JPS6137944B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、体腔内に挿入してその周辺の臓器を
超音波診断する体腔内検査用超音波用スキヤナに
関する。

近時、この種スキヤナとして、例えば、操作部
に体腔内に挿入される挿入部を連接し、この挿入
部の先端部に軸心に対して所要角度傾斜させた超
音波ミラーを回転自在に配するとともに、この超
音波ミラーの先端側に超音波送受信用の振動子を
前記超音波ミラーと軸心を一致させて対向配置し
たものが知られている。しかして、このスキヤナ
は、前記振動子に接続した信号ケーブル及び前記
超音波ミラーの軸心部に固着した超音波ミラー回
動駆動用シヤフトを前記挿入部内を通して前記操
作部まで導き、このシヤフトの導出端を該操作部
内に配設した超音波ビーム走査用動力源に接続す
るとともに前記信号ケーブルの導出端をパルス発
生回路及び増幅検波回路に接続するようにしてい
る。ところが従来のものは、前記信号ケーブルを
振動子及び超音波ミラーの側方を通して操作部側
へ導くようにしているため、挿入部先端付近の外
径が大きくなりがちであり、この種スキヤナにお
いて、体腔内への挿入性を向上させることが難し
いという欠点があつた。

この発明は、このような事情に着目してなされ
たもので、信号ケーブルを振動子及び超音波ミラ
ーの軸心部に配することによつて、挿入部の外径
を従来のものに比べて大巾に小さくすることがで
き、したがつて、体腔内への挿入性を無理なく向
上させることができる体腔内検査用超音波スキヤ
ナを提供しようとするものである。

以下、この発明の一実施例を図面を参照して説
明する。

第１図中１は体腔内検査用超音波スキヤナの操
作部であり、この操作部１には可撓性の挿入部２
が連結されている。前記挿入部２は可撓管３の先
端に湾曲管４を介して先端構成部５を接続してな
り、湾曲管４は手元側の操作部１に設けた操作用
ノブ６によつて遠隔的に湾曲操作され、先端構成
部５の向きを調節選定できるようになつている。

前記先端構成部５の先端には第２図に示すよう
にその側面に開口する超音波ビーム走査室１０が
形成されている。この超音波ビーム１０の内部に
は、超音波ミラー１１が設置されている。超音波
ミラー１１は第２図に示すようにその基端側に先
端構成部５の軸心に沿う回転軸部１１ａを有し、
この回転軸部１１ａはベアリング１２を介して先
端構成部５の内面に枢支されている。また、この
超音波ミラー１１の先端には反射面１１ｂが設け
られており、この反射面１１ｂは前記先端構成部
５の軸心に対して、例えば45゜の角度で傾斜させ
てある。また、この超音波ミラー１１の回転軸部
１１ａには超音波ミラー回転駆動用のフレキシブ
ルシヤフト１３の一端を軸心を一致させて連着し
ている。このフレキシブルシヤフト１３の他端側
は前記湾曲管４および可撓管３内を通して操作部
１内まで導びかれ、該操作部１内に設けた超音波
ビーム走査用動力源（図示せず）に接続されてお
り、この動力源を作動させることによつて前記超
音波ミラー１１が所定の速度で回転するようにな
つている。１４は超音波ミラー１１の回転位置を
検出するための位置信号発信器である。

また、前記超音波ミラー１１の反射面１１ｂの
前方つまり前記超音波ビーム走査室１０の先端側
内壁部分には、前記超音波ミラー１１の反射面１
１ｂに向けて超音波ビームを発受信する振動子１
５を前記超音波ミラー１１と軸心を一致させて配
設している。振動子１５は円板状のものでその背
面が吸振材からなる超音波ダンパ１６を介して先
端構成部５の内面に支持されており、またこの振
動子１５の表面には音響レンズ１７が添設されて
いる。そして、この振動子１５の裏面側には信号
ケーブル１８の一端が接続されており、この信号
ケーブル１８の他端側は挿入部２の内部を通して
操作部１まで導びかれている。

詳述すれば、振動子１５の軸心部に一側縁に開
口する切欠状のケーブル挿通路１９を設けるとと
もに、前記超音波ミラー１１の軸心部に断面円形
なトンネル状のケーブル挿通路２０を設けてい
る。また前記超音波ミラー回転駆動用のフレキシ
ブルシヤフト１３をコイル状のものにしてその軸
心部に前記ケーブル挿通路２０に連続する中空部
２１を形成している。そして、前記振動子１５に
接続した信号ケーブル１８を前記両ケーブル挿通
路１９，２０及び前記中空部２１を通して操作部
１まで導き、その導出端を図示しないパルス発生
回路及び増幅検波回路に接続している。また前記
増幅検波回路には、図示しないブラウン管などか
らなる表示装置を接続するようになつている。

一方、前記先端構成部５には、超音波ビーム走
査室１０の開口窓２２を含めて先端部を包み込む
ようにバルーン２３が取り付けられていて、この
バルーン２３内に超音波媒体２４を充満させるよ
うになつている。

しかして、このように構成された体腔内検査用
超音波スキヤナを用いて深部内臓の超音波診断を
する場合には、挿入部２の湾曲接作機能を利用し
ながら、この先端構成部５をたとえば胃内に挿入
する。そして、超音波ビーム走査室１０の開口窓
２２側を診断しようとする深部内臓側の胃壁に寄
せ、バルーン２３を押し当てる。この状態から前
述した外部のパルス発生回路を作動させ、振動子
１５から超音波ビームのパルスを発振させる。超
音波ビームは、超音波ミラー１１の反射面１１ｂ
に当つて反射し、開口窓２２を通つて人体組織中
に伝播する。その組織中の部分、例えば異常部分
で反射する反射エコーは、再び前記超音波ミラー
１１の反射面１１ｂに当り反射して振動子１５に
受信される。そして、この受信した信号は信号ケ
ーブル１８を通じて外部の増幅検波回路に入り、
その後表示装置に断層像として表示されるのであ
る。

このようにして超音波診断を行なうことができ
るわけであるが、本超音波スキヤナでは振動子１
５に接続した信号ケーブル１８を該振動子１５及
び超音波ミラー１１の軸心部を通して操作部１側
へ導くようにしているので、挿入部２の外径、と
りわけ先端構成部５の外径を振動子１５の直径に
近い小径なものにすることができる。したがつ
て、体腔内への挿入性を向上させることができ
る。

なお、前記実施例では振動子のケーブル挿通路
を切欠状にした場合について説明したが、本発明
はかならずしもこのようなものに限られないのは
勿論であり、例えば第５図に示すような丸孔状の
ものであつてもよい。しかしながら、ケーブル挿
通路を切欠状のものにし、この切欠の開口部を超
音波ビーム走査室１０の開口窓２２と反対の方向
に向けておけば、振動子から発振され、超音波ミ
ラー１１で偏向された超音波ビームが信号ケーブ
ルに当つて反射し振動子へ戻つてくるといういわ
ゆる多重現象を大巾に減少させることができると
いう利点がある。

また、挿入部には体腔内を観察するための適宜
な光学系を組み込んで内視鏡としての機能をもた
せてもよいのは勿論である。ない、超音波ミラー
と振動子を上記実施例とは前後逆に配置してもよ
い。

以上詳述したようにこの発明によれば、信号ケ
ーブルを超音波ミラーの軸心部に配することによ
つて、挿入部の外径を従来のものに比べて大巾に
小さくすることができ、したがつて体腔内への挿
入性を無理なく向上させることができる体腔内検
査用超音波スキヤナを提供できるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図〜第４図はこの発明の一実施例を示し、
第１図は全体側面図、第２図は先端構成部の側断
面図、第３図は第２図における−線断面図、
第４図は振動子の正面図である。第５図は他の実
施例を示す振動子の正面図である。 １……操作部、２……挿入部、１１……超音波
ミラー、１３……シヤフト、１５……振動子、１
８……信号ケーブル、１９，２０……ケーブル挿
通路、２１……中空部。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 操作部に体腔内に挿入される挿入部を連接
   し、この挿入部の先端部に軸心に対して所要角度
   傾斜させた超音波ミラーを回転自在に配するとと
   もに、この超音波ミラーの反射側に超音波送受信
   用の振動子を前記超音波ミラーと軸心を一致させ
   て対向配置し、この振動子に接続して信号ケーブ
   ル及び前記超音波ミラーの軸心部に固着した超音
   波ミラー回転駆動用シヤフトを前記挿入部内を通
   して前記操作部まで導くようにしたものにおい
   て、前記超音波ミラーの軸心部にケーブル挿通路
   を設けるとともに、前記シヤフトの軸心部に前記
   ケーブル挿通路に連続する中空部を設け、前記振
   動子に接続した信号ケーブルを前記両ケーブル挿
   通路及び前記中空部を通して操作部まで導いてい
   ることを特徴とする体腔内検査用超音波スキヤ
   ナ。 ２ 体腔内を観察するための光学系を組み込んで
   いることを特徴とする特許請求の範囲第１項に記
   載の体腔内検査用超音波スキヤナ。