と同様
に処理して、ギノサポニンK(110mg)を得た。
本品はIRおよびNMRにより、実施例1で得た標
品と同定した。 参考例 4 ギノサポニンBおよびCの混合物1.4gを
0.005M―燐酸2水素ナトリウム水溶液(PH4.0)
200mlに溶解した。これにセルラーゼ(シグマ社
製)600mgを加え、37〜38℃で7時間撹拌した。
反応液をサーバクロムXAD―2(80ml)のカラ
ムで処理して約1.1gの加水分解物を得た。これを
シリカゲルカラムクロマトグラフイーに付し、ク
ロロホルム・メタノール・酢酸エチル.水(2:
2:4:1下層)で分画溶出してギノサポニンK
(140mg)ならびにギノサポニンFおよびGを含む
混合物(550mg)を得た。この混合物を再びシリ
カゲルカラムクロマトグラフイーに付し、クロロ
ホルム・メタノール・水(65:35:10下層)で分
画溶出して、ギノサポニンF(50mg)およびギノ
サポニンG(150mg)を得た。これらのギノサポ
ニンF、GおよびKはIRおよびNMRにより実施
例1で得られた標品と同定した。 参考例 5 ギノサポニンBおよびCの混合物300mgを50%
酢酸10mlに溶解し、70℃で6時間撹拌した。反応
液をサーバクロムXAD―2(50ml)のカラムに
付して分画し、プロサポゲニン画分をシリカゲル
カラムクロマトフイーに付し、クロロホルム・メ
タノール・水(65:35:10下層)で分画溶出して
プロギノサポニンA―AH(30mg)を得た。本品
はIRおよびNMRにより、参考例2で得られた標
品と同定した。 実施例 2 ギノサポニンDおよびEの混合物2gを0.005M
―燐酸2水素ナトリウム水溶液(PH4.0)に溶解
した。これにセルラーゼ(シグマ社製)1gを加
え、37〜38℃で20時間撹拌した。反応液をサーバ
クロムXAD―2(80ml)のカラムで処理して約
1.6gの加水分解物を得た。これをシリカゲルカラ
ムクロマトグラフイーに付し、クロロホルム・メ
タノール・酢酸エチル・水(2:2:4:1下
層)で分画溶出してギノサポニンI(355mg)、J
(250mg)、M(80mg)およびN(90mg)を得た。
これら各ギノサポニンはIRおよびNMRにより、
実施例1で得られた標品とそれぞれ同定した。 実施例 3 ギノサポニンE5mgを0.005M―燐酸2水素ナト
リウム水溶液(PH4.0)1mlに溶解し、これにセ
ルラーゼ10mgを加え、37〜38℃で4時間撹拌し
た。反応液中にギノサポニンJおよびNが生成し
ていることを薄層クロマトグラフイーにより確認
した。 参考例 6 実施例1で得た粗ギノサポニンをスチレン系吸
着樹脂、サーバクロムXAD―2で処理し、30〜
40%メタノールで溶出した。溶出液を減圧下蒸発
乾固し、淡黄色粉末2gを得た。これをシリカゲ
ル(200g)カラムクロマトグラフイーに付し、
クロロホルム・メタノール・水(65:35:10下
層)で分画溶出し、さらにこの操作を2回繰返
し、ギノサポニンO(150mg)を得た。 実施例 4 ギノサポニンO 150mgを0.005M―燐酸2水素
ナトリウム水溶液(PH4.0)30mlに溶解し、これ
にセルラーゼ(シグマ社製)150mgを加え、37〜
38℃で24時間撹拌した。反応液を参考例1と同様
に処理して、プロギノサポニンO1(20mg)を得
た。本品の物性は後記の表1および表2に示す通
りである。 なお、参考例4および5において原料として使
用したギノサポニンCの化学名は20S―プロトパ
ナキサジオール―3―O―〔β―D―グルコピラ
ノシル(1→2)―β―D―グルコピラノシド〕
―20―O―〔β―D―グルコピラノシル(1→
6)―β―D―グルコピラノシド〕であつて、ギ
ノセノシド―Rb1と同定された。また、実施例2
において原料として使用したギノサポニンDの化
学名は20S―プロトパナキサジオール―3―O―
〔β―D―グルコピラノシル(1→2)―β―D
―グルコピラノシド〕―20―O―〔β―D―キシ
ロピラノシル(1→6)―β―D―グルコピラノ
シド〕であつて、ギンセノシド―Rb3と同定され
た。
【表】
【表】
【表】 次に本発明のギノサポニン類の薬理効果につい
て述べる。 人間を含めた哺乳動物は、外より取入れた脂肪
とか糖質の過剰分を脂肪細胞に変換して貯え、外
からの補給がない場合これを脂肪分解して脂肪酸
やグルコースに変えてエネルギー源として利用す
る。この脂肪細胞の脂肪分解には、脳下垂体ホル
モンである副腎皮質刺戟ホルモン(ACTH)や
副腎皮質ホルモンであるアドレナリンが大きく作
用し、分解を促進する。逆に脂肪細胞の脂肪分解
を抑制し、血液中の血糖量が増大しないようにす
る働きを持つものが、糖尿病薬として有名な膵臓
ホルモンのインシユリンである。この発明による
ギノサポニン類は脂肪細胞に対して、インシユリ
ン様の作用をもちACTHの脂肪分解促進を抑制
する。その効果はギノサポニンBの抑制率18%か
らギノサポニンNの38%抑制率まで、ACTHの
脂肪分解促進作用を、平均28%抑制する効力をも
つ。 脂肪細胞におけるアドレナリンの脂肪分解促進
作用に対してのギノサポニン類の抑制力は全体的
にACTHに対する場合に比べて弱いが、ギノサ
ポニンBおよびEのみは30%以上のアドレナリン
脂肪分解抑制効力をもつ。 また脂肪細胞は、グルコースを中性脂肪に変換
して貯える作用を有するが、脂肪細胞のグルコー
スから中性脂肪を合成する能力を上記ギノサポニ
ン類はいずれも抑制する作用を有し平均約50%の
抑制力をもつ。 従つて本発明のギノサポニン類は、脂肪細胞に
おける脂肪分解抑制剤および脂肪合成抑制剤とし
ての新しい脂質代謝剤としての医薬品の用途が期
待される。次に本発明のギノサポニン類の薬理試
験結果を示す。 薬理試験結果 試験用脂肪細胞の調整 使用動物は体重150〜180gのwister系雄ラツト
を使用し、このラツトから副睾丸脂肪組織をとり
出し、Rodbellの方法〔M.Rodbell:J.Biol,
Chem,239,375(1964)〕により脂肪細胞を得
た。この脂肪組織4gを小切片にし、Krebo
Ringer Bicarbanate Buffer 10ml(アルブミン
0.4g、コラゲナーゼ10mg、グルコース5mgを含
む。PH7.4)に入れ37℃で50分間加温し、300r.p.
m.で遠心分離し浮上する脂肪細胞層を分取す
る。この脂肪細胞に前記緩衝液10ml(PH7.4)を
加えよくふりまぜて洗い300r.p.m.で30秒間遠心
分離する。この操作を2回繰返し、脂肪細胞を完
全に洗い、この脂肪細胞を試験に用いた。検体液
はギノサポニンM、Nおよびプロギノサポゲニン
O1のそれぞれを水溶液とし、PH7.4に調整たもの
を用いた。 試験方法および結果 1 ACTHによる脂肪細胞の脂肪分解に及ぼす
ギノサポニン類の影響 a 試験方法 コラゲナーゼ処理して得た脂肪細胞をKrebs
Ringer Bicarbonate Buffer(KRB,PH7.4)中に
懸濁し、その溶液0.3ml(脂肪細胞100mg相当)、
ACTH溶液0.1ml(1μgのACTHを含む)、各サ
ポニン溶液0.1ml(500μgのサポニンを含む)お
よび5%アルブミン溶液0.3ml(KRBにとかし、
PH7.4に調整した溶液)を共栓試験管に入れ、37
℃で2時間加温し、Doleの方法〔V.P.Dole:J.
Biol.Chem.,35,150(1958)〕に従つて遊離す
る脂肪酸を測定した。 すなわち、反応系にDoleの抽出液3mlを分取
し、チモールブルー溶液1mlを加える。この溶液
に窒素ガスを吹込んで撹拌しながら0.008規定水
酸化ナトリウム水溶液で滴定し、検量線より遊離
脂肪酸量を測定する。 なお、脂肪分解抑制率は次式により求められ
る。 脂肪分解抑制率(%)=A−B/A×100 A:ACTH(1μg/ml)のみの添加により生
じた遊離脂肪酸量 B:ACTH(1μg/ml)+サポニン(20μg/
ml)の添加により生じた遊離脂肪酸量 b 試験結果 ACTHによる脂肪細胞の脂肪分解に対するギ
ノサポニン類の抑制率の測定結果を第3表に示し
た。
【表】 以上のごとくACTH1μg/mlを脂肪細胞に作
用させ37℃で2時間保つとき脂肪を分解して8.4
μEq/gの遊離脂肪酸を生成するが、ギノサポ
ニン類をそれぞれ20μg/ml添加すると上記のご
とく明らかにACTHの脂肪分解作用を抑制し、
遊離脂肪酸の生成量が減少する。その平均抑制率
は28%である。 2 アドレナリンによる脂肪細胞の脂肪分解に対
するギノサポニン類の影響 a 試験方法 コラゲナーゼ処理して得た脂肪細胞をKrebs
Ringer Phoshate Buffer(KRP,PH7.4)に懸濁
し、その溶液0.3ml(脂肪細胞100mg相当)、アド
レナリン溶液0.1(1μgのアドレナリンを含
む)各サポニン溶液0.1ml(20μgのサポニンを
含む)および5%アルブミン溶液0.5ml(KRPに
溶解しPH7.4に調整した溶液)を共栓試験管に入
れ、37℃で2時間加温し、Doleの方法(前記1
と同様)に従つて遊離する脂肪酸量を測定した。
すなわち反応系にDoleの抽出液3mlを加え5分
間振とう後、ヘプタン3mlを分取し、チモールブ
ルー溶液1mlを加える。この溶液を窒素ガスで撹
拌しながら0.008規定水酸化ナトリウム水溶液で
滴定し検量線より遊離脂肪酸量を求める。 なお、上記抑制率は前記1に用いた式と同じ式
を用いた。 b 試験結果 アドレナリンによる脂肪細胞の脂肪分解に対す
るギノサポニン類の抑制率の測定結果を第4表に
示した。
【表】 以上のごとくアドレナリン1μg/mlを脂肪細
胞に作用させ37℃で2時間保つとき、脂肪を分解
して14.1μEq/gの遊離脂肪酸を生じる。この
ときギノサポニン類をそれぞれ20μg/ml共存さ
せるといずれの場合も脂肪分解を抑制し、遊離脂
肪酸の生成は減少する。しかしACTHによる脂
肪分解に対するギノサポニン類の抑制率と比べる
と小さい。 3 脂肪細胞におけるグルコースからの脂肪合成
におよぼすギノサポニン類の影響 a 試験方法 本法はカーボンに放射能マークした14C―グル
コースを脂肪細胞に作用させ、脂肪合成にくりこ
まれ、中性脂肪として脂肪細胞にとりこまれたグ
ルコース量を放射能カウント量により測定、その
脂肪合成能に及ぼすギノサポニン類の影響を試験
する。 すなわち、コラゲナーゼ処理して得た脂肪細胞
をKRB中に懸濁し、その溶液0.35ml(脂肪細胞
100g相当)、各サポニン溶液0.1ml(20μgのサポ
ニンを含む)、5%アルブミン溶液0.5ml(KRB溶
液10mMグルコースを含む、PH7.4)、14C―グルコ
ース溶液0.05ml(0.5μCi,KRP溶液,PH7.4,
10mMグルコースを含む)を共栓試験管に入れ、
37℃で30分加温し、Doleの抽出液5mlを加え5
分間振をう後、ヘプタン3mlおよび水2mlを加え
5分間振とうする。ヘプタン層3mlを分取し、ア
ルカリ性エタノール溶液(0.5規定水酸化ナトリ
ウム溶液,50%エタノール溶液)を3ml加え5分
間振とうする。エタノール層を1ml分取し、トル
エンシンチレーシヨン溶液10mlを加え、Skipsku
et alの方法〔Biochem.Biophys.Acta,106,386
(1965)〕により測定した。 b 試験結果 脂肪細胞におけるグルコースからの脂肪合成に
およぼすギノサポニン類の促進率を測定し第5表
に示した。
【表】 以上のごとくギノサポニン類の共存しない場合
に比べ、脂肪細胞におけるグルコースの中性脂肪
としてのとり込みは、ほとんどが半分以下とな
り、ギノサポニン類がそれぞれ脂肪細胞における
グルコースからの脂肪合成を抑制する作用のある
ことは明らかである。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 式(): 〔式中R1が水素原子、R2がβ―D―グルコピ
    ラノシル基、β―D―キシノピラノシル(1→
    6)―β―D―グルコピラノシル基もしくはα―
    L―ラムノピラノシル(1→6)―β―D―グル
    コピラノシル基、R3が水素原子もしくはヒドロ
    キシ基〕で表わされる化合物。
JP17042583A 1983-09-14 1983-09-14 ギノサポニン類 Granted JPS5980699A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP17042583A JPS5980699A (ja) 1983-09-14 1983-09-14 ギノサポニン類

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP17042583A JPS5980699A (ja) 1983-09-14 1983-09-14 ギノサポニン類

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP55030636A Division JPS6043359B2 (ja) 1980-03-11 1980-03-11 ギノサポニン類およびその製造法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS5980699A JPS5980699A (ja) 1984-05-10
JPS6140678B2 true JPS6140678B2 (ja) 1986-09-10

Family

ID=15904675

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP17042583A Granted JPS5980699A (ja) 1983-09-14 1983-09-14 ギノサポニン類

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPS5980699A (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100444394B1 (ko) * 1998-05-07 2004-12-29 주식회사 케이티앤지 사포닌고함유인삼추출물제조방법
KR100315097B1 (ko) * 1999-02-09 2001-11-26 박명규 벤젠에틸렌수지를 이용한 파낙사디올과 파낙사트리올의 분리방법
KR20030023232A (ko) * 2001-09-12 2003-03-19 주식회사 뉴젠팜 인삼 또는 돌외로부터 사포닌을 추출하는 방법 및 이방법에 따라 추출된 사포닌을 함유하는 식품
KR100523559B1 (ko) * 2002-10-11 2005-10-25 주식회사 바이오리진 인삼잎에서 식품원료용으로 조사포닌을 제조하는 방법
CN111153955A (zh) * 2020-01-19 2020-05-15 天津中医药大学 一种具有降脂作用的绞股蓝提取物及其制备方法和应用

Also Published As

Publication number Publication date
JPS5980699A (ja) 1984-05-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4602003A (en) Synthetic compounds to inhibit intestinal absorption of cholesterol in the treatment of hypercholesterolemia
US4260603A (en) Sterol glycoside with activity as prostaglandin synthetase inhibitor
Wagner et al. Effect of vitamins C and E on endogenous synthesis of N-nitrosamino acids in humans: precursor-product studies with [15N] nitrate
US4117121A (en) Method of increasing bile flow and decreasing lipid levels
Brownie et al. The in vitro enzymic hydroxylation of steroid hormones. 2. Enzymic 11β-hydroxylation of progesterone by ox-adrenocortical mitochondria
EP0607245B1 (en) Cholesterol lowering compounds and process for making them
GB2039217A (en) Anti-inflammatory medicaments comprising glycosides of sterols or spiroketal steroids or esters thereof
US5591836A (en) Cholesterol lowering compounds
JPS6140678B2 (ja)
US5093505A (en) Novel heterocyclic compound, carcinostatic agent, and carcinoma controlling method
JPS6140676B2 (ja)
JPS6140675B2 (ja)
US5632997A (en) Method of treating liver disfunction in mammals, using active principle isolated from shark tissue
JPS6212791A (ja) オウギサポニン、その単離法およびその用途
JPS6140677B2 (ja)
JPS6140679B2 (ja)
EP0082818A1 (fr) Procédé pour l'obtention de lipides d'origine humaine et du lacto-N-norhexaosyl ceramide
Ishizuka et al. Absence of seminolipid in seminoma tissue with concomitant increase of sphingoglycolipids
JP2662530B2 (ja) 食品添加物およびその使用法
JPS6217598B2 (ja)
EP0151385B1 (en) Use of phytosterolglycosides for the preparation of medicaments for treatment of elevated 5(6)alpha-epoxycholesterol levels
JPS6043359B2 (ja) ギノサポニン類およびその製造法
JPS5843385B2 (ja) シジミの薬効成分及びその製造法
Brown BIOSYNTHESIS OF THE COUMARINS: VI. FURTHER STUDIES ON HERNIARIN FORMATION IN LAVENDER
JPH0157120B2 (ja)