JPS6136922B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は主として靴に使用し、指先にゆとりを
もたせて足を固定するための足係止体に関する。

靴、サンダル等においては、足先部を覆物に固
定するため、足の指または指の根元関節部分を甲
皮などで形成された前方が細くなつた部分に押し
込んでいる。このために指先が窮屈である。また
靴においては、歩行中の足を靴先端に押す力によ
り、甲皮が次第に伸び、靴内の足の位置が前進
し、踵に隙間を生じるようになり、当初足に合つ
ていた靴であつても歩行中に脱げるようになつて
くる。

本発明はこのような不都合を改善し、指先にゆ
とりをもたせ楽に足先部を固定し、さらに靴にお
いては、歩行中に脱げやすくなる原因の靴の変形
を防止することを目的とするものである。

すなわち本発明は、指部をまわりから包んで足
先部を固定する覆物において、体重により容易に
圧縮変形する弾性材より形成され、覆物の足の裏
接触面に設けられ、前端が足指下面の窪みの中間
部に位置する板よりなる覆物の足係止体である。

次に本発明を図示する実施例により具体的に説
明する。第１図〜第３図は本発明の足係止体１０
を靴１２に設けた例を示す。この足係止体１０は
薄い革製の中敷１４の裏面にウレタンフオーム製
の板１６を接着してなる。この板１６のウレタン
フオームは足で踏んだ際、容易に圧縮変形するも
のであり、厚さが無荷重時に比して数分の１乃至
数10分の１、望ましくは10分の１程度になるもの
がよい。この板１６の前端は、靴１２をはいたと
き足１８の指下面の窪み２０の中間部に位置し、
後端は土踏まずの前部に位置している。なお、こ
の後端の位置は特に意味はないので任意に選択し
てよい。この板１６の厚さは靴１２をはいた際、
足指の窪み２０に応じて凸部２２が形成される程
度であり、５〜20mm程度がよく、10〜15mm程度が
最適である。

この靴１２をはくと、足１８の足先部は第３図
に示すように足係止体１０の板１６を圧縮変形さ
せながら靴１２内へ入る。このとき足指は足係止
体１０のない部分に位置し、また足全体は足係止
体１０により、足係止体を設けない場合に比し
て、より後方に位置するため、足指は広い空間内
にあるので快適である。

さらにこのとき足係止体１０の前端には凸部２
２が形成され、この凸部２２が足１８の前進を係
止し足を固定する。すなわち足は歩行中の踵を上
げる際に指の根元関節から折れ曲がり、このとき
瘤状に大きくなつた指の根元関節が靴内をころが
るようにして足全体が靴内を前進するのである
が、凸部２２はこの関節のころがりに対しくさび
止め作用をするので、弾性材よりなるものであり
ながら有効に足の前進を係止する。したがつて甲
皮が伸びることはなく、靴が歩行中に脱げるよう
変形することもない。

なお、板１６は割合短期間に永久変形を生じ圧
縮したままの形状となるが、凸部２２には踵を上
げる瞬間だけ力が加わるため長期間にわたつて永
久変形を生じることなく使用することができる。
しかしながら第４図に示す他の実施例の足係止体
１０′のように板１６の前端にごく小型のより硬
い弾性体４を設けておくと一層すぐれた耐久性が
得られる。

以上のように本発明によれば、指先は楽にな
り、しかも足先は確実に覆物に固定されるので、
覆物の快適さは著しく向上する。また靴に用いれ
ば使用による変形が生じないので、従来行なわれ
てきた小さめの靴を買い徐々にはき慣らすという
面倒が解消される。

よつて本発明は靴に使用するに最適であるが、
サンダル、スリツパ等他の覆物にも用いることが
できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例を示す正断面図、第
２図は前図の−線断面図、第３図は使用状態
を示す要部拡大正断面図であり、第４図は他の実
施例を示す要部正断面図である。 １０，１０′……足係止体、１２……靴、１４
……中敷、１６……板。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 指部をまわりから包んで足先部を固定する覆
   物において、体重により容易に圧縮変形する弾性
   材より形成され、覆物の足の裏接触面に設けら
   れ、前端が足指下面の窪みの中間部に位置する板
   よりなる覆物の足係止体。