JPS6136438Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、左右一対に装架せる左右のクローラ
により自在に走行する機体に、対地作業を行なう
作業機を装備せしめるとともに、その作業機及び
前記クローラを駆動するエンジンならびに運転席
を設けてなるクローラ型土木用車輌についての改
良に関する。

上述の形態のクローラ型土木用車輌は、移動す
る際、走行装置であるクローラで舗装してある路
面を傷めることから、走行装置をホイルとした運
搬車の荷台に積載して、その運搬車により運送し
て移動するように規制されている。

このため、クローラ型土木用車輌で土木工事を
行なうには、クローラ型土木用車輌を、運搬車の
荷台に積載して工事現場まで搬送し、その工事現
場において運搬車の荷台から降ろす作業が必要
で、施工する土木工事の規模が小さく、そして、
その工事現場が幾つもある場合には、このクロー
ラ型土木用車輌を運搬車の荷台に積み込む作業と
降ろす作業に要する手間と時間の方が、土木工事
の実作業の時間よりも多くなつて、効率が甚しく
低下してくる問題がある。

本考案は、この問題を解消せしめるためになさ
れたものであつて、クローラ型土木用車輌を路上
走行用の運搬車の荷台上に積載した状態のまま
で、その運搬車の走行による移動と軽い土木工事
が行なえるようにして、クローラ型土木用車輌に
よる作業の効率を向上させ得るようにする新たな
手段を提供することを目的とする。

そして、本考案はこのために、左右に一対に装
架せる左右のクローラにより自在に走行する機体
に、対地作業を行なう作業機を装備せしめるとと
もに、その作業機及び前記クローラを駆動するエ
ンジンならびに運転席を設けてなるクローラ型土
木用車輌を、ゴムホイルよりなる前後の車輪によ
り走行する台車状の運搬車の荷台上に載架し、そ
の運搬車の車輪を前記クローラ型土木用車輌に装
備せる液圧ポンプと接続する液圧モーターにより
駆動せしめ、その運搬車のかじ取り機構を前記ク
ローラ型車輌の運転室内に設けるハンドルに連繋
し、かつ、前記クローラ型土木用車輌は、それの
前記作業機を前記運搬車の荷台上から対地作業が
行なえるよう構成し、それの機体に、前記運搬車
の荷台上からその運搬車の車輪が接する地面に届
くアウトリーガーを設けててなるクローラ型土木
用車輌を堤起するものである。

次に実施の一例を図面に従い詳述する。

第１図は本考案の実施例装置の側面図で、ａは
クローラ型土木用車輌、ｂは前記クローラ型土木
用車輌ａを荷台２１上に積載せる路上運送用の運
搬車を示す。

前記クローラ型土木用車輌ａは、左右に一対に
装備せるクローラ２，２（図面上一方は明示して
いない）により自在に走行するよう形成した機体
１により、液圧シリンダにより起状回動及び屈曲
作動するブーム３とそのブーム３の先端に支架せ
るバケツト４とよりなる対地作業機が装架され、
さらに運転席及び操縦装置らを収容した運転室５
と、エンジン及び液圧装置を収容せしめた機筐６
とが装架されて構成してある。

前記路上運送用の運搬車ｂは、車体２０の上面
に前記クローラ型土木用車輌ａを積載し得る荷台
２１を設け、車体２０の下面の前部及び後部に、
ゴムホイルよりなる左右の前輪２２，２２及び左
右の後輪２３，２３を夫々軸架して台車状に形成
してある。該運搬車ｂは、左右の前輪２２，２２
を、かじ取り機構２４の作動によりかじ取り操作
し得る操向輪とし、また、左右の後輪２３，２３
は、それらの車軸２５，２５に差動歯車機構３０
を伝導連繋し、その差動歯車機構３０を介し駆動
し得るようにして、通常の駆動走行する車輌と同
様に形成してある。しかし、前記差動歯車機構３
０を介し左右の後輪２３，２３を駆動するための
エンジン及び、前輪かじ取り機構２４の操向作動
を行なう運転室は設けないで、該運搬車ｂに積載
する土木用車輌ａのエンジンの出力部を利用して
左右の後輪２３，２３の駆動を行ない、また、そ
の土木用車輌ａの運転室５を利用して、そこに操
縦ハンドル４０を設け、そのハンドル４０とかじ
取り機構２４とを連繋することで、運搬車ｂに積
載するクローラ型土木用車輌ａの運転室５内にお
いて操縦が行なえるようになつている。

即ち、運搬車ｂにはそれの差動歯車機構３０の
入力軸に出力軸が伝導連繋する液圧モーター３１
を設けて、そのモーター３１の往路及び復路の各
送油管を、油圧ホース（図示省略）により該運搬
車ｂに積載するクローラ型土木用車輌ａに設けら
れている液圧ポンプの油圧回路とカツプラー（図
示省略）を介し接続することで、クローラ型土木
用車輌ａのエンジンにより該運搬車ｂを駆動する
ようにし、また、運搬車ｂの車体２０と別体に形
成してあるエンジン４０を取付金具４１により第
１図の鎖線に示している如く、クローラ型土木用
車輌ａの運転室５の床に着脱自在に取付け、その
ハンドル４０とかり取り機構２４とを、油圧ホー
スまたはワイヤー等により連繋して、クローラ型
土木用車輌ａの運転室５内において、運搬車ｂの
操縦操作が稿なえるようにしてある。

しかして、上記路上運送用の運搬車ｂの荷台２
１上に積載した前記クローラ型土木用車輌ａに装
備せる前述のブーム３及びバケツト４よりなる作
業機は、路上運送用の運搬車ｂの荷台２１上にお
いて、液圧シリンダの作動によりブーム３を下降
回動及び屈曲回動させることで、その運搬車ｂの
荷台２１上から対地作業が行なえるように構成し
てある。そしてまた、該クローラ型土木用車輌ａ
の機体１には、該クローラ型土木用車輌ａを積載
した路上運送用の運搬車ｂの荷台２１上から、そ
の運搬車ｂの車輪（前輪２２及び後輪２３）が接
する地面Ｇに届くアウトリーガー５０が、該クロ
ーラ型土木用車輌ａの機体１の後端部に液圧シリ
ンダ５３により昇降自在に装架してある排土板５
１を、それの支持アーム５２を長く形成してウア
トリーガーに利用することで装備せしめてある。

即ち、機体１に装架せる排土板５１の支持アー
ム５２を、それが支持する前記排土板５１が、ク
ローラ型土木用車輌ａの機体１底部を下方に越え
て、該クローラ型土木用車輌ａを積載している運
搬車ｂの車輪（前輪２２・後輪２３）が接地して
いる地面Ｇに屈くまで下方に深く降下していくよ
う長く形成しておき、かつ、該支持アーム５２を
昇降作動せしめるための液圧シリンダ５３も、支
持アーム５２に前記作動を与え得るようストロー
クを長くしておいて、排土板５１を第１図におい
て鎖線に示している如く、下端縁が地面Ｇに接す
るまで降下させ、その状態で、前記液圧シリンダ
５３の液圧回路（図示省略）に設けた制御弁（図
示省略）により液圧シリンダ５２の作動をロツク
することにより、その排土板５１を、運搬車ｂの
荷台２１から地面Ｇに届くアウトリーガー５０と
して機能するようにしている。

なお、このように、クローラ型土木用車輌ａの
機体１に、該クローラ型土木用車輌ａが積載せれ
た運搬車ｂの荷台２１上からその運搬車ｂの車輪
が接する地面Ｇに届くように設けるアウトリーガ
ー５０は、クローラ型土木用車輌の機体に液圧シ
リンダにより昇降自在に設けられている通常のア
ウトリーガーの上下方向のストロークを、そのク
ローラ型土木用車輌ａを積載せしめた運搬車の荷
台の地上高に見合うように増大させるようにして
もよいものである。

なお、２６は、上述のアウトリーガー５０であ
る排土板５１を、アウトリーガー５０として作用
位置に降下せしめるときに、排土板５２の支持ア
ーム５２が干渉しないよう、運搬車ｂの車体２０
の前端部に設けた切欠きである。また、６０は運
搬車ｂの車体２０の前端に支軸６１により上下に
回動自在に設けて、その回動により車体２０の沈
下を防止するようにした、運搬車ｂのアウトリー
ガーである。

このように構成せる本考案装置は次のように作
用する。

第１図にて実線に示している如く、クローラ型
土木用車輌ａを、台車状の運搬車ｂの荷台２１上
に載架した状態において、クローラ型土木用車輌
ａの運転席に乗るオペレーターが、機体１に装備
せしめてある排土板５１よりなるウアトリーガー
５０を作動させて、同第１図で鎖線に示している
如く、運搬車ｂの荷台２１を越して下降させ、地
面Ｇに支承せしめた状態とし、その状態から作業
機（ブーム３・バケツト４）を作動させること
で、運搬車ｂの荷台２１上に積載された状態のク
ローラ型土木用車輌ａの作業機をもつて対地作業
が行なえるようになり、このとき、クローラ型土
木用車輌ａの機体１は前記排土板５１を利用した
アウトリーガー５０で直接地面Ｇに支持され、運
搬車ｂの車体２０にかかる作業時の荷重を軽減す
る。

そして、その作業現場において作業位置を変え
るとき、また、次の作業現場に移動するときは、
クローラ型土木用車輌ａの運転室にいるオペレー
ターが、その位置において、下降させていたアウ
トリーガー５０を引上げるよう作動させる操行を
行ない、また、液圧ポンプを作動させて運搬車ｂ
の後輪２３の車軸２５に伝導させて設けた液圧モ
ーター３１を駆動する操作と、運搬車ｂのかり取
り機構２４と連繋するハンドル４０の操作を行な
うことで、運搬車ｂを、それの荷台２１上に積載
されたクローラ型土木用車輌ａの運転室において
運転操作することで、この作業位置の変更および
作業現場の移動が行なえるようになる。

以上説明したように本考案によるクローラ型土
木用車輌は左右に一対に装架せる左右のクローラ
により自在に走行する機体に、対地作業を行なう
作業機を装備せしめるとともに、その作業機及び
前記クローラを駆動するエンジンならびに運転席
を設けてなるクローラ型土木用車輌を、ゴムホイ
ルよりなる前後の車輪により走行する台車状の運
搬車の荷台上に載架し、その運搬車の車輪を前記
クローラ型土木用車輌に装備せる液圧ポンプと接
続する液圧モーターにより駆動せしめ、その運搬
車のかじ取り機構を前記クローラ型車輌の運転室
内に設けるハンドルに連繋し、かつ、前記クロー
ラ型土木用車輌は、それの前記作業機を前記運搬
車の荷台上から対地作業が行なえるよう構成し、
それの機体に、前記運転席の荷台上からその運搬
車の車輪が接する地面に届くアウトリーガーを設
けて構成してあるのだから、路上運送用の運搬車
の荷台上に載架せしめたクローラ型土木用車輌
を、その運搬車の荷台から降ろすことなく、その
運搬車の荷台上から簡易な対地作業が運搬車の荷
台および車輪を損なうことなく安全に行なえ、ま
た、その運搬車の荷台上に載架してある該クロー
ラ型土木用車輌の運転室において、運搬車の走行
移動が行なえるようになつて、規模の小さい簡易
な工事の現場が散在している場合の作業効率を著
しく向上させるようになる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例装置の側面図、第２図
は運搬車の斜視図、第３図は同上平面図である。 図面符号の説明、ａ……クローラ型土木用車
輌、１……機体、２……クローラ、３……ブー
ム、４……バケツト、５……運転室、６……機
筐、ｂ……運搬車、２０……車体、２１……荷
台、２２……前輪、２３……後輪、２４……かじ
取り機構、２５……車軸、２６……切欠き、３０
……差動歯車機構、３１……液圧モーター、４０
……ハンドル、４１……取付金具、５０……アウ
トリーガー、５１……排土板、５２……支持アー
ム、５３……液圧シリンダ、６０……アウトリー
ガー、６１……支軸。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 左右に一対に装架せる左右のクローラにより自
   在に走行する機体に、対地作業を行なう作業機を
   装備せしめるとともに、その作業機及び前記クロ
   ーラを駆動するエンジンならびに運転席を設けて
   なるクローラ型土木用車輌を、ゴムホイルよりな
   る前後の車輪により走行する台車状の運搬車の荷
   台上に載架し、その運搬車の車輪を前記クローラ
   型土木用車輌に装備せる液圧ポンプと接続する液
   圧モーターにより駆動せしめ、その運搬車のかじ
   取り機構を前記クローラ型車輌の運転室内に設け
   るハンドルに連繋し、かつ、前記クローラ型土木
   用車輌は、それの前記作業機を前記運搬車の荷台
   上から対地作業が行なえるよう構成し、それの機
   体に、前記運搬車の荷台上からその運搬車の車輪
   が接する地面に届くアウトリーガーを設けてなる
   クローラ型土木用車輌。