JPS6138768A - ダイカスト用金型 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は金型に溶融金属を圧入するダイカスト鋳造にお
いて、特にガス抜きを容易にした金型に関する。

［従来の技術］ 一般にダイカスト鋳造品の鋳巣等の内部欠陥は溶融金属
が比較的狭小な面積を有する湯口から製品部となる金型
キャビティ内へ射出充填される際、キャビティ内の空気
を巻きこむことに起因する。このダイカスト鋳造におい
ては鋳巣等のない完全な鋳造製品を得るべく、射出充填
時にキャビティ内の空気を除去するための種々の方法が
行なわれている。

例えば、キャビティより金型外部に向は細いあるいは薄
い空気抜孔を金型の分離面部に一般に分離面部を含む形
状に設け、溶融金属を充填する過程でキャビティ内の空
気のみを該空気抜孔より逸散させる分離面ガス抜き法あ
るいは真空ポンプの利用などによる強制ガス排出方法な
どがある。

しかし前者の分離面ガス抜き汰においては、比較的狭小
面積を有するゲートよりキャビティ内に充填される溶融
鋳込金属は、高速度で噴流状態を呈して充填するためキ
ャビティ内のガスが充分抜は切らず溶融鋳込金属に巻き
こまれ鋳込製品中に残存してしまう。また後者の強制ガ
ス排出方法においては、キャビティ内に流入する溶融鋳
込金属よりも速い速度でキャビティ内空気を排気しなけ
ればならず、排気装置の能力設定に困難を伴い装置自体
も高価となる。さらに高温度の溶融金属を使用するダイ
カスト鋳造においては、金型は熱によって変形し、とも
すれば金型の合せ面の密着性が不十分となり、排気が効
果的に行ない得ないという問題が生ずる。

［発明の目的］ 本発明は、上記のような従来の欠点に鑑み、金型の適切
な位置に適切な形状のガス抜孔を設置することによりガ
スの巻込みをなくし、健全なダイカスト製品を得ること
のできるダイカスト用金型を提供することを目的とする
。

［問題点を解決するための手段］ 即ち、本発明はキャビティ内の漏流れを考慮して、最終
溶湯充填部又はその近傍において金型分離面を含まない
ガス抜孔を金型分離面からやや離した位置においてキャ
ビティに開口するよう総面積３ｍｍ’以上の１個の開孔
又は２個以上の開孔群からなるガス抜孔として設置した
ダイカスト金型である。

本発明者はダイカストモデル金型でダイカストキャビテ
ィ内に充填される溶融鋳込金属の充填状態を調べた結果
、ゲートからキャビティ内に充填される溶融鋳込金属は
、金型の分離面部に沿って１介入し、分離面部が先に充
填されてしまうため、分離面部に設置した空気抜孔は効
果を発揮しないうちにふさがれてしまい、鋳込製品内に
空気がとり残されることを見いだした。

この所見に基づき、本発明のガス抜孔は溶湯最終充填部
に設置されるが、金型分離面にではなく必ず分離面から
所定間隔離れた位置に設置される。例えば第１図に示す
カバー類の板状鋳物の場合、従来のガス抜孔Ａが金型分
離面２に設置されていたのと異なり、ガス抜孔３１は分
離面２から離れた位置（３１）に分離面２と交わる方向
に設置される。

第２図に示すプーリー類の円形板状鋳物の場合もガス抜
孔３１は分離面２の内端２ａから離れた位置に設置され
る。

このことによりガス抜は従来と比較してはるかに確実に
行なわれる。これは本発明のガス抜孔位置の方が溶湯に
充填されるのが金型分離面の内端２ａよりも遅く、最終
段階まで有効にガス抜として機能するからである。

特に板状物の場合、従来のガス抜孔のあった面とは略垂
直なキャビティ内面にガス抜孔が来ることは、漏流れの
方向と孔が直角となるので、閉塞されることが少なく、
効果は顕著である。

ガス抜孔のキャビティの終端縁からの距離は、。

鋳造品の寸法、特に長径に依存するが、例えば凡そ５０
〜３００ｍｍの長径のものの場合、５ｍｍ〜３ｃｍ以内
に設置したのでは従来の分離面部に設置した場合に近く
なり、ガス抜効果は不十分であり、長径の１割以上離し
た時に特にはっきりした効界が見られる。

最終充填部は、鋳物の形状、湯口の形状、射出速度等に
よって変るが、大略の位置は湯口から遠い側の終縁近く
になる。

複雑な形状の場合、充填され難い部分はキャビティ内で
複斂個発生するが、本発明で最終充填部というのは必ず
しも全キャビティ内で最終との意ではなく、各部分部分
で周囲と比べて充填され難い個所も含めて考える。

金型の分離面を含まない形状でとりつけられるガス抜孔
３１は最適取付は位置が最終充填部であるか最終充填部
近傍であればガス抜きとしての効果は充分にある。その
取付は位置が最終充填部から離れるにしたがって効果は
やや小さくなるが、従来の金型の分離面にとりつけるガ
ス抜き８につながるオーバーフロー７の方式に比較すれ
ばその効果は大きい。

ガス抜孔の大きさは３ｍｍ２以上の断面積が必要である
。この場合、断面積３ｍｍ’程度の１個の円形又はスリ
ット状の間隙であっても良いが、通常は複数個の開孔群
を形成する方が溶湯の侵入防止の点でもガス抜効果の点
でも有利である。

ガス抜孔の形状は溶湯の流入閉塞を防止する限りどんな
ものでもよく、一般にスリット状又は多孔状のものが用
いられる。オーバーフローを利用することもできるが、
より適切な例として押出ピン利用によるガス抜を第３図
に示す。

押出しビンを筒状に二重あるいは三重に構成してスリッ
ｌ−３１ｂを形成し、その筒囲りの隙間３１ａを０．０
５０〜０．０７５ｍｍで部間りの全面あるいは部間りに
直線状もしくはラセン状に溝をつけてガス抜孔としたも
のである。他の好適なガス抜の例としては焼結ベントが
ある。第４図は粉末金属を焼結することにより断面が５
〜１０ｍｍφの中に５〜１０ｍｍの長さで５０〜ｌＯＯ
角の細い穴３Ｌｃを４００−１５００ケあけてキャビテ
ィ内のガスのみを型外に放出するようにしたベントであ
る。所望によりその外周はスリーブ３１ｄとすることが
できる。

［作用］ この様なガス抜孔が有効に作用する理由を以下に図面に
従って示す。

第６図は従来のダイカスト装置の金型および射出室部の
概略構造断面図で、図中１は固定金型、ｌａは移動金型
で、移動金型は図示してない型開閉装置により往復動す
る様になっている。２は金型の分離面を成す。３は固定
金型１と移動金型ｌａの合せ面に刻設された空胴（キャ
ビティ）、４は射出室、５は射出室４とキャビティ３と
を連通する湯道、６は湯流れに方向性と速度を与えるた
めのゲート、７はオーバーフローである。、８はガス抜
きで、気体は通過出来るが溶湯は通過出来ない程度の寸
法に刻設されている。９は射出スリーブで射出室４と同
−芯で同一内径に作られその突出部には溶湯注入口１０
が設けられている。１１は射出プランジャで図示してい
ない射出装置によって往復動する様になっている。１４
は射出スリーブ９の溶融注入口１０から注入された溶湯
で、一般のダイカスト法では溶湯１４は射出室４の内容
積に１００％注入されることはなく通常、射出室４の内
容積の２０〜９０％に注湯される。

此の様な従来の一般的なダイカスト装置では溶湯に対し
て高圧力と高速度を作用させるため、キャビティ３内の
気体を抜くためのガス抜き８は極めて小さい断面積にし
なければならない（溶湯が金型外に噴出しない程度に小
さくしなければならない）制約がある。

いま０．５〜２秒の期間中に０．１〜０．６ｍ／ｓの速
度で、まず低速射出を行ない、ついで０．０５〜０．１
５秒という短い期間中に１〜４ｍ／ｓの速度で高速射出
を行なうようにプランジャーを低速から高速に連続作動
させる場合、溶湯４の流れは第７図の動作説明図のイか
らホに示される様になるといわれてきた。

即ち （イ）溶湯はまずキャビティ内の空間を噴水のように直
進的にｔ向し、 （ロ）路壁に当ると側壁にそって流下し、（この段階で
は側壁のガス抜孔は機能している）（ハ）側壁のガス抜
孔をふさぎつつ （ニ）キャビティ内壁の全面に充填するが（ホ）内部に
ガスを巻きこみ、多量の気泡巣３２を形成する。

しかしながら本発明者は、キャビティ３内への溶湯１４
の充填状態を示、す流れとガス抜き８との関係を、固定
金型１および移動金型１ａにゲート６を含めてゲート側
よりキャビティ３の上部に１０ｍ間隔で溶湯が到達した
ときにＯ，１ｍ秒の感度で計測できるセンサとガス圧計
を装着し、湯流れを解析した。その結果実際には第８図
の動作説明図で示すように溶湯流入の第１段階は、第８
図イ９口のようにゲート６からキャビティ３に射出され
た溶湯１４は、キャビティ３内の空間をゲート６側より
キャビティ内壁面に沿って優先的にしたがってキャビテ
ィ内面が遅れ、凹面形状の流れで順次充填する。キャビ
ティ３の上部内壁に当ると第３図ハ、二のように流れの
方向を変えてキャビティの内側に溶湯が波れ込み、最終
充填部３３を形成しさらに充填量を増して第８図示の状
態で流れが止まる。

したがって、固定金型１および移動金型１ａの分離面部
２に形成されたガス抜き８につながるオーバーフロー７
は、キャビティ３内の最終充填部３３より先に溶湯が流
入し充填してしまうため、キャビティ内気体を効率よく
抜く作用をしないことになる。実際、第８図のように金
型分離面部にとりつけたオーバーフロー７、ガス抜き８
で射出したダイカスト鋳物には多量の気泡巣が形成され
る。ＡＤＣ１２合金によるダイカスト鋳物ではその比重
は２．７０以下と小さく内部に気泡巣をもつ不良品であ
った。

これを本発明の様に第１図３１の位置にガス抜孔を設置
し、上記と同条件でＡＤＣ１２合金溶湯な射出した。そ
のダイカスト鋳物は最終充填部のガス圧も０．２ｋｇ／
ｃｍ’以下と低くなり、気泡巣が全くなく、比重も２．
７４以上と大きい健全な鋳物を得ることができた。なお
、ガス抜孔全断面積を種々変化させて試験した結果、３
ｍｍ２以上のとき比重２．７４以上となりこの値未満で
は最終充填部のガス圧は１ｋｇ／ｍｒｎ’以北と大きく
、気泡巣が発生し、比重も低下した。

さらに、鋳物製品に凸部がある場合には、その凸部が最
終充填部となるようにゲート位置を取りつけるかあるい
は凸部がない場合、凸部をとりつけ、キャビティ内の空
気を金型外へ導くためのオーバーフローへの溝を形成す
る事ができる。このオーバーフロー７にガス抜孔を配設
できる。

（この場合、第３図の押出しピン方式あるいは、第４図
の焼結ベント方式のどちらでもよい）。その取りつけ方
は、金型１．ｌａの分離面２に直角、あるいは斜めとし
分離面を含まないよう構成する。

［発明の効果］ 本発明のガス抜孔により、ガスの巻きこみがなくなるこ
とから ・気泡欠陥のない高品質のダイカスト鋳物争熱処理が可
能となり高強度のダイカスト鋳物が工業的に生産できる
。

また、ガス抜が順調になり、射出速度が大きくできるこ
とから、 ・薄肉のダイカスト鋳物が得られ、 ・流れ難い溶湯によるダイカスト鋳物が容易に生産でき
る等の工業的有用性がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明のガス抜孔位置を示す金型の平面図、 第２図は本発明の好適な一実施例を示す金型の平面図、 第３図ａ、ｂは本発明に使用できる押出しピン利用によ
るガス抜孔を示す断面図、 第４図は本発明のカス抜孔に使用できる焼結ベントの断
面図。 第５図は本発明の他の実施例の部分斜視図、第６図は従
来のダイカスト鋳造機の断面概略図、 第７図イ〜ホは従来考えられていた湯流れの模式図、 第８図イ〜ホは本発明者らが確認した湯流れの模式図、
を夫々示す。 出願人　　株式会社豊田中央研究所 代理人　　弁理士　　加　藤　朝　道 第１図 第２図 第３図Ｏ 第４図０ 第６図 な？　　〒ν　鈷１ 第５図 第を図

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 総面積が３ｍｍ＾２以上である１個の開孔又は２個以上
   の開孔群からなるガス抜孔をキャビティ内の最終溶湯充
   填部又はその近傍において金型分離面を含まないガス抜
   孔をキャビティに開口するよう配設することを特徴とす
   るダイカスト金型。