JPS5839191Y2 - 上送り機構を備えたオ−バ−ロックミシン - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は機構を備えたオーバーロックミシンに関する
。

従来、ミシンにおける布送りは楕円運動を行う送り歯と
送り歯に所定圧で押圧する押え金とにより縫製布を挾持
し、縫製布を所定の送り量で送るようにしているが、送
り歯が送り方向に移動するのに対し、押え金は定位置で
所定圧にて縫製布を押圧しているので縫合される縫製布
の上層部と下層部との間にずれを生じ、上層と下層の縫
製布が布終端において一致しなくなる欠点を有していた
。

送り歯と同様、前後動並びに上下動の四運動を行う上送
り歯で下送り歯と協動して布送りを行う上送り機構を備
えたオーバーロックミシンも知られているが、従来のも
のは上送り歯の前後動を下送り台の前後動から採ってお
り、下送り量を変えれば上送りも同量変わるようになり
、上送りだけ単独に送り量を変えられるようになってい
なかった。

また差動送り機構を備えるオーバーロックミシンでは差
動送りに際し、差動送り歯の方が主送り歯よりも送り量
が大きいため布の上層部と下層部のずれが大きくなると
いう現象があるが、従来の上送り機構ではこの点に関す
る配慮がなされておらずしたがって差動送り歯側で生ず
る布ずれを効果的に補正することができなかった。

この考案は押え金に切欠窓を設けて上送り歯を切欠窓に
通して差動送り歯上に臨ませ、しかも上送り歯の送り量
を単独でも調節できるようにして布ずれを一層効果的に
防止しようとするものである。

図中、１はオーバーロックミシン後部機体に軸支された
揺動軸で、その側端に固着されたレバー２の送り量調節
用長孔３には偏心クランク５に連結されたロッド６端が
位置調節可能に嵌合し、偏心クランクの回転を揺動軸１
に伝達し、揺動輪を揺動運動させるるうになっている。

一方揺動軸他端にはクランク７が固着され、その自由端
に枢着された上送り用レバー８を前後動させるようにな
っている。

この上送り用レバー８はミシンヘッド１０側面に沿って
ミシン前面に至るまで延長し、その先端部は上送り歯９
として形成され、押え金１２の切欠窓１３を通して差動
送り機構を備えたミシンの主送り歯１５と差動送り歯１
６とよりなる送り歯のうち差動送り歯に臨ませ、送り歯
と同期して後述の楕円運動を行うようになっている。

（第３図参照）ここで上送り歯９を差動送り歯１６に臨
ませるようにしたのは、差動送りに際して差動送り歯の
方が主送り歯よりも送り量が大きく、縫製布の上層部と
下層部のずれが大きくなるためで、差動送り歯側に臨ま
せたことにより布の縫いずれが一層効果的に防止できる
とともに種々の縫製工程、例えば二枚の布の上布にひだ
を寄せて縫い合せるひだ取り工程にも利用でき、汎用性
が高くなる。

上送り用レバー８には更にその上面に凸部１８が形成さ
れており、これに嵌合する溝部１９を下側より穿設し、
バネ２１により下方に付勢された上送り用レバー押え２
０がクランク７の揺動運動に基づいて前後動を行う上送
り用レバー８の凸部１８に滑動自在に押当してこれによ
り上送り用レバー８を後述のレバー上下用ピン２４に圧
接させている。

レバー上下用ピン２４は上メス２５を取着し、取付軸２
６を支点として揺動する上メス揺動杆２３の上記支点を
挾んで上メス２５と反対側に取着されており、したがっ
て送り歯と同期し送り歯とともに上下動する上メス２５
と逆向きに上下動し、これにより前記バネ２１によって
レバー上下用ピン２４に圧接する上送りレバー８を上記
送り歯とは対称の上下動を行わせるようになっている。

そして前述のクランクの揺動運動に基ヴく前後動ととも
に上送りレバー８を第５図に示すような送り歯と対称の
楕円運動を行わせるようになっている。

上述の例において、レバー上下用ピン２４は上メスの駆
動機構を利用して上下動するようになっているが、布切
断装置を有しない他の形式のミシンにおいては針棒の駆
動機構を利用するようにしてもよい。

また送り量調節用長孔をレバー２に設ける代りにクラン
クに設けて上送り歯の送り量の調節をするようにしても
よい。

以上のように構成される上送り装置において、上送り量
の調整はレバー２の送り量調節用長孔へのロッド端の嵌
合位置を調整することによって行い、好ましくは更に送
り歯１５．１６の送り量調節装置と連動しても調整でき
るよう構成される。

また送り歯に対する上送り歯の位相のずれは偏心クラン
クの位置決めによって行う。

この考案は以上のように上送り歯を差動送り歯側に臨ま
せて下送りとは別個に独立して送り量を調節することも
できるようになっており、送り歯と同等の送り量にも送
り歯よりも大きな送り量にもすることができるので、差
動送り歯側で生ずる布ずれを完全に解消することができ
るほか布の上層部が押え金と摩擦係数の低い布において
生じがちな上下層部間のすべりとの影響を受けて生ずる
布ずれに対しても対処することができるようになり、摩
擦係数の異なる布への適応範囲が広く、がつ二枚の上布
にのみひだを寄せて縫合するひだ取り工程等様々の縫製
工程にも利用でき汎用性が高くなる。

また、クランクに揺動運動を伝える偏心クランクを設け
、該偏心クランクを調整することにより上送りの位相調
整を行うこともできる。

【図面の簡単な説明】

第１図はミシン後部の斜視図、第２図はミシンヘッド側
の斜視図、第３図は作動状態にあるときの上送り装置を
備えたミシンの要部斜視図、第４図は押え金を非作用位
置に回避させたときのミシン要部斜視図、第５図は上下
送り歯の作動を示す説明図である。 １・・・・・・揺動軸、２・・・・・・レバー、３・・
・・・・送り量調節用長孔、５・・・・・・偏心クラン
ク、６・・・・・・ロッド、７・・・・・・クランク、
８・・・・・・上送り用レバー、９・・・・・・上送り
歯、１２・・・・・・押え金、１３・・・・・・切欠窓
、１５・・・・・・主送り歯、１６・・・・・・差動送
り歯、１８・・・・・・凸部、１９・・・・・・溝部、
２０・・・・・・上送り用レバー押え、２１・・・・・
・バネ、２３・・・・・・上メス揺動杆、２４・・・・
・・レバー上下用ピン、２５・・・・・・上メス、２６
・・・・・・取付軸。

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. （１）主軸に連動して揺動し、揺動量を送り歯１５．１
   ６の送り量調節機構とは別個に独立して調節することの
   できるクランク７と、該クランクに一端を軸着し、クラ
   ンクの揺動により送り方向に往復動する上送りレバー８
   と、該上送りレバーの他端に押え金１２に形成される切
   欠窓１３を通して上記送り歯のうちの差動送り歯１６側
   に臨ませて設けた上送り歯９と、上記上送りレバー８に
   係合し、常にはバネ２１の作用により上送りレバーを押
   下げる上送り用レバー押え２０と、上送りレバー８の下
   側で主軸に連動して上下方向に揺動し、上送り用レバー
   押え２０と協動して上送りレバー８を上記クランク７と
   の軸着点を中心として上下方向に揺動させる揺動杆２３
   に突設のピン２４とよりなる上送り機構を備えたオーバ
   ーロックミシン。
2. （２）クランク７は主軸に連動して回転し、位相調整可
   能な偏心クランク５によって揺動される登録請求の範囲
   第１項記載の上送り機構を備えたオーバーロックミシン
   。