JPS6139678Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は海上作業台のアンカーブイ格納装置に
関するものである。

第１図に示すように、通常、浮遊式の海上作業
台１は、位置を固定するために周囲に複数のアン
カー２が投錨されており、各アンカー２には投錨
位置を示すため索体（ペナントワイヤーまたはペ
ナントチエーンなど）３を介してアンカーブイ４
が取付けられている。ここで索体３は投錨位置の
水深に見合つた長さにしてある。ところでアンカ
ーブイ４の大きさは索体３の重量により決定され
るため、水深が深くなればそれだけ大きなものと
なる。従来使用されたもので大きなものになる
と、直径３ｍ長さ５ｍもある。これらアンカーブ
イ４には、第２図に示すように、敷設時や回収時
の作業を容易にするために、横向き円筒状のブイ
本体５の上部にＴ型のアーム６が取付けられてい
る。７は索体３を接続するための連結用ブラケツ
ト、８はクレーンが作用する吊上げ用ブラケツト
である。このようなアンカーブイ４は、使用しな
いときは海上作業台１上に格納されるが、この海
上作業台１の動揺などの外力による移動を防止す
るため、該海上作業台１上に強固に固縛しなけれ
ばならない。

本考案は、海上作業台の玄側から取付台を外方
に延設し、この取付台の外端にハンガーアームの
中間部を横軸を介して取付け、前記ハンガーアー
ムの先端にカウンターウエイトを設けると共に基
端上面にアーム係止部を形成し、前記取付台の両
側にブイ本体の上面が接当可能なサポータを設
け、前記アーム係止部側が上位となるべく揺動し
たハンガーアームの姿勢を維持するハンガーアー
ム固定装置を取付台側に設けた海上作業台のアン
カーブイ格納装置を提案するもので、かかる構成
によると、アンカーブイを短時間で容易に格納す
ることができる。

以下、本考案の一実施例を第３図〜第９図に基
づいて説明する。１は海上作業台、４はアンカー
ブイ、５はブイ本体、６はアーム、７は連結用ブ
ラケツト、８は吊上げ用ブラケツトを夫々示す。
前記海上作業台１の玄側から取付台１０が外方に
延設してある。この取付台１０の前面側にはＶ形
のアーム移入空間１１が形成されており、また上
面の両側には安全柵１２が立設されている。前記
アーム移入空間１１の両側縁に沿うように取付台
１０の上方には左右一対のハンガーアーム１３
Ａ，１３Ｂが配設され、これらハンガーアーム１
３Ａ，１３Ｂは、前記取付台１０の前端から立設
したアイプレート１４Ａ，１４Ｂに横軸１５Ａ，
１５Ｂを介してその中間部が取付けられ、以つて
上下揺動可能にとなる。また両ハンガーアーム１
３Ａ，１３Ｂの後端間は連結部材１６により一体
化され、さらに連結部材１６の中間から後方に係
止板１７が延設されている。この係止板１７は係
止孔１８を有する。前記ハンガーアーム１３Ａ，
１３Ｂの先端にはカウンターウエイト１９Ａ，１
９Ｂが設けられ、また基端の上面には凹状のアー
ム係止部２０Ａ，２０Ｂが形成されている。前記
取付台１０の両側にブイ本体５の上面が接当可能
なサポータ２１Ａ，２１Ｂが配設され、これらサ
ポータ２１Ａ，２１Ｂは海上作業台１側から延設
されている。前記サポータ２１Ａ，２１Ｂの底面
はブイ本体５の上部円弧面に沿つた凹入円弧面２
２Ａ，２２Ｂに形成してある。前記サポータ２１
Ａ，２１Ｂの奥側には補助サポータ２３Ａ，２３
Ｂが設けられている。前記取付台１０側には、前
記アーム係止部２０Ａ，２０Ｂ側が上位となるべ
く揺動したハンガーアーム１３Ａ，１３Ｂの姿勢
を維持するハンガーアーム固定装置２４が設けら
れる。このハンガーアーム固定装置２４は、取付
台１０から立設されて係止板１７の両側に位置す
る一対のステー２５Ａ，２５Ｂと、これらステー
２５Ａ，２５Ｂの上端前面側に連設した係止孔２
６Ａ，２６Ｂを有するブラケツト２７Ａ，２７Ｂ
と、両係止孔１８，２６Ａ，２６に挿抜可能なス
トツパーピン２８とからなる。

ハンガーアーム１３Ａ，１３Ｂが上下動する構
成は、アンカーブイ４をクレーンにより吊上げ格
納しようとする時の該アンカーブイ４の上下動を
吸収することができるように考慮されたものであ
り、それにより吸収可能な上下動の高さが決定さ
れる。またストツパーピン２８の取付け高さはア
ンカーブイ４を所定の位置に引込み、このアンカ
ーブイ４が両側のサポータ２１Ａ，２１Ｂに接触
するまで吊上げた状態で、ステー２５Ａ，２５Ｂ
および係止板１７に設けた係止孔２６Ａ，２６
Ｂ，１８が合致するよう調整されている。カウン
ターウエイト式のハンガーアーム１３Ａ，１３Ｂ
は、アンカーブイ４を所定の位置に引込んだあ
と、所定の高さに吊上げる際、カウンターウエイ
ト１９Ａ，１９Ｂによりアンカーブイ４のＴ型の
アーム６を押上げる形で該アーム６に従属するよ
う考慮されている。前記サポータ２１Ａ，２１Ｂ
は海上作業台１の前後左右の動揺によりアンカー
ブイ４が動揺することのないように固定するため
のもので、アンカーブイ４の長さに合わせて取付
台１０の両側に配設される。夫々のサポータ２１
Ａ，２１Ｂの形状、すなわち凹入円弧面２２Ａ，
２２Ｂは、ブイ本体５の接触面の形状に合致した
ものとなつており、またその取付け高さは、アン
カーブイ４を所定の位置に水平に引込む時の回転
防止や、アンカーブイ４を所定位置以上に引込ま
ないために決定されている。さらにサポータ２１
Ａ，２１Ｂの取付け高さは、ハンガーアーム１３
Ａ，１３Ｂにアンカーブイ４を格納しストツパー
ピン２８を差込んだ状態で、サポータ２１Ａ，２
１Ｂの凹入円弧面２２Ａ，２２Ｂとブイ本体５の
上面との隙間が“０”あるいはこれに近い値とな
るように調整してある。

次にアンカーブイ４を格納するまでの操作手順
について説明する。ところで、アンカー２を海上
作業台１に収納する場合、支援船によりアンカー
２に接続されたアンカーブイ４を回収し、そして
索体３を引上げることによりアンカー２を支援船
に回収する。次に海上作業台１に備え付けた巻上
げ機により索体３を海上作業台１内に回収し、最
後にアンカー２は海上作業台１に取付けたアンカ
ーラツクと呼ばれる格納装置に格納される。支援
船上に回収したアンカーブイ４は海上作業台１に
備え付けたクレーンにより該海上作業台１側に吊
上げられる。次にハンガーアーム固定装置２４の
ストツパーピン２８を引抜いてハンガーアーム１
３Ａ，１３Ｂを開放した後、アンカーブイ４の吊
上げ高さを調整しながら水平に引込み、所定の位
置まで移動させる。この時の吊上げによる上下動
はカウンターウエイト式のハンガーアーム１３
Ａ，１３Ｂにより吸収し得る。第７図に示すよう
にアンカーブイ４を所定の位置まで引込んだ後、
該アンカーブイ４のブイ本体５の上面がサポータ
２１Ａ，２１Ｂの凹入円弧面２２Ａ，２２Ｂに接
触するまで吊上げ、そして両係止孔１８，２６
Ａ，２６BBが一致したところでストツパーピン
２８を差込む。これにより第３図〜第６図、およ
び第８図に示すようにアンカーブイ４を海上作業
台１側に固定させる。

以上述べた本考案によると、短時間の内に小人
数で容易にアンカーブイを格納することができ、
さらに取付け位置が海上作業台の玄側であるた
め、該海上作業台の甲板スペースを有効に使うこ
とができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は一般的なアンカーブイ使用状態を示す
正面図、第２図はアンカーブイの正面図、第３図
〜第９図は本考案の一実施例を示し、第３図は格
納時の正面図、第４図は同平面図、第５図は第３
図におけるＡ−Ａ断面図、第６図は同Ｂ−Ｂ断面
図、第７図は格納前の要部の縦断側面図、第８図
は格納時における要部の縦断側面図、第９図は要
部の平面図である。 １……海上作業台、４……アンカーブイ、５…
…ブイ本体、６……アーム、１０……取付台、１
３Ａ，１３Ｂ……ハンガーアーム、１５Ａ，１５
Ｂ……横軸、１７……係止板、１８……係止孔、
１９Ａ，１９Ｂ……カウンターウエイト、２０
Ａ，２０Ｂ……アーム係止部、２１Ａ，２１Ｂ…
…サポータ、２２Ａ，２２Ｂ……凹入円弧面、２
３Ａ，２３Ｂ……補助サポータ、２４……ハンガ
ーアーム固定装置、２６Ａ，２６Ｂ……係止孔、
２８……ストツパーピン。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 海上作業台の玄側から取付台を外方に延設し、
   この取付台の外端にハンガーアームの中間部を横
   軸を介して取付け、前記ハンガーアームの先端に
   カウンターウエイトを設けると共に基端上面にア
   ーム係止部を形成し、前記取付台の両側にブイ本
   体の上面が接当可能なサポータを設け、前記アー
   ム係止部側が上位となるべく揺動したハンガーア
   ームの姿勢を維持するハンガーアーム固定装置を
   取付台側に設けたことを特徴とする海上作業台の
   アンカーブイ格納装置。