JPS6139944Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は物品生産ラインにおいて簡易に物品
の正味重量を測定することのできる正味重量測定
装置に関する。

従来、物品生産ラインにおいて物品の正味重量
を測定して生産ライン管理を行う場合、ラインの
前工程において風袋の重量を測定し、その測定結
果をＡ／Ｄ変換してレジスタに収納した。しかる
のち次の工程にて上記袋に物品を充填し、その重
量を別の秤で測定し、その測定結果をＡ／Ｄ変換
してレジスタに収納した。そして、これらレジス
タの収納結果を引き算回路に入力して物品の正味
重量を求めていた。ところがこのような方式では
多数の秤、Ａ／Ｄ変換器、レジスタ、引き算回路
を要して構成が複雑化するばかりでなく、袋に梱
包されたのちの物品重量結果を監視することにな
るので、生産管理の時間的即応性や同時性に欠け
ていた。しかも、測定結果を得るまでに時間がか
かり、正味重量の測定結果に対する信頼性にも問
題があつた。

本考案はこのような事情を考慮してなされたも
ので、その目的とするところは、生産ライン中に
導入することができて、物品の正味重量を簡易
に、且つ信頼性良く測定することのできる正味重
量測定装置を提供することにある。

以下図面を参照してこの考案の一実施例を説明
する。第１図において１は例えば断続的なアナロ
グ重量信号が入力される端子であり、これはアナ
ログ重量信号の大きさを適宜減衰せしめるアツテ
ネータ２を介して緩衝増幅器３に接続される。４
は緩衝増幅器３の出力信号と後述するフイードバ
ツク信号とを加算する加算回路としての差動増幅
器であり、その出力側はリレーまたは半導体スイ
ツチよりなる第１のスイツチ回路５を介して第１
のホールド回路６に接続される。この第１のホー
ルド回路６は次の信号が供給されるまで差動増幅
器４の加算出力の値を保持し、次の信号が供給さ
れると前の信号に加算してホールドするもので、
６ａはそのリセツト端子である。そして第１のホ
ールド回路６の出力側は平均値を取り出すための
アナログ重量信号の入力個数ｎに対し１／ｎの減
衰比を持つアツテネータ７を介して平均値信号出
力端子８に接続され、また直接に加算値信号出力
端子９に接続される。なお減衰器７は増幅器を内
蔵することもある。また第１のホールド回路６の
出力側はリレーまたは半導体スイツチよりなる第
２のスイツチ回路１０を介して第２のホールド回
路１１に接続され、この出力は前記差動増幅器４
の一方の入力側に前記フイードバツク信号として
供給される。第２のホールド回路１１は第１のホ
ールド回路６と同じ作用を有し、１１ａはそのリ
セツト端子である。

次に上記構成でなる演算装置の作用を説明す
る。今、入力端子１にアナログ重量信号を供給す
ると、この重量信号はアツテネータ２により適宜
減衰される。例えば入力信号が「５」の大きさを
持つとき、アツテネータ２の減衰比を１／２とす
れば「10」の大きさとして出力する。以下アツテ
ネータ２は便宜上その減衰比を１／１として説明
する。このようにしてアツテネータ２を介して取
り出された重量信号は緩衝増幅器３を介して差動
増幅器４に供給される。この時、この差動増幅器
４は測定前に第２のホールド回路１１が端子１１
ａを介してリセツトされてその出力が零となつて
いるため、従つて差動増幅器４からは重量信号が
そのままの大きさで出力される。そして入力端子
１に供給された重量信号は２，３，４を介して第
１のスイツチ回路５に供給されるところから、こ
のスイツチ回路５はアナログ重量信号に対し多少
遅れて一定時間閉成動作し、差動増幅器４の出力
を第１のホールド回路６に供給せしめる。この
時、第１のスイツチ回路５が一定時間後開放状態
となつても第１のホールド回路６はその値を保持
する。そしてスイツチ回路５が開放状態となつた
後、次のタイミングに従つて第２のスイツチ回路
１０が一定時間閉成動作し、第１のホールド回路
６の出力を第２のホールド回路１１に供給する。

しかして、第２のホールド回路１１の出力信号
は差動増幅器４にフイードバツク信号として供給
され、第２回目のアナログ重量信号が来るまでそ
の値で保持している。この時入力端子１に次のア
ナログ重量信号が供給されると、差動増幅器４は
第１回目のアナログ重量信号と第２回目のアナロ
グ重量信号とを加算し、その加算出力を第１のス
イツチ回路５の動作と同時に第１のホールド回路
６に供給する。従つて順次アナログ重量信号が供
給されることによつて第１のホールド回路６の出
力から加算値信号を得ることができる。なお、上
記説明ではアツテネータ２の減衰比を１／１とし
たが１／２とすれば２倍の10の入力個数の加算値
信号が得られる。

さて、前記の如く作動する本装置において、ア
ナログ重量信号が物品を充填する前の風袋重量で
ある場合、緩衝増幅器３は上記アナログ重量信号
の極性を反転して出力している。従つて、今、第
１回目に入力する信号が風袋重量を示し、第２回
目以降に入力する信号が物品を充填した状態での
重量を示すものとする。この場合、第１回目のア
ナログ重量信号の極性が反転されて加算回路３に
入力される為、差動増幅器で構成される上記加算
回路４は、実質的に減算処理を行うことになる。
故に断続的に入力されるアナログ重量信号に対し
て風袋重量値は引き算されることになり、ここに
正味重量を効果的に測定することができる。尚、
この場合にはアツテネータ２で極性反転すること
なく、第２のホールド回路１１の出力を極性反転
するようにしてもよい。即ち、第１回目のアナロ
グ重量信号をホールドし、そのホールド信号をフ
イードバツク信号として加算回路４に供給する
際、同信号を極性反転してもよい。このようにし
ても同様な効果を得ることができる。

このようにして本装置の出力端を例えば記録計
に接続すれば時間の流れに対するある物の重量傾
向を知ることができる。しかも上記出力の大きさ
がある値に達したときに自動的にリセツト端子６
ａ，１１ａにリセツト信号を供給するようにすれ
ば、例えば物品の量個数を所望値で打ち切ること
ができる。また上記所望値を正確な正味重量値に
設定し、その値に正しく計量することができる。
従つて生産性の向上が期待できる。また上記した
如く簡単な構成で実現することができ、生産ライ
ンに組込むことも容易で、安価である。

尚、本考案は上記実施例に限定されるものでは
ない。例えば加算回路４やホールド回路６，１１
の許容入力レベルに比して入力信号レベルが高い
場合には、入力するアナログ重量信号をアツテネ
ータにて１／ｎにしたのち、演算出力をアツテネ
ータ７にてｎ倍して出力するようにしてもよい。
また上記設定値に達する迄のアナログ重量信号の
入力回数から生産工程の動作状態を把握すること
ができる。要するに本考案はその要旨を逸脱しな
い範囲で種々変形して実施することができる。

【図面の簡単な説明】

図はこの考案に係る一実施例を示す演算装置の
ブロツク図である。 ２……アツテネータ、３……緩衝増幅器、４…
…差動増幅器（加算回路）、５……第１のスイツ
チ回路、６……第１のホールド回路、７……アツ
テネータ、１０……第２のスイツチ回路、１１…
…第２のホールド回路。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 断続的に入力するアナログ重量信号とフイード
   バツク信号とを順次加算する加算回路と、この加
   算回路の出力を前記アナログ重量信号の入力タイ
   ミングに同期してホールドする第１のホールド回
   路と、この第１のホールド回路の出力を前記入力
   タイミングより遅れたタイミングでホールドし、
   そのホールド出力を前記フイードバツク信号とし
   て出力する第２のホールド回路と、前記アナログ
   重量信号が空容器重量信号である場合に同アナロ
   グ重量信号、または前記フイードバツク信号の極
   性を反転して前記加算回路に供給する手段とを具
   備したことを特徴とする正味重量測定装置。