JPS6136944Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は目覚時計に関するものである。

従来の目覚時計には、文字板の時刻目盛の内側
に目安目盛をリング状に付設したものがあるが、
この種の時計では目安目盛の中心と時計機械体の
中心との位置がずれると、目安針が正しく所定の
目安目盛を指示せず、目安精度が劣ることにな
る。そのため、組立て時にこの位置ずれを防止し
て目安精度を高めるために、ガイド部材を用い
て、文字板と時計機械体とを時計枠体の文字板受
に精度よく取り付けているのが実情である。しか
しながらこの方法では、取付け作業に非常に手間
を要しかつ組立てに特別の部材を必要としてい
た。

本考案の目的は簡単な構成で、しかも容易な作
業によつて高精度の目安を可能にし、組立て作業
の迅速化を図ることができる目覚時計を提供する
ことにある。

以下本考案の実施例を図面に基づいて説明す
る。

第１図において、時計枠体１の前部分には文字
板受２をこの枠体と一体的に設けてある。文字板
受２の前面には文字板３を固着してある。そして
文字板３の前面には目安板４を配設してある。

目安板４は第２〜４図に示すように円板状のも
ので、その前面に目安目盛５を印刷などの手段に
より付設してあり、そして中心部には背面に向け
て機械体支持用の筒体６を一体的に突設してあ
る。筒体６には中心に沿つて複数本（第３図では
３本）の割溝６ａ……を設けて、弾性変形可能の
筒体としている。そして筒体６の後端部外周には
係止突部である爪６ｂ……を形成してある。目安
板４の背面の任意の位置には図示の例では位置決
め突起７を突出してある。

上記のように構成した目安板４の取付け状態に
ついて説明すると、目安板の筒体６が文字板受２
の中心孔２ａに嵌合して軸受されており、筒体の
後端部は文字板受２背面に突出している。また位
置決め突起７が文字板受２に形成してある止め穴
２ｂ内に挿入してあり、これにより目安板４の位
置決めと回転止めがされている。そして文字板受
２の背面には時計機械体ケースＢが位置しており
このケースを筒体６の後端部で支持している。

すなわち時計機械体ケース８の前部中央部には
支持部９を設けてある。支持部９は内部が中空で
あつて、指針軸１０が貫通している。指針軸１０
と支持部９の前側開口部９ａとの間に一定の間隙
があけてある。そして支持部９の開口部９ａから
その内部へ筒体６の後端部が挿入しており、爪６
ａが支持部と係合している。そして爪６ａと文字
板受２との間で支持部前面側を挾持して、時計機
械体ケース８を支持している。

指針軸１０は支持部９から筒体６を貫通し、目
安板４の前面に突出しており、この突出端に指針
１１である目安針、時計、分針および秒針を順次
取り付けてある。

第１図において１２は前面カバー、１３は鳴止
めボタン、１４は後蓋である。

つぎに目安板４と時計機械体ケース８の取り付
けについて説明する。まず機械体ケース８の支持
部９の開口部９ａを文字板受２の中心孔２ａに背
面側から対接される。この状態を保持させつつ、
筒体６および位置決め突起７を文字板３の前面側
からそれぞれ中心孔２ａおよび止め穴２ｂに対向
させながら、筒体を中心孔内に押込むと、筒体が
支持部内に入り込んでこれと係合して、筒体後端
部の爪６ａ……と文字板受２とで支持部を挾持す
る。この結果、機械体ケース８は文字板受２に固
着される。なお位置決め突起７は止め穴２ｂ内に
挿入するので、目安板４が位置決めされ固定され
る。したがつて、目安板４の中心と機械体ケース
８の中心とが位置ずれすることなく、合致した状
態で組立てられる。

目安板４の他の例について説明すると、目安板
を透明部材で構成して、目安目盛を第５図に示す
ように凹部５ａで形成してもよい。こうすれば目
安目盛を目安板４の成形と同時に形成できるため
目安目盛の中心と目安板の中心とを容易に一致さ
せることができ、目安精度を容易に高めることが
でき、この点印刷による場合に比して有利であ
る。

凹部の目安目盛を第６図に示すようにＶ字形の
凹部５ｂで構成してもよい。さらに第７図に示す
ように目安目盛を凸部５ｃで形成してもよい。ま
た文字板受２で文字板を兼用してもよい。位置決
め突起を用いないで、たとえば接着剤によつて目
安板４を文字板受前面に固着してもよい。

以上説明したように本考案によれば、目安目盛
と時計機械体ケースとの中心の位置ずれを防止で
きるので、目安精度を高めることができ、しかも
中心の位置合せの作業が容易であつて、その作業
のための特別な部材が不要である。また時計機械
体ケースをねじを用いることなく文字板受部に取
り付けることができるので、構成が簡単となり組
立作業の迅速化を図ることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す一部切欠側面
図、第２図は目安板の正面図、第３図は第２図
−線拡大断面図、第４図は第３図−線断面
図、第５図は目安板の他の実施例を示す拡大断面
図、第６図は目安目盛の他の実施例を示す要部拡
大断面図、第７図は目安目盛のさらに他の実施例
を示す要部拡大断面図である。 １……時計枠体、２……文字板受、２ａ……中
心孔、４……目安板、５，５ａ，５ｂ，５ｃ……
目安目盛、６……機械体支持用の筒体、６ｂ……
爪、８……時計機械体、９……支持部、１０……
指針軸。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 中心孔を設けてある文字板部と、 この文字板部の前面に配設してあり、中心部
   背面に突設しかつ後端部に係止突部を形成して
   ある弾性変形可能の筒体を有し、前面に目安目
   盛を付設してある目安板と、 上記文字板部の背面に配設してある時計機械
   体と、 この時計機械体の前部中央部に設けてあつ
   て、内部が中空であり、指針軸が貫通している
   支持部と、 を具備し、 上記筒体は中心孔に貫通されており、この筒
   体の係止突部は上記支持部でこれと係合して上
   記文字板部とにより上記支持部の前面側を挾持
   して、上記時計機械体を固着しており、 上記指針軸は上記筒体を貫通している ことを特徴とする目覚時計。 (2) 実用新案登録請求の範囲第１項において、目
   安板は透明板で構成してあり、かつ背面に凹部
   の目安目盛を付設してあることを特徴とする目
   覚時計。