JPS6140162Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は靴甲被内に装着する靴中敷若しくは中
底等の改良に関するものであり、更に詳しくは足
の土踏まず部に形成される足弓（アーチ）を支持
する隆起部（アーチクツシヨン）を各人各様の足
形に合せて適宜調整して取り付けはずし自在に装
着可能とならしめたものである。従来より中敷、
若しくは中底の土踏まず部に隆起部を形成したも
のとして、該隆起部を本体と同一部材で一体的に
形成した構造を有するもの、或いは予じめ足の土
踏まずの足弓（アーチ）に密接するように形成し
た隆起状の構造物を別体に形成し、これを本体の
土踏まず相当部辺に貼着結合した構造のものが知
られている。

然しながら上述した従来品は共にその隆起部が
本体に完全に固定される構成であるため、千別万
別の態様を有する各個人の足裏形状、とりわけ土
踏まず部に形成される足弓（アーチ）の態様がそ
の位置、形状、高さ等において大きな差異を有し
ていることより前記隆起部が全ての人の足弓にフ
イツトし確実これを支持するには自ら限界があつ
た。

もとより、このような中敷、中底等に隆起部を
形成する主たる目的は、靴着用者の土踏まず部に
適度の刺激を附加し該部分の筋肉中の血液、リン
パ液等の循環を促進し、足裏全体に活力を起させ
るとともに筋肉被労を緩和する等の効果を追求す
ることがあるが、このような隆起部は靴着用者の
足弓（アーチ）部分を正確に支持するように配置
形成されて初めて所期の目的を達成するものであ
る。従つて従来品では隆起部が個人差を有する足
弓部分に合致しない場合が多く隆起部が靴着用者
の足弓以外の部分をも強く押圧し靴着脱者に違和
感を生じさせるのみならずこのような状態で長時
間足裏を刺激し続けると、足底部に早期筋肉被労
をもたらし、足底部の筋組織に傷害を起させる欠
陥があつた。また逆に隆起部に支持されない部位
では足底筋膜の伸長が起り該部分の筋組識の引張
りにより所謂足底筋膜炎と呼ばれる炎症が生ずる
原因ともなりかねない。

そこで本考案は前述した従来品の欠陥に鑑み靴
着用者の足裏の殊に土踏まず部に形成する足弓
（アーチ）を正確に支持するように隆起部を別体
に形成し、これを適宜各個人の足弓の位置に調整
して正確に取付けることを可能ならしめんことを
技術的課題とするものである。

即ち本考案は靴底形に形成した本体に、足の土
踏まず部の足弓に対応する隆起を形成している隆
起部材（アーチクツシヨン）を取りつけ取りはず
し自在にできる手段を採用した。

前記本考案を図面に示す実施例に従つて説明す
ると、第１図及びに示すとおり比較的柔軟で
かつ弾性の軽量部材で靴底形に本体ａを形成し、
該本体ａの土踏まず相当部における内側縁辺４に
複数個の凹部１を穿設し、他方第２図及びに
示す如く足裏の土踏まず部に形成される足弓（ア
ーチ）に当接する隆起を形成した隆起部材ｂ（ア
ーチクツシヨン）を別途形成し、該隆起部材ｂの
前記本体ａの内側縁４と衝合する周側縁辺５に前
記本体ａの各凹部１に係合する複数個の凸部２を
突設し、第３図乃至に示す如く、これら凹部
１と凸部２の接合離脱により、本体ａと隆起部材
ｂとを取り付け取りはずし自在に形成したもので
ある。この際本体ａ及び隆起部材ｂに形成した凹
部１及び凸部２はそれぞれ互いに接合せしめるよ
う等間隔に形成しかつ、凹部１が凸部２より多数
穿設されるように形成している。

従つて本考案は前述した構成であるため靴着用
者は隆起部材ｂに穿設した凸部２を足裏に形成さ
れる足弓に合致するように適宜調整して本体ａの
凹部１に接合することによつて、簡単に取付操作
を行うことができる。勿論ここで形成される凹部
１及び凸部２はその配置数、配置間隔が両者の結
合によつて上下への移動調節を可能ならしめる幅
（ピツチ）を勘案して適宜形成されるものであ
る。

従つてこのように本考案は隆起部材ｂを本体ａ
の土踏まず部に各個人の足弓の位置に正確に取付
けしこれを適確に支持するものであるから靴着用
者の足弓に適当なる刺激を与え該部分の筋肉中の
血液、リンパ液等の循環を良好となし、もつて足
裏全体に活力を附与しランニング記録向上を測る
といつた隆起部本来の機能を十分に発揮するとと
もに、足裏に生ずる足底筋膜炎等の傷害をも未然
に防し得るものである。更に前述した如く本考案
が結合部ｃによつて取着自在の構成としているこ
とより例えば隆起部材ｂの形状も単一のものに限
定せずに、種々の大きさ、形状のものを予じめ準
備しておけば各個人の足弓形状に最も適合するも
のを採択して取着することも可能である。このよ
うにすれば隆起部ｂの本来の目的をより一層効果
的に発揮し得る。

前述した如き本体ａには足沿いが良好な例えば
柔軟性、弾性並びに軽量性に富む熱可塑性発泡体
又はゴムスポンジ等、従来中底、中敷で用いられ
る素材で形成し、また隆起部材ｂとしては靴着用
者の足裏の足弓部分に直接触れる部位であるから
フイツト性、柔軟性、弾性に優れた素材として天
然ゴム、スチレンブタジエンゴム、エチレンビニ
ルアセテート、熱可塑性ポリマー、ブタジエンゴ
ム、イソプレンゴム、アクリルニトリル−ブタジ
エンゴム、ハイスチレジンの如きエラストヤー、
又はそれ等の二種以上の混合物で形成することが
望ましい。

また結合部ｃとして形成した凹部１及び凸部２
は両者を接合した際少くとも靴着用時におけるラ
ンニングフツトワークによつて容易に離脱せしめ
ない約50乃至80度の硬度となすことが望ましい。

次に結合部ｃは第１図乃至第３図に示すものの
他第４図に示すように本体ａの底面６と隆起部材
ｂの基部８から突出した基部片７との重合部に設
けることも可能である、この場合には凸部２を専
ら隆起部材ｂの基部片７から突設させ他方凹部１
を本体ａの底面６に穿設する構成となすものであ
る。従つて結合部ｃをこのように形成すると、両
者の結合状態において結合部ｃが靴着用時に常時
足圧により上から押圧されるため両者の結合がよ
り強固となるという利点がある。更に結合部ｃは
その修正型として第５図乃至に示す如く本体
ａに凹部１を一本の溝状に形成し、これに合致す
る凸部２を隆起部材ｂに同じく一本の浅状に形成
し両者を互いに嵌合せしめる構成となすことも可
能である。従つて前述した如く本考案は中敷中底
の改良に係るものであるから全ゆる靴に装着され
極めて実用的価値の高いものである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の履物用台底の一実施例を示すも
のであり第１図は本体の上面側を示す平面図、
第１図はその内側辺側を示す側面図、第２図
は隆起部材を示す斜視図、第２図はその要部断
面図、第３図乃至は本体と隆起部材との結合
状態を示すものであつてはその上面側を示す平
面図、はその側面図、はその要部断面略図で
ある。第４図は本体と隆起部材の修正型のものの
結合状態を示す要部断面略図の例図である。第５
図乃至は同じく修正型のものを示し、は本
体の側面図、は隆起部材の斜視図、は結合状
態を示す要部断面略図である。第６図は使用状態
を示す要部断面略図である。 図面の符号、ａ……本体、ｂ……隆起部材、ｃ
……結合部、１……凹部、２……凸部、３……棒
状体、４……内側縁辺、５……周側縁辺、６……
底面、７……基部片、８……基部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 比較的柔軟でかつ弾性の軽量部材で靴底形に本
   体ａを形成し、該本体ａの土踏まず相当部におけ
   る内側縁辺４若しくは底面側に１個若しくは複数
   個の凹部１を穿設し、他方足裏の土踏まず部の足
   弓（アーチ）に当接する隆起を形成した隆起部材
   ｂ（アーチクツシヨン）を別途形成し、該隆起部
   材ｂの、本体ａの土踏まず相当部辺との接合面に
   凹部１と係合する１個若しくは複数個の凸部２を
   突設し、これら凹部１と凸部２の接合離脱により
   本体ａと隆起部材ｂとを取り付け取りはずし自在
   に形成したことを特徴とする履物用台底。