JPS6136460Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は製鉄所構内等でコイル等重量物をパレ
ツトで運搬するＵ字型フレームを有する運搬車の
パレツト位置決め装置に関するものである。

製鉄所構内でのコイルの運搬はコイル搭載専用
トレーラを用いてこれにトラクタを接続して搬送
しているが、コイルの積込、積御しはクレーンを
用いなければならないため作業の合理化および安
全上の観点から改善が望まれていた。これを解決
する運搬車として第１図及び第２図に示す如きＵ
字型フレームを有する運搬車が注目されている。

この運搬車はトラクタ部１とトレーラ部２とか
らなり、両者１，２は屈折可能に結合されてい
る。そしてトレーラ部２は車輪３に支持され後方
が開放されたＵ字型フレーム４とＵ字型フレーム
４の内側にあつてシリンダ５に支持され垂直方向
に移動可能なリフトフレーム６が設けられてい
る。リフトフレーム６の下端部６ａはパレツトと
係合可能にＬ形状となつている。

この運搬車でコイルを搬送するときは第３図乃
至第５図に示すパレツト７にコイル８を搭載して
おき、パレツト７ごと搬送する。すなわちリフト
フレーム６を最下位置（地上高約60mm）まで下
げ、リフトフレーム６の下端部６ａをパレツト７
のＴフランジ部７ａの下側へ挿入させて運搬車を
パレツト７全体がＵ字型フレーム４に入るまで後
退させる。次にリフトフレーム６を上昇させてパ
レツト７を持ち上げた状態で運搬する。

すなわち、この運搬車によれば、クレーン、リ
フト等の他の機械を使用することなく荷物の積込
み、運搬、積御しができる。

ところで空のパレツト７を搬送する場合は２〜
３個積み重ねて運搬すれば作業上能率がよい。

この運搬車で空のパレツト７を積重ねる場合は
第６図に示すように積込んだ空のパレツト７をそ
の底面がパレツト７の高さ以上に上げた状態で運
搬車を後退させ積込んだパレツト７の直下にパレ
ツト７′を位置させるようにするのであるが、こ
の場合運転席からは積込まれているパレツト７が
あるため視界が閉じられ前後方向の位置合せがで
きない。このためパレツト７′近くの作業者の指
示に従つて運搬車を誘導しなければならず、運転
者のみでこの作業ができるように望まれていた。

本考案は上記の点に鑑み考案したもので、Ｕ字
型フレームを有する運搬車で空のパレツトを簡便
に積重ねができるようにパレツトの位置決め装置
を該運搬車に付設したものである。

以下本考案の一実施例を第７図乃至第９図に基
づいて説明する。第７図は本考案に係るパレツト
位置決め装置を付設したトレーラ部の全体を示す
正面図、第８図および第９図はパレツト位置決め
装置の詳細を示す平面図および正面図である。

トレーラ部２のＵ字型フレーム４の内側前部の
パレツト高さ以下の位置にブラケツト９が固着さ
れ、これにレバー１０が上下方向に回動自在に設
けられている。そしてレバー１０はバネ１１によ
つて吊持されブラケツト９に設けたストツパ１２
によつてリフトフレーム６が上方に上がつている
場合はほぼ水平に保持されている。

レバー１０の長さ即ちレバー１０の先端１０ａ
の位置はリフトフレーム６に設けたストツパ６ｂ
の先端位置と同一になるように決められている
（図で長さl₁＝l₂）。したがつてリフトフレーム６
を下げた場合は、レバー１０はリフトフレーム６
の底部で押されて鎖線で示すように下方に押し下
げられる。

このように構成されているので空のパレツト
７，７′の２個を積重ねて運搬する場合を説明す
ると、先ずリフトフレーム６を最下位置（地上高
約60mm）まで下げ、空のパレツト７に対し運搬車
を後退させて、ストツパ６ｂに該パレツト７の端
面が当接する位置（Ｕ字型フレーム４後面から
l₂）で停止し、この状態においてリフトフレーム
６をパレツト７′の高さ以上に上昇させて次のパ
レツト７′へ移動する。

そしてこの状態で運搬車をパレツト７′上を後
退させ（第６図参照）、レバー１０の先端１０ａ
が該パレツト７′の端面に当接する位置（Ｕ字型
フレーム４後面からl₁）で停止する。このときパ
レツト７はパレツト７′と同位置（l₁＝l₂）になる
のでこの状態でリフトフレーム６を下げればパレ
ツト７をパレツト７′上に正しく載置することが
できる。

次に運搬車を前進させリフトフレーム６を最下
位置まで下げ（このときレバー１０はリフトフレ
ーム６の下端部６ａにより下方に追従して押し下
げられる。）、再び運搬車を後退させてパレツト
７′をＵ字型フレーム４に入れ、その後リフトフ
レーム６を上昇させれば空のパレツト７，７′を
正しく積重ねたまま運搬することができる。

パレツト７の数が３個以上の場合でも上述と全
く同様にして空のパレツトの積込み運搬ができ
る。

本考案は上記した如く空パレツトを積載した運
搬車を地上に置かれたパレツトへ向つて後退させ
る際、パレツトの前後方向の位置が正しく決まる
ので、運搬車の誘導者を必要とせず運転者のみで
空パレツトの積重ね運搬が簡便に行える効果があ
る。

なお、上記実施例では記載を省略したがリフト
フレーム６のストツパ６ｂおよびレバー１０の先
端１０ａにリミツトスイツチを設け、運転席にパ
イロツトランプまたはブザーを付設して空パレツ
トが該ストツパ６ｂおよびレバー１０の先端１０
ａに当接したことを報知するようにすれば空パレ
ツトの位置合せ作業がより簡便となる。

また実施例では製鉄所構内におけるコイル運搬
で説明したが、とくにこれに限るものではなく同
形状のパレツトを用いて種々の貨物を搬送する場
合に利用できることは勿論である。

【図面の簡単な説明】

第１図はＵ字型フレームを有する運搬車の平面
図、第２図はその正面図、第３図はコイル運搬の
ためのパレツトの正面図、第４図はその平面図、
第５図は同じく側面図、第６図は空パレツトの積
載状態を図す側面図、第７図乃至第９図は本考案
の一実施例を示すもので、第７図はトレーラ部の
全体を示す正面図、第８図はパレツト位置決め装
置の詳細を示す平面図、第９図はその平面図であ
る。 １はトラクタ部、２はトレーラ部、４はＵ字型
フレーム、６はリフトフレーム、６ａはその下端
部、６ｂはストツパ、７，７′はパレツト、８ａ
はそのＴフランジ部、９はブラケツト、１０はレ
バー、１０ａはその先端、１１はバネ、１２はス
トツパである。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. トラクタ部とトレーラ部とを屈折可能に結合し
   た運搬車で、トレーラ部は後方が開放されたＵ字
   型フレームを有し、かつＵ字型フレームの内側に
   あつて垂直方向に移動可能なリフトフレームを備
   え、貨物を積載したパレツトを該リフトフレーム
   に搭載して運搬する運搬車において、前記Ｕ字型
   フレームの内側前部のパレツト高さ以下の位置に
   上下方向回動自在なレバーをバネによつて水平状
   に維持し、パレツト積載作業時パレツト端面に該
   レバー先端を当接させてパレツトの前後方向の位
   置決めをするとともに該レバーはリフトフレーム
   の下降時該フレームに当接してリフトフレームに
   追従して下向きに回動し得るよう構成したパレツ
   ト位置決め装置を備えたＵ字型フレームを有する
   運搬車。