JPS6139343B2 - - Google Patents

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JPS6139343B2
JPS6139343B2 JP4074177A JP4074177A JPS6139343B2 JP S6139343 B2 JPS6139343 B2 JP S6139343B2 JP 4074177 A JP4074177 A JP 4074177A JP 4074177 A JP4074177 A JP 4074177A JP S6139343 B2 JPS6139343 B2 JP S6139343B2
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JP
Japan
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acid
resin composition
composition according
pyrophosphate
metal
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JP4074177A
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JPS53125458A (en
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Kayuto Kyo
Yasuhiko Asai
Sadao Kato
Kuniaki Odaka
Nobuyuki Murata
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Kyodo Chemical Co Ltd
Original Assignee
Kyodo Chemical Co Ltd
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Publication date
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Publication of JPS6139343B2 publication Critical patent/JPS6139343B2/ja
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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
本発明は、芳香族ポリエステル共重合体組成物
に関するものであり、さらに詳しくはテレフタル
酸、イソフタル酸およびビスフエノール類からな
る芳香族ポリエステル共重合体成形品の耐熱耐久
性を高めるため、ピロリン酸あるいはピロリン酸
金属塩を添加してなる芳香族ポリエステル共重合
体組成物およびピロリン酸あるいはピロリン酸金
属塩とともに有機カルボン酸の金属塩を添加して
なる芳香族ポリエステル共重合体組成物に関する
ものである。 テレフタル酸、イソフタル酸あるいはそれらの
機能誘導体の混合物(ただし、テレフタル酸とイ
ソフタル酸基のモル比は1対9ないし9対1)と
ビスフエノール類とからなる芳香族ポリエステル
共重合体は古くから周知である。 また、かかる芳香族ポリエステル共重合体が多
くのすぐれた性質を持つことも周知である。すな
わち、引張強度、曲げ強度、曲げ回復率、衝撃強
度などの機械的性質がよいこと、熱変形温度や熱
分解温度が高いこと、固有抵抗値、絶縁破壊、耐
アークおよび誘電特性などの電気的性質、燃焼
性、寸法安定性、耐薬品性などが秀れていること
から、射出成形、押出成形、プレス成形あるいは
その他の成形方法で作られた一般成形物、フイル
ム、繊維、およびコート材料は広い用途が期待さ
れるものである。 芳香族ポリエステル共重合体はかかる秀れた性
質をもち、その利用価値も大きいが、耐熱耐久性
に劣るという欠点がある。 従来、その耐熱耐久性を高めるために有機亜リ
ン酸エステル類等の安定剤が用いられているが、
実際上これらはいずれも単独では十分に満足な効
果が得られておらず、さらに改良が要望されてい
る。 また、芳香族ポリエステル共重合体の欠点とし
て成形品を温水あるいはスチーム中で長時間放置
すると成形品にクレーズが発生することがあげら
れる。クレーズ現象についてはすでに文献その他
〔たとえば富川:高分子化学24(271)731(1967
年)〕で報告されているが、芳香族ポリエステル
共重合体においても温水またはスチーム処理によ
り、成形品の一部または全体にわたり濁りが生ず
る。この現象の発生の理由については明確ではな
いが、成形品の透明性を失なうばかりでなく、成
形品を脆化させ、その結果、衝撃強度を低下せし
め、破断伸びを減少せしめ、曲げ応力を与えるこ
とによつて成形品は破壊するに到る。 本発明者らは、芳香族ポリエステル共重合体が
本来有する機械的強度を保持し、着色が少なく、
耐熱耐久性にすぐれた成形品をうるべく種々検討
の結果、ピロリン酸あるいはピロリン酸金属塩の
添加が乾熱耐久性の改良にすぐれた効果を有する
という事実およびピロリン酸あるいはピロリン酸
金属塩とともに特定の有機カルボン酸の金属塩を
添加することが乾熱耐久性、湿熱耐久性ならびに
耐クレーズ性にすぐれた効果を有することを見い
出し、本発明に到達したものである。 すなわち本発明は、(A)イソフタル酸とテレフタ
ル酸あるいはそれらの機能誘導体の混合物(ただ
し、イソフタル酸基とテレフタル酸基のモル比は
1対9ないし9対1)と、一般式()で表わさ
れるビスフエノール類 (ただし、−X−は−O−、−S−、−SO−、−SO2
−、−CO−、炭素数1〜4個からなるアルキレン
基、アルキリデン基よりなる群から選ばれ、
R1、R2、R3、R4、R1′、R2′、R3′、R4′は水素原
子、塩素原子、臭素原子、炭素数1〜4個のアル
キル基よりなる群から選ばれる)からなる芳香族
ポリエステル共重合体と、(B)ピロリン酸あるいは
ピロリン酸金属塩(金属は短周期律表第1、第
2、第3、第4族の金属から選ばれる)とよりな
る樹脂組成物およびこのものとさらに(C)炭素数2
〜22からなる有機カルボン酸の金属塩(金属は短
周期律表第1、第2、第3、第4の金属から選ば
れる)とよりなる樹脂組成物である。 かかるピロリン酸あるいはピロリン酸金属塩の
添加が芳香族ポリエステル共重合体の乾熱耐久性
の改良に著しい効果を有し、しかもそのすぐれた
機械的強度の保持をもたらすこと、またピロリン
酸あるいはピロリン酸金属塩と有機カルボン酸の
金属塩の添加が芳香族ポリエステル共重合体の乾
熱耐久性、湿熱耐久性の改良に著しい効果を有す
ばかりか、耐クレーズ性の改良にも効果を有し、
かつすぐれた機械的強度の保持をもたらすことは
驚くべきことである。たとえばテレフタル酸とイ
ソフタル酸(テレフタル酸とイソフタル酸のモル
比は1対1)と2・2−ビス−(4−ヒドロキシ
フエニル)−プロパンとからなる芳香族ポリエス
テル共重合体の成形品は透明であり、700Kg/cm2
上の引張強度、6Kg-cm/cm(1/2″厚さノツチ
付)以上のアイゾツト衝撃強度、700Kg/cm2以上の
曲げ強度および300Kg/cm2以上の圧縮強度を持つ
が、170℃乾熱雰囲気で10日間処理すれば機械的
強度は著しく低下する。また、100℃煮沸水中で
24時間処理すればクレーズの発生により透明性は
失なわれ、さらに上記機械的性質は著しく低下す
る。しかるに本発明のピロリン酸あるいはピロリ
ン酸金属塩を添加した樹脂組成物からなる成形品
の透明性、機械的性質は上記と変わらず、しかも
170℃の乾熱雰囲気に10日間曝しても機械的性質
を保持しており、色調も良好であつた。また、本
発明のピロリン酸あるいはピロリン酸金属塩と有
機カルボン酸の金属塩とを含有せしめた樹脂組成
物からなる成形品は乾熱耐久性にすぐれるととも
に100℃、24時間の熱水処理後のクレーズ発生は
認められず、しかもすぐれた透明性、機械的性質
を保持していた。 一般に2種以上の添加剤の併用は混合割合に応
じた効果の出現さえも難しいが、かかる樹脂組成
物からなる成形品が乾熱耐久性にすぐれるか、あ
るいは乾熱耐久性、湿熱耐久性、耐クレーズ性お
よび透明性の保持にすぐれるとともに引張強度、
曲げ強度、破断伸び等の機械的強度が大きいこと
は驚くべきことである。 本発明に用いる芳香族ポリエステル共重合体の
製造法としては界面重合法、溶液重合法、溶融重
合法などの方法があげられる。 本発明における芳香族ポリエステル共重合体の
フタル酸成分であるテレフタル酸基とイソフタル
酸基のモル比は9対1ないし1対9の範囲を選び
得るが、好ましくは7対3ないし3対7、さらに
好ましくは1:1である。 また、2価フエノール成分としては一般式
()であらわされるビスフエノール類が使用さ
れ、その代表的なものは2・2−ビス−(4−ヒ
ドロキシフエニル)−プロパン、4・4′−ジヒド
ロキシジフエニルエーテル、4・4′−ジヒドロキ
シジフエニルスルホン、4・4′−ジヒドロキシジ
フエニルケトン、4・4′−ジヒドロキシジフエニ
ルスルホキシド、4・4′−ジヒドロキシジフエニ
ルスルフイド、2・2−ビス−(4−ヒドロキシ
−3・5−ジブロモフエニル)−プロパン、2・
2−ビス−(4−ヒドロキシ−3・5−ジクロル
フエニル)−プロパンなどであり、これらは単独
あるいは2種以上を混合して使用されるが、2・
2−ビス−(4−ヒドロキシフエニル)−プロパ
ン、2・2−ビス−(4−ヒドロキシ−3・5−
ジブロモフエニル)−プロパンがとくに好適に用
いられる。 本発明に用いるピロリン酸金属塩とはピロリン
酸と短周期律表第1、第2、第3、第4族の金属
から選ばれる金属との金属塩である。金属として
はアルカリ金属、アルカリ土類金属、亜鉛、ス
ズ、鉛、チタン、アルミニウムなどが好ましく用
いられる。本発明においてとくに好適に用いられ
るピロリン酸金属塩としては、たとえばピロリン
酸ナトリウム、ピロリン酸カリウム、ピロリン酸
マグネシウム、ピロリン酸カルシウム、ピロリン
酸バリウム、ピロリン酸亜鉛、ピロリン酸スズが
あげられるが、そのほかに本発明においては、た
とえばピロリン酸水素ナトリウム、ピロリン酸水
素カリウム、ピロリン酸アルミニウム、ピロリン
酸水素アルミニウム、ピロリン酸アルミニウムナ
トリウム、ピロリン酸鉛、ピロリン酸チタンなど
も用いることができる。なお、ピロリン酸金属塩
のピロリン酸は全て金属と結合していてもよく、
あるいは一部が塩を形成せずに酸として残つてい
てもよい。また、これらは結晶水を含んでいても
よいし、無水であつてもよい。 本発明において添加剤として用いるピロリン酸
あるいはピロリン酸金属塩は、それぞれ単独で使
用してもよいし、また両者を併用してもよい。ま
た、ピロリン酸金属塩は単独で用いることもでき
るしあるいは2種以上を混合して使用することも
できる。 本発明の樹脂組成物に含有せしめるピロリン酸
あるいはピロリン酸金属塩の量は、本発明の効果
を発揮するためには芳香族ポリエステル共重合体
に対して0.01〜3.0重量%、とくに0.1〜1.0重量%
の範囲が好適である。かかる少量の使用であつて
も乾熱耐久性は十分改良できる。さらに多量の使
用は著しい改良をもたらすよりもむしろ成形品の
性質、特に成形時の分解着色を招く傾向がある。
一方、0.01重量%未満では改良効果が比較的少な
い。 本発明に用いる有機カルボン酸の金属塩とは、
炭素数2〜22からなる有機カルボン酸と短周期律
表第1族ないし第4族に属する金属との金属塩で
ある。本発明に用いる有機カルボン酸はカルボキ
シル基を1〜4個保持した4塩基酸までの多塩基
酸を指すが、1ないし3塩基酸が好ましい。代表
的な有機カルボン酸としては、1塩基酸では酢
酸、プロピオン酸、n−酪酸、イソ酪酸、n−バ
レリアン酸、トリメチル酢酸、カプロン酸、n−
ヘプタン酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、ラウリ
ン酸、ステアリン酸、フルオル酢酸、グリコール
酸、乳酸、メトキシ酢酸、グリオキシル酸、アク
リル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イソクロト
ン酸、チグリン酸、アンゲリカ酸、ウンデシレン
酸、フエニル酢酸、安息香酸、トルイル酸、クロ
ル安息香酸、ブロム安息香酸、サリチル酸、ケイ
皮酸、ナフタレンモノカルボン酸、ピリジンカル
ボン酸、キノリンカルボン酸があげられるが、酢
酸、ステアリン酸がとくに好適に用いられる。ま
た、2塩基酸ではマロン酸、コハク酸、グルタル
酸、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、マ
レイン酸、フマル酸、シトラコン酸、メサコン
酸、イタコン酸、グルタコン酸、ムコン酸、アコ
ニツト酸、シクロヘキサンジカルボン酸、テレフ
タル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸
などがあげられるが、コハク酸、マレイン酸がと
くに好適に用いられる。そして3塩基酸ではトリ
メリツト酸、4塩基酸ではピロメリツト酸などが
あげられる。本発明に用いる有機カルボン酸の金
属塩を構成する金属としては、短周期律表第1、
第2、第3、第4族の金属類が用いられるが、特
に好ましい金属としてはリチウム、ナトリウム、
カリウムなどのアルカリ金属、マグネシウム、カ
ルシウム、バリウムなどのアルカリ土類金属の
他、亜鉛、カドミウム、スズ、鉛などがあげられ
る。本発明においてとくに好適に用いられる有機
カルボン酸の金属塩としては、たとえばマレイン
酸バリウム、マレイン酸カルシウム、マレイン酸
亜鉛があげられる。なお、多塩基性有機カルボン
酸のカルボキシル基は全て金属と結合していても
よく、あるいは一部が塩を形成せずカルボキシル
基として残つていてもよい。 本発明の樹脂組成物に含有せしめる有機カルボ
ン酸の金属塩の量は、本発明の効果を発揮するた
めに芳香族ポリエステル共重合体に対して0.01〜
3.0重量%、とくに0.1〜1.0重量%の範囲が好適で
ある。かかる少量の使用であつてもピロリン酸あ
るいはピロリン酸金属塩との併用によつて乾熱耐
久性、湿熱耐久性にすぐれ、かつ耐クレーズ性が
十分改良された成形品を得ることができる。より
多くの使用はむしろ成形品の性質、特に成形時の
分解着色や耐熱耐久性の低下、色調の悪化を招く
傾向がある。一方、0.01重量%未満では改良効果
が比較的少ない。本発明に用いるピロリン酸ある
いはピロリン酸金属塩と有機カルボン酸金属塩の
混合割合は重量比で1:9ないし9:1、とくに
3:7ないし7:3の範囲が好適である。 本発明において芳香族ポリエステル共重合体に
ピロリン酸、ピロリン酸金属塩あるいは有機カル
ボン酸の金属塩を添加する方法は特に限定され
ず、種々の工程で添加できる。たとえば両者の粒
状物または粉末をV型ブレンダー、ヘンシエルミ
キサー、スーパーミキサー、ニーダーなどで混合
し、その混合物を直接成形するか、押出機、コニ
ーダーなどで溶融状態で混合してチツプ化し、こ
れを成形してもよい。また、塩化メチレンなどの
有機溶剤に芳香族ポリエステル共重合体を溶解し
た溶液にピロリン酸、ピロリン酸金属塩あるいは
有機カルボン酸の金属塩を有機溶剤に懸濁させた
溶液を混合し、次いでこれら溶剤を除去する方法
もある。 本発明の樹脂組成物に耐熱性や耐候性、耐酸化
性を附与するため熱分解防止剤、紫外線吸収剤、
酸化防止剤などを組成物中に適宜存在させてもよ
い。これらの目的のためエポキシ化合物、リン化
合物、ベンゾトリアゾール化合物、ベンゾフエノ
ン化合物あるいはフエノール性化合物が用いられ
る。また、可塑剤、顔料、潤滑剤、難燃剤なども
使用することができるし、ガラス繊維を加えて強
化することもできる。 また、本発明の樹脂組成物はたとえばポリエチ
レンテレフタレート(特開昭48−54159、特開昭
49−23844、特開昭50−15834、特開昭50−96652
号公報、特願昭52−8117号)、ポリブチレンテレ
フタレート(特開昭50−23447、特開昭50−34342
号公報)などのポリアルキレンテレフタレート、
ポリエチレンオキシベンゾエート(特開昭50−
5443号公報)、ポリカーボネート(特開昭48−
54158号公報)、ポリエチレン(特開昭48−
51948、特開昭50−84653号公報)、ポリプロピレ
ン(特開昭48−51946号公報)、ポリアミド(特開
昭50−4146号公報、特願昭51−15292、特願昭51
−41635号)、ポリウレタン(特開昭49−21453号
公報)、ポリスチレン(特開昭48−51049号公
報)、ABS(特開昭48−25053号公報)、EVA(特
開昭48−51947号公報)、ポリアクリル酸エステル
(特開昭49−21452号公報)、ポリテトラフルオロ
エチレン(特開昭50−5444号公報)、メチルメタ
クリレート(特開昭49−21452号公報)、ポリフエ
ニレンサルフアイド(特願昭50−101873、特願昭
51−140342号)、ゴム(特開昭48−51945号公報)
などのポリマーを1種あるいは2種以上目的に応
じて適宜含有したものであつてもよい。 すなわち、本発明においては芳香族ポリエステ
ル共重合体と上記のごとき他のポリマーとを混合
したものを用いることができ、本発明において使
用するピロリン酸あるいはピロリン酸金属塩の添
加、ピロリン酸あるいはピロリン酸金属塩と有機
カルボン酸金属塩との併用はこの場合においても
顕著な効果を示す。 本発明の樹脂組成物は、粉末またはチツプその
他の形状のものを用いてプレス成形、射出成形、
押出成形など、一般に知られているプラスチツク
成形法により、各種の有用な製品とすることがで
きる。このようにして得られた成形品は乾熱耐久
性にすぐれ、機械的強度の低下、分子量低下も少
ない。また、添加剤としてピロリン酸あるいはピ
ロリン酸金属塩と有機カルボン酸の金属塩とを併
用した場合には、乾熱耐久性にすぐれるばかりで
なく50〜100℃の温水あるいは水蒸気に長時間さ
らしてもクレーズの発生がなく、機械的強度の低
下、分子量低下も少なく、透明性も保持してい
る。 次に本発明を実施例により説明する。 なお、例中の添加剤の添加量は芳香族ポリエス
テル共重合体に対する値である。 実施例 1 テレフタル酸ジクロライド2.03Kg、イソフタル
酸ジクロライド2.03Kgを塩化メチレン50に20℃
で溶解した。一方、2・2−ビス−(4−ヒドロ
キシフエニル)−プロパン4.56Kg、カ性ソーダ
1.68Kg、パラターシヤルブチルフエノール60g、
トリメチルベンジルアンモニウムクロライド23g
を水100に20℃で溶解した。両液をホモミキサ
ー付きの200反応槽に入れ、20℃で5時間激し
く混合撹拌した。撹拌を止め塩化メチレン相を分
離し、イオン交換水で洗浄水が中性になるまで洗
浄し、次いで等量のアセトンを加えたのち乾燥
し、フレーク状のポリマーを得た。得られたポリ
マーの対数粘度(25℃、フエノール/テトラクロ
ルエタン6/4重量比、ポリマー濃度1g/dl)
は0.65であつた。このポリマーフレークにピロリ
ン酸あるいは表−1に示す種々のピロリン酸金属
塩を添加し、チツプ化後、試験片を射出成形し
た。得られた試験片を170℃乾熱雰囲気に10日間
曝し、試験片のテンサイルインパクト強度、対数
粘度を調べた。その結果は表1に示すとおりであ
つた。
【表】
【表】 表1から明らかなように、添加剤を使用しなか
つた場合(対照例)あるいはトリフエニルフオス
フアイトを使用した場合(比較例)にくらべて本
発明の組成物は乾熱耐久性において対数粘度で表
わされる平均分子量の低下も少なく、テンサイル
インパクト強度で表わされる機械的強度の低下も
少ない。しかし、添加量が少ない場合にはその効
果はやや少なくなり、逆に添加量が多くなると機
械的強度が低下し、乾熱耐久性が低下する傾向が
認められる。 実施例 2 実施例1と同様にして芳香族ポリエステル共重
合体の粉末を得た。この粉末にピロリン酸あるい
は表2に示す種々のピロリン酸金属塩と表2に示
す種々の有機カルボン酸金属塩を併用添加し、チ
ツプ化後、試験片を射出成形した。得られた試験
片の一部を170℃で10日間空気雰囲気に曝し、残
りの試験片を80℃、95%RHの雰囲気に10日間曝
し、試験片の対数粘度、テンサイルインパクト強
度、クレーズの発生について調べた。その結果は
表2に示すとおりであつた。試験片のクレーズの
発生の有無は肉眼で判定し、その表示はつぎにし
たがつた。 クレーズ発生 クレーズ発生なし 〇 わずかにクレーズ発生 △ 少量のクレーズ発生 × 中量のクレーズ発生 ×× 多量のクレーズ発生 ××× 表2からわかるように添加剤を使用しなかつた
場合(対照例)あるいはトリフエニルフオスフア
イトを使用した場合(比較例)やマレイン酸バリ
ウムを単独で使用した場合(比較例)にくらべて
本発明の組成物は対数粘度で表わされる平均分子
量の低下も少なく、テンサイルインパクト強度で
表わされる機械的強度の低下も少ない。しかし、
添加量が少ない場合にはその効果はやや少なくな
り、逆に添加量が多くなるとクレーズ発生防止効
果はあるが、成形時の熱によりかなり熱分解し、
機械的強度は低下し、乾熱耐久性が低下する傾向
がある。
【表】
【表】 実施例 3 テレフタル酸ジクロライド1218重量部、イソフ
タル酸ジクロライド812重量部、塩化メチレン
30000重量部からなる塩化メチレン溶液と、2・
2−ビス(4−ヒドロキシフエニル)−プロパン
2052重量部、2・2−ビス(4−ヒドロキシ−
3・5−ジブロムフエニル)−プロパン544重量
部、カ性ソーダ850重量部、オルソフエニルフエ
ノール34重量部、トリメチルベンジルアンモニウ
ムクロライド10重量部、水40000重量部からなる
水溶液を20℃で4時間激しく混合撹拌した。つい
で塩化メチレン相を分離し、洗液が中性になるま
で水洗後、塩化メチレンを留去しポリマーの固体
を得た。乾燥、粉砕後のフレーク状のポリマーに
表3に示す種々のピロリン酸金属塩と有機カルボ
ン酸金属塩を併用添加し、溶融押出してチツプと
し、さらに試験片を射出成形した。得られた試験
片の一部を170℃で10日間空気雰囲気に曝し、残
りの試験片を80℃、95%RHの雰囲気に10日間曝
し、試験片の対数粘度、テンサイルインパクト強
度、クレーズの発生について調べた。その結果は
表3に示すとおりであつた。本発明の組成物はい
ずれも乾熱耐久性、湿熱耐久性にすぐれている。
【表】 実施例 4 実施例1と同様にして芳香族ポリエステル共重
合体の粉末を得た。この粉末80重量部にポリエチ
レンテレフタレート粉末を15重量部添加し、さら
に表4に示す種々のピロリン酸金属塩と有機カル
ボン酸金属塩を併用添加し、溶融押出してチツプ
とし、さらに試験片を射出成形した。得られた試
験片の一部を150℃で10日間空気雰囲気に曝し、
残りの試験片を80℃、95%RHの雰囲気に10日間
曝し、試験片の対数粘度、テンサイルインパクト
強度、クレーズの発生について調べた。その結果
は表4に示すとおりであつた。 表4の結果から明らかなようにポリエチレンテ
レフタレートを添加した場合にもピロリン酸金属
塩と有機カルボン酸の金属塩を併用添加すること
により乾熱耐久性、湿熱耐久性がすぐれることが
わかる。
【表】 実施例 5 実施例1と同様にして芳香族ポリエステル共重
合体の粉末を得た。この粉末75重量部にポリカー
ボネート(パーンライトL1250)を粉末化したも
の25重量部と表5に示す種々のピロリン酸金属塩
と有機カルボン酸の金属塩を併用添加し、溶融押
出してチツプとし、さらに試験片を射出成形し
た。得られた試験片の一部を150℃で10日間空気
雰囲気に曝し、残りの試験片を80℃、95%RHの
雰囲気に10日間曝し、試験片の対数粘度、テンサ
イルインパクト強度、クレーズの発生について調
べた。その結果は表5に示すとおりであつた。 表5の結果から明らかなようにポリカーボネー
トを添加した場合にもピロリン酸金属塩と有機カ
ルボン酸金属塩を併用添加することにより乾熱耐
久性、湿熱耐久性がすぐれることがわかる。
【表】

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 (A) イソフタル酸とテレフタル酸あるいはそ
    れらの機能誘導体の混合物(ただし、イソフタ
    ル酸基とテレフタル酸基のモル比は1対9ない
    し9対1)と、一般式()で表わされるビス
    フエノール類 (ただし、−X−は−O−、−SO2−、−SO−、−
    S−、−CO−、炭素数1〜4個からなるアルキ
    レン基、アルキリデン基よりなる群から選ば
    れ、R1、R2、R3、R4、R1′、R2′、R3′、R4′は水
    素原子、塩素原子、臭素原子、炭素数1〜4個
    のアルキル基よりなる群から選ばれる)からな
    る芳香族ポリエステル共重合体と、 (B) ピロリン酸あるいはピロリン酸金属塩(金属
    は短周期律表第1、第2、第3、第4族の金属
    から選ばれる)とよりなる樹脂組成物。 2 芳香族ポリエステル共重合体のテレフタル酸
    基とイソフタル酸基のモル比が3対7ないし7対
    3である特許請求の範囲第1項記載の樹脂組成
    物。 3 芳香族ポリエステル共重合体のテレフタル酸
    基とイソフタル酸基のモル比が1対1である特許
    請求の範囲第1項記載の樹脂組成物。 4 ビスフエノール類が2・2−ビス−(4−ヒ
    ドロキシフエニル)−プロパンである特許請求の
    範囲第1項記載の樹脂組成物。 5 ビスフエノール類が2・2−ビス−(4−ヒ
    ドロキシ−3・5−ジブロモフエニル)−プロパ
    ンである特許請求の範囲第1項記載の樹脂組成
    物。 6 ピロリン酸金属塩がピロリン酸ナトリウムで
    ある特許請求の範囲第1項記載の樹脂組成物。 7 ピロリン酸金属塩がピロリン酸カリウムであ
    る特許請求の範囲第1項記載の樹脂組成物。 8 ピロリン酸金属塩がピロリン酸マグネシウム
    である特許請求の範囲第1項記載の樹脂組成物。 9 ピロリン酸金属塩がピロリン酸カルシウムで
    ある特許請求の範囲第1項記載の樹脂組成物。 10 ピロリン酸金属塩がピロリン酸バリウムで
    ある特許請求の範囲第1項記載の樹脂組成物。 11 ピロリン酸金属塩がピロリン酸亜鉛である
    特許請求の範囲第1項記載の樹脂組成物。 12 ピロリン酸金属塩がピロリン酸スズである
    特許請求の範囲第1項記載の樹脂組成物。 13 ピロリン酸あるいはピロリン酸金属塩を芳
    香族ポリエステル共重合体に対し0.01〜3.0重量
    %含有する特許請求の範囲第1項記載の樹脂組成
    物。 14 (A)イソフタル酸とテレフタル酸あるいはそ
    れらの機能誘導体の混合物(ただし、イソフタル
    酸基とテレフタル酸基のモル比は1対9ないし9
    対1)と、一般式()で表わされるビスフエノ
    ール類 (ただし、−X−は−O−、−SO2−、−SO−、−S
    −、−CO−、炭素数1〜4個からなるアルキレン
    基、アルキリデン基よりなる群から選ばれ、
    R1、R2、R3、R4、R1′、R2′、R3′、R4′は水素原
    子、塩素原子、臭素原子、炭素数1〜4個のアル
    キル基よりなる群から選ばれる)からなる芳香族
    ポリエステル共重合体と、(B)ピロリン酸あるいは
    ピロリン酸金属塩(金属は短周期律表第1、第
    2、第3、第4族の金属から選ばれる)と、(C)炭
    素数2〜22からなる有機カルボン酸の金属塩(金
    属は短周期律表第1、第2、第3、第4族の金属
    から選ばれる)とよりなる樹脂組成物。 15 有機カルボン酸がモノカルボン酸である特
    許請求の範囲第14項記載の樹脂組成物。 16 モノカルボン酸が酢酸である特許請求の範
    囲第15項記載の樹脂組成物。 17 モノカルボン酸がステアリン酸である特許
    請求の範囲第15項記載の組成物。 18 有機カルボン酸がジカルボン酸である特許
    請求の範囲第14項記載の樹脂組成物。 19 ジカルボン酸がコハク酸である特許請求の
    範囲第18項記載の樹脂組成物。 20 ジカルボン酸がマレイン酸である特許請求
    の範囲第18項記載の樹脂組成物。 21 有機カルボン酸がトリカルボン酸である特
    許請求の範囲第14項記載の樹脂組成物。 22 有機カルボン酸の金属塩がマレイン酸バリ
    ウムである特許請求の範囲第14項記載の樹脂組
    成物。 23 有機カルボン酸の金属塩がマレイン酸カル
    シウムである特許請求の範囲第14項記載の樹脂
    組成物。 24 有機カルボン酸の金属塩がマレイン酸亜鉛
    である特許請求の範囲第14項記載の樹脂組成
    物。 25 有機カルボン酸の金属塩を芳香ポリエステ
    ル共重合体に対し0.01〜3.0重量%含有する特許
    請求の範囲第14項記載の樹脂組成物。 26 ピロリン酸あるいはピロリン酸金属塩と有
    機カルボン酸の金属塩の重量比が1:9ないし
    9:1である特許請求の範囲第14項記載の樹脂
    組成物。
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