JPS6140438B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は上下生地を夫々別個に送る上送り歯及
び下送り歯を設備したオーバーロツクミシンに於
いて、上送り歯を縫製する生地の厚薄に合わせて
昇降調節し得るようにしたオーバーロツクミシン
の上送り歯の昇降度調節装置に係るものである。

従来、この種オーバーロツクミシンの上送り歯
はスプリングを用いず楕円形運動により送り操作
を行つているため、該楕円形運動の上下巾の調節
は極く僅かしか調節できず、生地の厚薄により布
送り歯が強く上生地に当接したり、極く僅かしか
当接しなかつたりするので、上下生地の送り量に
差が生じ、上下送り歯による縫上がりに於ける縫
皺、縫縮みの発生防止、縫上がり末端に於ける生
地ずれの防止、異種素材縫合せ仕上がりの良化及
び上生地のいせ込み縫い等に関して良好な縫製が
できないといつた大なる難点を存する次第であ
る。

然るに本発明に於いては、メーンシヤフトに上
送り歯の揺動腕を付設し、先端にクランク腕を設
備し、基部に調節用長孔を穿設した円弧状揺動量
調節腕を付設した上送り歯揺動クランク軸をメー
ンシヤフトと並設して機枠に軸着し、該揺動腕の
先端に基部を軸着した調節用連杆の先端を、前記
揺動量調節腕の基部から先端部に穿設した調節用
長孔中に調節螺杆で調節自在に固定して円弧状調
節装置とし、該クランク軸先端のクランク腕の先
端と布押さえ昇降軸に一端を回動自在に軸支した
上送り歯上下運動装置を揺動連結杆等のリンク装
置で連結したから、揺動量調節腕の調節用長孔中
に調節用連杆の固定位置を調節螺杆で調節するこ
とにより、メーンシヤフトの一定量の揺動を大小
様々に調節して上送り歯上下運動装置に伝えるこ
とができ、生地の厚薄に対応して容易に最適の上
送り歯の昇降度を決定することができるもので、
上送り歯は上生地に最適に当接し、従来のような
難点を払拭し得たものというべく、効果顕著であ
る。

今、ここに本発明実施の一例を示した添付図面
について詳説する。

１はオーバーロツクミシンのメーンシヤフト
で、機枠２に軸着し、揺動回転運動をするもので
ある。３は上送り歯揺動腕で、メーンシヤフト１
に該揺動腕３の基端部を固定したものである。４
は揺動クランク軸で、先端にクランクピン６を設
備したクランク腕５を付設し、メーンシヤフト１
の近傍にメーンシヤフト１と平行に機枠２に軸着
したものである。７は先端部に円弧状部７ａを有
する揺動量調節腕で、前記クランク軸４の中間部
に該基部を固定したものである。８は調節用長孔
で、該調節腕７の円弧状部７ａの基端部から先端
部に亘つて穿設したものである。９は調節連杆
で、基端部を前記揺動腕３の先端部に軸着し、先
端部を前記調節腕７の調節用長孔８の適宜箇所に
調節用螺杆１０で回動自在に固定したものであ
る。

今、調節腕７の円弧状部７ａの基端部に調節連
杆９の先端部を調節用螺杆１０で固定すると、メ
ーンシヤフト１の一定の揺動量が大きく揺動クラ
ンク軸４に伝わり、また該円弧状部７ａの先端部
に該連杆９の先端部を同様に固定すると、メーン
シヤフト１の該揺動量が揺動クランク軸に小さく
伝わるように装置し、前記円弧状部７ａを有する
揺動量調節腕７、調節用長孔８、調節連杆９及び
調節用螺杆１０等で円弧状調節装置を構成するも
のである。１１は揺動連杆で、基端部を前記クラ
ンク腕５のクランクピン６に挿嵌し、先端部に上
送り歯取付台１３を摺動自在に挿嵌し、上送り歯
上下運動装置１２を構成する上送り歯取付台案内
１４に連結ピン１５で軸着したものである。１６
は上送り歯上下揺動装置台で、先端部が二股に分
岐したもので、オーバーロツクミシンの機枠２に
軸着した既設の布押さえ昇降軸１７にその基端部
を回動自在に軸支し、その先端部の二股部に前記
上送り歯取付台案内１４を回動自在にピン２１で
軸支し、前記揺動連杆１１の前後方向揺動運動を
ピン２１を中心とする上下方向の運動に変換する
上送り歯上下運動装置１２を構成するものであ
る。１８は上送り歯で、前記上送り歯取付台１３
先端部に固定し、布押さえ１９に穿設した溝２０
中を上送り歯上下運動装置１２により昇降するも
のである。

本発明は以上のような構成で、上送り歯１８の
昇降度を調節するに当たつては、調節用螺杆１０
を弛め、調節連杆９の先端部固定箇所を揺動量調
節腕７の円弧状部７ａの基端或いは先端部方向に
適宜移動し、再び調節用螺杆１０で固定すること
により、メーンシヤフト１の一定の回転揺動運動
が揺動量を大小変化した揺動クランク軸４に同様
の揺動運動として伝わり、該揺動運動がクランク
腕５及びクランクピン６を介して揺動連杆１１の
前後方向の直線状揺動運動に変換され、該連杆１
１の直線状揺動運動が上送り歯取付台案内１４を
介して上送り歯上下揺動装置台１６に伝わり、該
装置台１６は布押さえピン２１を中心として上送
り歯取付台案内１４と共に、上下方向に揺動量を
変化せしめて揺動するもので、縫製生地の厚薄に
対応して上送り歯１８の最適揺動量（昇降度）が
簡易に調節できるものである。

【図面の簡単な説明】

添付図面は本発明実施の一例を示すもので、第
１図は本発明装置の要部斜視図、第２図は本発明
の動作を示す機構図である。 １……メーンシヤフト、２……機枠、３……上
送り歯揺動腕、４……揺動クランク軸、５……ク
ランク腕、６……クランクピン、７……揺動量調
節腕、７ａ……円弧状部、８……調節用長孔、９
……調節連杆、１０……調節用螺杆、１１……揺
動連杆、１２……上送り歯上下運動装置、１３…
…上送り歯取付台、１４……上送り歯取付台案
内、１５……連結ピン、１６……上送り歯上下揺
動装置台、１７……布押さえ昇降軸、１８……上
送り歯、１９……布押さえ、２０……溝、２１…
…ピン。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ オーバーロツクミシンのメーンシヤフト１に
   上送り歯揺動腕３の基端を固定し、クランクピン
   ６を先端に設備したクランク腕５を、メーンシヤ
   フト１と平行に機枠２に軸着した揺動クランク軸
   ４の先端に設け、該クランク軸４の中間部に、先
   端部に円弧状部７ａをもつた揺動量調節腕７を設
   け、該円弧状部７ａに調節用長孔８を穿設し、基
   端を前記揺動腕３の先端部に軸着し、先端部を前
   記調節腕７のの調節用長孔８に調節螺杆１０を介
   して回動自在に固定した調節連杆９を設けて円弧
   状調節装置を構成し、更に基端部に前記クランク
   腕５のクランクピン６を挿嵌し、先端部を上送り
   歯取付台１３に摺動自在に挿嵌した揺動連杆１１
   を上送り歯取付台案内１４に軸着し、先端部が二
   股に分岐し、基端部を布押さえ昇降軸１７に回動
   自在に軸支した上送り歯上下揺動装置台１６を設
   け、該二股部に前記上送り歯取付台案内１４を軸
   支して上送り歯上下運動装置を構成し、前記上送
   り歯取付台１３の先端部に固定し、布押さえ１９
   に穿設した溝２０中を上送り歯上下運動装置１２
   によつて昇降するようにした上送り歯１８を設け
   たことを特徴とするオーバーロツクミシンの上送
   り歯の昇降度調節装置。